映画『ワンダーストラック』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「ワンダーストラック」のネタバレあらすじ結末と感想

ワンダーストラックの概要:主な舞台はニューヨーク。聴覚を失った少年が父親を捜そうと奮闘する物語と、同じく聴覚に障害のある少女が母親に会うために家を飛び出すという、時代の異なる二つの物語が、交差しながら繋がっていく。監督は『キャロル』などで知られるトッド・ヘインズ。

ワンダーストラックの作品情報

ワンダーストラック

製作年:2017年
上映時間:117分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ミステリー
監督:トッド・ヘインズ
キャスト:オークス・フェグリー、ミリセント・シモンズ、ジュリアン・ムーア、ミシェル・ウィリアムズ etc

ワンダーストラックの登場人物(キャスト)

ベン(オークス・フェグリー)
母を事故で亡くしたばかり。雷に打たれ聴覚を失うも、父を捜しにニューヨークに旅に出る。
ローズ(子供:ミリセント・シモンズ / 大人:ジュリアン・ムーア)
聴覚に障害のある女性。子供の頃に母に会うためニューヨークに来た。ベンの祖母。
ウォルター(青年:コーリー・マイケル・スミス / 大人:トム・ヌーナン)
ローズの兄。ニューヨークに来たローズの面倒を見る。
リリアン・メイヒュー(ジュリアン・ムーア)
ローズとウォルターの母。有名女優。
エイレン(ミシェル・ウィリアムズ)
ベンの母。交通事故で命を落とした。ベンには父親のことを何も教えなかった。
ジェイミー(ジェイデン・マイケル)
ベンがニューヨークで出会った黒人の少年。父親が自然博物館の職員のため、ベンに館内を案内する。

ワンダーストラックのネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ワンダーストラック』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

ワンダーストラックのあらすじ【起】

主人公の少年ベンは、オオカミに追いかけられる悪夢を見てうなっているところを、従兄に起こされる。母を亡くしたベンは、向かいの家で叔母と従兄妹と暮らしていた。ベンが肌身離さず持っている新聞の切り抜きには、「地元の図書館員 交通事故で死亡」と書かれていた。その図書館員とはベンの母エイレンのことであった。

話が少し過去にさかのぼり、ベンと母のエイレンが会話をしていた。父親を知らないベンは、いつものように父親のことを聞くも、母ははぐらかしてばかりだった。

時代はさらに昔にさかのぼり、モノクロ描写でローズという耳が不自由な少女の物語へと移る(以後、ベンとローズの物語が代わる代わる描写される)。彼女は店の雑誌からちぎり取った雑誌ページで、スクラッチブックを作っていた。ページはどれも女優リリアン・メイヒューのものばかり。彼女はローズの母であり、両親が離婚して母と娘は別居していたが、ローズは母が出演する映画が大好きであった。

ベンは母と住んでいた家に戻りたいと願っていた。叔父と叔母は家を売るつもりでいたが、父親を捜し出せば一緒に移り住めるとベンは考えていた。ある日たまたま見つけた本の中に、父と思しき名前が書かれたキンケイド書店の栞が挟まっており、それが父親の居場所を知る手掛かりだと考えたベンは、ニューヨークにあるその書店に電話を掛ける。しかし、電話中に落雷に会い、ベンは聴覚を失ってしまった。

ワンダーストラックのあらすじ【承】

少女ローズは、普段から厳格で高圧的な父の態度が嫌になって家を飛び出し、母の公演が予定されているニューヨークへ向かった。船旅を終えてニューヨークに辿り着いたローズは、慣れない街に戸惑う。人にぶつかって転んだところを、ある男性に助けてもらい、彼に公演会場の場所を教えてもらう。

彼女はこっそり楽屋口から会場に入って舞台を覗くも、物音を立てて周囲に気付かれてしまう。リハーサル中であった母に連れて行かれたローズは、会いたかったと伝えるも、母は娘の自分勝手な行動を良く思わない。楽屋で待つようにと母から言いつけられるも、ローズはこっそりと抜け出した。

会場を後にしたローズが向かった先は、兄の勤め先であるアメリカ自然博物館であった。その中には様々な動物の模型が展示されていた。心を奪われるローズだが、隕石の展示品に触れているところを警備員に見つかる。ローズは警備員の目を盗み館内をこそこそ逃げ回った。

聴覚を失い意気消沈するベンは、入院中の病院を抜け出して一人でニューヨークに行くことを決める。ニューヨークに着いたベンは、長旅の疲れから駅構内のベンチで眠りについた。目が覚めたベンは、キンケイド書店を探して見慣れない街を歩く。ようやく辿り着くも、書店はすでに閉店していた。近くを通り過ぎた黒人の少年ジェイミーに、「店は移転した」と言われるも、耳が聞こえないベンは理解できなかった。そのままジェイミーの後をつけると、アメリカ自然博物館に着いた。

博物館で働く父を持つジェイミーには、館内に彼だけの秘密の部屋があった。ベンはジェイミーに、ニューヨークに来た理由は父親を捜すためだと伝える。二人はしばらく一緒に過ごし、お互いの友情を深める。

ワンダーストラックのあらすじ【転】

隠れていたローズに、誰かが後ろから肩に触れた。その人はローズの兄ウォルターだった。彼はローズをしばらくかくまってくれた。

館内を探検するベンとジェイミーは、あるファイルを見つけた。オオカミのスケッチなどが描かれたそのファイルには、ベンの家の絵と、エイレン・ウィルソン(ベンの母)という名前も書かれていた。さらにその晩、ベンが家から持ってきた本の絵と同じものが、館内で見つかる。その本は、父の名前が書かれていたキンケイド書店の栞が挟まっていた本だった。ベンは思わぬ場所で次々と見つかる手掛かりに戸惑った。そんな中ジェイミーから、キンケイド書店は閉店ではなく移転しただけだと筆談で伝えられ、教えるのが遅すぎると憤慨してその場を去った。

移転したキンケイド書店に辿り着いたベンは、中に入るも店員に会えず、上の階で待つことにしたが、そのまま居眠りしてしまった。そこに年配の女性が来店し、彼女と店員は手話で会話し始めた。ベンが目を覚まし三人がやり取りしているうちに、女性は少年がベンだと気付く。その女性は筆談でローズと名乗り、店員は兄のウォルターだと伝えた。事態が全く飲みこめないベンに、ローズは「一緒に来て」と伝え、二人は書店を後にした。

ワンダーストラックの結末・ラスト(ネタバレ)

ベンとローズは、バスに乗ってクイーンズ美術館に来た。入口の鍵を開け、ベンを館内のある部屋に案内するローズ。そこにはニューヨーク全体の大きなパノラマがあった。この部屋は何かと聞くベンに、彼女はメモ帳を渡す。そこにはローズの物語が書かれていた。

彼女はまだ小さい頃、父から離れたいという一心で単身ニューヨークへ行った。独り身の彼女を助けてくれたのはニューヨークの自然博物館で働いていた兄ウォルターだった。兄は聴覚がないローズに聾学校を紹介し、彼女はそこでビルという男性と出会う。しばらくして結婚し、男の子を授かった。結婚後、兄に博物館の展示部門の仕事を紹介してもらい、彼女はそこで模型作りに没頭した。

1964年の万国博覧会で、ニューヨーク全体のパノラマを作る計画があると知ったローズは、自然博物館を辞めてパノラマを作る仕事に就いた。博覧会後も彼女はパノラマの管理人として働いた。成長した息子は、自然博物館のジオラマ設計主任になっていた。そして彼こそが、ベンの父親ダニーであった。

手紙を読み終えたベンは、ローズが自分の祖母であることを理解する。本来、ニューヨークへ父親を捜しに来たベンは、父さんはどこにいるのか、と必死でローズに聞く。そこで彼女は、ダニーについての真実を伝える。

オオカミの模型作りのため、湖に調査に向かったダニーは、現地の小屋でとある女性図書館員と出会う。彼女の名はエイレン。ベンの母親だった。現在自然博物館にあるオオカミのジオラマは、彼が当時完成させたものであり、彼の唯一の作品だった。というのもダニーには心臓の病気があり、湖調査の数年後に発作で亡くなってしまっていたのだ。

事実を聞かされ悲しむベンを、ローズは優しく抱擁し、パノラマの各所に隠していた、父親の思い出をベンに見せた。その中には、ベンが小さい頃に書いたオオカミの絵もあった。

すると突然館内が停電になる。外に出るとジェイミーが待っていた。彼はずっとベンの後を付けていた。三人は美術館の屋上に行き、停電で真っ暗になった街を眺める。ベンはローズに、覚えたての手話で、ジェイミーを「友達」だと紹介した。

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