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映画『ベロニカとの記憶』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ベロニカとの記憶』の概要:自殺した高校時代の旧友が日記を書き残していたことを知り、初恋の人との過去の記憶に向き合うことになった初老の男性を描いた人間ドラマ。イギリスの権威ある文学賞であるブッカー賞を受賞した小説を映画化。

映画『ベロニカとの記憶』の作品情報

ベロニカとの記憶

製作年:2017年
上映時間:108分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ラブストーリー、青春
監督:リテーシュ・バトラ
キャスト:ジム・ブロードベント、ハリエット・ウォルター、ミシェル・ドッカリー、エミリー・モーティマー etc

映画『ベロニカとの記憶』の登場人物(キャスト)

トニー・ウェブスター(大人:ジム・ブロードベント / 若き日:ビリーハウル)
離婚して単身で暮らし、カメラの中古販売店を営んでいる。ベロニカに振られ、親友のエイドリアンが自殺した過去に引きずられている。
ベロニカ・フォード(大人:シャーロット・ランプリング / 若き日:フレイア・メイバー)
トニーの元恋人で、カメラ好きのミステリアスな女性。
マーガレット・ウェブスター(ハリエット・ウォルター)
トニーの元妻で、王室顧問弁護士。
スージー・ウェブスター(ミシェル・ドッカリー)
トニーの娘で、初めての出産を控えた妊婦。シングルマザーになろうとしている。
エイドリアン・フィン(ジョー・アルウィン)
若い頃のトニーの親友で、ケンブリッジ大学で哲学を専攻していた。ベロニカと親しくなるが、自殺してしまう。
セーラ・フォード(エミリー・モーティマー)
ベロニカの母。死後、トニーの過去に関わる重要な遺品を残す。

映画『ベロニカとの記憶』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ベロニカとの記憶』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ベロニカとの記憶』のあらすじ【起】

老境に入り、トニーは自らの人生を肯定したい思いに囚われている。足を怪我したマーガレットに代わり、妊娠中のスージーと共に妊婦教室に参加したりしている。ある日、弁護士事務所から手紙を受け取ったトニーは、その内容を読んで動揺してしまう。そして、弁護士事務所に自分の身分証の写しを送る。

しばらくしてトニーは、セーラが遺言として残した自分宛ての手紙を受け取る。手紙には、エイドリアンに関する思い出の品を残したと書かれていたが、肝心の思い出の品は同封されていなかった。トニーは弁護士事務所を訪れて事情を確認し、思い出の品が日記であることを知る。しかし、日記は弁護士事務所ではなく、遺言執行人であるベロニカの元にあるという。受け渡しを求めるため、トニーはベロニカの住所を聞き出そうとするが、弁護士はベロニカ本人の承諾なしにトニーに知らせることを拒否する。

トニーは助言を求めるために弁護士であるマーガレットに会い、過去について語り始める。

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映画『ベロニカとの記憶』のあらすじ【承】

トニーがベロニカと出会ったのは学生時代のパーティーでのことだ。2人はその夜、つり橋を見学したり、トニーの部屋に行ったりして距離を縮めていく。

2人は付き合い始め、トニーはベロニカの実家に招待される。トニーはそこで洗濯を取り込んでいるセーラに見取れてしまう。夕食の席で、トニーが詩人になりたいことを告げると、セーラは自分が好きだという詩を引用してみせる。翌朝、セーラに朝食を作ってもらったトニーは、去り際までセーラのことが気になって仕方がない。

トニーが何か隠し事をしていると感じたマーガレットは、トニーの回想話を中断させ、しっかり話す気になったら連絡するように告げる。再度、弁護士事務所を訪れたトニーは、ベロニカが日記を受け渡すことを拒んでおり、日記はエイドリアンが書いた物だと告げられる。トニーはマーガレットの元を訪れ、話を聞いてくれるように懇願し、エイドリアンについて語り始める。

エイドリアンはトニーの高校に新たに入ってきた転校生だった。2人は、哲学や詩、歴史などについて議論を交わし、親友となる。2人は高校卒業後も連絡を取り合うほど緊密だった。

映画『ベロニカとの記憶』のあらすじ【転】

トニーはベロニカとの関係についてもマーガレットに続きを話す。

実は、エイドリアンとベロニカの関係は将来を描くことなく、終わりを迎えてしまう。その後、トニーはエイドリアンからメッセージを受け取り、エイドリアンがベロニカと親しくなり付き合うつもりであることを知らされる。トニーは自分に遠慮する必要はないとの手紙を書く。しかし、エイドリアンは浴槽で手首を切って自殺してしまう。

何とかエイドリアンの日記を手にしようとするトニーの元に、ベロニカ本人から電話が掛かってくる。ようやく再会を果たすも、ベロニカは日記を燃やしたことを告げ、内容を明らかにすることを拒む。そして、1通の手紙を渡して立ち去ってしまう。トニーはベロニカの後をこっそり追い、普段利用している駅を突き止める。

トニーはベロニカから受け取った手紙を読み始め、愕然とする。それはトニーがかつてエイドリアンとベロニカに宛てて書いたものだった。トニーは2人の交際について、自分のことを気にしないようにと書いた手紙は送らずに破り捨て、代わりにもっと憎しみに満ちた手紙を出していたのだ。その中でトニーは、復讐として2人の間に子どもが出来ることを望み、エイドリアンにセーラに会うことを勧めていた。

映画『ベロニカとの記憶』の結末・ラスト(ネタバレ)

トニーは再度ベロニカに会おうと駅で待ち伏せする。すると、ベロニカが若い男と親しそうにしながら、集団で歩いてやってきた。トニーはその様子をじっと見守り、ベロニカが1人になって自宅に戻るのを尾行する。そして、コーヒーを飲む約束を取り付ける。その後、トニーは若い男らが入っていったパブに向かい、男の名が「エイドリアン」であることを知る。トニーは男がエイドリアンとベロニカの子で、エイドリアンの自殺の原因はベロニカの妊娠だったと思い込む。

カフェでベロニカと会ったトニーは、手紙のことを謝罪し、日記は「エイドリアン」の母であるベロニカが持つべきだと告げるが、ベロニカは怒ったように席を立ってしまう。

再びトニーがパブに行くと、そこに「エイドリアン」が前と同じ集団で入ってくる。そのうちの1人がトニーと会話を始め、「エイドリアン」が実はセーラの子であることを明かす。ようやく全ての真相を知ったトニーは、セーラに会うことを勧めた自分の手紙に責任の一端があったと感じる。

トニーはスージーの出産に立ち会い、そしてマーガレットに対し、自分が退屈で鈍感な夫であったことを謝る。トニーは他人への親切心も見せるようになり、ベロニカにも改めて詫びる手紙を送る。スージーが孫を連れて店を訪ねてくれ、トニーは店先で談笑しながら孫を可愛がる。

映画『ベロニカとの記憶』の感想・評価・レビュー

事前にジュリアン・バーンズによる原作小説『終わりの感覚』を読んでいたので、非常に忠実な映画化だと感じた。リテーシュ・バトラ監督の前作『めぐり逢わせのお弁当』は素晴らしい出来だったのに対し、本作は平凡な作りで期待外れだった。主人公が辿る心の軌跡はドラマ性に満ちているはずだが、物語が平坦に進行してしまうために登場人物に感情移入することが難しかった。(MIHOシネマ編集部)

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