アメリカの金融界を震撼させる、驚異のプロジェクトが始動する。巨額の富を得るために、0.001秒の短縮に命を懸けた熱き男たちの実話を基にした壮大なマネー・ドラマ。アカデミー賞ノミネートの実力派俳優たちが、一世一代の大儲けに打って出る。
- 映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』の作品情報
- 映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』の作品概要
- 映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』の予告動画
- 映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』の登場人物(キャスト)
- 映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』のあらすじ(ネタバレなし)
- 映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』の感想・評価
- 映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』の公開前に見ておきたい映画
- 映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』の評判・口コミ・レビュー
- 映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』のまとめ
映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』の作品情報
- タイトル
- ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち
- 原題
- The Hummingbird Project
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2019年9月27日(金)
- 上映時間
- 111分
- ジャンル
- ドラマ
- 監督
- キム・グエン
- 脚本
- キム・グエン
- 製作
- ピエール・エバン
- 製作総指揮
- ブライアン・カバナー=ジョーンズ
フレッド・バーガー
マリー=ガブリエル・スチュワート
ハイディ・レビット
キム・グエン - キャスト
- ジェシー・アイゼンバーグ
アレクサンダー・スカルスガルド
サルマ・ハエック
マイケル・マンド
サラ・ゴールドバーグ
アンナ・マグワイア
フランク・スコーピオン
ヨハン・ヘルデンベルグ - 製作国
- カナダ
ベルギー - 配給
- ショウゲート
映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』の作品概要
ミリ秒単位で莫大な損得が発生する、株取引。ニューヨークの株取引所で働いている1人の男が、勝率100%の「先回り」で巨額の富を独り占めにするため、とある企みを思い付く。その方法は、証券取引所とやり取りするデータ速度を、0.001秒を縮めるという奇想天外なプロジェクト。富を得るために、まるで病魔に取りつかれたかのような笑顔と口説き文句で投資家たちを抱き込んでいく主人公のヴィンセント。演じるのは、アカデミー賞ノミネート俳優のジェシー・アイゼンバーグ。ヴィンセントの相方を務める知性派のアントンには、『ターザン:REBORN』のアレクサンダー・スカルスガルドがこれまでのイメージをかなぐり捨て登場する。
映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』の予告動画
映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』の登場人物(キャスト)
- ヴィンセント(ジェシー・アイゼンバーグ)
- 株の高頻度取引を進めるトレス・サッチャー社で、システムを構築する仕事をしている。アントンとは従兄弟の関係。
- アントン(アレクサンダー・スカルスガルド)
- ヴィンセントと同じトレス・サッチャー社で、パイプ埋設のプロとして働いている。掘削にも精通しており、行動派のヴィンセントとは正反対で理屈っぽい知性派。
- エヴァ(サルマ・エハック)
- ヴィンセントとアントンが働いているトレス・サッチャー社の上司。2人が突然の辞職をしたことに怒り狂い、2人の計画をしつこく追ってくる。
映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』のあらすじ(ネタバレなし)
ニューヨークに住むヴィンセントとアントンは、従兄弟同士で同じトレス・サッチャー社に勤めていた。ここでは、株の高頻度取引に関わる仕事をしており、ヴィンセントは主にシステムの構築を、アントンは技術面で会社に貢献していた。
だが、アメリカ政府は2008年のリーマンショック以降、大規模な株取引などに規制をかけ、大手金融機関はハイリスク・ハイリターンの投資ができなくなっていた。大きな金額を掛けての投資ができなくなったことで、投資市場では「高頻度取引」が台頭してくる。データ速度を極限まで早め、先回りすることでライバルを出し抜き、勝率100%という虚位の数字で巨富を独り占めにしようと、どこも躍起になっていた。
高頻度取引を売りにしているトレス・サッチャー社も、もちろんこのデータ処理速度の遅延をいかに縮めるかを研究していた。そしてある日、ヴィンセントはとある計画をアントンに持ちかける。それは、株式市場の総本山でもあるニューヨークの証券取引所から直線距離1,600kmの場所に位置しているデータセンターを、1本のケーブルで繋ぐというもの。
専用回線が完成すれば、感染を持っている投資家は取引時間を0.001秒短縮させることができる。ヴィンセントとアントンは、自分たちの計画を実現するべく突然会社を辞め、ケーブルが通る直線状に位置している土地の所有を買収し始めたのだった。
映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』の感想・評価
当選番号を知った宝くじを、今手に入れる
誰もが一度は夢に見る、「宝くじが当たったら、何を買おう」という夢のまた夢のような話。その「叶うはずのない夢」を、叶えようと奮闘する男たちがいた。凡人からしたら、たった「0.001秒」のミリ秒と言われている僅かな時間で、何ができるのだと思うだろう。だが、そのたった「0.001秒」の違いで、数億ドルを稼ぎ出す人たちが、世界には存在している。
その人たちのために、データ速度を極限まで早めようと努力する会社が出始めるのは、無理もない話である。早いデータ回線を持つ会社は、金の卵を持っているに等しい。宝くじを手にした人々のアメリカン・ドリームのような物語はいくつもドラマ化され、テレビで報道されているが、今回のカンザス州とNY間の1,600kmを直線で繋いだ実話は前代未聞のお話。実話というからには、映画の結末として実際に1,600kmの距離を直線で繋いだであろうことは予想できる。だが、映画の内容はそんな単調なものではない。そこまでの道のりがどれだけ険しかろうとも、未来の宝くじの当選番号を今この手にできるのなら、男たちのロマンも挑戦も留まるところを知らず、彼らはビッグ・ドリームに向かって進み続けるのだ。
オスカー俳優たちが挑む、金融界の驚くべき革命
主人公のヴィンセントは、行動力に長け、言葉巧みに人々の心を鷲掴みにする能力を持ち合わせている。彼の突飛な計画は、破天荒とも取れるが成功したら莫大な利益を生み出すことは目に見えていた。野心家のヴィンセントらしいと言えば、「らしい」計画である。そんな人物を演じるのは、アカデミー賞ノミネート俳優のジェシー・アイゼンバーグ。『ソーシャル・ネットワーク』でフェイスブック創業者マーク・ザッカーバーグの役を熱演し、アカデミー賞主演男優賞にノミネートした経歴を持つ。そんなジェシーが、今度は文字通り熱い「漢」を演じる。映画の後半では、ヴィンセントに恐ろしい病魔が襲い掛かり、プロジェクトの進行とともに自身の病気とも戦うことになる。プロジェクトが無事終焉を迎えるのか、映画は終始ハラハラし通しである。
ヴィンセントの右腕としてもプロジェクトの頭脳としてもヴィンセントを支えるのは、ヴィンセントの従兄弟であるアントンである。アントンはつるつるの頭に膨大な知識をため込み、ヴィンセントのプロジェクトに欠かせないシステムを一手に引き受ける。演じるのは、『ターザン:REBORN』のアレクサンダー・スカルスガルド。ターザンを演じていたアレクサンダーからは想像もつかない姿で登場したことで、ファンは大いに驚いたことだろう。マッチョなアレクサンダーが、禿げ頭の機械オタクに変わってしまったのだ。アレクサンダーの役者魂を見せつけられたかのような姿は、きっと目が離せない。
「ハミングバード・プロジェクト」とは
ハミングバードは、日本名にするとハチドリのことである。ハチドリは、高速に羽ばたきその場に浮遊できる鳥として有名である。その羽ばたきは、肉眼でとらえることなど不可能である。ハチドリは0.001秒に一回羽ばたいていると言われている。それ故に、今回ヴィンセントとアントンが0.001秒を削るために命を削るプロジェクトを「ハミングバード・プロジェクト」と呼んだ。
100万分の1秒と言われても、普通の人にはピンとこない時間だろう。ハチドリが羽ばたく瞬間も、高速ビデオカメラでコマ送りにしたものしか人間は見ることができない。そのわずかな時間で、世界のあらゆる金が動いているのだ。
2011年に始まった今回のプロジェクトから、およそ10年近く経った現代。技術は日進月歩を続けており、今では100万分の1秒から10億分の1秒、いわゆる「ナノ秒」へと進化を遂げている。日々進み続ける時間に、人間が追い付こうとしてもがいた軌跡は、観客たちに何を見せてくれるだろうか。
映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』の公開前に見ておきたい映画
ソーシャル・ネットワーク
『facebook 世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男』を書いたベン・メズリックのノンフィクション作品を基に作られたアメリカのドラマ映画である。この映画に登場する主人公で、後のfacebookの創立者でもあるマーク・ザッカーバーグを演じたのが、ジェシー・アイゼンバーグである。映画はジェシーの大学時代から始まり、物語は現在のfacebookの前身とも言えるfacemashからfacebook立ち上げまでの回顧録と、訴訟手続きを行う現在の2つのシーンが入り混じりながら進んでいく。
マークは、恋人に振られた腹いせにブログで恋人の悪口を書き込み、大学のコンピューターにハッキングして恋人の写真を収集。その写真をインターネット上にばらまいたのだった。もちろんこれらの行為は違法行為に当たるため、マークは当然のことながら大学から処分を受けることになるのだが、これをきっかけにして人と人が出会うためのコミュニティサイトの立ち上げを企画する。
facebookの立ち上げの歴史が、恋人に振られた腹いせで犯罪まがいのことから始まり、更に現代では訴訟問題にも発展するとは驚く人も多いだろう。一般的な歴史映画とは違うが、現代史を代表する出来事なだけに、見ると勉強になる珍しい映画である。
詳細 ソーシャル・ネットワーク
ターザン:REBORN
ディズニー映画でも知られている『ターザン』のその後のお話し。ディズニー映画では、ジャングルで育てられたターザンが人間の女性と心を通わせる物語を描いていた。今作のターザンは、ディズニー映画とは直接的に関係はないが、ジャングルで動物たちに育てられた男が、人間の女性と結婚をして、町で生活する様子を綴っている。
時は1884年のベルリン。ターザンは、父親の名前を次いでグレイストーク卿となっており、スーツをピシッと着用し、人間の世界で順風満帆に生活を送っていた。しかし、そんなターザンの元にアメリカ特使からコンゴの奴隷労働の実態を暴きたいと要請が持ち掛けられる。ターザンは妻のジェーンとともに懐かしの故郷でもあるコンゴの部族を訪ねる。だが、ターザンが思っている以上にコンゴでは多くの陰謀に塗れており、ジェーンはその争いに巻き込まれて連れ去られてしまう。
この映画の監督は、『ハリー・ポッター』シリーズのデイビッド・イェーツ氏が担当している。2Dと3Dが入り交じり、圧倒的なスケール感で描かれた映像は見る者を驚かせる。主人公のターザンを演じているのは、『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』でプログラミングのオタクぶりを発揮しているアレクサンダー・スカルスガルド。禿げ頭のアントンとは全く違った、肉体美に溢れるスカルスガルドの姿は必見である。
詳細 ターザン:REBORN
魔女と呼ばれた少女
『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』の監督キム・グエンが監督・脚本を手掛けた作品である。2012年に公開され、その年の第62回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門で上映された。また、第85回アカデミー賞外国語映画賞にカナダ映画の代表作品としてノミネートされた作品でもある。
キム・グエンは、この映画のために長い年月をかけてアフリカの少年兵士問題に取り組み、およそ10年の月日をかけて映画を完成させた。いまだに紛争が絶えないコンゴ共和国を舞台に、懸命に生きる少年少女たちに目を向けた作品は、平和な国で暮らしている者たちにはまるで幻想のように目に映る。この映画の主人公の少女を演じたラシェル・ムワンザはアフリカ人女性初のベルリン国際映画祭 銀熊賞・主演女優賞を受賞するという快挙を成し遂げた。
ラシェルが演じたのは、貧しくも平和に暮らしていた少女のコモナ。コモナは村から突然拉致され、反政府軍の兵士になるよう強要される。平和な暮らしと一変して、血に塗れた戦場で暮らすこととなったコモナに、やがて不思議な力が宿り始める。この力は自らの未来を切り開く力となるのか。
悲惨さの残る戦場に舞い降りた、魔法を携える少女の姿は、他の戦争映画と一線を画す作品となって観客たちを魅了する。
詳細 魔女と呼ばれた少女
映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』の評判・口コミ・レビュー
ハミングバード・プロジェクト を鑑賞。株取引を有利にするためのミリ秒単位の回線速度競争(と狂騒)を描いたお話。幸福の本質は何か?というようなことを真逆の題材を使って示すような映画でした。最後に出てきたレモン農家とマシュマロを焼く、って例えがいいですね。 pic.twitter.com/Irp6D95YsK
— 坪井孝志 (@gourmandminzoku) 2019年9月28日
ハミングバード・プロジェクト0.001秒の男たち観た。最初、軽い雰囲気で始まったからそんな感じで話が進んで行くと思ったら途中結構シンドイこともあるし、最後は何か寂しい雰囲気で終わっちゃったよ。想像したのと全然違った。痛快金融話だと思ってた。#ハミングバードプロジェクト pic.twitter.com/4gxfi5wyLS
— タナカ (@hhhllaa1) 2019年9月27日
『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』株取引用の高速通信回線敷設に執念を燃やす男たちの奮闘。頑固地主、機械故障、資金繰り、同業者妨害と厄介事が次々と降りかかってくるも、それを跳ねのけて進む主人公のまくしたて話術、鬼気迫る演技が凄い。掘削工事も地味ながら魅せる。7.9点
— ジャックと豆の木 (@ayumiotomo) 2019年9月28日
今年65作目「ハミングバード・プロジェクト」鑑賞。
飲み会が早く終わったので劇場に走り、とりあえず時間が合ったこの作品に滑り込み。
ジェシー・アイゼンバーグの高速台詞に舌を巻く。A・スカルスガルドの演技も◎ナイスハゲキャラ。次々に襲いかかる困難に胃が痛くなる。派手さは無いが良作。— すぱすぱ2.0【フリーランス民間人】 (@osana0406) 2019年9月27日
映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』。株取引高速化の為の全長1600キロの光ケーブルを繋ぐ工事に掛かるが、様々な困難、妨害に合い難航する。主人公達が血の滲む労力を費やし高速化しても、どうせまた他の誰かが新たなる高速化を・・と虚しさがあり、話の苦味は強め。
— 沙藤昌(埴輪) (@haniwasato) 2019年9月27日
映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』のまとめ
この物語は、スプレッド・ネットワークス社という実在する会社の“実話”が基になっている。この映画が公開される前に、既に『マネー・ショート 華麗なる大逆転』の原作者マイケル・ルイス氏が『フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち』という本を執筆しているため、内容を既にご存知の方もいるだろう。全米の多くの投資家たちを仰天させた今回のプロジェクトには、数々の解決困難な問題が立ちふさがる。それでも夢を諦めず進んでいく姿や、折れない信念、生き様などに胸を打たれてしまう。公開前の時点で、既に問題が山のように積まれているが、彼らはどう解決してくのだろうか。プロジェクト中止の危機の回避に、文字通り命が注がれる。
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