同じく岡田准一によって実写映画化されている小説、『蜩ノ記』の執筆者である葉室麟が執筆した作品。真面目で不器用な男が、長年連れ添った妻のために戦う、切なくも美しい愛の物語。
映画『散り椿』の作品情報
- タイトル
- 散り椿
- 原題
- なし
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2018年9月28日(金)
- 上映時間
- 112分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
時代劇 - 監督
- 木村大作
- 脚本
- 小泉堯史
- 製作
- 市川南
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 岡田准一
西島秀俊
黒木華
池松壮亮
麻生久美子
緒形直人
新井浩文
柳楽優弥 - 製作国
- 日本
- 配給
- 東宝
映画『散り椿』の作品概要
近年立て続けに大作に出演し続ける、日本を代表する俳優である岡田准一。そんな彼が新たに演じるのは、亡き妻のため、ただ愛のために愚直に生きる不器用な武士。監督はかつて岡田准一と2017年に制作された『追憶』でタッグを組んだ木村大作。『追憶』で二人が見せた、それぞれのキャラクターをしっかりと掘り下げた深みのあるストーリーが再び楽しめる。主人公がその切ない愛を貫いた先に、待っている衝撃の結末とは。涙無しには見られない感動作。
映画『散り椿』の予告動画
映画『散り椿』の登場人物(キャスト)
- 瓜生新兵衛(岡田准一)
- 四天王と呼ばれる剣の凄腕。真面目な人物で、藩の不正を訴えたために追放された。妻の願いのため、再び藩へと舞い戻る。
- 瓜生篠(麻生久美子)
- 新兵衛の妻。長い間、新兵衛のことを献身的に支え続けた。死の間際、新兵衛にとある願いを託す。
- 榊原采女(西島秀俊)
- 新兵衛の友人であり、ライバル。新兵衛が追放となった不正事件にとある形で関与している。
映画『散り椿』のあらすじ(ネタバレなし)
江戸時代、一刀流平山道場には4人の凄腕の剣豪がいた。彼らは四天王と呼ばれ、瓜生新兵衛はそのうちの一人として右に出るものはいないほどの剣術の腕を誇っていた。しかし、彼は藩の不正を訴えたがために、ある日藩から追放されてしまう。そんな彼を献身的に支え続けた母、篠。しかし、そんな彼女がある日病に倒れてしまう。そして、篠は最期に、新兵衛にとある願いを託す。それは、新兵衛の友人であり、ライバルであり恋敵でもあり、そして、不正に関する因縁の相手でもある采女という人物を助けてほしい、というものだった。妻の最期の願いの真意を知るべく、新兵衛は久々に藩へと舞い戻る。そして、新兵衛は不正事件と妻の願いの真相を突き止めていくのだった。
映画『散り椿』の感想・評価
各方面から引っ張りだこ、大物俳優岡田准一の魅力
20年以上活動しているジャニーズのアイドルグループである『V6』に所属する岡田准一。勿論アイドルとして歌って踊る一面も彼の大きな魅力の一つではあるが、そんな岡田は今やアイドルという枠を超え、日本映画界に欠かせない重要な存在となっている。演技力は勿論のこと、その高い身体能力を活かしたアクションシーンも彼の持ち味の一つ。プライベートでカリ、ジークンドー、USA修斗のインストラクター資格を持つほどの格闘技の達人。そんな岡田が見せる、圧倒的な殺陣のシーンも今作の大きな魅力の一つとなっている。近年立て続けに主演を務めている岡田准一。今作をきっかけに岡田准一の魅力に気づき、これまでの作品を楽しむのもいいかもしれない。
なんとも豪華!超大物俳優陣
主演を務めている岡田准一は、今やあらゆる監督が共演を望む日本が誇る大俳優である。アイドルとしての岡田准一を応援する若い世代だけでなく、その演技力と圧倒的な存在感を評価する上の世代まで、幅広い世代から支持を受けている好感度の高い俳優。しかし、今作では岡田准一以外にも、西島秀俊や麻生久美子、黒木華や池松壮亮など、今の日本映画界を支える、他の映画では主役級ばかりの実力派俳優陣が起用されている。そのうえ、今作では西島秀俊と岡田准一の殺陣シーンも見られるのだから、ファンにとっては嬉しい、なんとも豪華な一本である。実力派俳優ばかりだからこそ、原作の持つ切なさ、愛おしさがより伝わってくる。近年稀に見る豪華な一作、見ないと損。
繊細に描き出された人間模様
今作では、岡田准一演じる主人公が、亡き妻の最期の願いを叶えるべくかつて起きた事件と向き合い進んでいく。その事件は様々な人の思惑や願いが交錯しており、気を抜くと置いていかれるほどに複雑になっている。しかし、その緻密に作り上げられた関係性を、今作では描写を丁寧にすることで見事観客にも伝わりやすく仕上げている。見ていてスカッとする映画も勿論魅力的であるが、時にはこういった映画に没頭し、その他のことを思わず忘れてしまうような作品もいいだろう。葉室麟が得意とする、繊細な人間模様に夢中になること請け合い。
映画『散り椿』の公開前に見ておきたい映画
蜩ノ記
『散り椿』で主演を務める岡田准一が2014年に主演を務めた映画であり、『散り椿』の原作者である葉室麟が手がけた同名の小説が原作となっている。岡田准一が演じる檀野庄三郎は、不幸からとある罰を言いつけられてしまう。その罰とは、戸田秋谷という人物の監視をすること。秋谷は、かつて側室との不義密通を疑われ、10年後に切腹をするように命じられた武士である。檀野は秋谷と寝食を共にし、3年後に迫ったその期日まで彼の動向を報告することになったのだ。しかし、秋谷の時間を共にするうちに、檀野は秋谷の真面目な人柄に触れていく。そして、秋谷が無実であることを確信し、彼を守りたいと思うようになっていく。愚直な男が精一杯その一生を生き抜く様子を描いた感動作。
詳細 蜩ノ記
たそがれ清兵衛
『散り椿』は、長年連れ添った妻の最期の願いを叶えるべく、どんな辛い役回りでも黙って耐え抜く不器用な男が主人公。そんな男の愚直で、切なくも見ている者の涙を誘う愛の物語という点で共通しているのが本作、『たそがれ清兵衛』。妻を早くに亡くし、子供と年老いた母親の面倒を一手に見ることになった男、清兵衛。彼女達の世話をするために清兵衛は、同僚からの酒の誘いも断り、就業の時間と共に帰宅の途に着く。そんな清兵衛を、同僚達は「たそがれ清兵衛」と馬鹿にしていた。しかし、清兵衛は実は随一の剣の腕を誇る武士でもあったのだ。親友の妹、朋江に惹かれながらも、その剣の腕から大きな事態に巻き込まれていく清兵衛。愚直な清兵衛の愛の行方はいかに。
詳細 たそがれ清兵衛
追憶
実は監督、木村大作と主演である岡田准一がタッグを組むのは『散り椿』が初めてではない。2017年に制作された本作で、既に2人は共演を果たしていたのである。それから一年しか経過していない中での再タッグ。監督と岡田准一の関係性が非常に良かったことが伺える。ストーリーは、とある漁港で男性が刃物を突き立てられ殺されるという殺人事件が起きたことから始まる。そして、かつて親友だった男3人は、容疑者、被害者、刑事という異なる立場で再会することになるのだった。そして、その3人は25年前、とある許されざる事件を引き起こしていた。25年前の事件と現在の事件が絡み合う複雑な展開を、丁寧に描き切った木村監督。出演陣も柄本佑や小栗旬、安藤サクラ、木村文乃など非常に豪華な面々が揃っている。
詳細 追憶
映画『散り椿』の評判・口コミ・レビュー
散り椿を観てきました。
凛とした自然に対峙する侍の鬼気迫る剣さばきの動。 人の想いの深さを知らされた静。感動させられました。
この物語はエンドロールまでが必見です。#散り椿 pic.twitter.com/c5b20FGltY— 担当役員 新藤英治 (@EijiShindo) 2018年9月29日
シネコンに用事があったのでせっかくだし何か…と観賞。前知識ないままだったけど、珠玉の時代劇、美しい日本の四季や風景、誠実に日々を重ねている人物たちの生きざまが素晴らしくて、本当に観てよかった。亡き妻の遺したものの大きさに、泣きました。#散り椿 #散り椿観たよ pic.twitter.com/VaWvyQTc8U
— さゆき (@PrieLaNeige) 2018年9月29日
何回も観に行きたくなる映画です。
秋の夜長に感傷に浸りたくなる…
映像がまっすぐで純粋。見ずらい部分が一切なくて、観客が観たい所が全部収まっており、ずっと見ていたくなるようなシーンが折り重なった作品。
エンドロールで岡田さんの名前も3回発見👀凄いです!
また采女様に会いたい。#散り椿— あいぼん (@fuwafuwaneko204) 2018年9月29日
「散り椿」🎞️
全体的にかなり平坦。話も同じところをぐるぐる回って遅々として進まない感じ。予告編でも流れてた岡田VS西島の殺陣は緊迫感あって良かった。その後の集団戦闘で無造作に敵を刺し殺す感じとかも好き。殿様の「励めよ!」で清々しい気分になれた。★★☆— シモニ (@simonizm) 2018年9月29日
心の美しさ、映像の美しさ、音楽の美しさ、殺陣の美しさ等々、あらゆる意味において美しさがある素敵な映画だった🍃
時代劇が少なくなったこの時代に、よい作品が一つ生まれたな と思う( ´ ▽ ` )ノ
★★☆☆☆1.6#散り椿 #時代劇 #岡田准一 #西島秀俊#池松壮亮 #黒木華 #麻生久美子#9月29日 pic.twitter.com/c4bjr5bOo0— 西 遼馬 (@24r333) 2018年9月29日
映画『散り椿』のまとめ
圧倒的なカリスマ性と存在感で出演作が後をたたない岡田准一。ファンは嬉しい悲鳴を上げていることだろう。岡田准一には様々な魅力があるものの、アカデミー主演男優賞を獲得した実績に恥じぬ演技力、そして、芸能界屈指のアクションの使い手など、その様々な魅力を今作では楽しむことができる。勿論『追憶』を過去に発表した葉室麟が執筆した小説を原作としているだけあり、ストーリーも濃厚。最初から最後まで、息をつく間もない展開が続く。
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