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映画『デトロイト・メタル・シティ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『デトロイト・メタル・シティ』の概要:原作は若杉公徳の同名漫画。おしゃれなポップスが大好きなのに、なぜかハードなデスメタルバンドのギターボーカルとなってしまった主人公は、理想と現実のギャップに苦悩する。万人向けの楽しく笑えるコメディ映画で、気弱な根岸とデスメタルなクラウザーを器用に演じ分けた松山ケンイチのコメディアンぶりもお見事。

映画『デトロイト・メタル・シティ』の作品情報

デトロイト・メタル・シティ

製作年:2008年
上映時間:104分
ジャンル:コメディ、音楽、ラブストーリー
監督:李闘士男
キャスト:松山ケンイチ、加藤ローサ、秋山竜次、細田よしひこ etc

映画『デトロイト・メタル・シティ』の登場人物(キャスト)

根岸崇一 / ヨハネ・クラウザーⅡ世(松山ケンイチ)
大学進学のため、大分県犬飼から上京してきた。おしゃれなミュージシャンを目指してポップミュージック研究部に入る。しかし自分の理想と真逆のデスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ(通称DMC)」のギターボーカル、ヨハネ・クラウザーⅡ世として人気が出てしまい、後戻りできなくなる。夢は音楽で人々に夢を与えること。
相川由利(加藤ローサ)
大学で根岸と同じサークルに所属していた。根岸はおしゃれで可愛い由利に一目惚れする。大学卒業後はおしゃれ雑誌の編集部に就職。デスメタルが大嫌い。
デスレコーズ社長(松雪泰子)
デスメタルをこよなく愛するサディスティックな鬼社長。DMCを世界のデスメタルの頂点に立たせるのが夢。根岸の才能を見抜き、嫌がる根岸を無理矢理デスメタルの世界に引きずりこむ。
ジャック・イル・ダーク(ジーン・シモンズ)
ブラックメタル界の帝王で、伝説的な存在。彼のスタイルがDMCのルーツになっている。引退を表明し、世界のメタルバンドを潰す「世界崩壊」という最後のワールドツアーに出る。日本でDMCと対決する。

映画『デトロイト・メタル・シティ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『デトロイト・メタル・シティ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『デトロイト・メタル・シティ』のあらすじ【起】

大分県犬飼という田舎で生まれ育った根岸崇一は、大学進学のため上京することになる。母親からは長寿祈願のお守りをもらい、弟と牛のしげこに見送られ、根岸は東京へ旅立つ。

根岸はおしゃれ生活に憧れる心優しい青年で、夢はオザケンのようなポップミュージシャンになることだった。大学ではおしゃれ女子の相川由利と出会い、根岸は胸をときめかせる。ポップミュージック研究部に所属し、順調な大学生活を過ごした根岸は、由利や後輩の佐治に、自分の夢は音楽で夢を与えることで、人生の格言は“ノーミュージック ノードリーム”だと語る。

ところが、大学を卒業した根岸は、「デトロイト・メタル・シティ(通称DMC)」というデスメタルバンドのギターボーカル、ヨハネ・クラウザーⅡ世となり、デスメタル界に新風を巻き起こしていた。白塗りの顔に「殺」の文字がトレードマークのクラウザーは、普段の根岸とは別人としか思えない攻撃的なパフォーマンスを見せ、DMC信者から「クラウザー様」と呼ばれて崇拝される。

根岸は、所属するデスレコードの女社長に“自分はこんな音楽がやりたい!”と訴え、甘いポップミュージックを聴かせる。しかしデスメタルをこよなく愛する社長に一喝される。社長は、根岸の隠れた才能を見抜き、DMCを世界一のデスメタルバンドにするつもりだった。

そんなある日、根岸は渋谷の大型レコード店で、由利と再会する。由利は根岸も愛読しているおしゃれ雑誌の編集部に就職し、相変わらずのおしゃれライフを続けていた。根岸は、大好きな由利だけには本当のことを打ち明けたいと思うが、由利からDMCのことを最低のバンドだと言われ、自分がそのバンドのボーカルであると言い出せなくなる。

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映画『デトロイト・メタル・シティ』のあらすじ【承】

根岸は、由利と1時間後に会う約束をして、DMCのインストアライブに出演する。根岸は、由利に自分がクラウザーであることがバレないように細心の注意を払うが、根岸を探してライブ会場へ入ってきた由利の姿を見て動揺し、思わず彼女のスカートをめくってしまう。由利は悲鳴をあげて逃げていく。

絶望的な気分になる根岸だったが、由利はクラウザーが根岸だとは気づいておらず、改めてゆっくり会おうと電話をくれる。根岸は、すっかり元気を取り戻す。

根岸と由利は、代官山のおしゃれな店でデートする。ここは、おしゃれプロデューサーのアサトヒデタカがプロデュースした店で、由利は仕事上、アサトと顔見知りだった。由利は、たまたま店にいたアサトに、根岸を売り込んでくれる。アサトに勧められ、根岸は自信作の「甘い恋人」を披露するが、客はドン引き。アサトからは“お遊戯的なことなら外でやってくれ”と言われてしまう。その言葉に、根岸は深く傷つく。

追い討ちをかけるように、社長が愛犬のドーベルマン2頭を連れて根岸の自宅アパートを訪れ、部屋を無茶苦茶にしてしまう。社長は、根岸を伝説のメタルモンスター、ジャック・イル・ダークを超える存在に育てようとしていた。しかも、社長から恥辱プレイを受けているように見える現場を、由利に目撃され、“最低!”と言われてしまう。

完全にデスメタル状態にされてしまった部屋で、むせび泣いていた根岸は、徐々に邪悪なメタルモンスターと化し、「恨みはらさでおくべきか」という新曲を書き上げる。

根岸の怨念がこもった「恨みはらさでおくべきか」は飛ぶように売れ、日本列島にDMCブームがやってくる。DMCの評判は海を渡り、ジャックの耳にも届く。引退を表明したジャックは、世界中のメタルバンドを潰すワールドツアー「世界崩壊」に出ることを発表する。ジャックは、日本でDMCと対決するつもりでいた。

映画『デトロイト・メタル・シティ』のあらすじ【転】

根岸は、後輩の佐治の路上ライブに遭遇する。佐治は女の子に大人気の「テトラポットメロンティー」というポップなバンドを組んでいた。そこには偶然由利もいて、根岸は社長のことを怖い大家さんなのだと偽って、彼女と仲直りする。由利は、佐治や自分の今があるのは、根岸の影響なのだと語る。根岸は、自分だけがあの頃の夢とは正反対の道を歩んでいることが恥ずかしかった。

由利がアサトと遊園地でデートすると聞いた根岸は、2人のデートを尾行する。その遊園地のイベントに出演予定だった佐治は、根岸を見かけて彼の後を追う。自分がここにいることを知られたくない根岸は、トイレでクラウザーに変身し、クラウザーとして佐治と対面する。

アサトが由利を口説いているのを見た根岸は、クラウザーのままアサトを止める。さらに現場に居合わせたDMC信者が、アサトに頭突きを食らわしてしまい、由利を怒らせる。由利は、クラウザーのメイクをした根岸を弱虫だと罵り、“私の好きな人とは全然違う”とダメ出しする。根岸は思わず“僕だってこんなことやりたくない”と呟く。由利は、身を呈して自分を守ってくれたクラウザーの姿を見て、クラウザーが根岸ではないかと気づく。完全に打ちのめされた根岸は、身も心もボロボロの状態で姿を消す。

クラウザーが行方不明になり、DMC信者は嘆き悲しむ。ジャックとの対決ライブも迫っていた。

根岸はアパートを引き払い、実家へ帰る。実家では、弟がDMC信者となって母親を困らせており、根岸はクラウザーに変身して弟を改心させる。母親は、クラウザーが息子なのだと気づき、悩んでいる様子の根岸に“どんな形であれ、誰かに夢を与えられる人はすごい”と言ってやる。実家には、メンバーや社長からのメッセージやたくさんの熱烈なファンレターが届いていた。根岸は、母親の言葉に背中を押され、急いで東京へ戻る。母親は、“もし東京でクラウザーに会ったら渡してほしい”と言って、長寿祈願のお守りをくれる。

映画『デトロイト・メタル・シティ』の結末・ラスト(ネタバレ)

根岸は、クラウザーであることに誇りを持ち、東京のライブ会場を目指す。今日は、ジャックとの対決ライブ「世界崩壊」の日だった。クラウザーの帰還を待ちわびるファンは、クラウザーが東京へ向かっているという情報を聞きつけ、東京駅に集結する。クラウザーとファンの集団は、全速力で会場まで走る。そして由利もライブ会場へ向かう。

ジャックとの対決ライブが始まった。クラウザー抜きで演奏を始めたメンバーは、ジャックの圧倒的なパワーに全く対抗できない。ジャックは恐ろしいメタル・バッファロー(巨大な牛)をステージに上げ、さらにメンバーを恐怖のどん底へ突き落とす。

そこへ「殺」の文字を「KILL」に書き換えたクラウザーが登場する。農家育ちの根岸は、牛には慣れており、メタル・バッファローも手なずけてしまう。パワーアップしたクラウザーこと根岸は、ジャックの十八番“ファック!”を絶叫し、ジャックとクラウザーの「ファック対決」が始まる。ジャックのギターに、根岸は“ファック!”の連呼で対抗。激しいバトルの末、ジャックのギターがショートしてステージで大爆発が起こる。

倒れたまま動かないクラウザーを見て、ファンは“ゴー!トゥー!DMC!”の声援を送り始める。いつの間にか由利も一緒になって叫んでいた。ステージ上で倒れ込んでいた根岸は、その声援に励まされ、長寿祈願のお守りを掴んで立ち上がる。そして復活の雄叫びをあげる。ジャックは根岸に自分のギターを託し、ステージを去る。

“いよいよ夢のライブの始まりだ!”と会場中が興奮と熱気に包まれる中、根岸は突然「甘い恋人」を歌い始める。根岸のポップスは、由利以外には大不評で、社長は怒りを爆発させ、根岸にタバコ爆弾をぶつける。その衝撃で、クラウザーに戻った根岸は、デスメタルでファンを熱狂させる。クラウザーが根岸だと確信した由利は、ステージに上がって“根岸くんよね”と声をかける。クラウザーと化していた根岸は、由利のスカートをめくり、“根岸くん、ひどい!”と言われてしまう。

映画『デトロイト・メタル・シティ』の感想・評価・レビュー

原作漫画を愛読していたが、細かいギャグまで見事に再現されており笑いが止まらなかった。

MVP俳優は『デス・レコーズ』社長を演じた松雪泰子。メタル愛のあるイカれた社長を見事に演じ上げていた。
そして今を時めく人気俳優高橋一生が脇役で出演していたのを発見し、驚いた。劇中では松山ケンイチと歌声も披露しているのでファンは必見。

熱狂的なファンや田舎の母親が意味も分からないのにバンドTシャツを着ているなどの音楽あるあるや、キャスティングにもKISSのジーン・シモンズを起用するなど音楽ファンも楽しめる作品だと思う。
それだけにラストのやっつけ感が残念だった。(女性 30代)


松山ケンイチがふりきれてて面白い。すごい役者さんだなぁ。
下品でビッチな松雪泰子も熱狂的な信者の大倉孝二も最高。
原作は読んでいないが、観終わった後すぐに読みたくなった。
クオリティーが高いとか低いとか、描写がどうのとか関係なくただ単純に楽しめて観ていて面白かった。
メタル好きで大分出身の私には最高の作品!笑
観終わった後元気になれた。(女性 40代)


このキャラクターをしっかり再現出来る松山ケンイチの器量に感服してしまう。
根岸の微妙な気持ち悪さ加減も、映像にしたらこういう感じになるだろうというイメージをしっかり具現化しているように思えた。
さすがにデスメタルを題材にしているだけあり、曲のクオリティは所々高く、単純に見ていて面白い。ジャックイルダークをやるならKISSのジーンシモンズ以外にいないだろうと思っていたが、まさか本当に出演しているとは…。色んな意味でハイクオリティである。(男性 30代)


心優しい田舎の少年と、クラウザーⅡ世としてデスメタルのバンドを盛り上げる変貌ぷりが面白く、素の根岸の葛藤や悲しみが伝わってきた。好きな人には正体をばらしたくない気持ちや、夢を与えている現実と向き合い、様々な行動を彼なりに起こしていくシーンも見所であり、応援したくなる。主人公の根岸を演じた松山ケンイチの演技力に、かなり圧倒され素晴らしかった。本当の自分はどうなりたいのか、一歩前に突き進む根岸の強さに、魅了されていた。(女性 20代)


私は原作からあまり笑えなかった、笑ったのは映画も漫画も母がメタルTを着てるところだけ…
狙いだろうけどオシャレを連発するところとか、ギターポップをオシャレといいつつ小バカにしてるところとか、ちょっと受け付けませんでした。
でも、ジーン・シモンズが出てたり、メタルの演奏がしっかりしてたり、見どころはたくさんあります。

映画から何かを得ようなどと考えず、ただただエンターテイメント性、ギャグ、笑いたい時に観る映画です。
ツボにハマれば大爆笑できるはずです。(女性 40代)


原作を読んでいたので一抹の不安を感じながら視聴したが、なんと不安は杞憂だった。ちゃんと原作の面白さを映画的に落とし込んでいる。

自分が本当にしたいことではないことをしているというのは、世の多くの人たちの共通する感覚ではないだろうか。それゆえに、松山ケンイチ演じる主人公に強烈に感情移入してしまう。笑えるところもあるが、切なさや苦しさもあって感動もするとてもいい映画。家族と一緒に見れるかというと、ちょっときついところもある。(男性 30代)


全てが衝撃的な作品だった。主人公を演じた松山ケンイチさんが、本当に凄いと思う。それに、鬼社長を演じた松雪泰子さんの振り切った演技が良かった。
純朴な青年の根岸崇一の動きと髪形と表情が可愛らしい。だからこそ、デスメタルバンドのヨハネ・クラウザーⅡ世とのギャップに驚かされた。自分の求めていた夢とここまで違ったら、誰だって悩むと思う。社長に振り回される根岸がちょっと可哀そうだなと思いつつ、最後まで楽しんで見られる作品だった。(女性 30代)


最高にバカバカしく、笑える作品です。松山ケンイチの演技の振り幅に、ただただ感動。
素の根岸君も可愛いしクラウザーさんのヒーローっぷりもカッコ良くて、ずっと楽しく観ていられます。

公開当初に鑑賞したときは高橋一生のことを知らなかったのですが、改めて観て出演していたことに驚きました。高橋一生演じる大学の後輩とクラウザーさんが遊園地のトイレで歌って踊るシーンが大好きです。
悩める息子を静かに見守って背中を押す母親の愛情にも心が癒されます。嫌な気持ちになるところがない映画ですね。何も考えず笑いたいときにまた観たいです。(女性 40代)


音楽に疎く、ジャンルもよく分からないので「メタル」とは一体どんなものなのか、そこから入るほどの初心者の私ですが最後にはライブで盛り上がれるほどハマっていて、とても面白く見られました。
食べ物の食わず嫌いのように、音楽も聴かず嫌いしているものってすごく多いのだろうと感じます。落ち着いた雰囲気のバラードが好きな私ですが、今作を見てヘビメタも悪くないとこれまで知らなかったジャンルの音楽に目覚めてしまいました。
音楽だけではなく、好きな物に一生懸命になれる姿はとてもカッコイイです。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    とにかく深いことは考えずに、ひたすら笑いたいという人にはおすすめ。松山ケンイチが好きだという人にもおすすめ。松山ケンイチのとりたててファンではないが、すごいなあと思う間もなく笑わせてもらった。デスメタルが好きだという人にとってどうなのかは造詣が深くないのでわからない。ただ「Kiss」というバンドのメンバーが出ているのはすごいことだそうだ。ストーリーというよりも、松山ケンイチの演技や音楽、周囲のキャラクターの濃さを味わう映画となっている。

  2. 匿名 より:

    よくある話と言えばよくある話で、意外性はない。こんな音楽したかったんじゃない、とうじうじする主人公が、与えられている環境に感謝し希望を取り戻す、というなんの変哲もない流れだ。だからこそ、デスメタルが好きだったり、松山ケンイチが好きだったり、何か別の興味を持てる要素がないと、最初から最後まで楽しむことは難しいかもしれない。ちなみに私は特にそういった要素がなかったので、面白い映画だと心から言い切ることはできない。

    何よりも松山ケンイチの演技がすごい。すごい、と思う間もなく笑わせてくれるから、その部分だけは本当に観る価値あり。後半のクライマックスがとにかく「死ぬ」とか「KILL」とか叫び続けるライブ映像なので、メタルがよくわからない私は退屈したのかもしれない。

    いや絶対正体わかるだろう、と思えるようなシーンも多々あるので、真剣に向き合う映画というよりは、何も考えずに笑いたいなと思う時に見るのをおすすめする。

  3. 匿名 より:

    笑った。とにかく笑った。崇一とクラウザーⅡ世の落差がすごすぎて、笑うしかなかった。松山ケンイチの演技が素晴らしい。どちらも違和感なくこなしている。

    個人的にデスメタルには詳しくないが、無理やりな感じもなかったので、ある意味自然に「殺す」とか「地獄」とか叫んでいるし、歌のパートも非常にうまい。多才な人であることがよくわかる役柄だった。

  4. 匿名 より:

    よくオシャレオシャレという言葉が出てくるし、崇一もオシャレに憧れている。しかし出てくるバンド名が「テトラポット・メロン・ティ」だったり、崇一が歌っている歌が「甘い恋人」だったりと、そこはかとなく、ダサい。それをオシャレオシャレとあがめることによって、逆にそういった「オシャレ至上主義」みたいなものを批判しているのかもしれない、と思うと共感が持てた。