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映画『ボーイズ・オン・ザ・サイド』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ボーイズ・オン・ザ・サイド』の概要:それぞれに違う事情を抱えた3人の女性が集い、共に旅をするロード・ムービー。道中育まれる、女性同士の友情や変化を繊細に名匠ハーバード・ロスが描いている。主演にウーピー・ゴールドバーグを迎えた1995年の名作。

映画『ボーイズ・オン・ザ・サイド』の作品情報

ボーイズ・オン・ザ・サイド

製作年:1995年
上映時間:117分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、青春
監督:ハーバート・ロス
キャスト:ウーピー・ゴールドバーグ、メアリー=ルイーズ・パーカー、ドリュー・バリモア、ビリー・ワース etc

映画『ボーイズ・オン・ザ・サイド』の登場人物(キャスト)

ジェーン(ウーピー・ゴールドバーグ)
バー専属のシンガーとして15年以上勤めていたが、突然解雇されLAで夢を叶えるために旅に出た。正義感が強い女性で、ロビンとホリーの幸せを第一優先で行動する。
ロビン(メアリー=ルイーズ・パーカー)
新聞に同行者を募集していたことを機に、ジェーンと知り合い共に旅に出た女性。堅実な考え方の持ち主だが、深刻な病気を抱え、新境地を目指していた。ジェーンと知り合い少しずつ変化していく。
ホリー(ドリュー・バリモア)
ジェーンの古くからの友人。恋愛体質でDV被害を受けていた環境からジェーンとロビンが救い出してもらった。楽観的な部分がある女性で、二人と一緒に旅に出た。
エイブ(マシュー・マコノヒー)
誠実な警察官。ホリーと恋に落ち、前科を知って一緒になるために罪を問わせた。出所後もホリーと共に家庭を築いていく。
アレックス(ジェームズ・レマー)
3人が永住を決めた先でバーを経営する男性。ロビンと恋に落ちるも、エイズが壁となって関係を深められずにいた。

映画『ボーイズ・オン・ザ・サイド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ボーイズ・オン・ザ・サイド』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ボーイズ・オン・ザ・サイド』のあらすじ【起】

バー専属の歌手として歌っているジェーン。突然解雇されてしまい、LAに行こうと決意した。しかし、相方であるギタリストはスタジオの仕事や恋人がいるため、一緒に行くことはできないという。新聞で西海岸までの同乗者を募集する記事を見つけ、意を決したジェーン。早速、翌日依頼主と会うことになる。広告業界で働くロビンは、ジェーンと同じく再出発をするために旅に出るという。趣味嗜好の合わない女性と旅に出る不安を抱えるジェーンだったが、目の前で車がレッカーで持っていかれてしまう。良い踏ん切りがついたジェーンは翌日出発することに決めた。長らく住んだ町と離れる前夜は各々に思いに更け明けていく。

翌朝、ロビンが車で迎えに来た。道中、ロビンの弟は6歳の時に癌で亡くなっていると知る。さらに神経質なロビンは、途中で寄った店のトイレで吐いていた。顔色が悪く心配するジェーンをよそに、車を走らせておけば治る心因性のアレルギーだと言い張るのだった。

コテージで友人に電話をしていたジェーンの部屋に、ロビンが映画を見ようと訪ねて来た。恋愛映画を見ていても二人の価値観は真逆であった。ロビンの夢は「幸せな家庭を持つこと」。とても古い考えだとこれまで男性たちには逃げられてきたという。少しずつ会話を重ね、二人の距離は近づくのであった。

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映画『ボーイズ・オン・ザ・サイド』のあらすじ【承】

ピッツバーグに着き、ジェーンはロビンを車に残し友人のホリーの家を訪ねた。ホリーはニックという男性と住んでいたが、酷いDVに悩まされていた。びくびくとしたホリーの様子に、助けようと無理やり家に入ったジェーンだったが、酔っているニックは止められず手を出されてしまう。ニックの怒りの根源は、麻薬が見つからないこと。実はすでに売っていたのに、酔って忘れているという。冷静なロビンは相手に電話させ、売ったことに納得したが次はお金がないと暴れ出したのである。しびれを切らしたホリーはバッドでニックを殴りつけてしまった。自業自得だと意見が一致した3人は、ニックを縛り付け3人で再出発すること。ホリーは去り際、拘束されたニックと記念撮影をして家を出るのである。

それぞれ行き先が違うロビンとジェーン。ホリーは一人ニックの元に戻ろうとしていた。危険だと忠告するジェーンに対して、ロビンに恋しても無駄だと余計なおせっかいを言うホリー。翌日、ホリーはピッツバーグへ行くバスに乗った。見送った矢先、ロビンは麻薬の売人が遺体で見つかったというニックの死亡記事を見つける。すぐにバスを追いかけ、ホリーを引き留めた二人。正当防衛を主張して警察に行くべきだと説得するジェーンだったが、ホリーは「赤ちゃんと刑務所に行きたくない」と問題発言をする。父親がニックかどうかもわからないというホリーに対して、ロビンは弁護士に連絡だけしておくと伝えるのだった。

新聞記事を見なかったことにして旅を続けることにした3人。ジェーンが車の中で寝ている間に、ホリーとロビンは食事をしていた。そこで初めてジェーンがレズであることをロビンは知るのであった。

映画『ボーイズ・オン・ザ・サイド』のあらすじ【転】

観光をしながら、旅を楽しむ3人だったが、とある日ロビンが店のトイレで倒れてしまった。発見したジェーンが救急車を呼び、病院へ運ばれたロビン。診断結果は肺炎で2日入院が必要だということ。そしてその肺炎はエイズの合併症だとジェーンは知らされる。ロビンは泣きながら隠していたことを謝った。他の土地に行けばエイズである事実が変わるかもしれないと思ったというロビンに対して、実はレズであることをジェーンも告白をした。行くところが無くなったと嘆き暴れるロビンを、ジェーンは抱きしめ旅を中断して留まろうと提案するのだった。

3人はアリゾナに一軒家を持ち、一緒に住み始めた。ホリーのお腹も大きくなり、ロビンの体調も落ち着いていた。とある夜、仲間たちと開いていたジェーンの誕生日パーティー。バーテンのアレックスはロビンに好意を寄せていた。二人の関係の進展にジェーンが喜んでいた矢先、警官がホリーを探しに訪ねて来た。もしやニックのことが知れたのではないかと緊張感が走るなか、実はホリーは警官のエイブと付き合っていたというのだ。その夜はホリーが家を使う日として、ジェーンとロビンは外で待っていた。家の中に戻ると、大きなリボンのかかったピアノがある。それはシンガーとして夢を追うジェーンへのプレゼントであった。

翌日、アレックスはロビンと関係が深められないと悩んでいた。ロビンには恋人が必要だと思っているジェーンは、こっそりとアレックスにアドバイスをしていた。その夜、お祭りに一緒にいった二人は素敵なデートを過ごす。一方で、ホリーもエイブと過ごしていた。エイブはその時ニックのことを知っていると告白する。実はホリーは眠っている間にニックの名前を呼んでいたのだ。気を取り直して踊りに行く二人。その頃ロビンはアレックスに迫られていた。一線を越えたいと思う一方、エイズのことを気にかけているため理性が邪魔をしているロビン。意を決してロビンが告白をすると、アレックスは実は全てを知っていた。「哀れな女と寝て英雄になりたいの?」と嘆くロビン。アレックスを拒絶してしまうのだった。

翌朝、ロビンは露骨にジェーンを避けていた。とげとげしいロビンの態度に身を引こうとするジェーンに対して、「家を出ていって」とロビンは告げた。その夜、エイブから結婚を迫られたホリー。正直に、ニックがもう死んでいることと真相を話したホリーだったが、それでもエイブは一緒にいたいと言ってくれた。

映画『ボーイズ・オン・ザ・サイド』の結末・ラスト(ネタバレ)

ロビンは疎遠になっていた母親に連絡を取った。ホリー、エイブと一緒に4人で食事をしたが、ロビンは母親にエイズのことを告白できずにいた。母親と外出していたロビンが戻ると、ジェーンの姿があった。エイブに呼び出されていたのだ。エイブは未来の妻であるホリーに罪を償わせようと、同僚に逮捕させていた。ロビンの母親に酷い態度をとられたジェーンは、たった一人でホリーを救うと言い切りその場を離れる。裁判が始まり、正当防衛を主張するジェーンに対して、検事はレズであるゆえに恋愛感情でホリーを救おうとしているのではないかと追及された。エイブは正義のためだと助けてはくれず八方塞がりの状況である。

その頃、ロビンは母親ときちんと話し合っていた。「大切にしなければならない存在」に気づいたロビンは、裁判所に向かう。ジェーンの力になるため、証言台に立ちDVの真実や一緒に過ごした時間を話した。そのおかげで、ホリーは情状酌量が認められた。無罪とはならないが、エイブは受け止めるべきだとホリーを説得する。赤ん坊は出所までエイブが面倒を見ると決め、ホリーは刑を受けることにした。愛の力に呆れかえるジェーンとロビン。すると安堵したのかロビンは倒れ込んでしまった。以前「病気の呪いがついている」と占い師に宣言されていたジェーン。呪いを解いてほしいと頼みに行くのである。弱り切ったロビンは、葬式など自分が死んだ後のことをジェーンに依頼する。そして道中で感じた愛情を伝えるのであった。

子供を産み、出所したホリーが帰宅した。そこには盛大に迎え入れた仲間たちと生き延びたロビンの姿がある。衰弱しているものの、ジェーンの看護の元命を繋いでいるロビン。ジェーンはホリーの帰宅を祝うため、愛の歌を歌った。その目線はロビンだけを見つめており、愛情を受け取ったロビンは涙を流すのである。

しばらくたった頃、ジェーンはロビンとの思い出を思い返しながら家を出た。見送ったホリーとクリスマスには帰ってくること、オーディションの結果を知らせることの約束を交わして。

映画『ボーイズ・オン・ザ・サイド』の感想・評価・レビュー

いい大人になってから、友情を新たに築いていくというのは難しいものである。今作はロードムービーでありつつ青春物語の様な爽快さが残る一作であった。名セリフが非常に多く、不意に思い返したくなる名作。それぞれが置かれた環境から抜け出し、「身を寄せる場所」を手に入れる。それが正解であるかはわからないが、男性監督が描いた女性の物語はとても芯のある展開であった。(MIHOシネマ編集部)

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