この記事では、映画『ヒドゥン』のあらすじをネタバレありで解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ヒドゥン』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ヒドゥン』 作品情報
- 製作年:1987年
- 上映時間:100分
- ジャンル:SF、アクション
- 監督:ジャック・ショルダー
- キャスト:カイル・マクラクラン、マイケル・ヌーリー、エド・オロス、クルー・ギャラガー etc
映画『ヒドゥン』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『ヒドゥン』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ヒドゥン』のあらすじを紹介します。
舞台はアメリカ・ロサンゼルス。この街ではごく普通の人間たちが突如豹変し、凶悪な事件を起こす事件が連続して発生する。事件を追うロサンゼルス市警のトム・ベックはその犯人を捕獲し、事件は解決したかに見えた。
しかし実はそれは人間の体内に侵入し、その人間を操る事が出来る寄生型エイリアンの仕業であった。エイリアンは次なる人間の体内に侵入し、さらなる悪事を積み重ねていく。
そんなトムの前にFBI捜査官ロイド・ギャラガーが現れて協力を申し出る。しかし彼の正体も寄生型エイリアンの一人であった。ロイドは妻子を殺され、その犯人を追ってこの地球にまでやってきたという善のエイリアンなのだ。最初は彼を信じる事の出来ないトムも、摩訶不思議な事態を目の当たりにするにつれて、次第にロイドを信用するようになっていく。やがて二人の間には切っても切れないような友情関係が芽生えていく。
一方、凶悪エイリアンは次々と人間の体を乗り換えていき、遂には時期大統領候補のホルトの体を乗っ取ってしまう。二人は凶悪エイリアンの凶行を止めようとするものの、トムが銃弾を浴びて倒れてしまうが……。

映画『ヒドゥン』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ヒドゥン』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
アボリアッツ・ファンタスティック映画祭グランプリ
1993年を最後に廃止されてしまったんですが、知る人ぞ知るB級映画の祭典とも言える映画祭。歴代のグランプリ作品は「激突!」「ソイレント・グリーン」「キャリー」「エレファントマン」「マッドマックス2」「ターミネーター」「ブレインデッド」など名作揃い。そんな映画祭において1988年にグランプリを受賞したのが今作の「ヒドゥン」。ちなみに同年にノミネートされた作品は「ロボコップ」や「チャイニーズ・ゴーストストーリー」。この事実だけでもこの映画がいかに評価されているかがわかるだろう。
いくら撃っても死なないエイリアン
地球に侵略してくるエイリアンの姿は過去にも多数描かれていたが、今作のエイリアン描写は一味も二味も違う。まず寄生型エイリアンであるという事がまず面白い(特にこのビジュアルとSFXは凄まじい)。人間の体内に入ってはその人物をコントロールする。いくら拳銃で撃たれようが、大怪我をしようが、中身のエイリアンには傷一つつかないというターミネーター的無敵感が恐ろしい。加えてなぜだかは知らないがエイリアンがハードロック好きでありスピード狂であるという設定になっており、このやたらとカーチェイス・シーンが多いのも楽しい所。このエイリアン設定は後の「メン・イン・ブラック」に引き継がれている。
地球人と宇宙人のバディ・ムービー
しかし今作はただのSFアクション映画ではない。カイル・マクラクラン演じる善玉エイリアンは、さすがに孤立無援で闘う事は不可能と考え、地球人の警官とコンビを組む。この二人が友情を結ぶ展開はベタとはいえワクワクするものがあるし、ラストで警官が殉職してしまった時にエイリアンが取る行動には涙を流さずにはいられなかった。ちなみのこのラストには二種類の解釈があり、死んだ警官に自分の生命力を注入し、善玉エイリアンは代り死ぬという説と、死んだ警官の中に自分が侵入し、警官の代りに自分がその人生を生きる決意をするという説に別れる。どちらも好きなのだが、それは観客の判断に任せたい。
SFとバディポリスものが絶妙に融合した傑作でした。無差別に暴れまわる寄生型エイリアンが人間の体を乗っ取って逃げ続ける展開は、テンポがよく一気に引き込まれました。物静かな捜査官ロイドが実は地球外生命体だったという中盤のどんでん返しも見事。彼が最後に人間として家族のもとに残る選択をするシーンでは、不思議な感動がありました。(30代 男性)
派手なカーチェイスとドンパチで始まる本作、正直最初はB級っぽいなと思って観ていたのに、後半になるにつれてどんどん面白くなっていきました。特に、宿主を次々に変えていくエイリアンの動きが恐ろしくもスリリング。刑事ベックと異星人ロイドの関係が深まっていく様子も丁寧に描かれていて、最後には涙すら出そうになりました。(20代 女性)
80年代のSFアクションの中ではかなりの掘り出し物だと思います。犯罪者が次々と乗り移られていく描写はテンポも良く、観ていてまったく飽きませんでした。終盤、ベック刑事が致命傷を負い、ロイドが命と引き換えに救うシーンには泣かされました。最後の「父親」としての描写に、人間の感情を学んだロイドの成長を感じてジーンとしました。(40代 男性)
今観ても古さを感じさせないテンポの良さが魅力。単なるSFアクションにとどまらず、倫理や人間性をテーマにしている点が光ります。ロイドがベックの娘に微笑むラストは切なくて美しい。エイリアンとの戦いを超えて、静かな感動を残してくれる作品でした。B級感が逆に魅力になっている、80年代らしい名作です。(30代 女性)
まるで『ターミネーター』と『ボディ・スナッチャー』を合わせたような映画で、アクションとサスペンスのバランスが絶妙でした。特に、銃撃戦やカーチェイスのシーンは迫力満点。敵エイリアンが次々と人間に乗り移って暴れ回る姿はホラー要素もあってドキドキしました。ラストの静けさが印象的で、意外にも心に残る結末でした。(50代 男性)
意外性のある設定が魅力で、物語の展開も読めずハラハラしながら観ました。ベックとロイドの関係性に徐々に信頼が芽生えていく描写が丁寧で、人間ドラマとしても成立しています。特に、ロイドが自らを犠牲にしてベックの命を救い、家族のもとに残るという選択には心を打たれました。SFが苦手な私でも感動できる映画でした。(40代 女性)
SF作品にありがちな冷たい雰囲気ではなく、どこか温かみを感じる映画でした。ロイドの寡黙で誠実な姿が印象的で、異星人でありながら人間以上に“人間らしい”存在として描かれているのが素敵です。宿敵との戦いよりも、彼の選んだ最後の行動に心を奪われました。地味な名作として、もっと知られるべき作品だと思います。(20代 男性)
序盤からのド派手な展開で掴まれ、中盤でのSF設定の明かされ方が秀逸でした。ベック刑事との距離感が少しずつ縮まっていくロイドの成長が物語の鍵であり、最後の決断にすべてが凝縮されていると感じました。エイリアンバトルに隠れた“友情と家族”の物語としても成立していて、観終わったあとの余韻が素晴らしいです。(30代 男性)
アクション映画としての爽快感はもちろん、終盤の感情的な展開にぐっときました。特に、敵エイリアンが政治家に乗り移り、表舞台で暴れ出すくだりはかなり刺激的でした。そこに立ち向かうロイドとベックのバディ感が最高。最初は無表情だったロイドが、最後に人間らしい感情を見せる流れには、感動すら覚えました。(30代 女性)
SF、サスペンス、アクション、ヒューマンドラマ…すべてがバランスよく詰まった良作でした。80年代作品でここまでテンポ良く、脚本も練られているものは珍しいと感じました。リメイクしても面白そうですが、あのラストの切なさと静けさは、あの時代だからこそ成立したのかもしれません。間違いなく隠れた名作です。(60代 男性)
映画『ヒドゥン』を見た人におすすめの映画5選
ゼイリブ(They Live)
この映画を一言で表すと?
サングラスをかけると“奴ら”が見える、80年代カルトSFの金字塔!
どんな話?
失業中の男が謎のサングラスを手に入れたことで、社会に潜む“異星人”たちの存在を知る。異星人はテレビや広告を通じて人間を洗脳し、支配していた。彼は真実を暴くため、抵抗を開始する。ジョン・カーペンター監督の社会風刺SFアクション。
ここがおすすめ!
『ヒドゥン』同様、見えない異星の存在が人間社会に紛れているという設定が共通。アクションもテンポよく、80年代独特のB級感が魅力的です。シンプルながら、痛烈なメッセージ性もあり、クセになる一本です。
ボディ・スナッチャー/恐怖の街
この映画を一言で表すと?
人々が“感情のない何か”にすり替わっていく、SFスリラーの原点。
どんな話?
小さな町で、人々が知らぬ間に“何か”に入れ替わっていく奇怪な事件が発生。医師がその正体に気づき、真相を暴こうと奔走するが、すでに侵食は広がっていた…。恐怖とパラノイアを描いた名作リメイク映画。
ここがおすすめ!
“誰かが誰かでなくなる”というテーマは『ヒドゥン』と共鳴。じわじわと恐怖が広がる演出が秀逸で、SFというより心理スリラーとしても一級品。静かな恐怖に浸りたい方にはぴったりです。
メン・イン・ブラック
この映画を一言で表すと?
地球はすでに宇宙人だらけ!?秘密機関MIBが異星人を監視!
どんな話?
宇宙人が地球に住んでいることを知る者はいない。彼らを管理する機関「MIB」にスカウトされた新人エージェントが、相棒とともに危険な事件に挑んでいく。ユーモアとSFアクションが融合した大ヒット作。
ここがおすすめ!
『ヒドゥン』と同じく、異星人が人間社会に紛れて生活しているという世界観が共通。よりライトでコメディタッチながら、SF好きにはたまらない設定とガジェットが満載。バディものとしても秀逸な作品です。
フェノミナン
この映画を一言で表すと?
突然超能力に目覚めた男が見た“人間であること”の意味とは。
どんな話?
平凡な男ジョージが、ある夜の光を見て以来、超人的な知能と力を手に入れる。だが、周囲からは恐れと疑念の目を向けられ、やがて衝撃の真実が明かされていく。静かな感動を呼ぶヒューマンSFドラマ。
ここがおすすめ!
ロイドのような“人ならざる者”の孤独や優しさに惹かれた方におすすめ。アクションは控えめながら、心に残るテーマと感情がじわじわ沁みてくる感動作です。観終わった後に静かな余韻が残ります。
デッド・ゾーン
この映画を一言で表すと?
未来が見える男に訪れる“正義と運命”の選択とは?
どんな話?
事故で昏睡状態から目覚めた男ジョニーは、人に触れることで未来を見る力を得ていた。その力がある政治家の恐ろしい未来を告げたとき、彼は人知れず行動に出る。スティーブン・キング原作のサスペンスSF。
ここがおすすめ!
“異能を持った孤独な存在”という点でロイドに通じる主人公。SFスリラーでありながら、内面の葛藤と選択を描いた人間ドラマとしても優れており、『ヒドゥン』の静かな感動が好きな方に刺さる作品です。
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