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映画『劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

『さよなら絶望先生』などで知られる久米田康治の新たな代表作、『かくしごと』がとうとうスクリーン化。可久士と姫の親子の間には、とても重いいくつかの隠し事が存在した。

映画『劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか』の作品情報

劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか

タイトル
劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか
原題
なし
製作年
2021年
日本公開日
2021年7月9日(金)
上映時間
不明
ジャンル
アニメ
ヒューマンドラマ
監督
村野佑太
脚本
村野佑太
あおしまたかし
製作
不明
製作総指揮
不明
キャスト
神谷浩史
高橋李依
花江夏樹
八代拓
安野希世乃
佐倉綾音
村瀬歩
内田真礼
製作国
日本
配給
エイベックス・ピクチャーズ

映画『劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか』の作品概要

これまで『さよなら絶望先生』や『かってに改蔵』など、多くの作品をヒットさせてきた漫画家、久米田康治。そんな久米田が2016年から2020年にかけて、最も近年連載していたのがこの『かくしごと』。親子の愛情を描いた日常アニメでありながら、ギャグアニメ、そして、様々な謎が交差するサスペンス要素も含むなど、幅広い展開で読者を魅了した。アニメには、久米田作品の常連となっている声優、神谷浩史を主人公後藤可久士役に起用。子供を持っている親ならば勿論、そうでない人にも刺さる、笑って泣ける感動作に仕上がっている。

映画『劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか』の予告動画

映画『劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか』の登場人物(キャスト)

後藤可久士(神谷浩史)
少し下品な漫画『風のタイツ』を描いている中堅漫画家。ある日妻が失踪し、姫と2人で生活している。
後藤姫(高橋李依)
可久士の一人娘。少し天然な性格で、可久士の奮闘もあって父親の職業を未だに知らない。

映画『劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか』のあらすじ(ネタバレなし)

後藤可久士は、中堅の漫画家。妻は失踪しており、一人娘の姫を男手一つで育てている。そんな可久士には、姫に対してとある秘密があった。それは、自身が漫画家であるということ!実は可久士が描く漫画は、少し下品だったのだ。自分が下品な漫画を書いていることが周囲にバレれば、姫がいじめられてしまうかもしれない。あらゆる手段を使って自分の職業を隠し通そうとする可久士と、おっとりとしていて少し天然な姫。可久士のアシスタントや姫の友人らなど多くの人々に支えられながら、可久士と姫の親子2人の充実した日々は続いていく。笑えて泣ける、感動の親子ストーリー。

映画『劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか』の感想・評価

漫画家あるある(?)

本作の笑いどころにもなっており、可久士が自虐ネタとして乱発するのが漫画家あるある。例えば、読者プレゼント用のTシャツだったり、年末調整だったり、漫画家にとってはきっとあるあるなのであろう、小ネタが多く散りばめられている。これらは殆ど久米田自身の体験談を基にしているようで、時には久米田の悲痛な叫びを感じることができる。読者は、これらのあるあるネタに笑いながらも、普段自分達を楽しませてくれている漫画の裏話に思わず感心してしまうことだろう。しかし、読者は実際には現場を知らないため、作者に共感することはできない。もしかすると、本作に最も共感して熱中できるのは、同じく第一線で活躍する漫画家なのかもしれない。同職種からも賛同を受けるであろう作品。

多くの『かくしごと』

作品のタイトルにもなっているが、本作には多くのかくしごとが登場する。まず、可久士の職業。姫がいじめられないように、そして、可久士自身が姫に対しての見栄から生まれたかくしごと。2つ目は、姫の祖父について。本編では、姫と可久士以外の肉親は殆ど登場しない。しかし、姫の祖父は、物語の終盤において非常に重要な役割を担ってくる。3つ目、そして、最もシリアスなかくしごとが、姫の母親について。失踪してしまったという可久士の妻であり姫の母親。なぜ彼女は失踪してしまったのか、そもそも生きているのか。思わず笑ってしまうような可愛らしい嘘からシリアスな嘘まで、2人の間には多くのかくしごとが存在する。本作では、そんなかくしごとを一つずつ紐解いていく。

秀逸な結末

『かくしごと』の作者である久米田康治は、物語の畳み方にとにかく定評がある。その実力の高さは、久米田の代表作であり全30巻に渡った『さよなら絶望先生』でも伺える。その凄まじさは、『伏線回収がすごい漫画』と検索すると、確実にヒットするほど。勿論、本作でもその能力の高さは健在。最初は、ただただ可久士が娘のために奔走するコメディ作品だと思われていたが、実は読書を涙させる、とある深い設定があった。そして、その設定が見事にタイトルとリンクしているのだ。折角映画を見る以上、最後の最後まで楽しみたいもの。その点、本作は最後の最後まで目が離せない、まさにお得な作品であるといえる。

映画『劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか』の公開前に見ておきたい映画

映画『劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

パパが遺した物語

思わぬ形で娘と2人取り残されてしまったシングルファザーを描いた作品は数多く存在する。妻がある日失踪してしまった最新作や、交通事故でこの世を去ってしまった本作などもそれに該当。同性ではない故に中々理解ができない、仕事と子育ての両立に追われるなど、障害は数多く存在する。しかし、2人の間に存在する愛は本物。本作の主人公ジェイクは、自身の運転ミスによって同乗していた妻を亡くしてしまう。しかも、自身もその後遺症から突発的に発作に苦しめられるようになってしまったのだ。それでと尚、娘のために奮闘するジェイク。やがて娘、ケイティも成長していく。寂しさかから道を誤ってしまった娘を救うのは、父親が残した物語だった。父親が物書きという点も、最新作と共通している作品。

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パパはわるものチャンピオン

世の中に、不必要な職業は基本的には存在しない。しかし、世間体がそれほど良くない、知人にはあまり言いたくない仕事に就いている人もいる。例えば、最新作の主人公可久士が励んでいる漫画家業も、多くの人を笑顔にする立派な職業だ。しかし、描いている漫画が少し下品という理由で、子供にはひた隠しにしている。本作も、子供に職業を隠している父親を主人公に描いた作品。主人公の大村孝志は、悪役覆面レスラー、ゴキブリマスクとして日々リングに立っている。ヒールである彼は、観客から日々ヤジを飛ばされていた。そんな父親の姿は見せられない、と孝志は息子、翔太にはそのことを隠し続けていた。しかし、翔太はある日、ふとしたことからその隠し事を知ってしまい…?

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バクマン。

同じく漫画家を題材にした作品で、アニメ化、映画化と次々メディア展開された人気作が本作。『DEATH NOTE』を生み出した大場、小畑が2年ぶりにタッグを組んだ話題作でもあり、爆発的ヒットとなった。本作はアニメーション映画ではなく、実写映画という形でスクリーンデビュー。非常に現実的な話である本作は、実写化をする上で何の違和感もなく、原作ファンも納得の出来となった。主要キャストに佐藤健、神木隆之介、染谷将太、小松菜奈、桐谷健太などの町号キャスト陣を起用。ジャンプ本誌で活躍する若き天才漫画家達を、才能あふれる新進気鋭の俳優陣が務めたことになる。非常に厳しい漫画家の世界に、思わずこちらも胸に込み上げてくるものを感じることだろう。

詳細 バクマン。

映画『劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか』の評判・口コミ・レビュー

映画『劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか』のまとめ

いずれ配信された時に見れば良い、そう思っている人はいないだろうか。確かに、足を運ばずに気軽に家で見ることができる配信は魅力的。しかし、映画館だからこそ味わえる臨場感というものは確かに存在する。久米田による美しい映像、声優陣の迫力ある熱演を楽しむには、最上級の設備が揃った映画館がおすすめ。劇場に足を運びたい理由はもう一つある。入場特典として、本編の続きが描かれたという久米田康治書き下ろし漫画冊子がついてくるのだ。しかも、この冊子は2週に渡り前後編と分かれている。ファンであるならば、是非2冊ともコンプリートしたいところ。良作を楽しめ、さらに特典まで手に入る。これは、映画館に足を運ばない手はない。

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