借金取りに暴行を加えられていた蒼山哲也は、見知らぬ男性に助けられる。男性は蒼山を奇妙な「町」に案内した。そこは、チューターと呼ばれる者達が管理をしており、労働をする代わりに衣食住が保証されていた。
映画『人数の町』の作品情報
- タイトル
- 人数の町
- 原題
- なし
- 製作年
- 2020年
- 日本公開日
- 2020年9月4日(金)
- 上映時間
- 不明
- ジャンル
- ミステリー
- 監督
- 荒木伸二
- 脚本
- 荒木伸二
- 製作
- 菅野和佳奈
関友彦 - 製作総指揮
- 木下直哉
武部由実子 - キャスト
- 中村倫也
石橋静河
立花恵理
橋野純平
植村宏司
菅野莉央
松浦祐也
草野イニ - 製作国
- 日本
- 配給
- キノフィルムズ
映画『人数の町』の作品概要
「第1回木下グループ新人監督賞・準グランプリ」受賞作品。松本人志が出演している「タウンワーク」のCMを手掛けている、荒木伸二が監督&脚本を担当した。人気俳優の中村倫也が主演を務めており、石橋静河、立花恵理、橋野純平など個性豊かなキャストが共演した。「チューター」と呼ばれる者達に管理された奇妙な「町」が物語の舞台になっている。主人公はそこで妹を探す女性と知り合い、町の秘密について迫っていくことになる。
映画『人数の町』の予告動画
映画『人数の町』の登場人物(キャスト)
- 蒼山哲也(中村倫也)
- 借金を抱えている。ある男から奇妙な「町」を紹介され、そこで暮らすようになる。
- 木村紅子(石橋静河)
- 奇妙な「町」で行方の分からない妹を探している。奇妙な「町」で蒼山と出会う。
映画『人数の町』のあらすじ(ネタバレなし)
蒼山哲也は借金をしており、堕落した日々を送っていた。ある日、借金取りに暴行を加えられていたところを、見知らぬ男性に救われる。男性は蒼山のことを「デュード」と呼び、とある奇妙な「町」に案内した。
その「町」は蒼山と同様に意志が弱く、社会に居場所がない者達で溢れていた。「町」から出るのも入るのも自由だが、離れることはできなかった。黄色いツナギを着た「チューター」と呼ばれる者達が町の管理を行っており、住民達は労働を行っていた。働く代わりに、衣食住は保証されていた。
蒼山は奇妙な「町」で木村紅子という名の女性と出会う。木村は行方不明になった妹を探すため、自ら「町」に来た人物だった。蒼山は木村のことを気に掛けるうちに、「町」の秘密に迫ることになる。
映画『人数の町』の感想・評価
荒木伸二、初長編映画監督作品
本作は「第1回木下グループ新人監督賞・準グランプリ」を受賞している。応募総数241本の中から選ばれており、奇妙な「町」を舞台に謎に満ちた物語が魅力の作品になっている。監督&脚本を担当したのは、荒木伸二。本作が長編映画監督デビュー作となった。CMプランナー、クリエイティブディレクターとして活躍しており、お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志が出演している「タウンワーク」のCMなどを手掛けている。
音楽はデヴィッド・シルヴィアンのバンドメンバーとしてワールドツアーに同行したことがある渡邊琢磨。撮影は「第73回毎日映画コンクール・撮影賞」を受賞した四宮秀俊。美術は「第34回日本アカデミー賞・優秀美術賞」を受賞した杉本亮。その他にも、日本の映画業界の第一線で活躍している優秀なスタッフが集結している。
出入りが自由な奇妙な「町」
主人公の蒼山哲也は借金で首が回らず、借金取りから追いかけられる日々を送っている。借金取りに暴行を加えられていたとき、見知らぬ男性に助けられる。その男性は黄色いツナギを着ていた。
蒼山はツナギを着た男性の案内で、とある「町」を訪れる。そこは出るのも入るのも自由だが、逃げることはできなかった。「チューター」と呼ばれる黄色いツナギを着た者達が町の管理を行っており、住民達は労働と引き換えに衣食住が保証され、快楽に耽ることもできた。
蒼山は町で平穏な暮らしを送っていた。ある日、妹を探しに来た女性・木村紅子と出会う。蒼山は木村と交流するうちに、町の秘密について迫っていくことになる。なぜ町から逃げることはできないのか?「チューター」達は一体何者なのか?
今一番話題の俳優、中村倫也主演作品
主演を務めたのは、今一番ノリに乗っていると言っても過言ではない人気俳優の中村倫也。NHK連続テレビ小説『半分、青い。』(18)に出演して一躍有名になり、テレビドラマ『美食探偵 明智五郎』(20)や映画『台風家族』(19)などのヒット作に出演している。
妹の行方を捜す女性・木村紅子を演じたのは、コンテンポラリーダンサーとしても活躍している女優の石橋静河。29年ぶりにリメイクされたことで大きな話題を集めたネット配信ドラマ『東京ラブストーリー』で、ヒロインの赤名リカを演じている。
その他、女性向けファッション雑誌『ViVi』の専属モデルとしても活躍している女優の立花恵理、舞台を中心に活躍している俳優の植村宏司、仮面ライダーシリーズに出演している俳優の山中聡など、個性豊かなキャストが脇を固めている。
映画『人数の町』の公開前に見ておきたい映画
台風家族
中村倫也の代表作で、鈴木家の三男を演じた。草彅剛が主演を務めており、行方が分からない両親の財産分与を行うために集まった鈴木家の様子が描かれている。市井昌秀監督が長年構想を練った作品で、オリジナル脚本を元に制作された。鈴木家の長女を演じたMEGUMIが、「第62回 ブルーリボン賞・助演女優賞」を受賞している。
母の鈴木光子と父の鈴木一鉄が銀行強盗を行い、2000万円を奪って行方不明になった。それから10年後。未だに二人の行方は分かっていなかった。残された子供達は両親の葬儀を行い、財産分与を行うことにした。鈴木家の長男で無職の小鉄を中心に、兄弟達は言い争った。そんな中、見知らぬ男が訪ねてきて、予想外の事実を突きつけられる。鈴木家の運命は!?
詳細 台風家族
楽園
石橋静河の代表作で、佐藤浩市が演じた田中善次郎の妻を演じた。吉田修一原作の小説『犯罪小説集』を元に制作された作品。綾野剛が主演を務めており、杉咲花、村上虹郎、柄本明、佐藤浩市など豪華なキャストが一堂に会した。人気女優の上白石萌音の楽曲『一縷』が主題歌に起用されている。
ある日、下校途中の小学生が行方不明になる。住民達が懸命に捜索を行うが、行方不明になった少女は見つからなかった。12年後。高校を卒業した湯川紡は、未だに少女の誘拐事件のことを忘れられずにいた。実は事件当日、Y字路で別れるまで、少女と一緒に下校していたのだ。ある日、紡は中村豪士という名の青年に出会い、好意を持つ。豪士は少女誘拐事件の犯人として疑われた人物だった。
詳細 楽園
シャッター アイランド
ジャンル:ミステリー。デニス・ルヘイン原作のミステリー小説を元に制作されている。日本でも人気のハリウッド俳優レオナルド・ディカプリオが主演を務めている。「エミー賞ドラマ部門・最優秀監督賞」や「アカデミー賞・監督賞」を受賞したことがあるマーティン・スコセッシがメガホンを取った。
1954年、アメリカ。「シャッターアイランド」と呼ばれる島に、精神障害犯罪者だけを収容する病院があった。その病院から一人の女性が消えた。連邦保安官のテディ・ダニエルズは事件を調査するため、相棒と共に島を訪れた。島から陸地までは18キロもあり、泳いで渡ることは不可能だった。行方不明になった女性が残したメモが部屋から発見される。そのメモは暗号になっていた。テディ達は暗号を解くが、謎は深まるばかり。一体女性はどこに消えてしまったのだろうか?
詳細 シャッター アイランド
映画『人数の町』の評判・口コミ・レビュー
「人数の町」観た。かなり良かった!同じようなことをやろうとしたあまたの邦画SFとは一段出来の違う映画に仕上がっていた。ビシッと締まった撮影と、限られた材料をうまく使った美術の工夫、整理された脚本と批評性で、かなり見応えのある作品に。ラストのキレも良し。あらゆる点が想像以上だった。 pic.twitter.com/g9Z0OezR5d
— そーす太郎 (@taro07o2) September 4, 2020
『人数の町』(9月映画館②)
衣食住が保証された謎の町が舞台。個人的には思ったより突拍子もない町とは思わなかった。住みたい町ではないけれど住める町ではあるかもと思い、そう思う事が少し恐くなった。同じ景色を見て同じ気持ちになれないのは多くある事でそれぞれの感情や感覚について考える作品。 pic.twitter.com/DXMzWvc7T0— Lita (@Lita1224710) September 5, 2020
“人数の町”
社会に弾かれた様な人々を集め、欲求を満たす事により、家畜の様に使役し、そこから得た利益で町を回していく。観ていて、これも楽で良いかなって思えてくるから、作品観終わった後の、気持ち悪さが堪らない。また、終わらせ方が、リアルで、下手なホラーより恐い良作でした。 pic.twitter.com/UPvQ7IInBV— 常山の住職 (@CinemaCLAIRfan) September 5, 2020
『人数の町』鑑賞
興味深い設定で描かれる自由と不自由
面白い発想、ストーリー展開
ラストの中村倫也さんにはニヤリとさせられました
でも、思ったよりあっさり目なディストピア感…
個人的にはもう少し泥臭さが欲しかったです
一緒に観た夫も同意見でした pic.twitter.com/L1C13fD0HV— yokito (@yogini_yokito) September 6, 2020
「人数の町」観た。
現代日本を舞台にしたディストピアSFの良作
「町」の仕組みと人々が従事する仕事は地味目の陰謀論として説得力があってグッド
廃墟のリゾートホテルが舞台の退廃的な世界観とエロティシズムはどことなく「ロブスター」を連想
脚本には多少難アリだけど全体的にとても楽しめた pic.twitter.com/FQTIizNzbX— バードック (@nashhoward1312) September 6, 2020
映画『人数の町』のまとめ
物語の舞台になっているのは、謎の多い奇妙な「町」。黄色いツナギを着た「チューター」と呼ばれる者達が管理を行っており、住民達は労働と引き換えに衣食住が保証されている。労働の内容は、別人を装って行う選挙投票、ネットへの書き込みなど。住民達は部屋の中に置かれているバイブルを読み、町での暮らしに馴染んでいく。なぜこんな奇妙な「町」が存在しているのか?「町」の秘密とは一体何なのか?ぜひその目で確かめてみて欲しい。
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