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映画『この道』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

詩人の北原白秋は女性関係にだらしがないダメ男だった。詩人としての才能はあったが、女性関係で問題を起こし人気が失墜してしまう。ある日、生真面目な作曲家、山田耕筰が北原の元を訪ねてくる。

映画『この道』の作品情報

この道

タイトル
この道
原題
なし
製作年
2019年
日本公開日
2019年1月11日(金)
上映時間
105分
ジャンル
ヒューマンドラマ
音楽
監督
佐々部清
脚本
坂口理子
製作
間瀬泰宏
製作総指揮
不明
キャスト
大森南朋
EXILE AKIRA
貫地谷しほり
松本若菜
小島藤子
由紀さおり
安田祥子
津田寛治
製作国
日本
配給
HIGH BROW CINEMA

映画『この道』の作品概要

童謡誕生100年を記念して制作された作品。大森南朋とEXILEのパフォーマーであるAKIRAがW主演を務め、詩人・北原白秋と作曲家・山田耕筰をそれぞれ演じた。女性にだらしがない北原白秋と生真面目な山田耕筰がどのようにして出会い共同制作を行うようになったのか、波乱万丈な人生と共に丁寧に描かれている。主題歌をEXILEのボーカルであるATSUSHIが担当しており、作詞・北原白秋、作曲・山田耕筰の『この道』をしっとりと歌い上げている。

映画『この道』の予告動画

映画『この道』の登場人物(キャスト)

北原白秋(大森南朋)
詩人。童謡作家。女性にだらしがないダメ男。
山田耕筰(AKIRA)
作曲家。指揮者。生真面目な性格。
松下俊子(松本若菜)
北原の隣人。既婚者。北原と不倫関係に陥る。後に北原と結婚する。

映画『この道』のあらすじ(ネタバレなし)

詩人の北原白秋は女性関係にだらしがないダメ男で、美しい女性がいれば触れずにはいられない人物だった。だが、詩人としての評価は高く、明治44年の初夏に第二詩集『思ひ出』の出版記念会が開催された。仲間達からも祝福され、北原は順風満帆な人生を歩んでいた。

大正元年、人気の絶頂にいた北原だったが、隣家の夫から妻を姦通した罪で告訴されてしまう。この事件で、北原の人気は地に落ちた。失意の中にいた北原だったが、大正7年に児童文芸誌『赤い鳥』で童謡を発表する。

ある日、生真面目な男である作曲家の山田耕筰が、北原の元を訪ねてきた。山田は北原の歌詞に音楽を乗せ、曲を作ろうとしていた。しかし、水と油のような2人は、激しくぶつかり合った。

大正12年、関東大震災が起こる。家屋は破壊され、人々はこれからの生活を思って途方に暮れた。壊れた町や傷ついた人を見た北原と山田は、人々の心を癒す歌を作ることを決める。大正14年、日本初のラジオ放送で、2人が作った曲『からたちの花』が放送された。

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映画『この道』のネタバレあらすじ結末と感想
映画『この道』のネタバレあらすじと感想。ストーリーを結末まで起承転結で分かりやすく簡単に解説しています。映画ライターや読者による映画感想も数多く掲載。

映画『この道』の感想・評価

詩人・北原白秋

北原白秋は明治から昭和にかけて活躍した詩人である。学生時代から詩歌に興味を持ち、雑誌『文庫』や『明星』を愛読するようになった。北原の実家は、江戸時代から栄えた商家であった。だが、火事によって実家の酒蔵が全焼する事件が起きてしまう。北原は実家の混乱を他所に、文学に傾倒していった。

世間に作品を発表し称賛を浴びるようになった北原は、与謝野晶子や与謝野鉄幹達など歌人や小説家などの知り合いが増えていった。姦通罪によって世間からの名声を失おうとも、病に罹ろうとも北原は作品の制作を止めなかった。晩年、北原は病によって視力をほとんど失ってしまう。そんな状態でも作品作りに没頭し、57歳の若さで亡くなるまで執筆・編集作業を行っていた。

作曲家・山田耕筰

山田耕筰に改名する前は「山田耕作」だったため、こちらの漢字で知っている人も多いと思う。山田は三菱財閥の総帥である岩崎小弥太の援助を受けて、ドイツの学校に留学して作曲を学んだ。留学する前は、姉の夫が音楽家のエドワード・ガントレットであったため、彼の指導を受けていた。山田は西洋音楽を学んだ経験を活かし、大正元年に日本人で初めて交響曲を作曲する。

山田は「オペラの上演」と「常設オーケストラの設立」を夢見ていたが、その道なりはとても険しいものだった。計画が失敗し多額の借金を背負ってしまうなど、波乱万丈な人生を歩むことになる。その一方で音楽家としての才能は素晴らしく、フランスの「レジオンドヌール勲章」や日本の「文化勲章」を受章している。

童謡誕生100年記念作品

詩人の北原白秋と作曲家の山田耕筰は、どのように出会い童謡を作ることになったのか。大森南朋とEXILEに所属するAKIRAが2人を演じており、波乱に満ちた人生を表現している。彼らが作るより前にも童謡は存在していたが、「わらべ歌」か「ドイツ童謡」しか存在しなかった。日本人が一から童謡を制作したのは、北原達が初めてである。

映画の主題歌はEXILEのボーカルであるATSUSHIが担当し、『この道』を歌っている。『この道』も北原が作詞、山田が作曲を担当した童謡である。なかなか題名を見てもピンとはこないかも知れないが、曲や歌詞を見れば「知っている!」と気づく人も多いと思う。

作品には歌手の安田祥子や由紀さおり姉妹も登場する。物語を楽しむのはもちろんのこと、2人が作った曲を改めて聞き入ることができる作品になっている。

映画『この道』の公開前に見ておきたい映画

映画『この道』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『この道』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

ハゲタカ

大森南朋の代表作。2007年にNHK系列でドラマが放送されており、その続編となる作品。真山仁原作の小説『ハゲタカ』シリーズを元に作られている。NHK連続ドラマが映画化されたのは本作が初めてである。テレビ版と映画版両方共評価が高く、数多くの賞を受賞している。主演を務めた大森は、「第33回日本アカデミー賞・優秀主演男優賞」を受賞している。

バブル崩壊後、瀕死の日本に1人の男が現れた。その男の名は鷲津政彦。企業買収によって利益を得る、天才ファンドマネージャーである。鷲津は企業と日本の再生を目指して奮闘していたが、日本経済は一向に変わらなかった。それから4年後の2009年。混迷する日本に「赤いハゲタカ」の劉一華が現れる。

詳細 ハゲタカ

沈黙 サイレンス

AKIRAのハリウッドデビュー作。アカデミー賞やエミー賞を受賞したことがあるマーティン・スコセッシが監督を務めた作品。遠藤周作原作の歴史小説『沈黙』を元に制作されており、窪塚洋介や浅野忠信など多くの日本人俳優&女優が出演している。『アメイジング・スパイダーマン』シリーズで主人公を演じた、アンドリュー・ガーフィールドが主演を務めている。

江戸初期、キリシタン弾圧下の長崎。フェレイラは宣教師として日本に滞在していた。外国にいた弟子達はフェレイラが捕まり、棄教したという知らせを受ける。弟子達は真実かどうか確認するため、日本へ行くことを決める。その頃、長崎の町人達は厳しい弾圧の中、隠れて必死にキリストを信仰し続けていた。

詳細 沈黙 サイレンス

奇跡のシンフォニー

ヒューマンドラマ&音楽を題材にした映画。「第80回アカデミー賞・歌曲賞」にノミネートされた。主演を務めたフレディ・ハイモアは『ネバーランド』(04)での演技が高く評価され、子役としての地位を確立した人物である。数々の映画音楽を手掛けてきたハンス・ジマーがテーマ曲を担当している。

エヴァンは11年と16日の月日をニューヨークの孤児院で過ごした。「本当の家族」に会うことを願い、養子に行くことは望まなかった。ある日、エヴァンは「本当の家族」を探して旅に出た。町の中でギターを弾き、歌を歌った。彼には音楽の才能があった。それは彼の両親から受け継いだものだった。一方、母のライラは息子が死産だと聞かされていたが生きていることを知り、行方を捜していた。

詳細 奇跡のシンフォニー

映画『この道』の評判・口コミ・レビュー

映画『この道』のまとめ

北原白秋が山田耕筰とタッグを組んで制作した楽曲はたくさんあり、多くの人が子供の頃に一度はその中の1つを耳にしたことがあると思う。それほどまでに有名な2人ではあるが、正直その半生は全くと言っていいほど知らないものばかりであった。全く正反対の性格をしている2人が、音楽を通して友情を育んでいく様子は微笑ましく感じた。子供のように喧嘩をしたり、抱きしめ合って喜んだり、感情が素直に表に出ているところが魅力的な2人だなと感じた。

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