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映画『マリー・アントワネットに別れをつげて』あらすじネタバレ結末と感想

映画『マリー・アントワネットに別れをつげて』の概要:マリー・アントワネットの朗読係を務めた女性の視点から描くフランス革命の真実。出演はレア・セドゥー、ダイアン・クルーガー。原作は「王妃に別れを告げて」。ブノワ・ジャコー監督の2012年フランス・スペイン映画。

映画『マリー・アントワネットに別れをつげて』 作品情報

マリー・アントワネットに別れをつげて

  • 製作年:2012年
  • 上映時間:100分
  • ジャンル:時代劇、ヒューマンドラマ、ラブストーリー
  • 監督:ブノワ・ジャコー
  • キャスト:レア・セドゥ、ダイアン・クルーガー、ヴィルジニー・ルドワイヤン、グザヴィエ・ボーヴォワ etc

映画『マリー・アントワネットに別れをつげて』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

映画『マリー・アントワネットに別れをつげて』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『マリー・アントワネットに別れをつげて』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『マリー・アントワネットに別れをつげて』 あらすじ【起・承】

1789年7月14日、早朝。ベルサイユ宮殿の侍女の部屋で、王妃の朗読係シドニー(レア・セドゥー)は目覚めた。菫の香水を付けて、王妃様の元へ急ぐ。王妃が気に入る本を選び、読むのが仕事。

シドニーは、「マリア・テレジアの追悼演説」を選ぼうとしたが、王妃の世話係のカンパン夫人(ノエル・ルボフスキー)から、王妃の好みは明るい話だと聞く。そこで選んだのは「フェリシー」という本。しかし、実際に読んだのは、ファッション雑誌だった。

昨晩、蚊に刺されてしまい、腕を思わず掻いてしまう。それに気づいたマリー・アントワネット王妃(ダイアン・クルーガー)は、シドニーの腕にローズ・ウッドの精油を塗ってくれるのだった。

いつもと変わらない優雅な生活だった。王妃は、ファッション雑誌で流行を知り、「衣装の見本帳」をめくっては新しいドレスにする刺繍の事でワクワクしていた。一方、パリでは、パンが不足しているという噂が広まっていた。

シドニーは、そんな不安な状況でも、ベルサイユでは何も起こるハズはないと考えていた。王宮で働く人は皆、夕食時に酒を飲み、バイオリンまでかき鳴らして楽しく過ごしていた。

1789年7月15日、ベルサイユ。シドニーは早朝にたたき起こされた。侍女の仲間が来て、”王様が夜中の2時に起こされたらしい。”と言う。バスティーユ牢獄が襲撃され、フランス革命が始まった。

食料も少なくなっているらしい。シドニーは、刺繍係が病気になったため、代わりにダリアの刺繍を頼まれます。シドニーは、本に対する情熱だけでなく、刺繍も上手なのだ。

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映画『マリー・アントワネットに別れをつげて』 結末・ラスト(ネタバレ)

いつも図書室にいるモローに、シドニーはバスティーユ牢獄の砲撃からどうなったかを聞く。モローは、絶望的な状態だと言う。その後、ルイ16世(グザヴィエ・ボーヴォア)が王宮を弟と共に去るのを目撃します。

王宮にも民衆が押しかけるようになり、シドニーは王妃の事が心配になります。貴族たちの間にも動揺が広まっており、”286の首を打ち落とさなければならない!”と書かれたギロチン・リストが出回り、それには王と王妃の名前も記されているらしい。

王妃は、このままでは民衆に殺される!と思い、引っ越す準備を始めていた。そこでシドニーを呼び、”ベルサイユからメスまでの最短距離が分かる地図”を探してきて欲しいと頼む。カンパン夫人は宝石を選び、整理する仕事を任されていた。

加えて、王妃の愛人ポリニャク夫人(ヴィルジニー・ルドワイヤン)を王宮に連れてきてと。ポリニャック夫人への真剣な想いをシドニーに訴えかけるのだった。シドニーはすぐにポリニャク夫人を訪ねるが、深夜のため彼女は熟睡していた。

7月16日、朝。侍女仲間と食事をするが、王と王妃はベルサイユにとどまる見込みだと聞く。物知りのモローは、ワインを飲みすぎて泥酔していた。王は会議の後、別の王朝が建つ可能性があると話したようだ。

モローにどうするのか聞かれたシドニーは、”なるべく、王妃様のそばにいます!”と答えた。王妃に再び、呼ばれてゆくと、王妃は愛人のポリニャク夫人と会っていた。ポリニャック夫人を国外へ逃がすらしい。

シドニーは、ダリアの刺繍を完成させた。休んでいると、再び起こされ、侍女が首をくくって死んだと言う。皆はモローの部屋に集まり、司教が呼ばれた。

7月17日、ベルサイユ。王は馬車に乗った。フランス革命を鎮圧するために。子供と共に残された王妃は、王の無事を願った。王妃は、全ての権限を国民に委ねるという趣旨の演説原稿を書き、シドニーに練習と称して読ませた。

その後、シドニーにポリニャク夫人のドレスを着せ、彼女の身代わりになるように命令した。ポリニャク夫人は召使いの恰好をして、執事に扮した夫と共に馬車でスイスに逃げるのだ。

こうして、シドニーはベルサイユ宮殿を離れた。

映画『マリー・アントワネットに別れをつげて』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『マリー・アントワネットに別れをつげて』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

読書好きにはたまらない!フランス革命を見つめた、朗読係の物語

絶対王政下のフランス。7月14日のバスティーユ牢獄襲撃をきっかけに、民衆が中心となって王政を倒したのが”フランス革命”です。その後、ルイ16世と王妃マリー・アントワネットがどうなったか。

2人は、斬首刑になり、悲惨な最期を遂げました。絶対王政から共和制へと政治が変わります。その歴史を知っているから、より一層、緊張感を持って楽しめます。

朗読係シドニーの様に王妃のそばに仕えていた女性が実際にいたそうです。史実によると、ルイ15世の末妹に朗読係として仕えていた、カンパン夫人です!後に彼女は、王妃マリー・アントワネットの首席侍女となり、会計や宝石係としても活躍。

宮廷生活についての回想録も残しています。源氏物語のような優雅な宮廷生活が想像できますね。王妃は孤独です。朗読係として、寄り添いながら彼女を支える大切な存在だったと思います。

レア・セドゥー演じる、朗読係シドニーは、寝起きもキュートで、本だけでなく刺繍も得意な女性。しかし、侍女仲間にさえ、自分の素性を明かしていません。田舎出身で、孤児であることが後半に明かされます。

知的でクールな役柄を演じさせたら、レア・セドゥーは完璧です!また撮影は、ベルサイユ宮殿で実際に行われました。マリー・アントワネットの部屋や図書室、主賓を迎える鏡の間など美しい建築や豪華絢爛な衣装にも注目して下さい。

危険なカンケイ~王妃とポリニャック夫人

この映画は、歴史的背景や衣装だけでなく、恋愛物としても面白い!特に王妃マリー・アントワネットとポリニャック夫人の関係性は見どころです。史実でも、王妃の秘密の恋人だったと言われ、王妃はポリニャック夫人を助けるため、宮廷から逃がします。

スイスからオーストリアまで逃亡し、王妃が亡くなった1793年10月16日から50日後に彼女も亡くなりました。劇中では、緑色の派手なドレスをまとい、やや気位が高く演じられています。あのギロチン・リストに彼女の名前も書かれていました。

王妃の恋人が同性なので驚いた人もいるでしょう。朗読係のシドニーは、王妃の心を知った時、どう思ったのだろう?その後、ポリニャック夫人の身代わりを演じさせれます。革命は、王宮の中にも吹き荒れていたのだ!

王妃の無常な命令にもかかわらず、最後まで凛とした態度を保ちつづけるシドニーに清らかさを感じます。3人の対比も鮮やかで、女性の視点や人物への親近感に生かされています。

映画『マリー・アントワネットに別れをつげて』 まとめ

もし、フランス革命時に生きていたら、シドニーのような朗読係を体験してみたい。王妃マリー・アントワネットに心酔し、1番近くで王妃を支えていた存在です。彼女の純粋な想いとは裏腹に歴史の荒波に巻き込まれ、命を狙われてしまう。

朗読係シドニーを演じるレア・セドゥーは、静かで力強い。王妃に寄り添い、本を読むシーンと身代わりとなるポリニャック夫人の緑のドレスをまとうシーンに注目して下さい。同じ人と思えないほど、後半の演技に圧倒されます。

王妃よりも美しく、気高いのです!緊迫した3日間を見つめ、静かに運命を受け入れる彼女の姿に引き寄せられずにいられません。最後に撮影場所となったベルサイユ宮殿内部や資料図書館は、見学・利用ができます。

この映画を観て、興味を持った方はぜひ1度、ご覧下さい。ルイ16世は読書好きだったと言われ、見事な図書室を持っています。ルイ16世や芸術を愛したマリー・アントワネットの想いに触れてみてはいかが。

みんなの感想・レビュー

  1. 影山 美穂 より:

    >テス様、旅人様

    ご指摘ありがとうございます。
    「絞首刑」から「斬首刑」に文章を修正いたしました。

  2. 旅人 より:

    >2人は、絞首刑になり、悲惨な最期を遂げました。
    とありますが、ギロチンで斬首ですね。

  3. テス より:

    絞首刑ではなく断首刑ではありませんか。
    私はDVDの小さな画面で見たので、色々と見落としている事に気づきました。
    王妃役の女優の美しさも印象的でしたね。革命前夜に謁見する時の、いかにもベルサイユな扮装が革命前夜の危機に瀕しているのに、それを読み取れていない、または死の足音を感じなら、定められた日常を送る事で平静を保とうとする脆弱さを感じさせました。
    細やかな演出が散りばめられた作品なのだと、感想を読んで思いました。