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映画『ペイン・アンド・グローリー』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

映画監督のサルバドール・マロは、脊椎の痛みに悩まされていた。そんなある日、32年前に自分が手掛けた作品が再上映されることになる。サルバドールはヘロインを服用するようになり、過去を思い出した。

映画『ペイン・アンド・グローリー』の作品情報

ペイン・アンド・グローリー

タイトル
ペイン・アンド・グローリー
原題
Dolor y gloria
製作年
2019年
日本公開日
2020年6月19日(金)
上映時間
113分
ジャンル
ヒューマンドラマ
監督
ペドロ・アルモドバル
脚本
ペドロ・アルモドバル
製作
アグスティン・アルモドバル
製作総指揮
エステル・ガルシア
キャスト
アントニオ・バンデラス
アシエル・エチェアンディア
レオナルド・スバラーリャ
ノラ・ナバス
フリエタ・セラーノ
ペネロペ・クルス
製作国
スペイン
配給
キノフィルムズ

映画『ペイン・アンド・グローリー』の作品概要

映画界の巨匠ペドロ・アルモドバルが監督&脚本を手掛けた作品。身体的な痛みで仕事がままならない映画監督が、とあることをきっかけに過去を思い出す様子が描かれている。ペドロ・アルモドバル作品常連のアントニオ・バンデラスが主演を務め、日本でも人気の女優ペネロペ・クルスが主人公の母の若い頃の役で出演している。「2020年ゴールデングローブ賞・外国語映画賞」を始め、様々な賞にノミネート(または受賞)されており、観客や批評家から高い評価を受けている。

映画『ペイン・アンド・グローリー』の予告動画

映画『ペイン・アンド・グローリー』の登場人物(キャスト)

サルバドール・マロ(アントニオ・バンデラス)
世界的に有名な映画監督。脊椎の痛みに悩まされ、仕事がままならない状態。
アルベルト(アシエル・エチェアンディア)
32年前にサルバドールが手掛けた映画の主演を務めた。ヘロインを愛用している。
ハシンタ(老年:フリエタ・セラーノ / 若い頃:ペネロペ・クルス)
サルバドールの母。貧しい生活ながらも、息子に教育を与えようとしていた。

映画『ペイン・アンド・グローリー』のあらすじ(ネタバレなし)

サルバドール・マロは世界的に活躍する映画監督だった。しかし、脊椎の痛みに悩まされ、映画を撮ることができなくなっていた。何をするのも億劫で、生きる気力を失くしていた。そんな時、32年前に自分が手掛けた作品が、再上映されることになる。サルバドールは映画の主演を務めたアルベルトに会いに行った。そこで、ヘロインを目にする。サルバドールはヘロインを服用するようになり、過去の日々を思い出すようになった。

幼いサルバドールは両親と一緒にバレンシアの村に引っ越した。そこで、レンガ職人のエドゥアルドと出会う。サルバドールは家の補修と引き換えに、エドゥアルドに文字を教えることになった。母のハシンタはサルバドールを教会の寄宿学校に通わせようとするが、ちょっとした行き違いでサルバドールと口論になってしまう。

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映画『ペイン・アンド・グローリー』の感想・評価

映画界の巨匠、ペドロ・アルモドバル

監督と脚本を手掛けたのは、ペドロ・アルモドバル。若かりし頃は資金難に苦しみながらも作品を制作していたが、独特な世界観と彩り豊かな映像に多くの観客が魅了されていった。「1988年ヴェネツィア国際映画祭・脚本賞」を始め様々な賞を受賞しており、映画界の巨匠として確かな地位を確立している。

俳優のアントニオ・バンデラスと共に、ペドロ・アルモドバル作品の常連であるペネロペ・クルスが本作に出演している。彼女が演じたのは、主人公の母・ハシンタの若い頃である。ペネロペ・クルスの演技からは、ただ美しいだけでなく、貧しいながらも息子に深い愛情を注ぐ母の優しさと強さが滲み出ている。日本でも人気がある彼女の演技に、ぜひ注目して欲しい。

痛みを抱える映画監督の人生の物語

主人公のサルバドール・マロは世界的に活躍する映画監督だが、脊椎の痛みに悩まされ、仕事がままならない状態になっていた。そんな時、32年前に手掛けた自身の作品が再上映されることになる。サルバドールはヘロインを摂取するようになり、過去を思い出すようになった。引っ越した小さな村で出会った労働者の男性、忘れられない恋、母親からの深い愛情と小さな痛み。サルバドールはどんな人生を歩んできたのか、これからどう生きるのか見届けて欲しい。

この物語は、本作品を手掛けたペドロ・アルモドバル監督の半生が生かされている。(自伝物語ではなく、あくまでもフィクション作品)。批評家からの評価が高く、「2019年カンヌ国際映画祭 パルム・ドール」を始め様々な賞にノミネートされている。

スペイン出身の名俳優アントニオ・バンデラス主演作

主演を務めたのは、スペイン出身の俳優アントニオ・バンデラス。ペドロ・アルモドバル監督作品の常連で、映画『私が、生きる肌』(11)や映画『セクシリア』(1982)などに出演している。1992年には映画『マンボ・キングス/わが心のマリア』でハリウッドデビューを果たしており、映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(1994)を始め数々のヒット作に出演している。スペイン国内に留まらず、世界で活躍する名俳優である。

本作は物語だけでなく、アントニオ・バンデラスの演技も高い評価を受けている。「2019年カンヌ国際映画祭・男優賞」や「2019年ハリウッド映画賞・主演男優賞」などを受賞した。映画監督として名を馳せながらも、脊椎の痛みに悩まされて仕事がままならなくなった主人公の苦悩と、過去を振り返りながら気づく愛を見事に表現している。

映画『ペイン・アンド・グローリー』の公開前に見ておきたい映画

映画『ペイン・アンド・グローリー』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『ペイン・アンド・グローリー』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

ジュリエッタ

ペドロ・アルモドバルの代表作で、監督&脚本を担当している。アリス・マンロー原作の短編集『Runaway』の中に収録されている短編小説を元に制作された。「2016年サンディエゴ国際映画祭・国際作品賞」を受賞している他、様々な賞にノミネートされており批評家から高い評価を受けている。

ジュリエッタは恋人のロレンソとポルトガルへ引っ越すことを決める。そんな彼女には、ロレンソも知らない秘密があった。実は、娘のアンティアが12年前に突然家出をし、音信普通になってしまったのだ。ジュリエッタはアンティアに会ったという知り合いの話を聞き、引っ越しをやめてマドリードに残る決意をする。アンティアはなぜ家を出たのか。ジュリエッタは気づかなかった娘の思いを知る。

詳細 ジュリエッタ

オートマタ

アントニオ・バンデラスの代表作で、主演とプロデューサーを務めた作品。SFアクション映画で、砂漠化が進行した近未来の地球が物語の舞台になっている。アントニオ・バンデラスは人工知能搭載ロボットの異変を調査するジャック・ヴォーカンを演じた。「カンヌ国際映画祭・国際批評家週間」で上映されている。

2044年荒廃した地球。ROC社は人類の希望を託し、「オートマタ・ピリグリム7000型」を開発した。制御機能として「人間に危害を加えてはいけない」、「ロボット自身で修理・改造してはいけない」というプログラムが設定された。その掟は破られないはずだった。だが、自らを修理する機械が発見される。ROC社の保険代理人であるジャックは、調査を開始した。

詳細 オートマタ

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男

ヒューマンドラマ作品。ブルース・クック原作の評伝本『Dalton Trumbo』を元に制作された。ハリウッドの脚本家として活躍していた実在の人物、ダルトン・トランボの波乱に満ちた半生が描かれている。ブライアン・クランストンが主人公のトランボを演じており、ダイアン・レインやヘレン・ミレンなど実力派俳優達が脇を固めている。

ダルトン・トランボはハリウッドで、優れた脚本家として活躍していた。そんなある日、ハリウッドから共産主義者が追放されることになる。トランボも共産主義者だったため、反逆者としてブラックリスト入りしてしまう。だが、トランボは執筆活動をやめなかった。色んな名前で脚本を執筆することにしたのだ。トランボは苦境に立たされながらも、映画『ローマの休日』を始め数々の名作を世に生み出した。

詳細 トランボ ハリウッドに最も嫌われた男

映画『ペイン・アンド・グローリー』の評判・口コミ・レビュー

映画『ペイン・アンド・グローリー』のまとめ

主人公のサルバドールは映画監督として世界的に活躍しているが、脊椎の痛みのせいで生きる気力を失くしている。映画監督としての栄光よりも、一人の男性の人生に向き合った物語になっている。体の痛みによって苦悩の日々を送ることになったサルバドールが、過去を思い出して何を感じるのか、どのような結論を導き出すのか、非常に気になる物語になっている。誰しもが老いていくため、年齢を重ねたサルバドールの苦悩や思いにきっと共感できるはずである。

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