二人の女性の間で揺れ動く中年男性の葛藤を描いた、中年男性にとってまるで夢のような作品が誕生。編集監修に超大物海外映画監督を迎えた豪華作。若者の恋愛とはまた違う、大人の恋愛を楽しもう。
映画『恋する男』の作品情報
- タイトル
- 恋する男
- 原題
- なし
- 製作年
- 2019年
- 日本公開日
- 2020年7月25日(土)
- 上映時間
- 84分
- ジャンル
- ラブストーリー
- 監督
- 村田信男
- 脚本
- 村田信男
佐向大 - 製作
- 斎藤孝司
- 製作総指揮
- 松井勇人
平山陽一
山形誠 - キャスト
- 小木茂光
佐々木心音
出口亜梨沙
鵜飼真帆
黒木映莉花
赤松由美
YUMIKA
平山綾栞 - 製作国
- 日本
- 配給
- マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
映画『恋する男』の作品概要
これまで、名バイプレイヤーとして様々な作品に出演してきた小木茂光。そんな彼が、なんと恋愛映画の主役を演じることとなる。これまで数多くの映画をプロデュースしてきた映画会社の代表取締役が初めてメガホンを取った本作。 さらには、主演を務めるのはベテラン俳優である小木茂光と、安心して見られる作品となっている。中年男性が主役ということもあり、学生など若い世代のドタバタした恋愛ストーリーは苦手という人も、楽しむことができる作品となっている。
映画『恋する男』の予告動画
映画『恋する男』の登場人物(キャスト)
- 小田光男(小木茂光)
- 妻子に逃げられ会社ではリストラ候補に挙がり、と災難が続く中年男性。しかし、突如恋のチャンスが訪れて…?
- 瞳(出口亜梨沙)
- 小田の前に現れた一人目の女性で、自分の夢を持ちそのために日々生きているホステス。
- 雅美(佐々木心音)
- 小田の前に現れた二人目の女性。小田の仕事をサポートしてくれる、献身的な女性。
映画『恋する男』のあらすじ(ネタバレなし)
これまで、平凡な毎日を送っていた中年男性、小田光男。しかし、ある日彼は妻子に逃げられるという憂き目にあってしまう。さらに、会社でもリストラ対象者に名が挙がってしまうなど、悪いことばかりが続く日々。やけくそになった光男は、なんと、勢いで独立をするという決意をしてしまう。そんな彼に、信じられない幸運が舞い降りる。二人のタイプの異なる女性が、彼の前に現れたのだ。光男を献身的にサポートしてくれる雅美と、自らの夢を持つホステス、瞳。二人の女性に同時に心を奪われ、二人の間で揺れ動く光男はすっかり舞い上がってしまい、空回りばかりしてしまう毎日。果たして、これまで冴えない人生を送ってきた光男に、幸せな日々は訪れるのか。
映画『恋する男』の感想・評価
中年男性の一喜一憂
中年男性、というのは思いの外需要がある。自分の年齢よりも遥か年上の男性を好きになりがちな女子、『枯れ専』という言葉も存在するほど。では、中年男性の魅力とは一体何なのだろう。がっついていない、落ち着きがあるなど、若い男性とはまた異なる魅力があるのかもしれない。そして、本作の主人公も、なんの突出したところもない、どこにでもいそうな一般的な中年男性。平凡な毎日を送っていたところに、突然美しい女性二人とお近づきになるチャンスがやってきて思わず一喜一憂してしまう。そんな素直な反応がなんとも微笑ましく、見ていて思わず呆れると同時にほっこりしてしまう。本作を見ていると、これまで中年男性に興味がなかった人も思わずトキメキを覚えてしまうかも。
“恋する男”映画祭
本作は、『“恋する男”映画祭 女たちを愛した男たち』という特集企画で公開される予定の一作。恋愛映画となると、なぜか女性側の視点で描かれることが多いのだが、今回は企画名から分かるように、恋愛に奔走する男性に着目した映画祭。女性とはまた異なる悩みやアプローチなどが楽しめるため、新鮮な気持ちで見ることができる。勿論、本作だけではなくフランソワ・トリュフォー監督の『恋愛日記』や最新作の制作にも関わっているスコリモフスキ監督の『アンナと過ごした4日間』、ピエトロ・シェルミ監督の『イタリア式離婚狂想曲』など、世界中に受け入れられている恋愛映画が多数ラインナップされている。”恋する男”映画祭 女たちを愛した男たちの開催は、2020年4月25日から5月8日にかけて。良質な恋愛映画が好きという人は、ぜひ見逃すことがないようにしよう。
映画制作会社代表の作品
本作の監督を務める村田信男にとって、本作は映画初監督作品となる。しかし、56歳という年齢である彼は、これまで深く映画業界に関わってきた。実は彼は、『マーメイドフィルム』という映画会社の代表取締役なのだ。マーメイドフィルムは、主に名作ヨーロッパ作品を送り出してきた会社であり、本作にスコリモフスキ監督が関わることになったのも、その時にできた縁があったからかもしれない。まさに映画においてはプロ中のプロなのである。しかし、作品をプロデュースすることと、自身で撮影するということは当然ながら全く異なるもの。プロデューサーとしては既に大成功を収めている村田は果たして監督としても見事映画界に名を刻むことができるのか。
映画『恋する男』の公開前に見ておきたい映画
恋は雨上がりのように
中年男性の青春はとうの昔に終わっている。そう思い込んでいる人もいるのではないだろうか。確かに、学生時代のような若々しさはないかもしれない。しかし、中年に差し掛かっても尚、青春というものは突如としてやってくるのだ。近藤正己は、かつて作家を目指していたが現在はファミリーレストランの店長をしている中年男性。かつては妻子がいたものの、逃げられバツイチ。そんな冴えない彼に、ある日天変地異のような出来事が起こる。なんと、顔立ちの整った、青春真っ只中の女子高校生に好意を向けられたのだ。眩しい程に真っ直ぐな好意を全力で伝えてくれる彼女に戸惑う近藤。決して許されない恋だとは分かりつつ、少しずつ近藤は彼女に惹かれていってしまい…?
詳細 恋は雨上がりのように
踊る大捜査線 THE MOVIE
冴えない中年男性、光男を演じるのは、ベテラン俳優小木茂光。元々は哀川翔や柳葉敏郎も所属していたパフォーマンス集団『一斉風靡セピア』のリーダーを務めていた。しかし、彼らの活動時期も80年代であるため、今の若い人は彼らのことをあまり知らないかもしれない。しかし、踊る大捜査線で準レギュラー出演していた刑事役、といえばピンと来る人もいるかもしれない。小木が作中で演じているのは、室井と同期のキャリア組警官。主人公たちと敵対することが多いためか、次々と作中で不運な目に遭っていく彼に、思わず同情心と愛着が湧いた人も多いはず。数多くの作品に出演している小木だが、彼の出演作の中でも、若者にも親しみやすい作品の代表格である。
出発
本作の信じ難い点、それは、編集監修にイエジー・スコリモフスキが参加しているという点。かなりディープな映画ファンならば、彼の名前は聞いたことがあるのではないだろうか。御年81歳の、ポーランドを代表するベテラン映画監督であり、カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭という世界三大映画祭全てで賞を獲得した名監督中である。そんな彼が、1967年に制作した作品が本作。第17回ベルリン国際映画祭で最優秀作品賞である金熊賞を獲得した名作。ブリュッセルの地で見習い美容師をしているマルクには夢があった。それは、プロレーサーになること。二日後に開催予定のラリーに出場する予定だったマルクだが、計画が頓挫してしまう。しかし、夢を諦めきれないマルクは…?かなり昔の作品ではあるが、その魅力は色褪せず、今も尚ファンが多い。
詳細 出発
映画『恋する男』の評判・口コミ・レビュー
〜恋する男映画祭〜
『恋する男』鑑賞🍷寝起きが汚くて口説き方もどこかクサくてただただカッコ悪い、でもそんな等身大のおじさんが観たかった
女性は恋をすると輝いて見えるというけどおじさんも然り
男の一生はダメダメだ
しかし毎日が妄想と現実の狭間で輝いているのかな
温かい目で見てあげて pic.twitter.com/2COJL5XQ9t— Ꮲ-Ꭸ-₦-Ꭴ (@taithi3657) July 25, 2020
映画『#恋する男 』。若い女性達にハマりまくる初老間近のおっさんをひたすらに愛でる作品。「ドンキホーテ」の如く、ひたすら欲望のままに女性を追い回す様が描かれている。デレたり、しょぼくれたり、寝起き姿や水着などドラマでは見られぬ小木茂光氏を堪能できる。中年男優ファンには目の保養かも?
— まさたか (@conami37) July 26, 2020
映画『恋する男』のまとめ
本作は、日本国内は勿論、海外からも高い評価を得ている。なぜ、既に海外でこの作品が知られているのか。それは、ポーランド映画人協会が主催した、日本映画特集にて本作が上映されたから。そのワールドプレミアで見事成功を収めたのだ。そのため、本作に、は多くの海外映画監督から肯定的なメッセージが送られている。そのラインアップは、エリーズ・ジラール監督やホセ・ルイス・ゲリン監督、イエジー・スコリモフスキ監督など圧巻。日本に新たな名監督が生まれる瞬間を一緒に見届けよう。
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