葉村譲は大学の先輩でミステリー愛好会会長の明智恭介と共に、学内で起きた様々な事件に首を突っ込んでいた。そんなある日、謎の美少女が現れ、ロックフェス研究会の夏合宿への参加の話を持ちかけられる。話に乗った葉村達は、殺人事件に遭遇する。
映画『屍人荘の殺人』の作品情報
- タイトル
- 屍人荘の殺人
- 原題
- なし
- 製作年
- 2019年
- 日本公開日
- 2019年12月13日(金)
- 上映時間
- 120分
- ジャンル
- ミステリー
- 監督
- 木村ひさし
- 脚本
- 蒔田光治
- 製作
- 市川南
臼井真之介 - 製作総指揮
- 山内章弘
- キャスト
- 神木隆之介
浜辺美波
葉山奨之
矢本悠馬
佐久間由衣
山田杏奈
大関れいか
福本莉子 - 製作国
- 日本
- 配給
- 東宝
映画『屍人荘の殺人』の作品概要
第27回鮎川哲也賞を受賞し、国内のミステリー賞4冠を総ナメにした今村昌弘原作のデビュー小説を元に制作された作品。2人の探偵×1人の助手が、湖畔のペンションで起きた殺人事件に挑む様子が描かれている。中村倫也が自称・ホームズの明智恭介、浜辺美波が謎の美少女探偵・剣崎比留子、神木隆之介が2人の探偵に振り回される青年・葉村譲を演じた。推理作品に定評がある木村ひさしが監督を、蒔田光治が脚本をそれぞれ担当している。
映画『屍人荘の殺人』の予告動画
映画『屍人荘の殺人』の登場人物(キャスト)
- 葉村譲(神木隆之介)
- ミステリー小説を読むのが好き。明智に振り回されており、助手のワトソン役を務めている。
- 剣崎比留子(浜辺美波)
- 葉村や明智と同じ大学に通っている。私立探偵。葉村達にロックフェス研究会の夏合宿への参加の話を持ちかける。美人。
- 明智恭介(中村倫也)
- 葉村の先輩。年齢不詳。自称・ホームズ。ミステリー愛好会会長。学内で起きた様々な事件に首を突っ込んでいる。
映画『屍人荘の殺人』のあらすじ(ネタバレなし)
ミステリー小説を読むのが好きな葉村譲は、ミステリー愛好会会長の明智恭介に振り回されていた。明智は(自称)ホームズ、葉村はワトソンとして学内の様々な事件に首を突っ込んでいた。
ある日、明智達は謎の美少女探偵・剣崎比留子に、ロックフェス研究会の夏合宿への参加の話を持ちかけられる。昨年の合宿中に女子部員が1人行方不明になっており、「今年の生贄は誰だ」という謎の脅迫文が届いていた。しかも、合宿の場所は何かが起こりそうな湖畔のペンションだった。明智は剣崎に対抗心を燃やし、話を受けることにした。
明智達は湖畔のペンションを訪れた。そこに宿泊しているのは、曲者だらけだった。そんな中、ひとつの死体が発見される。明智達は犯人を見つけるため、調査を開始した。
映画『屍人荘の殺人』の感想・評価
国内のミステリー賞4冠獲得
本作は今村昌弘原作のデビュー小説を元に制作されている。原作の小説は第27回鮎川哲也賞を受賞し、「2018年このミステリーがすごい!第1位」「2017年週刊文集・ミステリーベスト10 第1位」「2018年本格ミステリ・ベスト10 第1位」「第18回本格ミステリ大賞」の4冠を獲得している人気作である。ミステリー小説ファンの間だけでなく、映画業界内でも瞬く間に「おもしろい!」と話題になり、今回実写映画化されることになった。
物語の舞台になっているのは、ペンションの「紫湛荘」。建物の内部については撮影所内に大規模なセットが組まれ、外観などはCGが使われたりロケが行われた。実写映画ならではの細部までこだわった建物の造りと調度品の数々をぜひその目で堪能して欲しい。
2人のホームズ×ワトソン
ミステリー作品と言えば、探偵1人に助手が1人の物語が一般的である。だが、本作では2人の探偵(ホームズ)と1人の助手(ワトソン)が登場する。
葉村譲はミステリー小説は好きだが推理力には乏しく、1度も犯人を当てたことがない青年である。万年助手のワトソンとして、2人のホームズに振り回されることになる。
探偵の1人は、自称ホームズの明智恭介。葉村を連れて学内の事件に首を突っ込み、名探偵と言うよりも迷探偵と言える人物である。葉村の先輩ではあるのだが、年齢不詳で怪しい雰囲気を漂わせている。
もう1人の探偵は、謎多き美少女探偵の剣崎比留子。葉村達にロックフェス研究会の夏合宿への参加を打診する。2人の探偵(ホームズ)と1人の助手(ワトソン)が登場することによりどのような化学反応を起こすのか、興味深い作品となっている。
推理作品に定評がある監督×脚本家
監督を務めたのは、映画監督だけでなくテレビの演出家としても活躍している木村ひさし。テレビ朝日系列で放送された連続ドラマ『TRICK』シリーズや日本テレビ系列で放送された連続ドラマ『金田一少年の事件簿N(neo)』などの人気作を手がけている。
脚本を執筆したのは、プロデューサーとしても活躍している蒔田光治。推理物の作品を得意としており、『TRICK』シリーズの脚本を他の脚本家と共に共同で担当している。またそれだけではなく、TBS系列で放送された連続ドラマ『99.9 -刑事専門弁護士-』のトリック監修を行うなど幅広く活躍している。
推理作品に定評がある木村監督×脚本家の蒔田がタッグを組んでおり、原作ファンも満足できる作品が完成しているはずである。
映画『屍人荘の殺人』の公開前に見ておきたい映画
劇場版 ATARU THE FIRST LOVE&THE LAST KILL
木村ひさし監督の代表作で、映画監督デビュー作。2012年にTBS系列で放送されていた連続ドラマ『ATARU』の劇場版作品。主演はドラマから変わらず中居正広が務めており、サヴァン症候群の青年・アタル(通称チョコザイ)を演じた。物語のキーパーソンであるアレッサンドロ・カロリナ・マドカを、女優の堀北真希が演じたことでも大きな話題を集めた。
アレッサンドロ・カロリナ・マドカは幼い頃に事故に遭い、孤児となった。脳に怪我を負うが、天才的な才能を生かすためにFBIで推進されているSPB(サヴァン・プログラム・ブランチ)のプロジェクトに参加することになる。そこで、「サヴァン症候群」の少年・アタルに出会う。マドカはアタルと心を通わせていくが、アタルへの悪影響を恐れた周囲によって引き離されてしまう。マドカは大人達への憎しみを募らせていった。
詳細 劇場版 ATARU THE FIRST LOVE&THE LAST KILL
3月のライオン 前編
神木隆之介の代表作。羽海野チカ原作の青年漫画を元に制作された作品。将棋を題材にした作品で、若手棋士の活躍や苦悩が描かれている。棋士の先崎学が監修を務めた。神木は主人公で若手棋士の桐山零を演じた。2017年4月に『3月のライオン 後編』が公開されており、前篇と合わせて高い評価を受けた。
桐山零は幼い頃に家族を亡くし、父親の親友だったプロ棋士の幸田柾近に育てられる。15歳という若さでプロ棋士の道を歩み始めることになるが、柾近の子供達と上手くいかず家を出ることになった。家族も帰る家も頼る友達もいない零は、辛い日々を送った。ある日、零は先輩棋士に飲まされ、酔いつぶれてしまう。助けてくれたのは、川本あかりという少女だった。零は川本家と交流を持つようになり、人の温かさに癒されていった。
詳細 3月のライオン 前編
妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!
浜辺美波の代表作。テレビ東京系列で放送されていた人気アニメの劇場版作品の第3作目。シリーズで初めてアニメーションパートと実写パートを組み合わせた構成になっており、武井咲や斎藤工など人気俳優が出演している。浜辺は本作オリジナルのキャラクター、南海カナミを演じた。
天野ケータが暮らす町の上空に、突然空飛ぶ巨大なクジラが現れた。そのクジラが鳴くと、町が実写の世界へと変わった。ケータや仲間の妖怪達はその事実に驚くが、他の住民達は町や自分達が変化したことに気づいていなかった。ケータは仲間の妖怪と共に調査に乗り出した。そして、バレエで世界に行くのが夢だった、南海カナミという少女に出会う。果たして、ケータは真相に辿り着き、問題を解決することができるのだろうか!?
詳細 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!
映画『屍人荘の殺人』の評判・口コミ・レビュー
「屍人荘の殺人」
本年度ベスト、ここに登場。
開始早々トリックみたいな既視感を覚え、安定の作品かな?と思いきや、想像たる急展開を迎えて驚愕。
ジャンルが変わったんだ!!
何だよこの映画!予告から予想できる奴はエスパーか既読勢だろう。
浜辺美波と山田杏奈が可愛い。
犯人はすぐ分かるけど… pic.twitter.com/22yCY92TEk— ぴょん吉 (@sararacoco) 2019年12月13日
【屍人荘の殺人】を観た。
劇場で予告を観た時から期待してた作品。原作の小説は、国内の主要な賞を総なめにしたミステリー小説だが、僕は未読。
ある意味、本格的なミステリー映画だと思って見ると肩透かしをくらう。謳い文句にある「前代未聞・奇想天外」の通り斜め上な作品。賛否両論…僕は好き。 pic.twitter.com/bgcOk1xNFW— カワグチ コウジ【第5中】 (@koujichuankou8) 2019年12月13日
『屍人荘の殺人』映画館にて204本目。
ミステリーの新たな可能性を見出した意欲作。ホームズ&ワトソンの明智・葉村コンビに割って入る剣崎の探偵トリオが山奥のペンションの謎に挑む。神木隆之介がつい「可愛い」と口に出す浜辺美波の可愛さは天使級。絶対にネタバレは厳禁ですよ。 #EDDIE映画2019 pic.twitter.com/zbEsksWSQP— EDDIE@Kings11-14#foreverpurple (@eddie2yuji) 2019年12月14日
『屍人荘の殺人 』
効果音が驚異的にダサかったり、納得出来ない部分は多々あるけれど、ポップコーン片手に見る映画としては全然悪くない映画だと思う。どことなく懐かしさが漂う学園ミステリー+(広義の意味で)密室物として十分楽しいですよ、マジで。あまり前情報を入れずに観るのがオススメ。 pic.twitter.com/UmF8JhrcOz— 地獄 (@TiBlc) 2019年12月13日
『屍人荘の殺人』しょうもないコメディや過剰な演出とかダメなTRICKって感じで映画の出来はだいぶ険しかったけど浜辺美波は死ぬほど可愛かったので一刻も早く浜辺美波でTRICKを作ってくれという気持ちが高まった。 pic.twitter.com/9tNq5VdJDZ
— もつれら (@mtmtSF) 2019年12月13日
映画『屍人荘の殺人』のまとめ
本作は2人の探偵×1人の助手が織り成す、異色のミステリー作品となっている。3人の主要な登場人物の他に、ホラー映画マニアやクレーマーのおばちゃんなど個性豊かなキャラクター達が登場する。先の読めない展開や難解な謎だけではなく、くすっと笑える要素が盛り込まれているのも作品の魅力の1つである。神木隆之介や中村倫也など、高い演技力を持つ俳優が演じているからこそ、コメディにならずにきちんとミステリー作品として成立している。原作のファンだけではなく、ミステリー映画が好きだという人にもお勧めしたい。
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