映画『アバウト・タイム 愛おしい時間について』の概要:21歳になったティムは、過去に戻れる能力を手に入れる。父親からの忠告を守り、バーで出会ったメアリーとの恋を発展させていく。幸せな家庭を築き上げたティムは、父親の癌やキットカットの事故を機に、能力を使っている生活について考え直していく。
映画『アバウト・タイム 愛おしい時間について』の作品情報
上映時間:124分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:リチャード・カーティス
キャスト:ドーナル・グリーソン、レイチェル・マクアダムス、ビル・ナイ、トム・ホランダー etc
映画『アバウト・タイム 愛おしい時間について』の登場人物(キャスト)
- ティム(ドーナル・グリーソン)
- イギリスのコーンウォールに住む、素朴で心優しい青年。家族のことを大事に思い、能力を手に入れることで愛する人を見つけようとする。ロンドンで弁護士として働き、父親の友人のハリーと暮らすことになる。暗闇のバーで出会ったメアリーと恋に落ち、能力を使って幸せな家庭を築き上げる。
- メアリー(レイチェル・マクアダムス)
- アメリカ出身で出版社で働いている。ケイト・モスの大ファンで、能力を使いケイト・モスが好きだと言ったティムと交際を始める。大人しい見た目をしているが、大胆で可愛らしい。子供を3人産み、育児と仕事を両立している。
- ティムの父親(ビル・ナイ)
- 21歳になったティムに家族の男性のみ与えられた、過去に戻れる特殊な能力について話す。子供を産んだ後に能力を使うと、子供が変わってしまう恐れがあることもティムに話す。癌に侵され亡くなってしまうが、メアリーが3人目を産む直前に、幼い頃のティムと会って誰もいない海辺で散歩する。
- キットカット(リディア・ウィルソン)
- ティムの妹で、いつも紫のトップスを着て裸足で自由気ままに生活している。変わっている性格をしており、愛情表現が独特だが家族思いの優しい子。変な男と付き合うことで事故に遭ってしまうが、ティムとメアリーの力を借りて更生する。
映画『アバウト・タイム 愛おしい時間について』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『アバウト・タイム 愛おしい時間について』のあらすじ【起】
ティムは大晦日に新年を迎えるパーティーに参加したが、うまくはいかなかった。翌朝、父親から呼ばれたティムは、21歳になると時空の旅に出られることを伝えられた。それは家族の秘密であり、家族の中でも女性は知らない男性限定であった。父親から伝えられたティムは困惑しながらも、嬉しそうだった。早速教えられた方法で昨日のパーティーに戻り、気持ち良く新年を迎えることができた。
ティムは2週間家に滞在するシャーロットに、恋をしていた。シャーロットが帰る前の日、ティムは告白をしたがもっと早く言って欲しいと言われたため、能力を使い早めに告白した。だがシャーロットは帰る前の日に伝えてくれと言い、ティムはシャーロットが自分に気がないことを痛感した。
翌日、家を離れることにしたティムはロンドンへ向かった。ティムは父親の友人である、ハリーの元で暮らすことになった。法律事務所で働くティムは、先輩のローリーやジェイとつるむようになり、女性との関係は特になかった。
映画『アバウト・タイム 愛おしい時間について』のあらすじ【承】
ある日、ティムとジェイは暗闇の中で女性と話をするバーへ向かった。そこで知り合ったジョアンナとメアリーと仲良くなり、ジェイはジョアンナと出て行きティムはメアリーに連絡先を聞いた。心が踊りながら帰宅したティムは、最悪の1日を過ごしたハリーと話していた。すぐに能力を使ったティムはハリーの1日を素晴らしい日にしたが、メアリーと出会った夜は消え去ってしまった。
翌朝、ハリーから見せられた新聞を見たティムは、すぐさま展示会に行きメアリーを待っていた。暇つぶしにキットカットを呼び話しているとき、メアリーを見つけることができた。ティムはメアリーに話しかけたがうまくいかず、再び挑戦しジョアンナも交えてお茶をすることになった。しかしメアリーの彼氏が現れ、能力を使ったティムはメアリーと彼氏が出会う前にメアリーと会い、食事に誘った。
ティムは不器用ながらもメアリーとの食事を楽しみ、家まで送ったティムはメアリーにキスをした。そのままメアリーの部屋に上がったティムは、2回能力を使い3回メアリーと愛し合った。
映画『アバウト・タイム 愛おしい時間について』のあらすじ【転】
その後二人は付き合い、一緒に住みながら何度もデートを重ねた。ある朝、突然メアリーの両親がやってきた。緊張していたティムは、何回も能力を使い乗り切ることができた。
ローリーと劇場に行ったティムは、久しぶりにシャーロットと再会した。シャーロットはティムを誘い、二人で食事をした。ティムはシャーロットを家まで送り、シャーロットからの誘惑を断ち切った。ティムは急いで家に帰り、寝起きのメアリーにプロポーズをした。プロポーズを承諾したメアリーは、ティムの実家にやってきた。
久しぶりに実家に帰ってきたティムは家族でお茶をしたり、父親との卓球を楽しんでいた。みんなが集まる夕ご飯のとき、ティムはメアリーとの結婚と妊娠を発表した。
結婚式当日、ティムとメアリーは雨が激しく降る台風の中、家族や友達に祝福された。ティムは友人のスピーチを父親に頼み、父親はスピーチを2回やり直した。
時が経ち、メアリーは可愛い女の子を出産した。ティムはメアリーとの幸せな日々や、子供の成長を間近で見ることができていた。
映画『アバウト・タイム 愛おしい時間について』の結末・ラスト(ネタバレ)
子供のバースデイイベントの日、キットカットが事故に遭ってしまった。能力を使いキットカットを助け出したティムは、自分の能力について話しキットカットが事故に遭った原因となる新年のパーティーまで一緒に戻った。現在に戻ってきたティムは子供が男の子に変わっており、急いで父親の元へ向かった。
ティムは父親から子供が産まれる前に能力を使うと、別の子供に変わってしまうことを初めて知り能力を使うことなくキットカットを助けた。ティムとメアリーは待望の2人目が産まれ、4人家族になった。
ある夜、ティムは母親からの電話で、父親が癌であることを伝えられた。父親と会ったティムは優しく抱き締め、父親から幸せになる秘密を聞いた。それは、普通の生活をすることと、普通の生活を2回繰り返すことだった。
家族や親戚が集まる中、父親のお葬式が行われた。ティムは能力を使い、生きていた頃の父親と会って話していた。お葬式が終わり、ティムはメアリーからもう一人子供が欲しいと言われた。ティムは子供が産まれることでもう二度と父親と会えないことが気がかりだったが、子供を作ることを決心した。もうすぐ産まれるというとき、ティムは能力を使い父親に会いに行き、二人で誰もいない場所へ散歩にでかけた。これが父親との最後の日になった。
その後ティムはキットカットが母親になった姿や、愛する人と子供の成長を間近で見れる幸せを感じ、過去に戻れる能力を使うことはなかった。
映画『アバウト・タイム 愛おしい時間について』の感想・評価・レビュー
過去に戻れる能力を手に入れたティムは、不器用ながらメアリーとの恋を発展させることができたが、子供が変わっていたことや父親が癌になったことなど、予想外な出来事が次々と出てきて面白かった。何度見ても同じところで感動でき、ティムと父親との特別な関係や、家族を大事に思うティムの優しい姿に惹かれていった。家族の大切さや、愛する人との生活がどれほど大事なのか、教えてくれる映画である。(MIHOシネマ編集部)
家族代々、男性のみに受け継がれてきたタイムトラベルの力を、自分も使えることを知った主人公が、その力を駆使しながら自分の幸せを掴んでいくストーリーです。
人生で選択を間違えたとしても、時間を戻ってまたやり直して、すべての瞬間をベストな瞬間に変えることができる力を、最初はとても羨ましく思いながら見ていました。ですが、すべて見終わったときには、「過去を考えるのではなく、今この瞬間瞬間の幸せを自分が意識しながら過ごすことが大切なのだ。」とタイムトラベルに憧れる気持ちは無くなっていました。
家族や大切な人に会いたくなる、そんな心温まる感動作です。特に、父親との最後のシーンが印象的でした。(女性 30代)
本作は、21歳になったティムがタイムトラベルの能力を手に入れ、恋を成就させようとする姿を描いたラブヒューマンドラマ作品。
突如始まるファンタジー要素も違和感なく観れる。
ティムが最後に出した結論は、自分自身も大切にしたいと思えて共感できた。
また、「タイムトラベル」を使用する中で、二度とやり直せないからこそ一日一日に後悔のないように生きていきたいとうメッセージ性を感じた。
何度観ても、人生の輝きや幸せをじんわりと感じることができる素敵な作品。(女性 20代)
「タイムトラベル」ってすごく夢があって憧れますよね。1度は体験してみたいなって好奇心もありますが、戻れなくなってしまったらどうしよう、過去や未来が変わってしまったらどうしようなんて不安もあったりして。この作品で描かれるのはそんな「タイムトラベル」の能力を持った主人公が、その能力によって少しずつ成長していくストーリー。
特別な能力を羨ましいと思うのではなく、今自分が生きている時間を大切にしようと思わせてくれる作品でした。(女性 30代)
「タイムトラベル」という超能力を上手く日常に溶け込ませたストーリー展開で、派手なシーンもなくスッと心に入ってくる。単なるラブコメディではなく、平凡な毎日の素晴らしさを、一度きりの人生をどう過ごすべきなのかを教えてくれる優しい映画だった。
自然体でチャーミングなメアリーとお人好しで冴えないティムの2人のやり取りが終始可愛く、私もこんな素敵な夫婦になりたい。そして何よりビル・ナイ演じる主人公の父親がダンディで穏やかでカッコいい。親子の最後の別れは、切ないながらもその絆に温かい気持ちになった。(女性 20代)
タイムスリップを題材にした感動的なラブストーリー。
一目惚れした彼女との出会いを何度もやり直したり、お茶目で人間らしいところも笑える。軽快でハッピーな前半から一転、後半では重い選択を迫られるシーンが増えていく。まさに人生とはこういうものなのだと思わされた。何かを得るためには何かを失わなければならないし、中には不可逆な選択もある。だからこそ常に今を生きることが大切だと教えてくれる、ハートウォーミングな良作。(女性 20代)
幸せの秘訣は、毎日を普通に生活することと教えてくれる映画です。タイムトラベル機能を使って丁寧に諭してくれているようで、非常に説得力がありました。また、タイムトラベルという空想の機能が、現実世界に自然に取り入れられており興醒めすることもありません。ティムとメアリーの恋愛関係はうっとりするほど素晴らしいのですが、ティムと彼の父との関係性にはさらに感動しました。後半の、父との別れのシーンでは号泣し通しでした。(女性 30代)
登場人物全員が愛と優しさで満ち溢れている、タイムトラベルを題材にした恋愛映画です。
印象的なのは、大嵐で会場がめちゃくちゃになった結婚式直後のシーン。
残念がる主人公のティムに、ヒロインのメアリーが「私たちの人生も同じ。いろんな天気がある。楽しんで。」と語りかけるところです。
代わり映えのない日常に退屈している方に、是非おすすめしたい作品。
ヒロインのメアリー役を演じるレイチェル・マクアダムスの魅力溢れる演技も、この作品の見どころのひとつです。(女性 20代)
ティムの家族はみんな一風変わっているけれど、愛に溢れていて素敵でした。
タイムトラベルの能力の仕組みがちょっと分かりにくかったです。妹のキットカットと一緒に過去に戻るあたりから「どういうこと?」と考えてしまって、物語に集中できませんでした。あまり深く考えずに観たほうがいいかもしれません。
ティムは何度もタイムトラベルを使いますが、過去に戻らなくてもどこかでメアリーと出会い、幸せになっていたような気がします。
生きていればやり直したいと思うことは何度もありますが、やり直したからといって上手くいくとは限らない。今を受け入れて、自分の力で幸せになっていくことが大事なのだと思いました。(女性 40代)
みんなの感想・レビュー
あまりタイムトラベルSF系は好みではないが、この作品はSFチックではなく瞬間的な描写もない。初めはまさに青少年の欲そのものを叶えるためにタイムトラベルを使っているが、最愛の人に出会うと次第に使い方が変わっていく。経験する度に「時間」というものの大切さに気付くティムを見ているとこちらもそれに共感する。
時間を戻れば全てが上手くいく、あの頃に戻れたら。と私自身も思ったことがあるが、この作品を見て成功することが全てではない、時に失敗をするからこそ必要なものが見えてくる。考えを一新させられた作品でした。
タイムトラベル×ロマンスの王道と言えるべき作品だろう。タイムトラベルと聞くとどうしても派手で複雑な印象を持っていたので、本作を観た時は全く地味じゃないか!と拍子抜けてしまったが、実は人生を豊かにしてくれるメッセージが散りばめられていて価値観を変えてくれそうな作品でもあるのだ。
ラブストーリーも良いのだが、やっぱり涙を堪えきれなかったのは父親のシーンだ。今自分にとって大切な人とは?時間とは?を自然と考えさせてくれる作品に出会えて良かった。
硬派なSFを期待して見ると、タイムスリップのリスクの無さ、物語の整合性が気になって肩透かしを受けるかもしれない。けれど、「何気ない時間が、何よりの幸せだ」というメッセージを含むヒューマンドラマとして捉えると、人生にとっての大切な一本になるはず。見終わった後に、今過ごしている時間を大切にしようと考えさせられる。
加えて、ヒロインであるレイチェル・マクアダムスが本当にキュート。彼女の出演作の中でも特に、彼女の魅力を十分に堪能できる映画になっている。
メアリー役のレイチェル・マクアダムスがめちゃくちゃ可愛い。
後半が結構シリアスなので、前半タイムトラベルを駆使してバタバタラブコメしているあたりが一番楽しかった。ティムが現在でも過去でもシャーロットに振られるシーンは、わりと恋愛の真理をついた名シーンだと思う。
主人公が辿り着いた結論は説教くさくて少し苦手だが、父親が幸せになる秘訣として教えてくれた、“普通の一日をもう一度過ごしてみる”という能力の使い方は素敵だなあと思った。