1918年(大正7年)。米の値段が高騰しており、庶民の家計は圧迫されていた。富山県漁師町に暮らす松浦いとはこの現状に危機感を覚え、女房達のリーダー的存在の清んさのおばばに相談した。
映画『大コメ騒動』の作品情報
- タイトル
- 大コメ騒動
- 原題
- なし
- 製作年
- 2021年
- 日本公開日
- 2021年1月8日(金)
- 上映時間
- 106分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
歴史 - 監督
- 本木克英
- 脚本
- 谷本佳織
- 製作
- 岩城レイ子
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 井上真央
三浦貴大
夏木マリ
立川志の輔
吹越満
鈴木砂羽
舞羽美海
左時枝 - 製作国
- 日本
- 配給
- ラビットハウス、エレファントハウス
映画『大コメ騒動』の作品概要
1918年に富山県で起きた、史実「米騒動」を元に制作された作品。米の価格の高騰で、庶民は苦しい生活を余儀なくされていた。3人の子を持つ母・松浦いとはこの現状に危機感を覚え、県外に米が運ばれるのを阻止するために立ち上がった。人気女優の井上真央が主演を務め、三浦貴大、夏木マリ、立川志の輔、室井滋、柴田理恵ら豪華で個性的なキャストが共演している。時代劇コメディ映画『超高速!参勤交代』シリーズを手掛けた本木克英が監督を務めた。
映画『大コメ騒動』の予告動画
映画『大コメ騒動』の登場人物(キャスト)
- 松浦いと(井上真央)
- 17歳のときに利夫と結婚する。3人の子の母。女仲仕(米俵を浜へと運ぶ)として働いている。
- 松浦利夫(三浦貴大)
- いとの夫。漁師。漁へ出る際、いとが作ってくれた一升のお米が入ったお弁当を毎日持参している。
- 清んさのおばば(室井滋)
- おかか(女房)達のリーダー的存在。いとに米の価格の高騰について相談され、思案する。
映画『大コメ騒動』のあらすじ(ネタバレなし)
1918年(大正7年)。シベリア出兵を控えた日本では、米の価格が高騰していた。その結果、庶民は苦しい生活を余儀なくされた。
富山県漁師町。松浦いとは17歳のときに猟師の利夫と結婚し、3人の子の母となった。家事や育児に追われながらも、家計を助けるために女仲仕(米俵を浜へと運ぶ)として働いていた。
ある日、米一升が33銭で販売されていたのだが、38銭に値上げされた。米の値段は上がっていっても賃金は安いままで、家計は圧迫される一方だった。いとはこの現状に危機感を覚え、リーダー的存在である清んさのおばばに相談した。
清んさのおばばを筆頭に、女性達は米が県外に運び出されるのを阻止しようと動いた。彼女達の動きは新聞で大きく報じられ、人々の注目を集めた。
映画『大コメ騒動』の感想・評価
史実を元に制作された物語
食生活が変わり白米が食べられるようになったこと、米の輸入量が減ったこと、内閣がシベリア出兵を宣言したことなど、様々な要因から1918年に米の価格が高騰した。生活は苦しくなる一方で、庶民達は不安な日々を送っていた。そんな時に立ち上がったのが、富山県に暮らす女房達だった。女房達は米が県外に運ばれるのを阻止し米の価格を下げるため、様々な行動を起こした。彼女達の動きは新聞で大きく報じられ、「米騒動」として全国に広まっていった。
本作は1918年に実際に起きた、「米騒動」を元に制作されている。家計を守る女房達が米の価格の高騰に危機感を覚え、生活を守るために奮闘する様子が描かれている。女房達の圧倒的なパワーと強い団結力、家族を思う優しい心が感じられる作品に仕上がっている。
子役から活躍し続けている女優・井上真央主演
主演を務めたのは、女優・井上真央。子役から活躍しており、TBS系列で放送されたテレビドラマ『キッズ・ウォー』シリーズで一躍有名になった。少女漫画を元に制作されたテレビドラマ『花より男子』シリーズやサスペンス映画『白ゆき姫殺人事件』(14)など数々のヒット作で主演を務めており、人気と実力を兼ね備えた人物である。本作では3人の子を持つ母・松浦いとを演じた。
脇を固めたのは、豪華で個性的なキャスト達。女房達のリーダー的存在である清んさのおばば役を務めたのは、女優・室井滋。松浦いとの姑であるタキ役を務めたのは、女優・夏木マリ。鷲田商店の女将・きみ役は、タレントの柴田理恵。松浦いとの夫である利夫役を務めたのは、俳優・三浦貴大。その他、落語家・立川志の輔、女優・鈴木砂羽、アイドルグループ「モーニング娘。」の元メンバー工藤遥らが出演している。
ヒットメーカー・本木克英×多彩な才能を持つ谷本佳織
ヒットメーカーの本木克英が監督&原案を担当した。本木克英は2017年にフリーランスに転向するまで、松竹に所属していた。映画『釣りバカ日誌イレブン』(00)や実写映画『ゲゲゲの鬼太郎』(07)などの国民的作品の他、大ヒットを記録した時代劇コメディ映画『超高速!参勤交代』シリーズを手掛けた人物として有名である。
脚本を手掛けたのは、谷本佳織。東映芸術職研修生の助監督として経験を積み、現在は監督としても活躍している人物である。谷本佳織が監督を務め小松恵子が脚本を手掛けた企画『冬牡丹と人魚』が、「第9回京都映画企画市・優秀賞」を受賞している。業界内でも一目置かれており、これからの活躍が益々期待される人物である。
映画『大コメ騒動』の公開前に見ておきたい映画
超高速!参勤交代
本木克英がメガホンを取り、「第38回日本アカデミー賞・優秀監督賞」を受賞した作品。2016年9月10日に続編の『超高速!参勤交代 リターンズ』が公開されており、一作目と共に大ヒットを記録している。俳優・佐々木蔵之介が主演を務め、湯長谷藩4代藩主の内藤政醇を演じた。
享保二十年。湯長谷藩藩主の内藤政醇は参勤交代を終えて城へ戻ったばかりなのに、5日以内に再び参勤するよう命じられてしまう。お金がなく、人も足りず、時間もない状況で、参勤交代を行わなければならなかった。もし失敗すれば、藩が取り潰しになってしまうのだ。内藤政醇は家臣達の知恵を借りながら、不可能とも思えるこのミッションを成功させるために奮闘した。
詳細 超高速!参勤交代
白ゆき姫殺人事件
井上真央が主演を務めた作品で、殺人犯の疑いを掛けられる女性・城野美姫を演じた。「第38回日本アカデミー賞・優秀主演女優賞」を受賞している。湊かなえ原作の小説を元に制作された作品。シナリオ:銀杏社、作画:那葉優花が担当し、漫画化も行われた。映画『チーム・バチスタの栄光』シリーズを手掛けた中村義洋が監督を務めた。
日の出化粧品会社に勤める美人OL・三木典子が、何者かに殺された。容疑者として浮上したのは、事件直後に姿を消した同僚の城野美姫だった。ワイドショーのディレクター・赤星雄治は、この事件の取材を開始した。多くの人がこの事件に注目しており、殺人犯として城野美姫の個人情報がネットで晒されるようになった。果たして、本当に城野美姫が犯人なのだろうか?
詳細 白ゆき姫殺人事件
栞
三浦貴大が主演を務めた作品で、理学療法士の高野雅哉を演じている。元理学療法士の榊原有佑が監督・原案・脚本・編集を担当しており、「第13回KINOTAYO現代日本映画祭・イデム最優秀映像賞」を受賞した。ちなみに、「KINOTAYO現代日本映画祭」はフランスで開催されている日本映画祭である。
高野雅哉が理学療法士として働いている病院に、父の稔が入院してきた。稔は尊厳死を決意しており、治療する気がなかった。雅哉が父のことで悩んでいたとき、元ラグビー日本代表選手の藤村孝志が入院してくる。孝志は試合中に頸椎を損傷し、下半身不随になってしまったのだ。孝志は懸命にリハビリに励んでいた。雅哉は理学療法士として自分に何ができるのか、苦悩した。
詳細 栞
映画『大コメ騒動』の評判・口コミ・レビュー
#大コメ騒動
全”コメ”が泣いた「腹一杯食べさせたい」一心が招いた浜の女性たちの奮闘を痛快に描いた富山弁全開の”コメ”ディ人間ドラマ。
地味かもしれないが新しい解釈で史実を見つめ直せます。
大正時代に関心があり美味しいコメが大好きな全ての人たちに観てほしい映画。https://t.co/xg44XP7UYq pic.twitter.com/pqhKXVcPnW— くろと(玄-GEN-/ガンちゃん) (@gen_kuroto) January 10, 2021
映画『大コメ騒動』、シベリア出兵と投機による米不足に対して大正七年に起きた主婦たちの蜂起を描いた映画なんだけど、社会運動論、新聞報道論など多くのテーマを含んだ、大正女性たちの『レ・ミゼラブル』、革命劇になっている。井上真央が本当に、本当に素晴らしい!面白いからツイ民は絶対に見て!
— CDB (@C4Dbeginner) January 8, 2021
『大コメ騒動』推しが主役なのでお隣県へ遠征鑑賞。史実に基づいた物語との事ですが映画観るまで全く知らず、今でこそ白米当たり前ですが、こんな事があったのね。先に触れましたが主役の井上真央さん他、皆さんの顔黒メイクが新鮮で『白ゆき姫殺人事件』以来で主役、井上さんの目力に殺られました。 pic.twitter.com/iRRhO687Te
— 割れ煎餅 (@heshinseiya) January 10, 2021
映画『大コメ騒動』のまとめ
物語の舞台は富山県の漁師町。米の価格の高騰で苦しい生活を送っている庶民の女房達が、家族の生活を守るために奮闘する様子が描かれている。室井滋を始め、立川志の輔、柴田理恵、西村まさ彦など富山県出身のキャストが出演している。ちなみに、監督を務めた本木克英も、富山県出身である。主題歌を担当したのは、ファンクバンドの「米米CLUB」。主題歌の『愛を米て』は映画のために書き下ろされた楽曲である。ぜひ映画と合わせてチェックして欲しい。
みんなの感想・レビュー