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映画『ララピポ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ララピポ』の概要:奥田英朗原作の小説を映画化した作品。東京の底辺に暮らす人々にスポットを当て、6人の人間の日常が交錯する群青劇となっている。現状に苦しみながらも必死に生きようとする姿を、セックスの観点からコメディタッチに描いている。

映画『ララピポ』の作品情報

ララピポ

製作年:2008年
上映時間:94分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:宮野雅之
キャスト:成宮寛貴、村上知子、中村ゆり、吉村崇 etc

映画『ララピポ』の登場人物(キャスト)

栗野健治(成宮寛貴)
23歳、キャバクラのスカウトマン・月収30万円。悲惨な幼少期を過ごしていた。母に吐いた嘘をきっかけに、幸せになるためには嘘を吐くことが必要だと信じるようになる。それは、大人になっても変わらなかった。
玉木小百合(村上知子)
26歳、声優志望・月収50万円。自身のセックスライフをDVDにして販売している。
佐藤智子(中村ゆり)
20歳、元デパートの店員。良枝の娘。ポン引きの粟野に出会い、恋をする。そして、粟野に勧められるまま風俗で働き、最終的にはAV女優として100万円稼ぐようになる。
青柳光一(吉村崇)
26歳、カラオケBOX店員・月収16万円。SFオタクで、ヒーローのスーツを着るのが趣味。意見をはっきり言うことが苦手。
杉山博(皆川猿時)
32歳、フリーライター・月収15万円。女性を口説いても相手にされないことにショックを受け、引き籠りになる。上の階の住民のセックスを盗み聞きしては、オナニーをして発散している。
佐藤良枝(濱田マリ)
43歳、AV女優・月収20万円。痴ほう症の義母を介護するのに疲れ、家を出て旅に出る。その間に義母が亡くなってしまい、遺体を誤魔化すためにゴミを家に置くようになる。夫や娘は家族に無関心で、介護を手伝うこともなかった。

映画『ララピポ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ララピポ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ララピポ』のあらすじ【起】

この世界には2種類の人間しかいない。一生地べたに這いつくばる人と、そこから抜け出し高く上り詰める人。セックスをする人と、それを覗く人。違う世界に踏み出せる人と、それができない人。平和を乱す人と、平和を守る人。100万人に愛される人と、誰にも愛されない人。

杉山は1人も友達がおらず、しばらく誰とも話していなかった。セックスする相手もおらず、上の階に住む男女のセックスを聞きながらオナニーするのが日課だった。今まで杉山がデートに誘った女性は、杉山に触れられるのも嫌がり悲鳴を上げる人ばかりだった。それが5回ほど続いたある日、杉山は全てのことに嫌気が差し、家に引き籠るようになった。

杉山が居酒屋で飲んだくれていると、隣に座った女性(玉木小百合)にお酒を零してしまう。杉山は謝罪しながらハンカチで拭いていたが、玉木は気にしている様子もなく微笑んだ。その姿に好感を持った杉山は、今までの分を取り返すように玉木とおしゃべりを楽しみ、セックスをした。だが、玉木から似た者同士だから付き合おうと言われ、杉山は急に熱が冷めて玉木を殴ってしまう。

杉山の上の階の住人が、引っ越しをしていなくなった。杉山は惨めな気持ちになり落ち込んだ。そして、玉木に謝罪するために部屋を訪ねるが、そこには別の男性の姿があった。杉山は怒りをぶつけるように男性に掴みかかったが、玉木に止められる。玉木に淋しかったのだと泣きつかれるが、杉山の気持ちは晴れなかった。玉木に好きにしていいと言われ、杉山は玉木の首を絞めてしまう。

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映画『ララピポ』のあらすじ【承】

デパートに勤める佐藤智子は、自分に自信がなく終始俯いて歩いていた。ある日、ポン引きの栗野健治に声を掛けられる。可愛いと褒めてくれる東野の言葉に喜び、智子は勧められるまま風俗で働くようになる。

智子は店の女性とも馬が合わず、接客も上手くできずに孤立していた。だが、セックスをすることは嫌いではなかった。そのことを粟野に相談すると、“ヌキキャバ”を勧められる。そこは、個室で働くため他の女性と会う必要もなく、接客もする必要がなかった。手で奉仕すればいいと言われ、智子は了承した。

智子は客に付きまとわれるようになり、粟野に相談した。すると、別の店に移動した方がいいと勧められ、口で奉仕する店に移動になる。智子は口で奉仕するのは嫌だと感じたが、粟野に笑顔で言われると受け入れることしかできなかった。だが、そこにも前と同じ男が現れ、付きまとわれてしまう。

粟野は男性をこっそり殴って痛めつけていたが、風俗で働く智子の姿をビデオに撮られており、100万渡さないとデパートにばらすと脅されていると嘘を吐いた。そして、智子にデパートを辞めて、AVで働くことを勧めた。マネージャーになって24時間守ると言われ、智子はそれを受け入れた。

智子の実家はゴミ屋敷になっており、智子は両親のことが好きではなかった。だから、ここから救い出してくれるのなら、誰でもよかった。粟野は智子を救ってくれた人だった。

青野はヒーロースーツを着て楽しむ、SFオタクだった。セックスに関する欲情などは悪いもので、地球は再生不可能の状態だと考えていた。だが、青野自身も隣に住む女性に欲情していた。

ある日、青野は渋谷の援助交際を纏め上げているヤンキーから、カラオケの部屋を貸してくれと脅される。その男のバックにはヤクザがいた。店長にバレるとヤバいことは分かっていたが、青野は言う通りにするしかなかった。

青野は援助交際をする男女の姿を見て、欲望が抑えられなくなる。カラオケの部屋を覗こうとしているところを女の子に見られ、セックスをしようと誘われる。青野は女の子を抱こうとするが、そこに別の女の子が助けを求めて現れる。援助交際をしていた男が、女の子に無理矢理アナルセックスを強要したのだ。

話しを聞いたヤンキーはオヤジの顔面を殴ると、青野に尻を出すよう強要した。青野は心の中で助けを求めるが、ヤンキー達に取り押さえられそのまま犯されてしまう。

映画『ララピポ』のあらすじ【転】

粟野はポン引きをしており、嘘を吐いて女性の容姿を褒め、その気にさせて風俗に送り込んでいた。キャバクラなどは取り分が少なかったが、AVに送り込めればそれなりの稼ぎになった。

女性はほっとくと簡単に辞めてしまうため、粟野は心の中で悪態を吐きながらも、女性の愚痴を聞きケアを怠らなかった。そして、セックスをして体でも繋ぎ止めていた。ある日、粟野は社長からAVで働く熟女(佐藤良枝)のマネージャーをやってくれと頼まれる。取り分は少なかったが、断ることはできなかった。

粟野はカフェで良枝と待ち合わせをした。現れた良枝は、ボサボサの髪の毛にみすぼらしい身なりをしており、粟野はあまり関わりたくなかった。だが、良枝はセックスが好きで仕事に積極的だった。粟野は簡単に仕事の話をすると、そそくさと席を立った。だが、良枝に腕を捕まれ、ラブホテルに連れて行かれる。粟野は嫌だったが、良枝に襲われてしまう。

粟野は幼少期、劣悪な環境で育った。ある日、母から自分の子供に生まれて幸せか聞かれ、粟野は小さく頷いた。そこから、粟野は幸せになるには嘘が必要だと思うようになった。

粟野は智子に付きまとっていた男を殴り、脅して金を巻き上げていた。智子にはそのことを内緒にしていた。粟野は智子の作った料理を食べていたが、あまりおいしくはなかった。そのことを正直に言うと、智子は初めて本当のことを言ってくれたと微笑んだ。粟野は驚きながらも、自然と智子に一緒に住もうと提案していた。それは、嘘偽りない粟野の本当の気持ちだった。智子は微笑みながら頷いた。

粟野は刑事に恐喝罪で連行され、取り調べを受ける。だが、男性の方がストーカーをしており、自主的に金を持ってきたのだと嘘を吐いた。ラブレターがあったので警察はそれを信じた。そのラブレターに、良枝と智子の契約書が混じっていた。粟野は良枝達が書いた住所を見て、全く同じだったことを知り愕然とする。2人は親子だったのだ。良枝達が同じAVに出演する予定だったため、粟野は急いで現場に向かった。だが、途中でトラックに跳ねられてしまう。

良枝達は現場で顔を合わせており、気まずい空気が流れていた。2人は他人の振りをして、仕事を全うすることを決めた。良枝は去っていく智子の後ろ姿を見ながら、2度と帰ってこないことを感じた。

映画『ララピポ』の結末・ラスト(ネタバレ)

良枝の家はゴミ屋敷になっていた。近所から苦情が出たため市役所員が訪ねてくるが、良枝は追い返してしまう。

4年前、良枝の義母が痴ほう症を発症した。外を徘徊するため、2階の部屋に鍵を掛けて閉じ込めるようになった。義母はおむつをしていても、脱いで畳におしっこをした。良枝は畳を掃除をする日々が3年続いた。だがある日、疲れて3日掃除するのを止めた。すると、尿が天井からもれるようになった。夫も娘も手伝ってはくれなかった。良枝は疲れ果て、ふらっと旅に出かけた。家に戻ると、母の部屋から死臭が漂ってきた。それから消臭剤を撒き、2階の階段に荷物を置いて塞ぐようになった。すると、1階の掃除もやる気が起きなくなり、ゴミ屋敷となった。

市役所の強制執行があれば、義母の死体が見つかるのは免れなかった。ある夜、タイヤに火を点けている、ヒーローの格好(青野)をした人を見かける。良枝は声を掛け、黙っている代わりに家に火を点けてくれと脅した。青野は泣きながら良枝の家に火を点けると、その場を逃げ出した。

良枝は満足した気持ちで家が燃えているのを見ていたが、夫が寝ていることを思い出す。夫は不眠症で、病院で貰った薬を飲んで寝ていた。良枝は夫を助けるため、急いで燃えている家の中に入った。

小百合は自分のセックスライフを録画してDVDで販売していた。杉山とのセックスも金に換えていた。居酒屋で男性を見つけては同じことを繰り返していた。ある日、小百合はファンレターを貰う。手紙を書いた人は、社会の底辺にいる男達に愛情を注ぐ小百合の姿に感動していた。だが、小百合は手紙を読んでも、特に何も感じなかった。

粟野は事故以来、智子に会わなかった。智子は1人立ちをして、AVの世界で大ブレイクしていた。粟野は松葉杖をつきながら、ポン引きの仕事を続けていた。それしか、できることがなかったからだ。良枝は夫と入院していたが、微笑んで眠る夫の顔を見られて幸せだった。

みんなの感想・レビュー

  1. 隈さん より:

    こんな人にオススメ→「成宮寛貴好き」「ぶっ飛んだ非日常が見たい」

    1つ目のオススメは勝手な私の好みですww

    綺麗で純粋な恋愛ストーリー、動物や友情等ありきたりな映画に飽きている方に是非見てもらいたいです。

    なんというか…人の裏を見ているような作品ですね……

    この映画は1人ずつの小分けの話になっており、最後には話が繋がるんです!

    風俗、廃人、妄想等今まで思うが表に出さない感情が集結した作品です。

    彼女、友達と見るには問題ないですが、お子様と見るにはなかなか覚悟のいる作品なのでそこはご注意を!