この記事では、映画『ヴィクター・フランケンシュタイン』のあらすじをネタバレありで解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ヴィクター・フランケンシュタイン』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ヴィクター・フランケンシュタイン』 作品情報
- 製作年:2015年
- 上映時間:110分
- ジャンル:ホラー、ファンタジー、SF
- 監督:ポール・マクギガン
- キャスト:ダニエル・ラドクリフ、ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ、アンドリュー・スコット etc
映画『ヴィクター・フランケンシュタイン』 評価
- 点数:45点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★☆☆☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『ヴィクター・フランケンシュタイン』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ヴィクター・フランケンシュタイン』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ヴィクター・フランケンシュタイン』 あらすじ【起・承】
サーカス団で育った、背中に奇形のあるピエロの男。
彼には名前が無く、せむし男と呼ばれ他のサーカス団員から蔑まれていたが、医学の知識と興味があった。
ある晩、想いを寄せていた空中ブランコのローレライが演技に失敗。
せむし男が治療を施す様子を見た医大生ヴィクター・フランケンシュタインは、彼の天才的な才能に気付き、サーカスから連れ出して自分の部屋に匿う。
背中の奇形の治療をして背骨矯正器を着けさせ、めったに帰らないルームメイト、イゴールの名前を与えた。
翌日、ローレライのお見舞いに行った帰りに、せむし男が指名手配されていると知りショックを受けるイゴール。
そんな彼に、命を創造する研究の一部を見せるヴィクター。
問題点を即座に指摘したイゴールを助手にして、大きな研究を始める。
やがてヴィクターはイゴールを連れて食事に出かける。
そこでイゴールは、退院してボマイン男爵の世話になっているローレライと再会する。
その後、ヴィクターに案内されて向かった場所でイゴールが見たものは、助手としてイゴールが動物の臓器をつなぎあわせ、ヴィクターが完成させた怪物ゴードンだった。
興奮するイゴールはローレライに手紙を送り、彼女と数人の大学生が見守るなか、大学でゴードンを発表したヴィクター。
しかし蘇ったそれは、意思を持たない失敗作だった。
映画『ヴィクター・フランケンシュタイン』 結末・ラスト(ネタバレ)
同じ大学でゴードンの発表を見ていたフィネガンは、研究に出資するとヴィクターに告げる。
そして次は人間の形をした“それ”を作ることに。
だが、せむし男の事件を追っていたタービン警部補は、サーカスの現場に動物の手足が落ちていたことからヴィクターに疑惑の目を向け始めていた。
ヴィクターとイゴールは、ゴードンの失敗を教訓に、心臓と肺を2つにした人間の設計図を作り始める。
組み立てを始める日、イゴールはローレライと舞踏会に出かけ結ばれる。
そして帰宅したイゴールが見たものは、家宅捜索に入ろうとするロンドン警視庁。
ヴィクターと逃げようとするが、イゴールは冷凍された本物のイゴールと顔を合わせ、衝撃を受ける。
しかも彼の目は、最初にイゴールが見せてもらった研究の一部になっていた。
タービン警部補に怪我を負わせ、フィネガンの手助けでロンドンから出ることになる2人。
イゴールはそれを拒否し、フィネガンに殺されかける。
なんとか逃げ出しローレライに介抱されるイゴールだったが、ヴィクターの忘れ物の懐中時計を見て、彼の研究を止めるためにローレライと後を追う。
ヴィクターの兄ヘンリーは、子供の頃にヴィクターと吹雪に巻き込まれて亡くなり、それがヴィクターの原動力となっていた。
ローレライの手助けもあってヴィクターに追いついたイゴールは、雷のエネルギーで怪物に命を吹き込むのを止めようとする。
しかし怪物は立ち上がり、フィネガンや追ってきたタービン警部補を殺してしまう。
ヴィクターとイゴールは、力を合わせて怪物の暴走を阻止した。
そしてイゴールが気を失っている間に、ヴィクター・フランケンシュタインは行方をくらませた。
映画『ヴィクター・フランケンシュタイン』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ヴィクター・フランケンシュタイン』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
方向性とテーマがあやふや
ダニエル・ラドクリフが演じるイゴール視点で進む物語で、怪物の方が「フランケンシュタイン」と思われがちだが、作った人間の名前がフランケンシュタインだと、わからない人の為の台詞もあって万人向けの作品になっている。
イゴールが内蔵をつなぎ合せるシーンや、冷凍された本物のイゴールの死体が登場するが、グロテスクさは少なめ。
しかしストーリーのテンポが悪く、人造人間が登場するまで時間がかかりすぎる。
そしてヴィクターとイゴールが怪物と戦うシーンも少ししかない。
研究の時間を描くのに力を入れるわけでもなく、イゴールとローレライの恋愛を描いてみたり、ヴィクターとイゴールの友情を描いてみたり、ストーリーの方向性が定まっていない。
タービン警部補が執拗に追ってくるが、そこまでスリリングな展開もないので、全てが宙ぶらりんになったままのストーリー。
登場人物に魅力が無い
「ハリー・ポッター」シリーズで主人公ハリーを演じてきたダニエル・ラドクリフが、背中に奇形のあるロンドンのサーカス団のピエロとして登場するシーンはインパクト大。
しかし舞台がロンドンで、ゴシック調の服装や室内が多く出てくるせいか、ハリーのイメージが付きまとう。
一方、「X-MEN」シリーズでプロフェッサーXを演じていたジェームズ・マカヴォイが、狂気の天才科学者ヴィクター・フランケンシュタインとして登場。
幼い頃に自分のせいで兄ヘンリーを失ったことを気にしていたり、フィネガンの屋敷でイゴールと別れた際にイゴールを気にするそぶりを見せるなど、人間味のあるキャラクターに仕上がっている。
ヴィクターとイゴールの友情を描くには必要不可欠だが、自分の命よりも命を創りだす研究が大切という人間には見えず、説得力に欠けている。
そもそものフランケンシュタインのお話を知らないので今作は先入観無しに見ることが出来ました。ダニエル・ラドクリフとジェームズ・マカヴォイの共演ということもあり、かなり壮大なスケールで描かれているのだろうと期待していましたが内容はあっさりめ。ヴィクターとイゴールが作り出した人造人間よりも、2人の友情や恋愛模様について描いている時間の方が多く、テーマに一貫性が無いので全体的にまとまりの無い仕上がりとなっていました。
勿体ないと感じるシーンも多かったですが、命を創り出す2人の天才の姿を見るのはとても面白かったです。(女性 30代)
ホラーと思って観たら、むしろ人間ドラマだったのが印象的。イゴールの視点で描かれていることで、ヴィクターの天才性と危うさの両方が際立って見える。創造主になろうとする男の狂気と、それを止めようとするイゴールの絆が胸を打つ。視覚効果も美しく、古典をうまく現代風にアレンジしていた。(20代 女性)
原作とはかなり異なるが、むしろそれが良い。ヴィクターとイゴールの関係に焦点を当てたことで、科学と倫理、友情と狂気というテーマがより濃く描かれている。特に、ヴィクターが「命を与えることは神の領域だ」と叫ぶシーンは、強いインパクトを残す。エンタメ性もあり、楽しめた。(40代 男性)
ダークファンタジー的な世界観がとても好みだった。ビクトリア朝のロンドンの雰囲気が映像でしっかり表現されていて、観ていて引き込まれる。イゴールという新しい視点の導入が、物語をより人間的にしている。怪物との決戦よりも、友情や信念の葛藤が主軸にある点がユニークだった。(30代 女性)
モンスターものというより、科学への盲信とその代償を描いたサイコドラマ。ヴィクターの「命を作る」という野望の裏にある孤独と悲しみが、終盤で明らかになることで、単なる悪役でなく人間としての深みを持っている。ジェームズ・マカヴォイの演技があってこその説得力だった。(50代 男性)
あまり期待せずに観たけれど、予想以上にドラマ性が高くて満足。ダニエル・ラドクリフが演じるイゴールが、フランケンシュタインの“良心”として物語を引っ張っていたのが印象的。終盤、怪物が生き返って暴れ出すシーンよりも、ヴィクターとイゴールの決別と和解の方が心に残った。(20代 男性)
怖さは控えめで、むしろ人間のエゴと倫理の話に焦点が当たっている印象。科学による「創造」というテーマが現代にも通じていて、古典を現代的に再構成した優れた脚色だと思った。映像も美しく、衣装や美術も見応えがあった。女性視点でも十分に楽しめる骨太な人間ドラマでした。(40代 女性)
全体的にテンポがよく、観ていて飽きない構成だった。ヴィクターの情熱と狂気が一貫していて、物語の緊張感を維持していた。イゴールがヴィクターを止めるシーンでは、本当の友情とは何かを考えさせられた。アクションシーンよりも会話のやり取りに引き込まれるタイプの映画。(50代 男性)
女性キャラがやや控えめで、男たちのドラマに焦点が絞られていたが、その分ヴィクターとイゴールの関係が丁寧に描かれていた。怪物が生まれた瞬間の演出はやはり圧巻で、創造と破壊が同時に描かれる美しいラストだった。現代版『フランケンシュタイン』として十分な完成度。(30代 女性)
イゴールというキャラクターを主人公にしたことで、視点がすごく人間的になっていたのが良かった。ヴィクターのカリスマに振り回されながらも、最後は彼を救う決断をするあたり、非常に感情移入できた。ホラーを期待すると物足りないかもしれないけど、ドラマとしては完成度が高い。(20代 男性)
映画『ヴィクター・フランケンシュタイン』を見た人におすすめの映画5選
シャーロック・ホームズ(2009)
この映画を一言で表すと?
天才と相棒のバディが駆ける、知力×アクションのスタイリッシュ推理劇!
どんな話?
名探偵ホームズと相棒ワトソンが、ロンドンを揺るがす黒魔術事件に挑む。論理と肉体、そして圧倒的な頭脳戦を駆使して陰謀を解き明かしていく。クラシックな世界観にモダンな演出が融合した新感覚ミステリー。
ここがおすすめ!
『ヴィクター・フランケンシュタイン』のような天才と相棒の関係性が軸で、少しクセのある主人公が魅力的。19世紀のロンドンの雰囲気も共通しており、映像や衣装の美しさ、テンポの良い展開も共通点です。
アイ・フランケンシュタイン
この映画を一言で表すと?
怪物が進化する、新たなダークアクション・フランケンシュタイン!
どんな話?
ヴィクター・フランケンシュタインの“創造物”であるアダムが、何百年も生き延びた後、悪魔と天使の戦いに巻き込まれていく。原典のその後を描いた、ダークファンタジー×バトルアクション。
ここがおすすめ!
『ヴィクター・フランケンシュタイン』と同じ題材を、まったく異なる視点で展開。人間らしさとは何かという問いかけを残しつつ、現代風にアクションを強化。原作をベースにした派生作品を楽しみたい方に。
フランケンウィニー
この映画を一言で表すと?
少年の純粋な愛が奇跡を呼ぶ、モノクロアニメの温かい怪作!
どんな話?
ティム・バートン監督が贈るモノクロストップモーションアニメ。少年ヴィクターが愛犬スパーキーを蘇らせようとして巻き起こす、ちょっぴりダークで優しい“死と再生”の物語。
ここがおすすめ!
『ヴィクター・フランケンシュタイン』とは真逆のトーンながら、“命を創る”ことの意味や代償といったテーマは共通。ユーモアとホラーが融合した独自の世界観がクセになる、心温まる一作です。
ジキル&ハイド(Dr. Jekyll and Mr. Hyde)
この映画を一言で表すと?
善と悪の境界を問う、19世紀ロンドン発の心理ホラーの金字塔。
どんな話?
善良な医師ジキルが、自身の中の“悪”を引き出す薬を開発。別人格ハイドが誕生し、やがて理性を失って暴走していく。人間の内面に潜む二面性を深く掘り下げた古典スリラー。
ここがおすすめ!
科学の力で人間を変えようとするテーマが『ヴィクター・フランケンシュタイン』と重なり、同じビクトリア朝を背景にした雰囲気も魅力的。狂気に堕ちていく天才の姿が好きな方には特におすすめ。
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
この映画を一言で表すと?
美しくも哀しい、不死者たちの生き様を描く吸血鬼叙事詩。
どんな話?
200年を生きる吸血鬼ルイが、自らの過去を語る形で進む物語。道徳と飢えの狭間で揺れる彼の苦悩、そして師であるレスタトとの複雑な関係が描かれる。重厚なビジュアルと哲学的なテーマが光る。
ここがおすすめ!
ヴィジュアルの重厚感と“人間であることとは何か”というテーマは『ヴィクター・フランケンシュタイン』にも通じる部分が多い。美しさと狂気が同居する雰囲気が好きな人には刺さる作品です。
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