映画『ウディ・ハレルソン ロスト・イン・ロンドン』の概要:ウディ・ハレルソンがワンテイク、ワンチャンス、ワンカメラで挑んだ生放送映画。ロンドン公演中に美女たちとの乱痴気騒ぎをパパラッチされ、妻に愛想を尽かされるウディ。その夜、行く先々で騒動を巻き起こす。
映画『ウディ・ハレルソン ロスト・イン・ロンドン』の作品情報
上映時間:108分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:ウディ・ハレルソン
キャスト:ウディ・ハレルソン、ウィリー・ネルソン、オーウェン・ウィルソン、エレノア・マツウラ etc
映画『ウディ・ハレルソン ロスト・イン・ロンドン』の登場人物(キャスト)
- ウディ・ハレルソン(ウディ・ハレルソン)
- 舞台の公演でロンドンに滞在中、美女たちとのどんちゃん騒ぎをパパラッチされ、タブロイド紙の一面に掲載される。妻に心から詫びたい気持ちでいっぱいだが、酒の付き合いを断れず飲みに行き、行く先々でトラブルを起こして終いには逮捕される。
- オーウェン・ウィルソン(オーウェン・ウィルソン)
- ウディの親友。ウディが立ち寄ったクラブで偶然再会して盛り上がるが、ウェス・アンダーソンの演出は気取っていると批判され、本当の喧嘩となってしまう。
- ローラ(エレノア・マツウラ)
- ウディの妻でアジア系アメリカ人。2人の娘がいる。夫のスキャンダル記事に失望し、しばらく距離を置きたいと突き放す。
- 巡査(マーティン・マッキャン)
- アイルランド出身の真面目な巡査。ウディがタクシー運転手と揉めて車内の灰皿を壊した際、通報を受けて身柄を拘束する。
- ウィリー・ネルソン(ウィリー・ネルソン)
- カントリーミュージックの大御所。テキサス州出身で、現在ウディと同じハワイのオワフ島に住んでいる。終盤にゲスト出演する。
映画『ウディ・ハレルソン ロスト・イン・ロンドン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ウディ・ハレルソン ロスト・イン・ロンドン』のあらすじ【起】
大半は事実に基づく物語。2017年1月20日未明のロンドンで、300人のクルーと500人のエキストラが参加し、ワンテイク、ワンチャンス、ワンカメラによる映画が撮影された。それはリアルタイムで、アメリカの550のスクリーンで上映。生中継90分前、近隣で不発弾が見つかるというハプニングを乗り越え、撮影がスタートする。
ロンドン市内の小劇場。観客が居眠りするような舞台を終えたウディは、妻と子供たちと夕食を取るためレストランに向かった。直前にマネージャーから、今朝のタブロイド紙を見せられて顔面蒼白となる。「ウディ、三人の美女と乱交パーティ?」という見出しで美女と一緒にいる自分の姿が、一面にでかでかと掲載されていたからだ。
レストランに着くと、妻のローラは新聞記事をまだ見ていなかった。ウディは早くレストランを出ようとしたが、居合わせた知人にイランのサルタン王子を紹介され、二次会に誘われる。ローラは洗面所でウディの新聞記事を読んでしまい激怒した。
ウディは妻に0時にはホテルに戻るからと待っていてほしいと言い、子供たちに明日魔法使いの少年に会いに行こうと約束した後、一杯だけ、王子の二次会に付き合うことにした。別れ際に長女から、願いが一つ叶うという魔法のフクロウの羽根をプレゼントされる。
映画『ウディ・ハレルソン ロスト・イン・ロンドン』のあらすじ【承】
二次会のナイトクラブの入り口は行列ができていた。ウディは顔パスで入れると余裕をこいていたが、顔パスでいけたのは王子と息子たちで、ウディは最後尾に並ばされる。前に並んでいるズリンカという女性から「ウディ・アレン?」と間違えられ、知名度の無さに落ち込んだ。しばらくすると王子から呼ばれ、ようやく入店する。
ウディは店内で親友のオーウェン・ウィルソンに偶然会う。オーウェンからなぜ弁護士に金を払わなかったのかと聞かれると、ウディは3万ドルを提示されて高すぎたから断ったと答えた。「ローラを失ったら終わりだ」と肩を落とすウディをオーウェンが慰めていたら、「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」のファンが2人の間に入り、ウェス・アンダーソンの素晴らしさを熱く語り始めた。ウディは思わずウェスは撮り方が気取っていると批判してしまう。すると、ウディとオーウェンは本気の喧嘩となってしまった。
店内が騒動となる中、ウディはズリンカによってトイレに匿われる。2人で個室に隠れているとウディは急に気分が悪くなり、彼女の顔面に嘔吐してしまう。その後、店の外に出て車椅子の物乞いとトラブルとなり、またしてもパパラッチに撮影される。
映画『ウディ・ハレルソン ロスト・イン・ロンドン』のあらすじ【転】
23時30分、ウディはホテルに戻るためタクシーに乗り込むと、鼻血が出ていたため運転手から汚すなと怒られる。後部座席の灰皿を引き出そうとして壊してしまい、運転手の怒りはエスカレート。ウディは通報されて逮捕されてしまった。
パトカーに乗せられたウディは、アイルランド人のヒューズ巡査がU2のボノは国の誇りだと話すのを聞いて、得意気に携帯電話でボノを呼び出して巡査と話をさせた。すると巡査はボノに向かって、最初の頃のアルバムは良いが「アイリッシュ・オクトーバー」以降はネタ切れだと批判。ボノは怒って電話を切ってしまう。
警察署に入ったウディは受付で所持品を取り上げられ、娘からもらったフクロウの羽根も捨てられ、今夜は独房だと告げられる。ワイルドな巡査部長から薬物使用も疑われ、厳しい取り調べを受けた。彼らはウディが有名人だからといって特別扱いをしなかった。ウディは一度だけ家族の待つホテルへの電話を許可されたが、たまたまつながらかったため話せず、かけ直すことも許されなかった。
映画『ウディ・ハレルソン ロスト・イン・ロンドン』の結末・ラスト(ネタバレ)
明朝7時半に子供と約束しているのだと訴えても聞き入れられず、ウディは独房で一夜を過ごすことになる。ヒューズ巡査はフクロウの羽根をウディに返して独房を閉めた。ウディは羽根を手に「妻に会いたい」と願いながら眠る。すると夢にウィリー・ネルソンが弾き語りで現れ、「決めるのはローラだ。勇気を持て」と彼を励ました。
ウディは翌朝6時45分に目覚めると、巡査の計らいでオーウェン・ウィルソンが身柄を引き取りに来た。妻は保釈金を払いはしたが、ここには来ていないと言う。ウディはオーウェンと一緒に移送車に乗り、ウェスから映画に誘われないから妬んだのだと謝った。
移送車の後ろからパトカーが追跡するため停車すると、ウディの子供たちが降りてきて彼に抱きついた。その後から、ローラも降りて来る。彼女は「あなたは私たちから身を引けないわよ」といって彼を許した。ウディは笑顔と取り戻し、家族と巡査の息子も一緒に、魔法使いの少年に会いに行ったのだった。
場面はダニエル・ラドクリフが当時の思い出を語るシーンに変わる。「ハリーポッター」の撮影中にウディの家族がやって来たこと、その前夜にウディがタクシー騒動を起こしてニュースになったことを笑いながら振り返った。
映画『ウディ・ハレルソン ロスト・イン・ロンドン』の感想・評価・レビュー
ウディ・ハレルソンが実体験をベースに主演・脚本・監督を兼任してリアルタイム撮影し、アメリカの550スクリーンで生上映された作品。ワンカットの長回は最近流行っているが、リアルタイムで上映するなんて聞いたことがない。映画冒頭でエドワード・ノートンが「無謀だ。やめておけ!」というのがよく分かる。
ウディは劇場からレストラン、ナイトクラブ、タクシー、警察署までロンドン市内を忙しく走り回り、エキストラを含めた出演者たちの息遣いが聞こえてくるようだ。親友オーウェン・ウィルソンとのコンビは抜群。犬のおかげでヒットしたくせにと『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』を揶揄したり、『ラリー・フリント』は俺にオファーがあったんだと言い返したり、どこまでアドリブか分からないジョークの掛け合いもおかしかった。(MIHOシネマ編集部)
ワンカメラ、ワンカット、「ワンチャンス」で作られた今作。ワンチャンスの意味が分からずに鑑賞しましたが、実は今作は映画館で「生中継」された作品なんです。言ってしまえば、ウディ・ハレルソンのウディ・ハレルソンによるウディ・ハレルソンのための映画。一度きりのチャンスに拘っているだけあって、見づらい部分や分かりにくい言い回しもありますが、オーウェン・ウィルソンやダニエル・ラドクリフなど豪華なキャストが登場し、彼らの会話もとにかくリアル。ウェス・アンダーソンの作品を批判するウディ・ハレルソンを映像で見られるなんてこの作品だけでしょう。(女性 30代)
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