町田くんは勉強は苦手で運動もできず、おしゃれとは縁遠い人物だった。しかし、たった一つの突出した素晴らしい才能が彼にはあった。それは、「人を愛する」ことだった。そんな町田くんが猪原奈々という女の子に出会い、初めて抱いた感情に翻弄される。
映画『町田くんの世界』の作品情報
- タイトル
- 町田くんの世界
- 原題
- なし
- 製作年
- 2019年
- 日本公開日
- 2019年6月7日(金)
- 上映時間
- 120分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
コメディ
青春 - 監督
- 石井裕也
- 脚本
- 石井裕也
片岡翔 - 製作
- 今村司
瀬井哲也
池田宏之
谷和男
高橋誠
田中祐介
松橋真三
里吉優也 - 製作総指揮
- 伊藤響
- キャスト
- 細田佳央太
関水渚
岩田剛典
高畑充希
前田敦子
太賀
池松壮亮
戸田恵梨香 - 製作国
- 日本
- 配給
- ワーナー・ブラザース映画
映画『町田くんの世界』の作品概要
「第20回手塚治虫文化賞・新生賞」を受賞した安藤ゆき原作の漫画を元に制作された作品。主人公の町田一とヒロインの猪原奈々を演じたのは、1000人のオーディションを勝ち抜いた新人俳優の細田佳央太と関水渚。岩田剛典、高畑充希、前田敦子、池松壮亮、戸田恵梨香など、人気俳優達が共演している。『舟を編む』(13)で頭角を現した石井裕也が監督を務め、片岡翔と共に脚本を執筆している。平井堅が脚本を読み映画のために書き下ろした楽曲『いてもたっても』が主題歌に起用されている。
映画『町田くんの世界』の予告動画
映画『町田くんの世界』の登場人物(キャスト)
- 町田一(細田佳央太)
- 勉強は苦手で運動もできず、おしゃれとは縁遠い人物。「人を愛する」という才能を持っており、誰に対しても優しく接することができる。
- 猪原奈々(関水渚)
- 町田くんのクラスメイト。美人。周囲から少し浮いている。人が嫌い。優しくしてくれる町田くんに翻弄される。
- 氷室雄(岩田剛典)
- 町田くんのクラスメイト。イケメンで、女子からモテている。猪原に思いを寄せている。
- 高嶋さくら(高畑充希)
- 町田くんとは別のクラスに所属している。ぶりっ子。彼氏と別れたときに町田くんに優しくされ、思いを寄せるようになる。
- 栄りら(前田敦子)
- 町田くんのクラスメイト。サバサバした性格。噂話が好きで、町田くんの動向を気にしている。
映画『町田くんの世界』のあらすじ(ネタバレなし)
この世界は悪意に満ちている。弱い者をイジメ、他人の不幸を喜び、思いやり何て存在しない冷たい世界である。そんな世界に、1人の青年が現れる。
町田くんは勉強は苦手で運動もできず、おしゃれとは縁遠い人物だった。しかし、たった一つの突出した素晴らしい才能が彼にはあった。それは、「人を愛する」ことだった。町田くんはいつも他人のことばかり考え、全人類を家族だと思っているような人で、常に優しさに満ち溢れていた。
町田くんは「人が嫌い」な女の子・猪原奈々と出会い、自分の中で初めて生まれた感情に戸惑いを覚える。父の「分からないことから目を背けてはいけない」という教訓を胸に、町田くんは自分の中に生まれた感情を追求した。その結果、周囲の人を巻き込んで、世界は動き始める。
映画『町田くんの世界』の感想・評価
1000人の中から選ばれた超新人が主人公
主人公の町田くんこと町田一を演じたのは、1000人の候補の中から選ばれた細田佳央太。細田はほとんど演技経験がなく、ごく普通の現役の男子高校生である。オーディションを行った石井裕也監督が細田を見て、「一人だけ異彩を放っていて、理屈でも経験でもない、作品に人生を捧げられる人だと感じました。この人と組めば間違いない」と感じ、主役に抜擢されることになった。
また、ヒロインの猪原奈々役に抜擢された関水渚も演技経験がほとんどなく、細田と共に異例の大抜擢となった。プロデューサーが「彼女に賭けてみようと思った」と語るほど、新人女優とは思えない存在感をスクリーンの中で放っている。これから活躍すること間違いない超新人2人の演技に注目してもらいたい。
脇役は豪華なキャストが集結
主人公の2人が超新人なのに対し、脇を固めるのは主演を務めてもおかしくないほどの素晴らしい俳優達である。ヒロインの猪原に思いを寄せるイケメンの氷室雄を演じたのは、三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEのパフォーマーとして活躍する岩田剛典。岩田は俳優としてもブレイクしており、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(16)や『パーフェクトワールド 君といる奇跡』(18)などで主演を務めている。
演技だけでなく高い歌唱力も評価されている女優の高畑充希。アイドルグループAKB48で長年センターを務め、卒業してからは女優に華麗なる転身を遂げた前田敦子。味のある俳優として主演だけでなく脇役もこなす仲野太賀。女優の松嶋菜々子や俳優の北村有起哉などなど、豪華なキャストが集結している。
「第20回手塚治虫文化賞・新生賞」受賞作
本作は安藤ゆき原作の漫画を元に制作された作品である。原作の漫画はユニークな主人公像などが評価され、「第20回手塚治虫文化賞・新生賞」を受賞している。2015年から2018年の間に、漫画雑誌『別冊マーガレット』で連載されていた。現在は単行本全7巻が発売されている。主人公の町田くんの今までにないヒーロー像は大きな話題を集め、女性を中心に高い評価を得た。
主題歌に起用されたのは、平井堅の『いてもたっても』。平井堅自身が脚本を読み、映画のために書き下ろした楽曲となっている。主人公の町田くんの優しさと初めての感情に翻弄されているところが見事に表現されている。映画と合わせてぜひチェックして欲しい。より『町田くんの世界』に嵌れること間違いない。
映画『町田くんの世界』の公開前に見ておきたい映画
植物図鑑 運命の恋、ひろいました
岩田剛典と高畑充希の代表作で、映画初主演作。有川浩原作の恋愛小説『植物図鑑』を元に制作された作品。「全国映画動員ランキング第1位」(期間:2016年6月4日~5日)や「ぴあ映画初日満足度第1位」(2016年6月4日時点)などを記録しており、大きな話題を集めた作品となった。岩田と同じLDHに所属している、ダンス&ボーカルグループFlowerの『やさしさで溢れるように』が主題歌に起用されている。
23歳の河野さやかは、東京で1人暮らしをしていた。東成不動産の営業として働いていたが、仕事は上手くいっておらず上司に叱られてしまうことも度々あった。そんなある日、マンションの駐車場で行き倒れている男性を拾う。男性は「樹」と名乗り、半年間だけの奇妙な同居生活を始めることになった。さやかは樹と暮らす日々を楽しみながらも、樹のことを何も知らない事実に苦しむようになる。
舟を編む
石井裕也監督の代表作。三浦しをん原作の小説を元に制作された。文庫版のカバー挿画や雑誌連載時の挿絵は、漫画家の雲田はるこが担当している。2016年にはテレビアニメ化もされた。映画版の主演を務めたのは、俳優の松田龍平。宮﨑あおいがヒロインの林香具矢を演じた。「第38回報知映画賞・作品賞」や「第87回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画監督賞」など数々の賞を受賞している。
27歳の馬締光也は出版社・玄武書房の営業部に所属していた。変わり者で真面目な性格をしていたため、周囲から浮いた存在だった。そんな馬締だったが、言葉のセンスを認められて辞書編集部に異動になる。そして、新しい辞書「大渡海」を作ることになった。馬締が仕事に勤しんでいたある日、下宿「早雲荘」の大家の孫娘である林香具矢に出会い恋に落ちる。
詳細 舟を編む
横道世之介
青春×ヒューマンドラマ作品。吉田修一原作の小説を元に制作された。原作の小説は「2010年度柴田錬三郎賞」を受賞し、「2010年度本屋大賞3位」に入賞している。バブル期の東京が物語の舞台になっている。高良健吾が主人公の横道世之介を演じ、ヒロインの与謝野祥子を吉高由里子が演じた。観客からの評価は高く、モニター試写のときは約93%の人がこの映画を勧めたいと述べている。
横道世之介は誰とでもすぐに友達になり、頼みは断れないお人好しで、空気は全く読めない性格だった。1987年、横道は私立の大学に通うため、長崎から東京に上京した。クラスメイトの加藤雄介と仲良くなり、自動車教習所に通うことになる。そこで出会った与謝野祥子と恋に落ちた。
詳細 横道世之介
映画『町田くんの世界』の評判・口コミ・レビュー
『町田くんの世界』
現代社会への批判を含んだ壮大なようでささやかでもある寓話。だからなんでもあり!映画史上こんな主人公は初めてかな?主演の新人2人も良く、脇も豪華!『旅のおわり世界のはじまり』を観た後だから特に前田敦子さんの演技に参った。コメディエンヌにもなれるいい女優さんだ。 pic.twitter.com/ftZzu3lUhN— ヒロ (@hirohiro778) 2019年6月29日
町田くんの世界。94本目。 勉強もスポーツも苦手だが、とにかく人が良い町田くんと、その周りの人達の物語。ダブル主演で新人の、細田佳央太さんと関水渚さんがとても良かった。終盤の展開はマジで賛否両論あるかと思うけど、全体的にはとても面白かった。栄役の前田敦子さんが抜群の存在感だった。 pic.twitter.com/cTq2YPn7sk
— 伊藤博敏 (@tukuyomihiro3) 2019年6月26日
『町田くんの世界』、想像以上に良かった。不細工で愉快で全力疾走な青春映画だった。やべーな青春。コメディシーンで劇場全体が湧くのはいい映画。そして前田敦子がまじで最高だったし最高だった。
— ふ (@choeur_coeur) 2019年6月26日
『町田くんの世界』。かなりよくできたコメディー。神のような善人が1人いて、バカにしていた者を含めて周囲の全員が彼に感化されるというのは、昔からよくあるパターン。そこに現代的な風俗とギャグを入れ、社会へのメッセージをうっすらくるむことで、凡百の和製ラブコメとは一線を画している。 pic.twitter.com/pP54b88gBT
— 十三乗換 (@jusotransfer) 2019年6月24日
【町田くんの世界】善人の純粋な気持ちが人の心を変え、世界を変えるという、個人的に好きなタイプの映画。町田くんのピュアさや、常に一生懸命な不器用さにほっこりした☺️脚本はやや荒削り感があり賛否分かれそうやけど、主人公の青さと相まって、個人的にはありだった。
今年観た中でも満足度高め✨ pic.twitter.com/u6OxeqaRZ9— nimo@ (@nimo_wiz) 2019年6月26日
映画『町田くんの世界』のまとめ
主人公とヒロインを演じたのは、新人俳優の細田佳央太と関水渚である。演技経験がほとんどなく俳優としては荒削りなところもあるが、人にとことん優しい町田くんと人嫌いで不器用な猪原奈々を見事に表現している。脇を固めているのは、新人俳優と一転して豪華なキャスティングとなっている。岩田剛典、高畑充希、佐藤浩市、松嶋菜々子など現在の映画・テレビ業界の第一線を活躍している俳優ばかりである。主人公の性格もキャスティングも他の作品とは一味違う『町田くんの世界』を、ぜひ楽しんで欲しい。
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