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映画『ベスト・オブ・エネミーズ 価値ある闘い』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ベスト・オブ・エネミーズ 価値ある闘い』の概要:1971年、南部の小学校で黒人と白人の人種統合を巡る討論会が行われた。共同議長に選ばれたのは、黒人公民権活動家とKKK支部長。敵対する2人に、やがて意外な心の変化が起きる。差別が根強い地域で実際にあった感動の物語。

映画『ベスト・オブ・エネミーズ 価値ある闘い』の作品情報

ベスト・オブ・エネミーズ 価値ある闘い

製作年:2019年
上映時間:133分
ジャンル:ヒューマンドラマ、歴史、伝記
監督:ロビン・ビセル
キャスト:タラジ・P・ヘンソン、サム・ロックウェル、ウェス・ベントリー、アン・ヘッシュ etc

映画『ベスト・オブ・エネミーズ 価値ある闘い』の登場人物(キャスト)

アン・アトウォーター(タラジ・P・ヘンソン)
人種隔離に反対する公民権活動家。雄弁かつ勝ち気な性格で「暴れん坊のアニー」と呼ばれている。黒人と白人との人種統合を巡る市民討論会で、黒人代表として共同議長に選ばれる。
C・P・エリス(サム・ロックウェル)
人種隔離に賛成する白人至上主義団体KKKの支部長。討論会で白人代表の共同議長に選ばれる。KKK活動は無報酬であり、経営するガススタンドは黒人を受け付けないため収入が少ない。ダウン症の息子がいる。
ビル・リディック(バボー・シーセイ)
人種統合を巡る討論会“シャレット”を仕切る調停の専門家。黒人と白人の間に入り、お互いを理解させようとする。シャレットの最終日には投票が行われ、その決議は市議会で遂行される。
フロイド・ケリー(ウェス・ベントリー)
KKKのメンバーで、過激な黒人排斥活動を行っている。最終日の投票前に妨害工作を行う。

映画『ベスト・オブ・エネミーズ 価値ある闘い』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ベスト・オブ・エネミーズ 価値ある闘い』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ベスト・オブ・エネミーズ 価値ある闘い』のあらすじ【起】

1971年、ノースカロライナ州ダーラム。公民権活動家のアン・アトウォーターは黒人の権利を守るため、日夜活動を行っていた。市議会で黒人向け住宅の家賃の不当性を訴えるが、白人ばかりの議会で黒人の陳述は見向きもされず、悔しい思いをする。

一方、白人至上主義団体KKKの支部長を務めるCP・エリスは集会場の壇上に上がり、白人の権利と自由を黒人から守るという団体の意義をスピーチした。暴力的な活動も行う彼だが、素顔はガススタンドの経営者で家族を愛する父親。息子のラリーはダウン症で入院中であった。

ある日、アンの娘が通う小学校が火事になり、白人の学校との人種統合が検討される。市議会では校舎は使用可能だと一方的に判断したため、全米黒人地位向上教会(NAACP)が市に訴訟を起こした。その結果、調停人のビル・リディックの仕切りで討論会“シャレット”が行われることが決定。それは意見の違うものを討論させ、最終日の結果は市議会で遂行されるというもの。互いの同席を嫌がる市民たちだったが、ビルは両者の間に入って説得した。

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映画『ベスト・オブ・エネミーズ 価値ある闘い』のあらすじ【承】

黒人のアンと白人のCPは共同議長を依頼された。2人ともそれぞれ拒絶するが、敵を知るためだと説得され、議長を引き受ける。シャレットの開催期間は2週間。場所は中学校の体育館で、黒人と白人の席に分かれて行われることになった。

議題を決める過程で、黒人の授業が白人よりも一年遅れているという現状が判明する。黒人には1年遅れた教科書が与えられているという問題が背景にあった。討論会は度々紛糾する中、黒人の牧師は会の最後にゴスペルを演奏して終わろうと提案する。すると、白人代表のCPはゴスペルに対抗し、会場の入り口にKKKの白い衣装を飾りたいと提案した。調停人のビルは両方を認め、入り口には衣装が飾られ、会後にはゴスペルが歌われることになった。

黒人の若者がKKKの衣装や冊子を飾った台を壊そうとしたが、アンはそれを制止。壊すのではなく、KKKの本を読んで、彼らが一体何者なのかを理解するのだと説得する。ビルは黒人と白人を互いに理解させるため、食堂で隣同士に座らせることにした。アンとCPは対面で座り、苦々しい顔で食事をするのだった。

映画『ベスト・オブ・エネミーズ 価値ある闘い』のあらすじ【転】

ダウン症の息子ラリーが相部屋の子供に拒否反応を起こして激しく怯えたため、CPは病院に呼び出された。しかし、高額な個室料金は払うことができず、ラリーは相変わらず相部屋のままになる。アンは知り合いの看護師に交渉し、ラリーを相部屋から個室に変えてもらった。それを知ったCPは、アンに感謝しながらも素直に表現できず、俺を助ける真似をするなと言い放つ。アンは「私はお節介なんだよ」と言い返すのだった。

最終日で投票をする代表委員が選出され、工具店経営者の白人リーも選ばれた。彼は黒人に店長を任せており、CPはその理由を尋ねた。すると、店長の男はベトナム戦争の戦友であり、家族以外で信頼できる唯一の男だと言われ、CPは納得するのだった。

委員は火事となった黒人の小学校のその後を見学した。子供たちがまだ焦げ臭い校舎で授業を受けていることを知り、CPたちはショックを受ける。彼の妻メアリーはアンの家を訪問し、ラリーを個室に変えてくれたことに感謝の気持ちを伝えた。

映画『ベスト・オブ・エネミーズ 価値ある闘い』の結末・ラスト(ネタバレ)

投票前日、市議会議員は投票妨害を画策した。賛成票に投じそうなリーの店を営業停止にし、ある女性委員を脅迫する。その工作を知ったCPはKKKに失望。その夜、KKKの緊急集会が開催され、CPは脈絡もなく最優秀支部長に認定され、困惑気味になるのだった。

投票当日。あらゆる議題が通過し、最終議題である人種統合の投票が始まった。委員12人のうち8票の賛成で決議となる。アンもリーも賛成に投票、脅された女性委員は反対に投じ、最終投票者のCPに全てが委ねられた。当然、反対票に投じるだろうと思われる中、彼はKKKの会員証を取り出すと「もう信じていない」と破り捨て、賛成票を投じる。人種統合は賛成で決議され、場内は大いに沸いた。

CPは白人の怒りを買い、ガススタンドを放火された。火は消し止めたものの、白人の客がゼロとなり、店は廃業に追い込まれる。アンは黒人の客を集め、スタンド前には黒人の車の長蛇の列が並ぶ。アンは「私はお節介なんだ」と笑い、CPは忙しく対応した。

その後、アンとCPは共に全米で講演を行い、CPが死ぬまで2人は親友であり続けるのだった。

映画『ベスト・オブ・エネミーズ 価値ある闘い』の感想・評価・レビュー

黒人差別が横行する南部の州で、1971年に実際にあった友情物語。敵対する黒人公民権活動家と、KKKの支部リーダーの間でこんな素晴らしい出来事があったとは驚きだ。

タラジ・P・ヘンソンは本人になり切って演じたと思われ、貫禄たっぷり。ストーリーはサム・ロックウェル演じるCPの心の変化に重きが置かれており、最後の投票シーンは胸が熱くなるのを感じた。エンドロールでCP本人が登場し、「人生の大転換に代償は付き物だ」と言った言葉が実に深い。映画を通してまた一つ、知らない歴史を学ぶことができた。(MIHOシネマ編集部)

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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