この記事では、映画『カリフォルニア・ドールズ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『カリフォルニア・ドールズ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『カリフォルニア・ドールズ』の作品情報

上映時間:112分
ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ、スポーツ
監督:ロバート・アルドリッチ
キャスト:ピーター・フォーク、ヴィッキー・フレデリック、ローレン・ランドン、バート・ヤング etc
映画『カリフォルニア・ドールズ』の登場人物(キャスト)
- ハリー(ピーター・フォーク)
- カリフォルニア・ドールズのマネージャー。ドサ回りの試合ばかり契約して彼女たちから文句を言われながらも、強い絆で結ばれている。愛車はオンボロの黄色いキャデラック。
- アイリス(ヴィッキ・フレデリック)
- カリフォルニア・ドールズ。しっかり者の性格で、先行きを不安がるモリーを励ましている。リノの試合に出たいがために、興行師の大物エディに対して枕営業を行う。
- モリー(ローレン・ランドン)
- カリフォルニア・ドールズ。金髪。レスラーになる前はコールセンターで働いていた。プロレスラーで成功したいという野心を持っている。
- エディ(バート・ヤング)
- プロレスの大物興行師。ドールズのギャラを値切ってばかりでハリーから恨まれ、愛車を壊される。それ以来ハリーを目の敵にしている。
映画『カリフォルニア・ドールズ』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『カリフォルニア・ドールズ』のあらすじ【起】
女子プロレスのタッグ・チーム「カリフォルニア・ドールズ」のアイリスとモリーは、いつも地方のドサ回りばかりしていた。マネージャーのハリーは興行師とのギャラ交渉で値切られてばかりで、1試合たったの240ドル程度。移動手段はハリーが運転するオンボロのキャデラックで、食事はハンバーガー、宿泊は安いモーテルだった。
ある日ドールズは、日本から来たミミ萩原とジャンボ堀と対戦する。試合はドールズが勝つものの、興行師のエディにギャラを値切られてしまった。ハリーは不満が爆発し、エディの車をバットでボコボコにぶち壊す。先が見えない現状に不満を漏らすモリーに、アイリスは3人で頑張ろうと励ますのだった。
冬場でも車の暖房を使わず、トレーニングは移動を兼ねた40キロ走など、節約の旅を続けるドールズたち。現状を打開するためにイメチェンを提案するハリーだったが、彼女たちは小細工をしたくないと反対して喧嘩となる。ハリーはチャンスを掴みたければ俺の言うことを聞けと、熱いまなざしで2人を説き伏せるのだった。

映画『カリフォルニア・ドールズ』のあらすじ【承】
次の試合は初対戦のトレド・タイガースに決まった。タイガースの地元オハイオで開催されるため、客の大半はタイガースファン。しかし、ガールズはイカサマなどしたりせず、タイガースに勝利した。
次に向かうはシンシナシティ。500ドルの試合だと聞かされていたが、実は泥レスリングだった。冗談じゃないと帰ろうとするドールズを、ハリーはギャラの水準を上げるためだと説得する。ドールズは納得して泥レスに出場。泥まみれでブラが外れて観客に笑われながらも、最後まで仕事をこなすのだった。
試合が終わった後、アイリスは泣きながらハリーに悔しさをぶつける。ハリーは彼女に優しくキスをして抱き合った。プロレス雑誌にドールズの記事が掲載される。期待の新生と書かれて大喜びのモリー。ランキングではドールズが3位で、1位はタイガースだった。
次のシカゴの試合では、再びタイガースと対戦となった。タイガースは前回の仕返しとばかりに、反則を繰り返す。審判もタイガースに有利な判定ばかりで、ドールズは不服なまま負けてしまった。
映画『カリフォルニア・ドールズ』のあらすじ【転】
ネバダ州リノで王者ビッグママの世界王者決定戦が開催されることになり、その前座試合にタイガースが出ることが決まる。アイリスは対戦相手にドールズを選んでもらうため、興行師のエディに枕営業を仕掛けた。アイリスがエディと寝たことを知ったハリーは大きなショックを受けるが、それはカリフォルニア・ドールズのためにやったこと。翌日には3人でリノの試合を頑張ろうと一致団結した。ハリーはカジノバーで持ち金600ドルを2520ドルに増やして、ドールズの宣伝に必要なものを買い揃える。
ドールズとハリーはついにリノにやって来た。宿泊先はこれまでの安モーテルと違い、ベルボーイのいる高級カジノホテルだ。ハリーは自分で用意したドールズのポスターを貼りまくる。その後、エディとばったり会って火花を散らし、ハリーはドールズの勝利に、エディはタイガースの勝利に900ドルを賭け合った。
ハリーは何かを企んで、ステージ裏を走り回った。音楽スタッフに裏金を渡し、地元の子供を集めてドールズの応援歌を練習させたりするのだった。
映画『カリフォルニア・ドールズ』の結末・ラスト(ネタバレ)
いよいよ前座試合が始まった。トレド・タイガースが堂々と入場した後、ハリーは手配していた演出を開始する。音楽スタッフと子供たちの応援歌で会場を盛り上げて、ドールズが登場。羽根の付いたゴージャスなコスチュームをまとい、私たちが主役だと言わんばかりに華やかに入場した。
そして試合開始。ドールズはのっけから技を決めて観客は熱狂するが、しばらくすると審判はドールズに不利な判定を始めた。タイガースの反則技は全て見ぬふり。しかし、余りに不正判定をやり過ぎたため、会場ではドールズを応援する声が増え始める。するとその声に押されて、ドールズは反撃開始。審判の不正行為は止まらず、ブーイングの嵐となる中、ドールズは審判も巻き込んで大乱闘を起こした。
ドールズはリング外で大暴れした後リングに戻る際に、タイガースに芸術的な回転エビ固めを決める。北米タッグ・チームの王者はカリフォルニア・ドールズに決定し、リングにハリーも上がった。ドールズはリングの真ん中で、誇らしげにチャンピオンベルトを掲げるのだった。
映画『カリフォルニア・ドールズ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
『何がジェーンに起ったか?』や『ロンゲスト・ヤード(1974)』のロバート・アルドリッチ監督の遺作となったスポーツドラマ。テレビドラマ「刑事コロンボ」の名優ピーター・フォークがマネージャー役で登場し、ドールズと泥くさい巡業の旅を繰り広げる。アメリカ各地を転戦しているので、工業地帯から田舎町など80年代アメリカの風景が次々と流れ、ロードムービーとしても楽しめる。
カリフォルニア・ドールズの2人がプロレスラーと思えないほど美しい。ギャラが安くても頑張り続け、チャンピオンを目指す彼女たちの姿に胸がジーンと熱くなる。ラストの試合は圧巻で見応えがあった。(MIHOシネマ編集部)
スポ根映画としては珍しい、女子プロレスを題材にした作品。ペーター・フォーク演じるマネージャーと、二人の女性レスラーの絆がじんわりと心に残りました。ショービジネスの裏側の厳しさ、成功への執念、そして仲間との信頼。最後の試合シーンはまさに“青春”そのもので、勝敗以上に「彼女たちが闘い抜いた」ということ自体が感動を呼びました。80年代の空気感も懐かしい。(50代 男性)
観る前は“女性版ロッキー”のような軽いスポ根コメディかと思っていましたが、実際はもっと人間ドラマとして深い内容でした。リングの上だけでなく、旅の途中で見せる二人の葛藤や成長がリアル。特に最後の試合で、全てを出し切って勝利する姿に涙が出ました。ペーター・フォークの渋い演技が全体を引き締めていて最高でした。(40代 女性)
夢と現実の狭間で戦う“カリフォルニア・ドールズ”の姿が、今見ても輝いていました。決して華やかな世界ではなく、地方巡業で苦労する姿が痛々しいほど。でも、最後のリングではそんなすべてが報われる。監督ロバート・アルドリッチの熱量が伝わる演出で、観終わった後に「人生もリングのようだ」と思わされました。(30代 男性)
女性が主体のスポーツ映画として、当時としては画期的な作品だったと思います。特に女性たちが“自分の力で勝つ”という描写が力強い。セクシーさよりも生き様に焦点を当てているのが良かったです。観客の歓声、汗、涙、どれもがリアルで、最後の勝利は心の底から拍手したくなります。80年代映画の中でも埋もれた名作。(20代 女性)
この映画の魅力は、単なる勝負のドラマではなく、夢を追う者たちの人間臭さにあります。マネージャーのハリーが彼女たちに厳しくも温かく接する姿には、親のような愛情すら感じます。試合シーンの迫力もさることながら、車で移動するロードムービー的な描写も印象的。時代の埃っぽさがかえって味わい深い。(60代 男性)
ペーター・フォークの存在感が圧倒的。ダメなオヤジなのに、どこか憎めないマネージャー像を完璧に演じていました。女性レスラー二人も魅力的で、仲間として、ライバルとして支え合う姿に胸を打たれます。試合に負けても、観客の声援を受けて笑顔を見せるシーンには、“勝ち負けを超えた誇り”がありました。まさに魂の映画です。(30代 女性)
最初は軽い気持ちで見始めたのに、気づけば涙が出ていました。女性レスラーという設定を通して、夢を追うことの苦しさと尊さが描かれています。特に最後のリング上の勝利は、努力と絆の結晶そのもの。泥臭く、汗臭く、でも最高にカッコいい。音楽も80年代らしくてテンションが上がりました。(20代 男性)
『カリフォルニア・ドールズ』は、スポーツ映画でありながら人生の縮図を描いた作品だと思います。何度も挫折し、裏切られ、それでも立ち上がる。そんな彼女たちの姿に胸を打たれました。ペーター・フォークが演じるマネージャーの不器用な愛情が物語を深くしています。最後の歓声は、まるで観客全員が彼女たちを祝福しているようでした。(40代 男性)
女性が主体のプロレス映画というだけで新鮮でしたが、それ以上に「自分の人生をどう闘うか」を描いている点が心に残りました。華やかさの裏にある泥臭さ、傷つきながらも前に進む強さ。そのすべてが観客に伝わる。ラストの勝利シーンは、ただのスポーツ映画では終わらないカタルシスを与えてくれます。(30代 女性)
映画『カリフォルニア・ドールズ』を見た人におすすめの映画5選
ロッキー
この映画を一言で表すと?
「どん底から這い上がる男の、人生そのものを懸けた闘い。」
どんな話?
無名のボクサー・ロッキーが、偶然にもチャンピオンとの試合のチャンスを得る。貧しさや孤独に耐えながらも、夢に向かってひたむきに努力する姿は観る者の心を打つ。恋人エイドリアンとの純粋な愛も物語に温かみを添える。誰もが知る“挑戦者の物語”の原点です。
ここがおすすめ!
『カリフォルニア・ドールズ』と同じく、“夢を追う者たち”の泥臭い情熱が描かれています。試合の勝敗よりも、「自分を信じて立ち上がる強さ」に涙が出る。シルベスター・スタローンの魂の演技は必見。ラストの鐘の音は、人生を懸けた闘いの象徴です。
レスラー
この映画を一言で表すと?
「過去の栄光と現実の狭間で苦しむ男の、切なくも熱い再生の物語。」
どんな話?
かつてはスターだったプロレスラー・ランディ。年老い、孤独の中で小さな会場を転々としながらも、リングに上がり続ける。家族との絆を取り戻そうともがく姿には、プロレスというショーを超えた“人生のリアル”が描かれています。
ここがおすすめ!
『カリフォルニア・ドールズ』が描いた“リングに懸ける生き様”を、より痛切に、現代的に描いた傑作です。ミッキー・ロークの実人生と重なる演技に胸が締めつけられる。華やかさの裏にある孤独や誇りを描く人間ドラマとしても圧倒的。
ガールファイト
この映画を一言で表すと?
「女性が“闘う”ことの意味を真正面から描いた青春ボクシング映画。」
どんな話?
荒んだ生活を送る少女ダイアナが、偶然出会ったボクシングを通じて自分を見つけていく。父との確執や恋愛の葛藤を抱えながらも、彼女は誰にも負けない強さを身につけていく。フィジカルだけでなく、精神的な成長の物語です。
ここがおすすめ!
女性アスリートの苦悩と覚悟をリアルに描いた傑作。『カリフォルニア・ドールズ』のように、“女性が自分の力で夢を掴む”姿に勇気をもらえます。ミシェル・ロドリゲスのデビュー作にして圧倒的な存在感が光る一本です。
フラッシュダンス
この映画を一言で表すと?
「情熱と努力で夢を掴む女性の、80年代青春サクセスストーリー。」
どんな話?
昼は工場で働き、夜はクラブでダンサーとしてステージに立つアレックス。プロのダンサーになる夢を抱きながらも、現実とのギャップに悩む。そんな彼女が自分の力で未来を切り開いていく姿を描く感動作。
ここがおすすめ!
『カリフォルニア・ドールズ』同様、“女性の自立と情熱”をテーマにした作品。音楽とダンスのエネルギーが観る者を奮い立たせます。ラストのオーディションシーンは80年代映画史に残る名場面。サントラも名曲揃いです。
リトル・ミス・サンシャイン
この映画を一言で表すと?
「不器用な家族が“夢”を追いかける、笑いと涙のロードムービー。」
どんな話?
ミスコン出場を夢見る少女オリーブと、彼女を支えるちょっと変わった家族たち。古びたバンに乗ってアメリカ横断の旅に出るが、道中にはトラブルが続出。けれど、家族の絆が少しずつ深まっていく。
ここがおすすめ!
『カリフォルニア・ドールズ』と同じ“ロードムービー要素”と“夢を追う仲間の絆”が描かれています。失敗しても前を向く姿が心を温めてくれる。笑って泣けて、人生の愛しさを感じる一本です。






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