映画『彼が二度愛したS』の概要:ヒュー・ジャックマンとユアン・マクレガー主演のサスペンス。共演はミシェル・ウィリアムズ、シャーロット・ランプリング。マーセル・ランゲネッガー監督の2007年米国映画。
映画『彼が二度愛したS』 作品情報
- 製作年:2008年
- 上映時間:108分
- ジャンル:サスペンス、ラブストーリー
- 監督:マーセル・ランゲネッガー
- キャスト:ヒュー・ジャックマン、ユアン・マクレガー、ミシェル・ウィリアムズ、リサ・ゲイ・ハミルトン etc
映画『彼が二度愛したS』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『彼が二度愛したS』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『彼が二度愛したS』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『彼が二度愛したS』 あらすじ【起・承】
大手の会計事務所。残業中の会計士マコーリー(ユアン・マクレガー)。
彼は、単調な毎日を送っていた。そんな彼は、有能な弁護士ワイアット・ボーズ(ヒュー・ジャックマン)と出会う。マリファナを吸い、談笑を楽しむ2人。
帰りの地下鉄で、マコーリーは、金髪女性に道を聞かれた。“カナル・ストリートへは?”
ホームに入ってきた電車を指して、“これで行けますよ。”と答えた。その後も、マコーリーは彼女を見つめていた。恋に落ちていたのだった。
自宅に戻ると、雨漏りしている部分を見つけた。来週にでも修理してもらうことを決めた。
マコーリーは、ワイアットと会い、テニスに興じた。その時、ワイアットに“君は何人と寝た?”と聞かれた。“4人・・かな。”と。
堅物で女性との出会いも少ないマコーリーは、その後、ワイアットに言われて新しいスーツに着替えると2人でショー・パブへ繰り出した。
次に2人が会った時、公園でランチを食べた。ワイアットは、出張で飛行機に乗るらしい。
その際に、2人の携帯電話を取り違えてしまう。電話が鳴り、“今夜は暇?”と囁く女性の声。
マコーリーは、ワイアットの携帯電話に出てしまい、会員制の秘密のクラブに誘われるのだった。マコーリーは、最初は会うつもりはなかったが、結局、女性とホテルで待ち合わせし関係を結んだのだった。
映画『彼が二度愛したS』 結末・ラスト(ネタバレ)
マコーリーは、会員制の秘密のクラブで夜な夜な、女性を抱くのだった。そして、出張中だというワイアットに電話して、会員制の秘密のクラブや女性たちの事を聞こうとするが、教えてもらえない。
会員制の秘密のクラブにはいくつかの規則があった。
それは、職業や名前を明かさないことや乱暴な行為をしては駄目というもの。
マコーリーが2度目に会った女性は、年を取っていたが品のある女性(シャーロット・ランプリング)だった。後に、経済新聞で、彼女が“ウォール街の美女”であったと知ります。
そして、3度目に会った女性がS(ミシェル・ウィリアムズ)だった。以前、地下鉄で見かけた女性だと知ったマコーリーは、男女の関係を急ぐよりも彼女について知ろうとします。
中華街デートの日。彼女に、“地下鉄で会った時から君に夢中だ!”と告白。マフラーのお礼にアヒルのおもちゃを贈った。
しかし、ホテルで抱き合う前に彼女は何者かに連れ去られ、マコーリーも殴られてしまう。
数時間後、彼が目覚めた時には、部屋の中はきれいに整えられていた。
警察を呼び、彼女を探してくれるよう頼むが、名前すら知らない関係であることを不審がられてしまう。またホテルのフロント係は、女性の姿を見ていないと証言した。
女性Sの失踪に、マコーリーはワイアットの素性を疑う。会社で、ワイアットについて社員に尋ねたが、誰も知らないと言う。彼の家にも行ってみたが別人が住んでいた。
手がかりなしと思われたが、マコーリーの前に突然、ワイアットが現れた。
女性Sの行方を必死で追うマコーリーに対して、彼は非情にも会社の隠し口座の金200万ドルを盗めと要求。もし、拒否した場合は彼女を殺すと脅した。
全ての発端は、会員制の秘密のクラブだった。
そこで、ワイアットの携帯電話にかけてきた女性と会うことにした。
その女性シモーヌ・ウィルキソン(ナターシャ・ヘンストリッジ)は、マコーリーを見るなり、人違いだと言って逃げようとしたが、ワイアットの本名や彼の性格について教えてくれたのだった。そこで分かったのは、彼が偽名を使い、本名がジェイミー・ゲッツということ。
彼が危険な人物だと知った時、電話で“彼女を返せ!さもないと、警察に話すぞ!”とマコーリーは強く言った。すると、女性Sの失踪事件を担当するルッソ刑事(リサ・ゲイ・ハミルトン)から行方不明の女性の遺体を見て欲しいと連絡を受けた。
遺体を見たが、女性Sではなかった。しかし、自分のラケットのガットを紛失。行方不明の女性の遺体にガットで首を絞めた跡があったのだ。
数時間後、地下鉄にワイアットが現れた。“言われたとおりに盗まなければ、顔が判別できないようにしてやるぞ!”と脅迫してきた。タイムリミットは、夕方の6時までだ。
翌日。出向先の会社に向かう、マコーリー。会計処理をする彼のもとに書類が送られてきた。“リーブリング社の口座を探せ!そして、マドリードの銀行に送金しろ!”という、ジェイミー・ゲッツからの指示だった。そして、夕方6時きっかりに送金してしまう。
彼女を助けるためには急がなければならない。彼女が監禁されている画像が既に送られてきていたためだ。そして、マコーリーが部屋の扉を開けるのと同時に部屋は爆発した。
爆発の現場を確認した後、ジェイミーも姿を消した。
爆発後、管理人の焼死体が見つかったがマコーリーの行方は知れない。
ジェイミーはスペイン・マドリードへ飛んだ。堅物な性格で地味なマコーリーに変装したジェイミーを見た女性Sは笑った。“あのバカ、お前に惚れていたぜ!”と不敵な笑みを浮かべるジェイミーをSは悲しく思った。そして、マコーリーが死んだことを知るのだった。
“殺したの?このろくでなし!”と怒るS。翌日、2人はそろってマドリードの銀行へ。
しかし、名義人しか入室できないとしてSは銀行で待たされることに。
簡単にお金が手に入ると思っていたジェイミーだったが、副署名人が必要だと銀行側に言われてしまう。そんなジェイミーの前に死んだと思われていたマコーリーが現れた。
一方、Sはどこかに消えてしまう。
“スーツケース2つに1000万ドルずつですね。”
こうして、マコーリーと共に口座の解約に成功したジェイミーは、マコーリーから取り分を半分よこせと言われた。そして、マコーリーは500万ドルでSの居場所を言えと迫った。
ジェイミーは、あきれながらもマコーリーに拳銃を向けた。
その瞬間、撃たれたのはマコーリーではなく、ジェイミーだった。ジェイミーは公園のベンチに体を落とした。ジェイミーを撃ったのはSだった。
マコーリーはスーツケースを手放すと、すぐにSを追った。
映画『彼が二度愛したS』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『彼が二度愛したS』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
愛の罠と予測不能な復讐劇が止まらない!
「彼が二度愛したS」という邦題の響きが実にいい。まるで、ハードボイルド小説のよう。
「X-MEN」のヒーロー役で有名なヒュー・ジャックマンと、「トレインスポッティング」のユアン・マクレガーが主演と聞けば、観ずにはおられません。
加えて、ヒュー・ジャックマンがこの映画の脚本に惚れこみ、製作側としても参加している点に期待が高まります。前半のエロティックなシーンとユアン・マクレガー演じる、堅物でシャイな会計士がありえないくらいヘタレで面白い。シャイな男を演じさせたら、彼以外の俳優は考えられません。
対照的に、ヒュー・ジャックマン演じる、ワイアット/ジェイミー・ゲッツが骨の髄まで悪役に徹しているのも見どころ。しかし、なんで銀行から横領した金を引き出す時、堅物でシャイな会計士に扮装するのか理解に苦しみます。銀行員にも怪しい、別人だと警戒すぁれるだろうに。後半は、サスペンスと復讐劇ですが、細かい点に不備が多くて一気に観ている方は萎えてしまう。
家を爆破され、死んだと思われていた会計士がワイアットの前に現れるシーンでも、構成力の弱さを感じます。しかし、シャイな会計士の一夜限りの相手として、“ウォール街の美女”ことシャーロット・ランプリングの登場には驚きますよ!
ヒュー・ジャックマンに夢中!
この映画で、悪役ワイアット/ジェイミー・ゲッツを演じた、ヒュー・ジャックマンに注目してみよう。彼は、「X-MEN」のウルヴァリン役で人気となり、以来アメリカン・ヒーローを演じ続けています。
私生活でも、良き夫・良き父親である彼は、役者仲間からも尊敬されています。だからこそ、映画の中では悪い奴を演じたくなるのかもしれない。
悪役としてよりも、イケメンさが際立つ容姿に見とれてしまう。こんな有能な弁護士がいたら、みんな騙されてしまうかも。
また、トム・フーバー監督の「レ・ミゼラブル」(12)で魅せたジャン・バルジャン役も忘れ難い。この映画で、彼の美声に惹きこまれた人も多いだろう。演技だけでなく、歌やギターなど楽器も上手だというヒュー・ジャックマンに期待したい。
彼の待望の新作は、「ウルヴァリン3」になる予定で、2017年の公開を目指して撮影中です。
マコーリーのような真面目で堅物、言ってしまえばヘタレな男性は、簡単に女性に恋をしてしまい、ハマるとどんな事でも無意識にしてしまうかなり危うい性格なのかなと感じました。
Sとジェイミーが繋がっているのだろうという事はすぐに分かると思いますが、何故?と疑問に思う部分や、詰めの甘いシーンが多かったように感じます。サスペンス的な要素も物凄い良いバランスなのに作りが結構雑なのが残念なポイントです。
ヒュー・ジャックマンは悪役でもかっこよかったです。(女性 30代)
映画『彼が二度愛したS』 まとめ
恋愛かサスペンスか。どちらに重点を置くかによって、作品が良くも悪くもなるだろう。
この映画では、前半にその構成力が光っていたが、後半のサスペンス部分ではだらけてしまった感があります。
主演の2人、ヒュー・ジャックマンの悪党ぶりやユアン・マクレガーの堅物でシャイな人物像は完璧です!特にヒュー・ジャックマンのイケメンぶりは必見ですよ。
ヒロインSを演じた、ミシェル・ウィリアムズの小悪魔的な魅力も堪らない!ただ、1番おいしいところを、“ウォール街の美女”ことシャーロット・ランプリングに全て奪われてしまいました!
ある意味、女性という生き物がエロティックに恐ろしく描かれた作品なのではないでしょうか。
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