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映画『ジュディ 虹の彼方に』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ジュディ 虹の彼方に』の概要:伝説のミュージカル女優ジュディ・ガーランドが47歳で亡くなる前に行った半年間のロンドン公演を描いた作品。少女時代にハリウッドスターへと駆け上がった彼女の過去と現在の苦悩と波乱の人生を主演のレニー・ゼルウィガーが熱演した実話。

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映画『ジュディ 虹の彼方に』の作品情報

ジュディ 虹の彼方に

製作年:2019年
上映時間:118分
ジャンル:ヒューマンドラマ、音楽、伝記
監督:ルパート・グールド
キャスト:レネー・ゼルウィガー、ジェシー・バックリー、フィン・ウィットロック、ルーファス・シーウェル etc

映画『ジュディ 虹の彼方に』の登場人物(キャスト)

ジュディ・ガーランド(レニー・ゼルウィガー)
映画『オズの魔法使』の主人公、ドロシー役で天才的な歌唱力と演技力を発揮し、ハリウッドスターへと伸し上がる。少女時代からの投薬コントロールで薬物依存となり、不眠症を患っている。5人の男性と結婚、離婚を繰り返し3人の子供の母親。後に伝説のミュージカル女優と称賛される。
ロザリン・ワイルダー(ジェシー・バックリー)
ロンドンの老舗クラブに雇われたジュディの世話係。28歳のやり手マネージャー。ジュディの世話を行い、彼女の私生活を垣間見て心を傾ける。思いやりのある赤毛の女性。
ミッキー・ディーンズ(フィン・ウィットロック)
ニューヨークでバーを経営する青年実業家。ジュディと出会い恋をする。革新的なアイデアを持ち、時代の流れを敏感に感じ取る。ジュディの5人目の夫となる。
シド・ラフト(ルーファス・シーウェル)
ジュディの3人目の夫。2人の子供達の親権を巡ってジュディと法廷で争っている。かつてはジュディを最盛期へと復活させようと奮闘したことがあるが、失敗している。子供達のために心を砕いている。
バーナード・デルフォント(マイケル・ガンボン)
ロンドンの老舗クラブのオーナー。壮年で威厳のある老爺で、ジュディの公演を喜んで行ってくれるが、ジュディの扱いづらさに頭を悩ませることになる。

映画『ジュディ 虹の彼方に』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ジュディ 虹の彼方に』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ジュディ 虹の彼方に』のあらすじ【起】

1939年、映画『オズの魔法使い』の主人公、ドロシー役に大抜擢され、若干17歳でハリウッドのスターダムへと駆け上がったジュディ・ガーランド。それから30年余り、4人の男性と結婚、離婚を繰り返し母親となった彼女は、舞台に立ちながらもホテル暮らしを続けていたが、とうとう支払いも満足にできなくなり追い出されてしまう。深夜に近い時間、2人の子供を連れジュディが向かった先は元夫シド・ラフトの家だった。

シドは迷惑そうにしながらもジュディと子供達を受け入れてくれるが、彼女が子供達を満足に養育できていないことを指摘し、一時的にでも預けるよう訴える。ジュディも反発しつつ子供達のことを考え、彼に預けることにした。

子供達をシドに預けたジュディは、その足であるホームパーティーへ赴く。そこには女優となった娘が参加していた。娘を励ましたジュディは、ニューヨークでバーの経営をしている青年ミッキー・ディーンズと出会う。

彼と良い雰囲気になり共に時間を過ごしたジュディ。デビューしたての頃、同じ名前の俳優と撮影したことを思い出す。彼女はその頃、映画スタジオの指示で生活の全てを牛耳られていた。スレンダーな体型を保つために満足な食事もできず、仕事をこなすために眠ることも許されない。栄養は投薬で補われマネージャーが一挙手一投足を監視する。若いジュディにとっても苦しい少女時代だった。

当時から服用させられていた薬の影響でその後の彼女は、遅刻や無断欠勤が続き映画界から干されている。まともな舞台に立つこともできず、かと言って生活水準も下げられず借金は嵩むばかり。だが、働かなければ生きることはできない。ロンドンに行けば稼ぐことができると聞いたジュディは、シドに子供達を預けるという苦渋の決断を下し単身、ロンドンへと渡航するのだった。

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映画『ジュディ 虹の彼方に』のあらすじ【承】

ロンドンのクラブオーナー、バーナード・デルフォントから歓迎され、世話係としてロザリン・ワイルダーがジュディにつけられた。
本番を前日に控え練習を行うことになったが、ジュディは練習する気分ではないと言って舞台配置をざっと聞いただけで帰ってしまう。

本番を前に眠ることができず落ち着かない夜を過ごしたジュディ。しかし、開始時間が迫ってもクラブに彼女がやって来ない。困り果てたロザリンはホテルへ乗り込み、強制的にジュディをクラブへと連行し、舞台へと直行。ところが、直前になって歌えないと弱気な発言をする。だが、ジュディは一歩舞台へ出ると圧倒的な歌唱力とパフォーマンスでもって観客を魅了するのだった。

お陰で初日の公演は大成功を収めたが、眠れない夜は続く。ジュディはまともな食事もせず尚も薬でその身を保ち続けた。連日の公演が話題を呼び、とうとうゴールデンタイムでのテレビ出演が決定する。その日の夜、出待ちしていた2人の男性ファンと食事をすることにしたジュディ。

2人の男性はジュディが若い頃から公演に来てくれる熱狂的なファンで、同性愛カップルという苦境をジュディの歌と共に乗り越えて来たと言う。ジュディは彼らを勇気づけ自分の支えだと言うのだった。

朝方にホテルへと帰ったジュディだったが、ルームサービスと共に突然ミッキーが現れる。彼は空港からホテルへと直行して来たので、泊まる場所もまだ決まっていないと言う。そこで、ジュディは彼を同じ部屋に泊めることに。しかし、彼の存在にロザリンはいい顔をしなかった。

映画『ジュディ 虹の彼方に』のあらすじ【転】

テレビ出演にて子供達のことを突っ込まれたジュディは、上手く受け流して笑顔を見せた。だが、傷つかなかったわけではない。子供達をシドに預けてショーに出ている彼女は、世間では悪い母親と言われているが、愛情は満ち溢れている。決して子育てを投げ出したわけではないのだ。

苛立ちを募らせたジュディはロザリンの煽りによって舞台へと姿を現したが、待たされた客の野次でとうとう怒りを爆発させてしまう。幼い頃から映画界で育てられた彼女には決して自由などなかった。誕生日も撮影の一環として行われ、プロデューサーの命令には絶対服従を強いられる。それは裏返せば個人としてのプライベートなどなく、ただ歌を唄って演じるだけのジュディという人形になれということだった。

ショーを台無しにし、落ち込んでしまったジュディ。そんな彼女をミッキーが一生懸命に励ましてくれる。
翌日、ショーでの大失態がマスコミに酷く叩かれ、オーナーのバーナードが機嫌を損ねていたが、ジュディの真摯な謝罪により今回は許される。バーナードはジュディの体調を保つため、知り合いの医者を紹介することに。ビタミン注射と喉の抗炎症剤を処方された。医者もまたジュディのファンで彼女の体を心配しているのだった。

その帰り、ミッキーが借金を完済できるほどの大口の仕事を持って来てくれる。借金の返済が終わり家を買い戻せば子供達と暮らすことができる。ジュディはミッキーの真心に感動し、彼との結婚を決意。2人は周囲から祝福を得て幸せな結婚式を挙げた。

ミッキーという心の安寧を得たジュディは安定した公演を続け、表情も明るく周囲を和ませた。その間、ミッキーは大口の契約に奔走。
そんなある日、ホテルにシドが訪れる。彼とは子供の親権を巡って法廷で争っていたが、ジュディには親権を譲る気がまるでなかった。自分のような子供時代を送らせず、普通の生活を子供達に送らせたいというのが、彼女の願いだ。シドもまた同じ考えだったが、ミッキーとの結婚で安定したとは言え、薬物依存のジュディでは養育は難しいと思っている。子供達も母親を愛してはいるが、安定した生活を送りたいと言っているらしい。

映画『ジュディ 虹の彼方に』の結末・ラスト(ネタバレ)

ショックを受けたジュディはミッキーの元へ逃げ帰ったが、親権を渡さないためには、有能な弁護士を雇って法廷で勝たなければならない。そのためにはミッキーが交渉している大口の契約を何としても決めなければならなかった。しかし、クラブでの失態が原因で交渉は上手くいかず拒絶されてしまう。そのせいでミッキーと大喧嘩してしまったジュディ。

何もかもが上手くいかない。失意を抱えた彼女はそれでも舞台へと立った。しかし、彼女はふらふらと投げやりに歌い舞台で転倒。心の伴わないショーなど誰も称賛しない。客は怒り出し、ジュディの上辺だけの言葉など聞く耳を持たない。追い出されてしまった彼女は外へ出て公衆電話に駆け込み子供達へ電話をかけた。

ダメ元だったが、娘が出てくれる。子供達が望むならシドと共に暮らしてもいいと言うと、娘もまた落ち着いた生活を送りたいと返答。ジュディは涙ながらに子供達へと別れを告げるのだった。

昨夜の失態を受け当然、ショーは打ち切りとなってしまう。ロザリンが楽屋の私物を届けてくれたが、彼女は心からジュディを思いやってケーキをご馳走してくれる。そこで、ジュディは舞台袖からクラブのショーを見せてくれないかと頼む。ロザリンは彼女の望みを叶えてくれた。

メインとなる男性歌手はジュディの代役として舞台に立っているが、評判は素晴らしいと聞く。ジュディは彼に頼んで1曲だけ歌を唄わせてもらうことにした。
男性歌手の代わりに姿を現したジュディに観客は戸惑ったが、彼女の歌にやはり観客は魅了されるのである。ジュディはスターへと伸し上がる第一歩となった映画『オズの魔法使い』での名曲『オーバー・ザ・レインボー』を涙ながらに熱唱。途中、思いが込み上げて歌えなくなってしまうが、彼女の熱狂的な2人の男性ファンから始まり、観客全員が続きを唄ってくれる。「どうか、私を忘れないで。」ジュディはそう言って舞台から降りた。

1969年、ジュディ・ガーランドはロンドン公演の半年後、47歳という若さでこの世を去った。原因は薬物の過剰摂取だった。

映画『ジュディ 虹の彼方に』の感想・評価・レビュー

伝説のミュージカル女優ジュディ・ガーランドが亡くなるまでの半年間を、レニー・ゼルウィガー主演で描いた作品。

そもそも、演技派女優のレニー・セルウィガーが熱演した今作が絶賛されないはずがない。実在する女優ジュディ・ガーランドという難しい役は、レニー・ゼルウィガーでなければ演じられなかったかもしれないとも思える。表情やセリフの言い回し、歌を唄う姿や仕草の至るところまで神経が行き渡った演技だった。日本でもそうだったらしいが、アメリカの映画界でも当時は売れる作品を出すために歌手や俳優を酷使している。その様子がまざまざと描かれ、華やかな世界の裏側で苦悩する姿に胸が痛む。ラストシーンまでの名曲を唄う7分間が素晴らしく、とても印象に残った。(MIHOシネマ編集部)

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