映画『ハッピーエンドが書けるまで』の概要:ジョシュ・ブーン監督が描くラブストーリー。出演はリリー・コリンズ、ローガン・ラーマン、ジェニファー・コネリー。声のみで作家スティーブン・キングも出演。2012年の米国映画。原題は「STUCK IN LOVE」。
映画『ハッピーエンドが書けるまで』 作品情報
- 製作年:2012年
- 上映時間:97分
- ジャンル:ラブストーリー、青春
- 監督:ジョシュ・ブーン
- キャスト:グレッグ・キニア、ジェニファー・コネリー、リリー・コリンズ、ローガン・ラーマン etc
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映画『ハッピーエンドが書けるまで』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ハッピーエンドが書けるまで』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ハッピーエンドが書けるまで』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ハッピーエンドが書けるまで』 あらすじ【起・承】
両親が離婚して2年が経った。文学を愛するサマンサ(リリー・コリンズ)は、大学生。
父親ビル(グレッグ・キニア)は、作家。父の影響もあり、サマンサは作家としてデビューを
果たす。
感謝祭のために実家に戻ったサマンサは、父親と高校生の弟ラスティ(ナット・ウルフ)に作家デビューを報告した。2人は喜ぶが、離婚後再婚した母親エリカ(ジェニファー・コネリー)に対してサマンサは会う事を拒否するのだった。
姉であるサマンサは、恋愛に対して現実的で、一夜限りの恋を繰り返す女性だった。
その背景には、どうも両親の離婚が関係しているようだ。
まだ恋愛未体験の弟ラスティに、恋愛をする人には2つのタイプがあると話す。
1人はロマンティストで、もう1人はリアリストだと。
つまり、弟にもっと積極的に恋愛をしなさいとアドバイスをしたのだ。
弟ラスティの夢は作家になること。感謝祭をテーマに詩を書いていた。
父親には夢の実現のため、毎日、日記をつけるように言われており、実行していた。
しかし、時々、父に黙って日記を読まれてしまうのが我慢ならない。
父親はラスティの夢を応援しつつ、“作家は人生体験が全てなんだよ!”と言う。
一方、父親は離婚した前妻エリカを忘れることができないでいた。時にストーカーのように再婚したエリカの住居へ行き、その生活を覗き見することがやめられない。
それをサマンサも気づいていて、父親に行為をやめるよう叱った。
映画『ハッピーエンドが書けるまで』 結末・ラスト(ネタバレ)
“彼女を見ると心が痛んだ・・鼻血が出ていた。”と日記に書くラスティは、同じクラスのケイト(リアナ・リベラト)に片思いをしていた。
彼女が時々、鼻血を出すことが気になっていたが、友人のパーティで彼女が薬物中毒に苦しんでいるのを知った。
ラスティはケイトが彼氏から殴られているところを救いだし、自宅に連れてゆく。
自宅で、足を怪我したケイトといるところを帰宅した父親に見つかってしまう。
だが、温厚な父親はケイトを歓迎し、“君を気に入っているよ。”と息子の想いを後押しするのだった。
ケイトは、ラスティが感謝祭の時に呼んだ詩を気に入っていた。その詩に出てくる“天使”について聞く。“天使って私のこと?”と。そして2人はキスをするのだった。
一方、サマンサは相変わらず、一夜限りの相手しか求めていなかった。
そんなサマンサを見て、大学のクラスメイトのルイス(ローガン・ラーマン)は、そんな奴と関係を持ってはダメだと忠告。“君と友達になりたいんだ!”と。
ルイスは草食系男子で、本の趣味も大きく違っていたが、サマンサは彼の誠実さに惹かれてゆく。
クリスマスの日。ルイスの家を訪ねたサマンサは、ルイスが脳腫瘍を患う母親に「不思議の国のアリス」を読み聞かせしているのを見た。
ルイスに“休みの日にデートしてくれたら、ストーカー行為を許すよ”と言われたサマンサは了承し、新作「ピンクの下」を彼に渡した。
デートを重ねる2人。小説の感想を聞くと、“皮肉屋だと知っていたけど、どこまで本当なのかい?”と言われてしまう。内容は性的表現が過激なのだ。
子供達の交際は順調だったが、前妻エリカのことが忘れられないビルは、新しい彼女を見つけるべく活動を始めた。そして、デートをするのだが、やはり前妻へのストーカー癖は治らないようだ。
サマンサの出版記念パーティが行われた。父親ビル、母親エリカ、弟ラスティに加えて招待されたのは、サマンサの彼氏ルイスとラスティの彼女ケイト。
サマンサとの確執に悩む、母親エリカは勇気をだして娘と話す。まだぎこちない2人だったが、少しずつ分かり合えるようになるだろう。
そんな中、ラスティの恋人ケイトは会場の外で酒とドラッグを過剰摂取してしまい、命の危険にさらされてしまう。ラスティは、ひどい状態のケイトを見て泣いてしまう。
数か月後。家族で避暑地を訪れたサマンサは、父親から母親との真実を聞いた。
父親が浮気をした時、母親と“もし、私が過ちを犯したら待っていてくれる?”と約束したのだと言う。だから、もう3年も待っているのだと。
その後、ルイスから母親が亡くなったという知らせを受けた。サマンサは、悲しみにうちひしがれるルイスをそばで支えるのだった。
ある日、恋人ケイトの薬物中毒の件で落ち込むラスティのもとへ、作家スティーブン・キング(本人)から電話がきた。
姉サマンサの紹介で、ラスティの小説を読んだのだと言う。ラスティの才能認め、素晴らしいと称賛するのだった。また、彼は父親ビルの書いた小説「スーツモンキー」についても誉めるのだった。
感謝祭の日。父親ビル、弟ラスティ、サマンサとルイスが食卓を囲んでいると、そこへ母親エリカが現れた。
“まだ私の居場所があるなら、戻りたい・・。”と言う。
こうして、家族は、母親エリカを加え、再出発したのだった。
映画『ハッピーエンドが書けるまで』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ハッピーエンドが書けるまで』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
文学が癒す、家族の絆と愛!
この世の理は陰と陽でできています。付き合うなら、正反対の性格がいいとよくいいますよね。本作では、“経験豊富な女の子”と“奥手な男の子”のカップルが愛を育んでゆきます。
文学一家という設定が普通ではない家族を想像させ、人生経験を小説という形に昇華させてゆく。恋愛におけるリアルと妄想が、うまい具合に混ざりあった作品だと思います。
ここまでは本当に優れているのですが、アメリカ社会に根深い麻薬中毒という問題が、この映画に影を落としています。弟ラスティも麻薬の常習者で、その恋人も麻薬に溺れている展開がなんともやりきれません。
家族の再生問題がテーマのように見えますが、実は、内面的な救いを求めている若者たちを描いています。原題は「STUCK IN LOVE」。
STUCK INには、“行き詰まった”とか“身動きが取れない”意味があり、家族の愛が滞っている状態を表しています。
邦題を見ると、かっこいい恋愛映画のように騙されてしまいますが、愛の危機に対して文学を心の支えとして生きる家族の姿に共感できますよ。
本好きならきっと、書きたい気持ちが沸いてくるのではないでしょうか。
ニュー・ヒロインの誕生~リリー・コリンズ
リリー・コリンズは、映画「あと1センチの恋」でじわじわと人気を獲得し、ジュリア・ロバーツと共演した「白雪姫と鏡の女王」でもキユートな魅力を振りまいています。
彼女は、濃い眉毛が特徴で、シンプルな服やメイクを好むのだそう。女優としてだけでなく、ファッションアイコンとしても注目されています。
本作では、19歳で作家デビューしたサマンサ役で、皮肉屋の肉食系女子!を演じています。
この役が最初は彼女のイメージと合っていないと思っていたのだけど、恋に猪突猛進な感じが痛くてかわいい。
今後は、奥手な女の子の役も観てみたいと思うほど、感性で演じているのが彼女らしくていい。
次回作はポン・ジュノ監督のモンスター映画に出演予定で、ダークな役どころに期待したい。
前半は、登場人物に魅力を感じることができませんでした。サマンサのつっかかるような態度は可愛くないし、弟のラスティと父ビルは純粋だけど女々しさが気になってしまって。でもサマンサが、病気の母を持つルイスと親しくなったあたりから、それぞれの新たな一面が見え始めてグッと引き込まれました。
スティーブン・キングから電話がかかってくる展開にはびっくり!本人が声で出演していると知ってさらに驚きました。レイモンド・カーヴァーの作品も引用されていて、かなり豪華。後半に進むにつれて、本好きには嬉しい場面が多かったです。(女性 40代)
『白雪姫と鏡の女王』で白雪姫役だったリリー・コリンズが、父親を捨てた母を許せずにいる娘のサマンサ役を演じています。最初、作家としてデビューするほどの女性でありながら、人との深いかかわりを恐れ、自由奔放な軽い印象の役でなんとなく違和感がありました。物語が進むにつれて、真剣な恋愛を恐れていたのは、両親の離婚で父親が傷つく姿を見ていたからということが分かりました。同級生で作家志望のルイスと知り合い、彼の優しさと愛情を感じることで少しずつ人を信じることが出来るようになります。妻が出て行った後も、待ち続ける父親。その理由がわかり、最後は母親との距離も縮まります。(女性 40代)
結婚や愛に振り回されて、報われない想いをしている周りを見て愛を信じられなくなってしまった女性が一歩踏み出す物語。誰かを愛するせいで傷ついたり傷つけたりする姿を見て、恋愛なんてしないと思ってしまう主人公にすごく共感したし、色々な想いを抱えながら前へ進んでいく登場人物たちがすごく人間らしい。ジェニファー・コネリーとリリー・コリンズがどことなく似ていて親子っぽさがあったよかった。(女性 20代)
映画『ハッピーエンドが書けるまで』 まとめ
人生における、“ハッピーエンド”は難しい。家族の形も1つではなく、多様にあってもいい。本作は、家族のそれぞれの恋愛模様に文学性が深く関わっています。
弟ラスティが、スティーブン・キングの小説の大ファンだというのもポイント!
声でキング本人が出演したほか、ジョシュ・ブーン監督の次回作はスティーブン・キング原作を映画化するらしい。
監督の趣味が濃い内容だが、本作にでてくる本もぜひ読んでおきたいものばかりです。
スティーブン・キングの「IT」や「不思議の国のアリス」など、有名な本を読むだけでも世界が広がりますよ。
恋愛に悩んでいる全ての人におすすめの映画です!
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