この記事では、映画『メッセージ・イン・ア・ボトル』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『メッセージ・イン・ア・ボトル』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『メッセージ・イン・ア・ボトル』の作品情報
上映時間:131分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:ルイス・マンドーキ
キャスト:ケヴィン・コスナー、ロビン・ライト・ペン、ポール・ニューマン、ジョン・サヴェージ etc
映画『メッセージ・イン・ア・ボトル』の登場人物(キャスト)
- ギャレット・ブレイク(ケビン・コスナー)
- 船の修理工を営む男性。実直で誠実だが、無口。自分のせいで妻を亡くし、死を受け入れられずにいる。テリーサと出会い再び、前向きに生きようとする。
- テリーサ・オズボーン(ロビン・ライト・ペン)
- 新聞社に勤めるシングルマザー。瓶詰の手紙を発見し、手紙の送り主であるギャレットを見つけ出す。彼と出会い惹かれていく。
- ドッジ・ブレイク(ポール・ニューマン)
- ギャレットの壮年の父親。息子の苦悩を知りつつ、前向きにさせたいと思っており、テリーサとの仲を応援する。無口な息子に対し、ユーモアたっぷりでおしゃべり。
映画『メッセージ・イン・ア・ボトル』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『メッセージ・イン・ア・ボトル』のあらすじ【起】
アメリカ、シカゴ。新聞記者として働くテリーサは、シングルマザー。1人息子を別れた夫に預け、休暇でマサチューセッツのケープコッドへやって来た。彼女はジョギングの際、海岸で瓶に入った手紙を見つける。
手紙は、キャサリンという女性に宛てたもので送り主はG。内容からすると既にキャサリンは亡くなっており、Gは彼女の夫だったと思われる。これは、Gからキャサリンへ向けた誠実な愛の手紙だった。
休暇を1日早く切り上げ、会社に出社したテリーサは、同僚達に手紙の内容を教えた。他意があって手紙の内容を明かしたわけではなく、ただの報告のつもりだった。しかし、翌朝の新聞に上司がテリーサに無断で、手紙の内容を掲載してしまう。
すると、その手紙が大反響を呼ぶ。新聞社へと大量に送られて来た読者からの手紙の中に、続きと思われる内容の手紙を拾ったという情報を発見。テリーサ達は、手紙の送り主であるGの捜索をすることにした。
様々に寄せられる情報により、手紙のロゴはオリジナルのもので、作成者が判明。ノースカロライナ州の港がある町に住む、ギャレット・ブレイクが手紙の送り主であることが分かった。テリーサは上司に秘密で、彼へ会いに行くことにした。
自宅を訪ねたが、本人は不在だった。父親が港にいると言うので、港へ向かったテリーサ。そこで、ギャレットが生え抜きの船の修理工で、工房を持っていることを知る。テリーサは工房を訪ね、ようやくギャレット本人に会うことができた。彼は想像通りに誠実そうな男性だった。テリーサはどうにかギャレットと近づきたく、翌朝の船のテスト航行に同行する約束を取り付ける。
翌朝、約束の食堂にやって来たテリーサだったが、中では乱闘が行われている。喧嘩の主はなんとギャレットだった。彼には何か抜き差しならぬ過去がある様子。テリーサはテスト航行への同行を断ろうとするも、予定通り船を出す準備をするギャレットを窺い、やはり一緒に行くことにした。

映画『メッセージ・イン・ア・ボトル』のあらすじ【承】
天気も良く、風もある。船は順調に航行を続ける。テリーサはギャレットから喧嘩の原因を聞いた。喧嘩の相手はギャレットの妻の弟だったらしい。詳しくは教えてもらえなかったが、少しだけ距離が縮まった。
その日の夜、船に上着を忘れたテリーサを訪ねたギャレット。彼は父親のドッチにテリーサとの出会いを大切にしろと助言され、彼女を翌晩のディナーに誘う。テリーサは戸惑いながらも了承した。
翌晩、約束の時間にギャレットの自宅を訪ねたテリーサ。彼の自宅には、素晴らしい絵が飾られている。これらの絵は、2年前に亡くなった妻のキャサリンが描いたと言う。キャサリンは画家だったようだ。
その後、夕食と海辺の散歩を楽しんだ2人。テリーサは真実を明かそうとするも彼の手前、話すことができずに自分の離婚話をした。ギャレットは話せば話すほど魅力的な男性で、テリーサは自分が惹かれるのを止めることができない。1晩、何もないまま抱き合って過ごした2人。
翌朝、ギャレットから自分だけの船を造るのが夢だと教えられる。だが、キャサリンが亡くなった2年前から製造の手を止めているらしい。テリーサはこれ以上、踏み込むのは良くないと思い、彼の前から去ろうとするが、ギャレットもどうやらテリーサに惹かれているようで引き止められてしまう。
テリーサが帰った後、ギャレットの元にキャサリンの家族が乗り込んで来る。画家であった娘の作品を寄越せと言う。体が弱く病気がちだったキャサリン。彼女を1人にし、亡くしたことが罪だと責められるギャレット。十分に後悔はしている。彼はキャサリンがいた痕跡を無くしたくなくて、アトリエも絵もそのままにしていた。互いに譲らないギャレットとキャサリンの家族は、ドッチの仲裁でどうにか事なきを得た。
その夜、テリーサと夜の航行へ出たギャレット。キャサリンとテリーサとの狭間で揺れる気持ちを吐露。テリーサは彼を優しく抱きしめた。そのまま夜を明かし、日中は2人だけの時間を楽しんだ。
翌日、ギャレットが帰宅すると、先に来ていたテリーサがキャサリンのアトリエにいた。少し物を動かされたことに、気持ちを揺さぶられるギャレット。テリーサは彼の宝物に手をつけてしまったと後悔。すると、ドッチが彼女を慰めてくれる。機嫌を直した親子と食事を共にしたテリーサは、父親のドッチにとても気に入られるのだった。
そして、彼女はギャレットとの別れを惜しみながら、シカゴへと帰るのである。
映画『メッセージ・イン・ア・ボトル』のあらすじ【転】
テリーサと出会ったことにより、再び船の製造を始めたギャレット。
会社に戻ったテリーサは、ギャレットが今も尚、愛する妻の死を受け入れられず、思い出だらけの中で過ごしていることを同僚に報告。あの家には、自分の居場所がないことを十分に思い知っていた。
それぞれの生活に戻ってしばらく後、ギャレットからテリーサへと連絡がある。彼の船が完成したらしい。そして、彼はテリーサに会いたいと言う。彼女もギャレットに会いたかった。自分の生活を見て欲しいと思い、テリーサは彼をシカゴへ来るよう誘う。
テリーサに会うため、シカゴへやって来たギャレット。彼女の息子とも対面し、テリーサの職場も見学。翌日、息子が1泊のお出かけに出発後、2人は緊張しつつもようやく身体を重ねるに至った。
蜜月を過ごす2人だったが、テリーサがシャワーに立った際、ギャレットはベッド脇のチェストから見たことのある瓶を発見する。そして、自分が書いた手紙も見つけてしまうのだった。更に、手紙が掲載された新聞の切り抜きも見つけてしまい、ショックを受けた彼は、早々に帰り支度を始める。
テリーサとギャレットは言い合いになる。全てを隠し偽って、自分に近づいたテリーサを許せないギャレット。だが、テリーサは彼を失いたくないあまりに、真実を明かすことができなかったと言う。ギャレットが書いた3通の手紙がテリーサの人生を変えた。そこで、彼は顔色を変える。ギャレットが書いた手紙は2通だったのだ。
3通目の手紙に目を通したギャレット。その手紙はキャサリンが書いたものだった。彼女は手紙を瓶に詰め、体調不良を押して岬から手紙を海へと投下していた。キャサリンはその日から体調を崩し、3日後に息を引き取ったと言う。ギャレットは真実に打ちのめされ、帰路についた。
映画『メッセージ・イン・ア・ボトル』の結末・ラスト(ネタバレ)
以降、ギャレットから連絡はない。テリーサは必死に謝罪の伝言を残したが、やはり返事はなかった。彼女は自分がしたことを深く後悔し、そしてギャレットがキャサリンへ注ぐ深い愛情を目の当たりにし、自分には勝ち目がないと落ち込むのだった。
1人になって自分を見つめ直したギャレットは、キャサリンの絵を家族の元へ運ぶことにした。しかし、家族は彼と会おうともしない。仕方ないので玄関先に荷物を置いて去った。
一方、テリーサは気を取り直して新聞へとコラムの新記事を作成。上司から見直される。
彼女のコラムは新聞の第1面を飾った。これにより、テリーサはデスクへと昇進。自分のオフィスを持つに至る。
そんな中、ギャレットから手紙が届く。中には完成した彼の船の写真が入っていた。そして、手紙を撮った写真も。内容は進水式への誘いだった。
意気揚々と進水式へ駆けつけたテリーサだったが、船の名前がキャサリン号であることに気落ちし、静かに立ち去る。
式の後、テリーサはギャレットの自宅を訪ね、彼に別れを告げた。キャサリンへの深い愛はどうしたって、覆せるものではない。ギャレットはテリーサへと愛を告げるも、自分を愛すると言うのならば、自分を捕まえに来ればいいと言い残して去って行くのだった。
息子の不甲斐ない姿に憤りを隠せないドッチ。彼はギャレットを焚きつけ、テリーサを失ってはいけないと助言。ギャレットは自宅へ戻り、テリーサからのプレゼントを開けた。彼女は自分が彼の1番になりたいと願い、方位磁針をプレゼントしていたのだった。
翌日、ギャレットは心を決めて船を出す。天候は最悪の状態で、嵐の襲来が予想されていた。荒れる海と雪が混じる強風の中、怯まずに船を進めるギャレットだったが途中、船の破損で立ち往生している一家を発見。命の危険を顧みずに救助活動を行った。だが、彼は家族を助ける代わりに、自分が溺れてしまうのだった。
ギャレットの訃報を聞き、自宅を訪ねたテリーサは、彼が残した最後の手紙を目にする。ギャレットはキャサリンに別れを告げようとしていた。そして、テリーサの元へ向かう心積もりだったようだ。テリーサは静かに涙を流し、息子を亡くしたドッチと深い悲しみを分かち合うのだった。
映画『メッセージ・イン・ア・ボトル』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
瓶に入った一枚の手紙によって、出会いが発生し人生が変わる。現実にあるかどうか分からないけど、稀にありそうな話でもある。手紙によって出会った2人が、互いに惹かれ合っていく様子が繊細に描かれている。大人の恋という感じで寄り添い方がとても穏やかで自然だった。妻を失った男の深い悲しみを演じるケビン・コスナーの演技が渋くていい。しかも、ハッピーエンドではないこともあり、非常に奥が深いように感じた。(女性 40代)
海から届いた手紙が運命を変えていくというロマンチックな設定に、最初から惹き込まれました。過去に囚われた男と、新しい希望を見つけようとする女性の出会いは、現代にも通じる普遍的なテーマです。最後にギャレットが命を落とす展開は予想していなかっただけに、ショックも大きかったです。(30代 女性)
愛する人を失った痛みから逃れられない男が、ようやく新しい恋に心を開こうとする…。そんな繊細な心の動きが、リチャード・ギアの演技で見事に表現されていました。テレサの存在が彼を変えていくのに、結末はあまりにも非情。でも、その悲しさが作品全体の余韻を深くしていると感じました。(40代 男性)
テレサの探究心と、ギャレットの頑ななまでの愛の記憶。2人の関係の発展が非常にリアルで、丁寧に時間をかけて描かれていたのが印象的です。個人的には、手紙という“想いを伝える手段”が物語の中心にあるところに心が動かされました。愛ってこんなにも人を強くも弱くもするんですね。(20代 女性)
この映画は、亡き妻への想いと、そこから立ち直れない男の孤独を真正面から描いた作品でした。ギャレットの苦悩には共感しかありません。愛することの素晴らしさと怖さ、その両方を教えてくれる映画です。結末はつらかったけど、テレサが手紙を通じて前を向くラストに救いがありました。(30代 男性)
手紙というアナログな手段が、こんなにも人の心を動かすものだとは。言葉にならない想いが紙の上に綴られているだけで、涙がこぼれるようなシーンがいくつもありました。ギャレットの最後の選択には賛否があるかもしれませんが、私は彼の愛を感じました。(40代 女性)
人生の中で本当に人を愛した経験がある人にこそ響く映画です。テレサとギャレットの出会いが運命だったと信じたかったからこそ、あのラストは本当に切なかった。でも、彼女が前を向く姿に、自分も何かを受け取ったような気がします。優しい涙が流れる一作でした。(50代 男性)
運命のような出会いと、現実の苦しさ。そのコントラストが見事に描かれていて、何度も心を揺さぶられました。静かな映画だけど、感情の波が大きくて観終わったあとにしばらく余韻から抜け出せません。海辺の風景と音楽もすごくよかったです。(20代 女性)
愛は必ずしも幸せをくれるとは限らない。ギャレットが過去に生きていた理由と、そこから脱け出そうとする勇気の描写がとても人間的で、自分自身を重ねて観てしまいました。不器用でも、本気で愛した男の姿が胸に残ります。美しいけど切なすぎる映画でした。(30代 男性)
最初はゆったりとしたラブロマンスかと思っていましたが、物語が進むごとに胸が締め付けられるような切なさが積み重なっていきました。ギャレットがようやく過去を越えようとした矢先に訪れる悲劇。その余韻が、最後のテレサの手紙とともに心に深く刻まれました。(40代 男性)
映画『メッセージ・イン・ア・ボトル』を見た人におすすめの映画5選
きみに読む物語
この映画を一言で表すと?
時を超えて繋がる、永遠の愛を描いた涙のラブストーリー。
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認知症の女性に、ある男性が語る恋愛物語。それはかつて2人が経験した、身分違いの愛と運命に引き裂かれる恋の記録だった…。時間と記憶をテーマにした、切なくも温かな愛の軌跡を描きます。
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ニコラス・スパークス原作の傑作恋愛映画で、『メッセージ・イン・ア・ボトル』が好きな人には間違いなく響く内容。映像美と音楽、そして心を打つラストが深い余韻を残してくれます。
イルマーレ
この映画を一言で表すと?
2年の時を越えて手紙でつながる、奇跡の恋の物語。
どんな話?
同じ家に住む男女が、郵便受けを通じて手紙をやり取りするが、実は2人の間には2年の時間差があった――。現実では出会えない2人が、それでも惹かれ合っていく不思議で切ないファンタジーラブストーリー。
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静かな雰囲気と詩的な世界観が魅力の本作は、まさに“距離と時間を超えた愛”を描いた映画。『メッセージ・イン・ア・ボトル』のように、手紙がつなぐ心の交流に心を揺さぶられます。
ラブ・アフェア(1994)
この映画を一言で表すと?
運命に導かれた恋人たちの、再会の約束と奇跡の恋。
どんな話?
偶然出会った男女が恋に落ち、半年後にエンパイア・ステート・ビルで再会する約束をする。しかし予期せぬ事故が2人の運命を大きく変えていく…。運命と愛が交錯する大人のロマンスです。
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静かで気品のある語り口に心がほどけていくような感覚。『メッセージ・イン・ア・ボトル』同様、ロマンチックでどこか哀愁を感じさせる世界観が魅力。再会を信じる気持ちに胸が熱くなります。
PS アイラヴユー
この映画を一言で表すと?
最愛の人を失っても、愛は生き続ける――心を癒すラブレター。
どんな話?
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愛する人を想う優しさと、喪失を乗り越えていく過程が感動を呼ぶ一作。『メッセージ・イン・ア・ボトル』が描いた“残された想い”に心を動かされた方には、間違いなく共鳴する物語です。
あと1センチの恋
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すれ違い続けた幼なじみの恋に、世界中が共感。
どんな話?
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「あと少しだったのに…」という共感が心に刺さる恋愛映画。『メッセージ・イン・ア・ボトル』と同様、運命の出会いと離れがたい想いにフォーカスした物語で、何度も観たくなる感動作です。
みんなの感想・レビュー
父親役のポール・ニューマンが燻し銀の様な息子想いの渋い演技で光っていました!