演技派田中圭が本作で演じるのは、日本初となる総理大臣……ではなくその夫。妻がある日突然総理大臣になってしまった男性は、彼女を支えるべく果たして何ができるのか。
映画『総理の夫』の作品情報
- タイトル
- 総理の夫
- 原題
- なし
- 製作年
- 2021年
- 日本公開日
- 2021年9月23日(木)
- 上映時間
- 121分
- ジャンル
- コメディ
ヒューマンドラマ - 監督
- 河合勇人
- 脚本
- 松田沙也
杉原憲明 - 製作
- 山本章
- 製作総指揮
- 福屋康孝
柳迫成彦
三輪祐見子 - キャスト
- 田中圭
中谷美紀
貫地谷しほり
工藤阿須加
松井愛莉
木下ほうか
長田成哉
関口まなと - 製作国
- 日本
- 配給
- 東映、日活
映画『総理の夫』の作品概要
原田マハによる人気小説『総理の夫』がとうとう実写化！キャストは、中谷美紀と田中圭という実力派俳優二人を起用した完璧な布陣。電波の一切入らない島から夫が帰宅してみると、なんと妻か総理大臣になっていた！？そんな突然の展開から始まる本作は、政治家について描いた社会派作品であり、クスッと笑えるところもあり、家族の絆も描いたハートフルコメディ作品でもある。果たして、夫婦は日本を背負ってたてるのか。そして、家族を守ることができるのか。どんな相手とも楽しく見られる良作。
映画『総理の夫』の予告動画
映画『総理の夫』の登場人物（キャスト）
- 相馬日和（田中圭）
- 凛子の夫で鳥類学者。野鳥観察の研究から家に帰ると、なんと妻が総理大臣になっていた。妻を支えようと奔走するが…？
- 相馬凛子（中谷美紀）
- 日和の妻で政治家。とある野党の代表を務めていたが、なんとこの度総理大臣に抜擢。日本初の女性総理大臣となる。
映画『総理の夫』のあらすじ（ネタバレなし）
女性政治家の凛子と鳥類学者の日和は、10年連れ添った夫婦。ある日、日和が研究のため、電波の届かない離島へ行くことになる。旅立とうとする日和に、凛子は「もし私が総理大臣になったら何か不都合ある？」と声をかけてくる。その意図が分からなかった日和はそのまま離島へと旅立った。そして、10日後本島に戻ってきた日和は、信じ難いニュースを目にする。なんと、彼女が本島に総理大臣になっていたのだ。凛子は日本初の女性総理大臣となり、従って日和は、初となる『総理の夫』、すなわちファーストジェントルマンになったのだった。
映画『総理の夫』の感想・評価
ファーストジェントルマン
ファーストレディとあう言葉は聞いたことがあるだろう。大統領の妻を指すこの言葉。ファーストレディの仕事といえば、夫を支える以外にも国内外問わずのイベントに参加するなど多岐に渡る。しかし、ファーストジェントルマンという言葉は、あまり耳にしたことがないように思う。というのも、世界中に目を向けても女性の大統領というのは非常に珍しい。そのため『大統領の夫』という概念があまり認識されていないのだろう。しかし、近年女性の社会進出は益々進んでいる。今後、女性の大統領も益々増えていくことだろう。本作はまさに、未来を少し先取りした作品と言えるのかも知れない。
家族か国民か
総理大臣は国民の代表。自国の更なる発展のため、国民の平穏な日々のため、ロールモデルとして日々人々を導いていく。しかし、総理とはいえ一人の人間であることに違いはない。友人も勿論いるだろうし、何においても守りたいものもあるだろう。しかし、総理として国のトップに立ち、国民を守る立場にある以上、自分の大切なものを優先できないこともある。本作の凛子も総理となったために、日和との時間が削られてしまう。何とか繋がり続けようとする二人だったが、徐々に溝が生じていってしまう。果たして、背負うものが増え過ぎてしまった夫婦は、再び大切なものを手にすることができるのだろうか。
万能、田中圭
今や、田中圭を見ないシーズンはないように思う。TVドラマだったり映画だったり、気がつけばいつも田中圭は何かしらの作品に出演し続けている。最早、田中圭が数人存在しないとおかしいレベルの出演量だ。しかも、それらを全て完璧にこなしているのだから更に驚き。クールな2枚目から3枚目キャラ、本作のような少し気の弱い役など、幅広い役どころを完璧に演じ分けている。まさに万能。その万能さこそ、彼が多くの作品に起用され続ける理由だろう。見るたびに新しい魅力を見せ続けてくれる田中圭から、今作でも目が離せない。
映画『総理の夫』の公開前に見ておきたい映画
記憶にございません！
最新作同様、日本の総理大臣を主人公に描いた作品。と言っても、最新作の総理である凛子と本作の主人公黒田は全くタイプが異なる。凛子は完全無欠の有能総理大臣であることに対し、黒田は国民から嫌われ家族からも距離を置かれるダメダメ総理。しかし、そんな黒田がある日突然記憶を失ってしまう。最悪なことに、アメリカとの会談を目前に控えていた。いくら嫌われているとはいえ、黒田は日本国民の代表。その黒田が欠席というわけにはいかない。記憶を失った総理大臣は、日本のために踏ん張ることができるのか。三谷幸喜作品らしい、ハイテンポなコメディ作品。
詳細 記憶にございません！
マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙
前述したように、確かに世界を見渡しても、女性の総理大臣はそれほど多くない。しかし、当然だが存在しないというわけではない。マーガレット・サッチャーも、数少ない偉大な人物。イギリス初の女性大統領となったマーガレット・サッチャーは、その厳格な態度から『鉄の女』と呼ばれていた。まだまだ男性比が圧倒的に高い政界に身を置き、さらにはそのトップを務めるということで、誰にも隙を見せられないという気持ちからくる態度だったのかもしれない。厳しい時代に10年以上大統領を勤め上げたサッチャーという女性は、どのようにして誕生したのか。そして、政界を離れ、夫に先立たれ、サッチャーは認知症を患うこととなる。そんな彼女の一生を追った伝記作品。
マダム・フローレンス！夢見るふたり
女性が男性を支えることが当然と考えるのは、あまりにも古い。女性を支える男性がいて当然の世の中なのだ。むしろ、性別などに捉われること事態が古い。といっても、最新作では女性の総理大臣を支える夫が主人公に描かれている。本作も、妻のために尽力する夫を主人公に描いた作品。フローレンス・フォスター・ジェンキンスは、ソプラノ歌手になることを夢見ていた。しかし、彼女は気づいていなかったが、彼女は音痴だったのだ。しかし、妻を愛する夫は、妻の夢を叶えてやりたい。これまでマスコミを買収するなどして彼女を支え続けてきた夫だったが、なんと彼女がカーネギーホールで歌うと言い出して……？
映画『総理の夫』の評判・口コミ・レビュー
9/23公開『総理の夫』試写感想。めっちゃ良い映画で驚いた…！中谷美紀が超カッコよくて惚れ惚れできるし、田中圭が史上最高にかわいくて愛おしい。ジェンダー観が誠実で、脚本が練りに練られていてずっと面白くって、今の世にこそ必要なメッセージに泣いてしまった。現実の政治に怒っている人も必見！ pic.twitter.com/XLvZdk3Z8N
— ヒナタカ@映画 (@HinatakaJeF) August 25, 2021
#総理の夫
観てきたけど、すごく胸にきた。お話の中では日本人初の女性総理大臣にスポットライトが当たってるけど、女性の悩みが詰まってる気がした。そこを支えてくれる夫。田中圭にこういう役やらせたら絶対だよなぁと。私の中で田中圭の好きな役柄1位に食い込んでくるくらい大好きな役だった。— △ (@OM_san_) September 26, 2021
#総理の夫
コメディでなくて良かった。日本初にして最年少の女性総理のはこうあって欲しい理想系、#中谷美紀 のなんたる適役。対して、田中圭の金持ち大富豪役って、ちょっと似合わない？w感じもしたけど、良き夫像のお手本かな。
現実味はあまり無いような話の割には、現実的な結末も好感触✨★★★+ pic.twitter.com/xP5cDLvlSj— babooi (@babooimovie) September 27, 2021
『総理の夫』を観た。全然期待してなかったけどこれまた傑作だった。女性リーダーの明るい側面だけじゃなくちゃんと課題も描いていて好感が持てた。音楽も使いすぎかと思ったけど最後にはちゃんと締めてくれたし。ラストの田中圭さんの叫びはこれから何度も顧みられるべきものだと思う。オススメ！ pic.twitter.com/vC4NEnonAp
— これ (@Ritalin_203) September 23, 2021
映画『総理の夫』のまとめ
ファーストジェントルマン、まだ世界でもあまり普及していない言葉。しかし、その概念が当たり前になる日が、近い将来に迫っている。何も、女性の総理大臣の方が素晴らしいと言っているわけではない。女性でも男性でもそうでなくとも、全く何の違いもない、誰も何も疑問に思わない時代が必ずやってくる。もしかすると、本作をキッカケにファーストジェントルマンという言葉が世に知られていくのかもしれない。勿論、そういった固いテーマとして捉えるだけでなく、一つの映画作品としても十分に楽しむことができるはず。
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