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映画『迷宮カフェ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『迷宮カフェ』の概要:2014年の日本映画。過去の傷を乗り越えられない田舎のカフェの女店主が、そこに来る自殺志願者の客の手伝いをする代わりに骨髄移植をさせるという、サスペンス仕立ての感動作品。

映画『迷宮カフェ』の作品情報

迷宮カフェ

製作年:2014年
上映時間:112分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ミステリー
監督:帆根川廣
キャスト:関めぐみ、市川由衣、藤原薫、角田信朗 etc

映画『迷宮カフェ』の登場人物(キャスト)

マリコ(関めぐみ)
群馬県の山中にあるカフェのオーナー。美しく優しい彼女は、過去に友人を救えなかったことを後悔している。
榎木田(大迫一平)
カフェの客が行方不明になっていると聞いて調べている記者。明るく気さくで人を騙して何かすることが出来ない性格。

映画『迷宮カフェ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『迷宮カフェ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『迷宮カフェ』のあらすじ【起】

編集部に記事を売る記者の榎木田は、中々面白いネタを持ってくることが出来ない。
見かねた編集長は誰にも言っていないネタをくれた。
しかもそれを3ヶ月で記事にすれば200万支払うと言う。

その内容は群馬県にある人が居なくなるカフェのことだった。
美人オーナーのマリコが経営するその店に出入りする客が、何人も行方不明になっているという謎のカフェ。
そこに榎木田は調査のために行ってみることにする。

カフェが山中にあり、オシャレな店構えの可愛い店だった。
店主は噂通り美人で魅力的である。
暫く店で珈琲を飲んでいると、常連らしい客が入って来て「季節のメニューを」と言った。
その客は二階の席に通されたようである。
マリコが二階に上がったのを見計らって、常連客に二階席のことを聞いてみる。
するとここに二階席は無いと言う。

翌日榎木田は客の1人の松浦を誘い、遊園地の観覧車の中で話を聞くことにした。
彼は自信の無いボディビルダーで、どれだけ追い込んでトレーニングをしても筋肉がつかないことを悩んでいた。
同時に妻を失い、死のうと思ったが自殺出来なかったと。
そんな時、マリコに相談しにいくと自殺幇助の薬をくれた。
しかし薬を渡す条件があった。
骨髄ドナーに登録することだった。

他にも、おでこが広すぎることに悩んだアスカ、話すことが出来れば誰でも良かった男性の早見など自殺志願者ばかりが集まった。
しかし彼らは薬の代わりに皆ドナー登録するようにと、同じ事を言われた。
どうやら自殺幇助をしているらしいマリコの調査を続ける榎木田は、編集長に伝言を残していた。

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映画『迷宮カフェ』のあらすじ【承】

マリコには過去があった。
学生の頃、親友の空が白血病で骨髄移植を受けることが出来ずに苦しんだあげく、電車に飛び込んだ彼女を目の前で死なせてしまったのだ。
彼女はたまに鏡の中に空の幻想を見ることがあった。
彼女の傷は深かった。

ある日、マリコの元に骨髄移植コーディネーターから松浦の適合の知らせが来る。
話を聞きに行った松浦は、最終承諾をした。
しかし家族の同意が必要だと言われ、松浦は出て行った妻の元へ向かった。

夜、突然店に榎木田の編集長が訪ねて来た。
編集長はマリコが客にしていることは贖罪であると言った。
それは空のことを言っていた。
マリコが病気の空を助けてあげられなかった後悔から、彼らを利用するのはやめろと言う。
それは自己満足なのだから、1人でしろと強く言う。

映画『迷宮カフェ』のあらすじ【転】

そこに榎木田達が帰宅してきた。
アスカは驚いた。
榎木田の編集長こそ、アスカの父親だったのだ。
アスカの母はアスカがいなくなったあと病気で死んだと言った。
家族が離れたのはマリコが悪いと言った編集長に、アスカは自分で選んで来たのだと言った。
しかしアスカに帰る意思はなかった。
心配してくれる早見にそっと寄り添うアスカだった。
一方で松浦は地元に帰って骨髄を提供すると言い出す。
先日自宅に戻った松浦は、そこで妻が自分の帰りを待っていてくれたことを知った。

3泊4日の骨髄提供のため、マリコは入院していた。
榎木田は車で迎えに行く。
その車内でマリコから本音を聞いた。
それは「一生海には行かない。一生結婚も恋愛もしない」もう1つあるがそれはそのうち分かるから、それまでは記事にしないで欲しいと頼んだのだった。

マリコの思い出。
3歳から施設育ちだったマリコだが、空から弟が生まれることを知った。
自分が病気だからもう1人元気な子供を育てたいと言う両親の本心がわかると愚痴る空だったが、マリコは両親がいるだけで羨ましいと怒る。
その日はマリコと空が友人になった記念日だった。
マリコは空と出会ってから1年間学校をサボっていたのだが、その日から毎日写真を撮っていた空は、毎日のその瞬間を記憶していると言った。
もし明日晴れたら一緒に死なないかと空は言った。

映画『迷宮カフェ』の結末・ラスト(ネタバレ)

マリコの骨髄提供祝いのパーティーが開かれた。
松浦も妻からのプレゼントを持ってかけつける。
そんな矢先、突然店に警察が入って来た。
「早見優はいるか」と言うのだ。
誰もいないと言うアスカに、「おまえだろ」と早川に向かっていった。
彼こそ渋谷スクランブル交差点で無差別殺人事件を起こした犯人だったのだ。

早見は皆に謝ると、本当のことを話始めた。

最初は本当にマリコに自殺するカプセルをもらうためだったが、段々とこの店で皆と暮らすうちに自分の利己主義を振り替えることになったと。
刑事に「自分は死刑で良いから、骨髄移植だけはしたい」と言った。
だが刑事は「例え100万人救ったとしても、おまえが奪った命は1つも戻ってこない」と冷静に言った。
泣き崩れる早見。
マリコにもらったカプセルを急いで口に入れると、それは自家製の砂糖だった。
自殺する前に甘い物を口にすると思いとどまるかもしれないと思ったため、カプセルは毒薬などでは無かったのだ。

アスカは自分が早見に対して気持ちがあるのだと思い知り、獄中結婚すると言い出す。
亡き母が作ったウェディングドレスを着て、刑務所に面会しにいくアスカ。
そしてこういった。
「あなたには幸せになる権利なんて無い。ここで死に怯えながら最後まで罪を全うしなさい」と言った。
そして「妻としてあなたの罪を半分かぶって暮らすから」と。
しかし「もう辛いからこれが最後、亡骸は妻として葬ってあげるから」とも言った。

薄暗い店の中で、マリコは空と対面する。
マリコは空には言えなかったが、本当は自分にもカフェを作る夢があったのだと言った。
そして榎木田に言えなかった3つめは、「自分も死ぬ」という誓い。
しかしアスカと早川のことを見て、命がどんなに重いものか思い知り、どんなに人を救っても空を救うことは出来ないのだと知ったと言った。
そして自分は産まれてこなければ良かったと自分を責めた。

空の幽霊はレコーダーを聞かせた。
それには自分の余命が1年だと知った日の空の声だった。
そのことを両親から聞いた空は、その後河原でマリコと出会ったのだ。

何故こんなものを持っているのか?と聞いたマリコに彼女はこういった。
「私の名はトワ。空が死んだ後に生まれた空の妹だと」。
その後、家族は何となくバラバラで違和感を持っていたが、両親の部屋からこれを見つけて真実を知ったと言う。
そして自分が空そっくりだと知ったトワは、マリコにどうしても会いにいきたいと思ったと言うのだ。

最後のテープをマリコに聞かせたトワ。
そこにはこう話す空の声が聞こえてくる。

明日で私の余命が告げられ日。
明日晴れたら一緒に死のうと約束したけど、もし晴れたらマリコの命まで奪ってしまう。
そんなの嫌だから。
私の親友だから。
天国であったらいつかマリコの家族や未来の話を教えて欲しい。

そう言い残して、踏切の中にいたのだ。

踏切の中で電車に轢かれて亡くなったのではなく、実はあのとき線路と列車の間に倒れ気を失い無傷で病院に運ばれた。
しかし目覚めることは無く、そのまま3日後息を引き取ったのだった。

マリコとトワは旅行で海に来ていた。
空と約束したのに叶わなかった夢を叶えるために。
浜辺を散歩していると、骨髄食をしたという少女が話しかけてくる。
マリコに珈琲の臭いがするという少女は、自分のドナーも珈琲が好きなのだと手紙で読んだと言った。
マリコは彼女に「どうかお元気で」と言った。

映画『迷宮カフェ』の感想・評価・レビュー

本作は、辺鄙な場所にある訳ありのカフェの美人店主マリコとそこに訪れる常連客たちの迷宮を彷徨いながらも不器用に生きる姿を描いたミステリーヒューマンドラマ作品。
常連客たちが次々と疾走するというミステリーかと思いきや、骨髄移植を通じて深まる人々の絆を描いていて、繋がっていく人と人との絆や重みが心に響いた。
何だか少しだけ背中を押して貰えたような気持ちになった。
そして、関めぐみさんの醸し出す雰囲気がとても心地よかった。(女性 20代)

みんなの感想・レビュー

  1. 太ったトンちゃん より:

    ひまだったので、たまたま観たら、最後に涙が自然に溢れてきてしまった。こんなに泣かされるとは思ってもいなかった。