引きこもり、虐待。現代の日本でも日々ニュースになるほどの社会問題。今作は、そんな社会問題をテーマに描かれている問題作。大きな秘密と罪を抱え、その親子は幸せを手に掴むことができるのか。
映画『ごっこ』の作品情報
- タイトル
- ごっこ
- 原題
- なし
- 製作年
- 2017年
- 日本公開日
- 2018年10月20日(土)
- 上映時間
- 114分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
サスペンス - 監督
- 熊澤尚人
- 脚本
- 熊澤尚人
高橋泉 - 製作
- 小松俊喜
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 千原ジュニア
優香
平尾菜々花
ちすん
清水富美加
秋野太作
中野英雄
石橋蓮司 - 製作国
- 日本
- 配給
- パル企画
映画『ごっこ』の作品概要
2010年から『スーパージャンプ』で連載されていた、小路啓之による漫画、『ごっこ』。引きこもりのニート城宮が、ふとしたキッカケから両親から虐待を受けている少女、ヨヨ子と出会う。そして、あろうことか城宮はヨヨ子を誘拐してしまうのだった。引きこもり、虐待、誘拐という現代でも社会問題となっているテーマを取り上げた問題作。そんな大きな反響を呼んだ話題作が、とうとう実写映画化。引きこもりであり誘拐犯でもある主人公を演じるのは、なんとテレビでは見ない日はないほどの人気芸人、千原ジュニア。難しい役どころを千原ジュニアがどう演じるのか、注目が集まる。
映画『ごっこ』の予告動画
映画『ごっこ』の登場人物(キャスト)
- 城宮(千原ジュニア)
- 40を手前にして、定職についていない情けない男。毎日に絶望していたが、ヨヨ子との出会いで人生が大きく変わる。
- ヨヨ子(平尾菜々花)
- 城宮と共に生活している、5歳の少女。城宮のことを父親と呼ぶが…?
- 戸神マチ(優香)
- 城宮の幼馴染で婦人警官。城宮とヨヨ子の関係性を疑っている。
映画『ごっこ』のあらすじ(ネタバレなし)
大阪のとある場所にある小さな商店街。その商店街にひっそりと佇む寂れた帽子店に、一組の親子が暮らしていた。40歳の誕生日を間近に控えているものの、未だ定職に就かずにふらふらとしている中年男性、城宮、そして、愛嬌のある5歳の女の子、ヨヨ子である。二人は仲睦まじく暮らしていたが、実は彼らには誰にも知られてはならない大きな秘密があった。城宮がヨヨ子を連れて10数年ぶりに実家へ帰ったことをきっかけに、その秘密が少しずつ明らかになっていく。城宮の幼馴染であり、現在は警察官になっているマチが、ヨヨ子にとある疑いの目を向け始めたのである。そして、「ごっこ生活」を楽しんでいた二人の関係は、少しずつ崩壊を迎えていく…。
映画『ごっこ』の感想・評価
大人気芸能人、千原ジュニアの演技力
本作の主人公は、40を手前にして引きこもりのニートでありながら、5歳の少女をふとしたことから誘拐してしまうという男。そんな難しい役どころを演じるのは、なんと知らぬ者はいないであろう大人気芸人、千原ジュニア。実は、宮川大輔や今野浩喜、原田泰造など、映画界で活躍している芸人も少なくない。普段からコントなどで演技をしている故か、芸人には演技力の高い人が多いのである。しかし、脇役として芸人が出演することはあれど、主演、特にここまで難しい役どころを演じている作品はあまり見かけない。芸人としては誰もが認める才能を発揮する千原ジュニア。俳優としても、その才能を発揮することができるのか。千原ジュニアの演技に注目が集まる。
連載当時大きな話題を呼んだ強烈な設定
本作がメインのテーマとして取り扱っているのは、引きこもり、虐待、誘拐。ジャンプ系統の誌面で連載するには前代未聞の、あまりに重いテーマである。そのため、今作の連載が開始した当時、読者の中でも様々な意見が飛び交った。しかし、そういったテーマだからこそ、この作品はこれほど多くの読者を惹きつけ、とうとう実写映画化されるまでに至ったのである。連日ニュースで流れているとはいえ、それを自分に関係のある話として捉えている人はそういないだろう。今作をきっかけに、現在日本で生じている社会問題について考えることも、本作の楽しみ方の一つかもしれない。癖のある登場人物達を、個性的なキャスト陣がどう演じるかも注目である。
映画『ごっこ』の公開前に見ておきたい映画
桜と印籠
最新作、『ごっこ』で主演を務めているのは、大人気芸人、千原ジュニア。しかし、実は千原ジュニアは今作に至るまでに数多くの映画に出演している経験がある、立派な役者でもあるのだ。その中でも同じく芸人、板尾創路と共に主演を務めたのが本作である。かの有名な水戸黄門。そんな水戸黄門の息子は、助さん角さんと共に世直しの旅に出ていた。そして、旅の最中、一行は南町奉行暗殺事件と遭遇するのだった。彼らは少々抜けたところのある金さんと共に、事件解決のために奔走する。なぜ千原ジュニアが多くの映画に引っ張りだこなのかが分かる一本。今作で千原ジュニアの演技力を確認しておけば、安心して最新作に臨むことができること間違いなし。
詳細 桜と印籠
青天の霹靂
芸人が出演している映画は数多くあれど、脚本、監督の全てを芸人自身が行なっている作品はそう多くはない。その類稀なる感性で数多くのバラエティ番組に引っ張りだこのピン芸人、劇団ひとり。そんな劇団ひとりが2010年に執筆し、自身が監督を務め映画化されたのが本作。晴夫は、一流のマジシャンを目指しているものの、35歳になっても小さなマジックバーで働いている売れないマジシャンだった。そんな晴夫のもとに、ある日長年会っていない父親が死んだという連絡が入る。その時、晴夫は突如として晴天から落ちた雷に打たれてしまう。そして、なんと彼は過去へタイムスリップしてしまったのである。そこで彼が知ったのは、家族の愛情だった。冴えない中年男性が主人公という点も最新作と共通している一作。
詳細 青天の霹靂
八日目の蝉
角田光代による同名小説を2011年に実写映画化した作品で、その衝撃的なストーリーが大きな話題となった。主人公である野々宮希和子は秋山丈博という男の愛人だった。そんな希和子は、ある日秋山邸に忍び込む。そして、そこで彼女は運命的な出会いを果たすのだった。そこに寝ていたのは、秋山家の一人娘だった。その娘が希和子に笑いかけた時、なんと希和子は衝動的にその娘を誘拐してしまったのである。それから、その娘は希和子の娘として育てられることになるのだったが…?幼い子供を誘拐し、普通の親子を演じるという点で最新作と共通している作品。そのテーマ故に、見ていて心をえぐられる作品でもある。見る際には覚悟を決めて望むべき一本。
詳細 八日目の蝉
映画『ごっこ』の評判・口コミ・レビュー
映画‘ごっこ’観ました!
父子のなんとも言えない懐かしいやりとりににっこりさせられ、時々訪れる危ういシーンにドキッとさせられ…
すごーくいい映画を観たいい日でした。
小路先生に聞きたいことがたくさんあるなーと改めて思いました。
原作読んだ人も読んでない人も観てほしいです!#映画ごっこ pic.twitter.com/mYSPnhJcmf— 水瀬マユ 新連載「いとなみいとなめず」開始 (@minasemayu) 2018年10月20日
#ごっこ 今年もあと2ヶ月というところで、すごい映画を観た。誘拐犯とさらわれた幼女の親子”ごっこ”。家族とか愛とか、本物とか偽物とかいろいろ考えたけど、パパやんとヨヨ子のやりとりに全部あったと思う。全体的に後味は少し苦い。その苦味のなかにはやさしさがあって、余韻が今もつづいている。 pic.twitter.com/ykrZbXRxja
— 騏驎 (@marumadonosoto) 2018年10月20日
映画ごっこを観た。映画館行くと大抵寝る母も今回は前のめりになって観ていた。最後は嗚咽を堪えるのに大変だった。エンディングの川谷絵音の歌声がとにかく清らかで涙に拍車をかけた。3世代で観ると感じ方も違っていて見終わった後の感想が面白い。色々な世代の人に観てほしい映画です。#映画ごっこ
— む〜みん (@raspberry_926) 2018年11月1日
ごっこ、すごい期待してた訳じゃなかったけど、泣けたな。
映画の内容と主題歌がマッチしてて、最後の方のシーンの記憶思い出すところがよかった。— しょうこ (@gesusyou) 2018年10月20日
映画の「ごっこ」鑑賞。心が揺さぶられる映画で主演の千原ジュニアがすんごい迫力。ストーリーもだれないし、急転回するしで最後まで引き込まれた。エンディングの川谷絵音の曲が映画とリンクしててすごい余韻にまだ浸ってる。
— mie-ya (@AI60846591) 2018年10月20日
映画『ごっこ』のまとめ
これまで、その重いストーリーから実写化は難しいとされていた、小路啓之による漫画、『ごっこ』。引きこもり、誘拐、虐待という非常に重いテーマを中心に描いているだけあり、見るには勇気がいる一本。しかし、重いだけでは終わらず、必ず見終わった後には学びと感動がある一作でもある。注目点はストーリー以外にも、その個性的な出演陣。芸人の千原ジュニアに、将来が期待されている子役である平尾菜々花、優香など、豪華なキャスト陣が肩を並べている。偽りの親子関係を経て、二人は幸せを掴むことはできるのか。家族とは血の繋がりか、それとも関係性によるものか。家族についても考えさせられる一本。この秋、新たな問題作が世間を騒然とさせる。
みんなの感想・レビュー
映画「ごっこ」の見どころは…、
何と言っても、この作品を通じて新たな映画名俳優が2人誕生したことです。
既に、主演作がある千原ジュニアさんには失礼ですが、「ごっこ」で魅せる怪演ぶりは、芸人が役者に挑戦したと言う枠を遥かに超える素晴らしい演技です。優しさと狂気の温度差をご確認ください。
そして、もう1人は
千原ジュニアさんから天才子役だ!と言わしめた平尾菜々花さん。彼女の目ヂカラと言霊の強弱、身体からほとばしる喜怒哀楽。まさしく、天才子役と呼ばずに何と言う。
映画は作品を楽しむのは当たり前のことですが、2人の演技を観に行くだけでも十分の価値があると信じて製作しました。
物語のキーになる、優香さん、清水富美加さん。
脇を固める、中野英雄さん、ちすんさん、秋野太作さん、石橋蓮司さん!すべての役者さんが自分の役を完璧に演じています。
物語はもちろんのこと、役者陣の演技をじっくりとご覧ください。
エンドクレジットで流れる主題歌『ほころびごっこ』(indigo la End)の映画への寄り添い方も素晴らしいです。
歌詞に耳を立ててください。この楽曲が『ごっこ』の最後をきちんと飾ってくれます。
映画『ごっこ』ゼネラルプロデューサー 芳賀正光