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映画『カウンセラー』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

臨床心理士の倉田真美は、心理相談室で働いていた。妊娠しており、産休を取得する予定だった。休み前の最後の出勤日、予約なしの女性が訪ねてくる。その女性の名前は吉高アケミ。倉田は吉高の話を聞くが、彼女の不穏な話に呑み込まれていく。

映画『カウンセラー』の作品情報

カウンセラー

タイトル
カウンセラー
原題
なし
製作年
2021年
日本公開日
2021年10月30日(土)
上映時間
42分
ジャンル
サスペンス
ホラー
監督
酒井善三
脚本
酒井善三
製作
百々保之
製作総指揮
不明
キャスト
鈴木睦海
西山真来
田中陸
松本高士
平仁
亀田梨紗
蒲池貴範
製作国
日本
配給
Drunken Bird

映画『カウンセラー』の作品概要

短編映画で初めて「SKIP国際Dシネマ映画祭2021 SKIPシティアワード」を受賞した作品。映画制作チーム「Drunken Bird」の酒井善三が監督&脚本を担当し、百々保之が製作を担当した。鈴木睦海&西山真来がダブル主演を務め、多方面で活躍する田中陸、松本高士、平仁、亀田梨紗、蒲池貴範が脇を固めた。妊娠6か月目の臨床心理士の女性×「妖怪が見える」ことに苦悩する女性のやり取りを描いたサイコスリラー。

映画『カウンセラー』の予告動画

映画『カウンセラー』の登場人物(キャスト)

倉田真美(鈴木睦海)
臨床心理士で、心理相談室で働いている。妊娠6か月目で、休暇を取得する予定。
吉高アケミ(西山真来)
専業主婦。夫と子供が一人いる。予約なしで心理相談室を訪れ、現実と幻の区別がつかないことを相談する。
栗林隆弘(田中陸)
運送会社の配達員。荷物を届けたことをきっかけに、吉高アケミと出会う。

映画『カウンセラー』のあらすじ(ネタバレなし)

臨床心理士の倉田真美は、心理相談室で働いていた。妊娠6か月目で、休暇を取得する予定だった。休み前の最後の出勤日、相談者の夫婦が帰った後に、予約なしの女性が訪ねてくる。その女性の名前は吉高アケミ。予約の人しか相談を受け付けていないのだが、そのまま帰すのも忍びなく、倉田は吉高の話を聞くことにした。

吉高は独特な空気を持つ女性だった。現実と幻の区別がつかず、困っているらしい。倉田が詳しく話を聞くと、吉高は妖怪が見えることを話した。そして、妖怪が見えるきっかけとなったある出来事を語り始めた。倉田は吉高の不気味な気配に飲まれ、不安な気持ちを抱いていく。吉高の過去に一体なにがあったのか?そして、吉高と倉田、二人の対話は一体どこに向かうのか?

映画『カウンセラー』の感想・評価

「SKIP国際Dシネマ映画祭2021 SKIPシティアワード」受賞作

「SKIP国際Dシネマ映画祭2021 SKIPシティアワード」を受賞した。「SKIP国際Dシネマ映画祭」は埼玉県川口市の映像制作を目的とした施設「SKIPシティ」で開催されている映画祭で、若手映像クリエイターの登竜門としての役割を担っている。2004年に第一回目がスタートして以降、毎年開催されている。

「SKIPシティアワード」は今後の長編映画制作に可能性を感じる監督に対して贈られる賞である。過去には、白石和彌監督が手掛けた映画『ロストパラダイス・イン・トーキョー』(10)、中野量太監督が手掛けた『チチを撮りに』(13)、藤村明世監督が手掛けた映画『見栄を張る』(16)などが受賞している。短編映画が「SKIPシティアワード」を受賞したのは、本作が初めてである。

鈴木睦海と西山真来がダブル主演を務めた

主演を務めたのは、鈴木睦海と西山真来。鈴木睦海は映画美学校アクターズコース6期修了生。酒井善三監督が手掛けた映画『RIP』(18)、アンドリュー・シン監督が手掛けた映画『夜空を飛ぶ兎』(20)などの作品に出演している。本作では臨床心理士の倉田真美を演じている。

西山真来は井樫彩監督が手掛けた映画『真っ赤な星』(18)、黒沢清監督が手掛けた映画『スパイの妻』(20)、2021年9月25日に公開された映画『にじいろトリップ 少女は虹を渡る』などに出演している。本作では心理相談室を訪れる女性・吉高アケミを演じた。

その他、モデルとしても活躍する田中陸、映画&CM&舞台など様々な場所で活躍する亀田梨紗、YouTube『トライデントシネマ』を開設した蒲池貴範などが出演している。

映画制作チーム「Drunken Bird」の酒井善三監督

本作は映画制作チーム「Drunken Bird」が手掛けたサイコスリラー作品である。「Drunken Bird」の酒井善三が監督&脚本を担当した。酒井善三の代表作は、「2018福井映画祭 審査員特別賞」を受賞した短編映画『RIP』(18)、脚本を手掛けた映画『あれから』(13)、脚本&助監督を担当した映画『SHARING』(16)などがある。

本作の主人公は、二人の女性。一人は臨床心理士の倉田真美、もう一人は妖怪が見えることに苦悩する女性・吉高アケミ。吉高が心理相談室を訪れ、倉田に相談するところから物語が動いていく。吉高の不気味な雰囲気と語られる不穏な話に、倉田だけでなく視聴者も緊張を強いられる。しかし、結末を見終わった後に、もう一度最初から確認したくなるような中毒性がある作品である。

映画『カウンセラー』の公開前に見ておきたい映画

映画『カウンセラー』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『カウンセラー』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

あれから

酒井善三が篠崎誠監督と共に脚本を手掛けた作品。ジャンルはヒューマンドラマ。東日本大震災直後の東京が物語の舞台になっている。「第25回東京国際映画祭『日本映画・ある視点』部門」で上映された。婦人向け生活情報誌『婦人画報』などでモデルとしても活躍している竹厚綾が主演を務めた。

靴屋に勤める吉村祥子は、都内の自宅にいるときに激しい地震に襲われる。その日は2011年3月11日。東日本を大地震が襲った日だった。祥子は被災地に暮らす恋人の小野寺正志の安否を心配して何度も電話を掛けるが、一向に繋がらない。やっと繋がったとき、電話に出たのは正志ではなかった。正志は震災の影響で体調を崩して入院していた。周囲には会いに行くことを止められ、不安な気持ちのまま日常生活を送らなければいけなくなる。

詳細 あれから

夜空を飛ぶ兎

鈴木睦海がバーのオーナー・愛役で出演している。監督・脚本・編集・音楽を担当したのは、本作で長編映画監督デビューを果たしたアンドリュー・シン。作曲家として活躍しており、2021年10月8日公開予定の映画『恋愛準々決勝戦』の劇中音楽を手掛けている。本作は兎を妊娠した女性を主人公にした、ファンタジーミュージカル映画となっている。主演を務めたのは、写真モデルとしても活躍する菊地敦子。役者達の美しい歌声やキャッチーな劇中音楽も見どころの一つ。

朝子は小さな頃、ダンサーになることを夢見ていた。しかし、その夢は叶わず、現在はバーの店員として平凡な毎日を送っていた。ある日、産婦人科を受診し、医師から兎を妊娠していることを教えられる。予想外の出来事に困惑する彼女は、悩んだ末にある一つの決断を下す。

詳細 夜空を飛ぶ兎

真っ赤な星

西山真来出演作品。孤独を抱える14歳の少女と、同じく孤独を抱える27歳の女性の繊細なやり取りを描いたラブストーリー映画。監督&脚本を担当したのは、本作で劇場デビューを果たした井樫彩。卒業制作で手掛けた映画『溶ける』(16)が「第70回カンヌ国際映画祭・シネフォンダシオン部門」に正式出品されるなど、業界内でも注目を集めている人物である。

14歳の陽は入院中に世話をしてくれた看護師の弥生に思いを寄せる。しかし、弥生が看護師を辞めてしまい、行方が分からなくなってしまう。ある日、陽は男性相手に体を売っている弥生の姿を見つける。ショックを受ける陽だったが、弥生への思いは変わらなかった。自宅には居場所がなかったため、弥生の元に身を寄せる。弥生には恋人がいたが、その恋人には妻子がいた。複雑な日常を送る陽と弥生の思いの行方とは?

詳細 真っ赤な星

映画『カウンセラー』の評判・口コミ・レビュー

映画『カウンセラー』のまとめ

「SKIP国際Dシネマ映画祭2021 SKIPシティアワード」受賞作。映画制作チーム「Drunken Bird」の酒井善三が監督&脚本を担当した。サイコスリラー作品で、心理相談室を訪れた女性の不穏な話に翻弄される臨床心理士の姿が描かれている。主演を務めたのは鈴木睦海と西山真来。上演時間42分という短い作品ではあるが、もっと長く感じるぐらい濃密な物語が描かれている。鈴木睦海の表情の動きと、独特な空気を漂わせる西山真来の迫真の演技に注目しながら見て欲しい。

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