映画『7500』の概要:「呪怨」シリーズなどを手掛けた清水崇監督の、ハリウッド映画3作目。製作の一瀬隆重の他は、海外のスタッフ&キャスト。「デッド・サイレンス」のライアン・クワンテンらが出演している。
映画『7500』 作品情報
- 製作年:2014年
- 上映時間:79分
- ジャンル:ホラー、サスペンス
- 監督:清水崇
- キャスト:ライアン・クワンテン、エイミー・スマート、レスリー・ビブ、ジェイミー・チャン etc
映画『7500』 評価
- 点数:50点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★☆☆☆☆
映画『7500』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『7500』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『7500』 あらすじ【起・承】
アメリカから東京へ向かう飛行機7500便。
彼氏との結婚に迷うスージー、機長と不倫中のローラといったCAたちが準備をしていた。
ハネムーン中のカップルのブラッドと神経質なリズ、破局寸前の夫婦リックとピア、盗品を売っているジェイク、ヘビメタ女性ジャシンタ、木箱を抱えた人形師のランスなど様々な乗客が揃い、飛行機は東京羽田に向かって出発する。
離陸後、飛行機が揺れるとランスが突然苦しみだす。
救命士のリック、ブラッドやローラ、スージーが助けようとするが、彼は「飛行機で死にたくない」と言い残して息を引き取る。
仕方なく全員が2階から1階席に移動し、死んだランスを2階に安置する。
その後、機内の気圧が下がって酸素が足りなくなる。
命の危険にさらされた乗客もいたが、奇跡的に助かった。
周囲が落ち着くと、ジェイクはランスの時計を盗むために2階へ向かう。
ジェイクの姿が見当たらない事に気が付き、ローラとスージーは2階へ向かうがジェイクはおらず、ランスの遺体も忽然と消えていた。
そして乗客がひとり、またひとりと消えていく。
映画『7500』 結末・ラスト(ネタバレ)
次々に起こる不吉な出来事の鍵を握るのはランスだと考えたブラッド、リック、リズ、ピア、そしてジャシンタは、彼の荷物を探り始める。
彼が大事そうに抱えていた木箱を開けると“シニガミ”の人形が入っていた。
ジャシンタは、日本に伝わる精霊“死神”と、死の概念を語る。
やがて、操縦していた機長と副機長、貨物室へ向かったローラまでもが姿を消す。
2階を探していたスージーは、リックやジャシンタたちの目の前で青白い手に攫われてしまう。
そしてジャシンタは、“死は生の一部”という自分の言葉を思い出し、その場にへたり込む。
1階へ戻ったリック、ピア、ブラッド、リズが見たものは、自分たちを含めた乗客が全員死んでいるという、異様な光景だった。
そして彼らは、気圧が下がって酸素が足りなくなった時に死んでいた事に気が付く。
未練を断てば先へ進める、というジャシンタの言葉を思い出したリックとピアは、復縁を誓い合い消えていった。
ふと気が付いたリズは、誰もいない機内にひとり佇んでいた。
映画『7500』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『7500』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
パッとしないストーリーとありふれたオチ
ひとりの中年男性の怪死から始まる、飛行機という空の上の密室で起こる怪奇現象という出だしは興味をそそられる。
飛行機の中で忽然と娘が姿を消したという「フライトプラン」や、「フライト・ゲーム」のようなハイジャック犯との攻防を描いたスリル満点のアクション映画などはあっても、飛行機の中での怪奇現象という設定は今までになかっただろう。
しかし、いまいちパッとせずに終わってしまう作品。
蓋を開ければ、アン・ハサウェイの「パッセンジャーズ」にそっくりなオチで意外性もない。
何よりも、死体から高級時計を盗んで売ろうとする軟派男や、「私は絶対死なない」と言い切って最後まで残ってしまったハネムーン中の妻など、身勝手すぎるキャラクターにイライラさせられて共感や感情移入もしにくい。
“自分が死んだことを認めて未練を断ち切らないと先には進めない”はずが、「飛行機では死にたくない」と訴えていた人形師のランスはどうなんだ、というツッコミどころもある。
物足りない驚かせ方
ホラー映画らしく、青白い手がゴミ箱から伸びてきて最後に残ったリズにつかみかかったり、貨物室でCAに伸びてきたり、頭上のスペースにCAを引きずり込んだりする。
また、死体と一緒に記念動画を撮っていた軟派男の後ろで死体が動いたり、ブランケットが勝手に引っ張られたり。
パソコンの画面が暗くなった瞬間、背後に老人が写るなど、ありそうで怖いあったら怖い、という恐怖演出にはドキっとさせられる。
しかしひとつひとつが小さすぎて、中途半端な怖がらせ方になっている。
「死神」の人形は不気味だが、それを生かしきれていないのも残念。
映画『7500』 まとめ
「呪怨」の生みの親、清水崇監督の作品だと思うから期待ばかり大きくなるのか、想像よりも怖くもなくスリルもない作品。
真っ暗になったパソコンの画面にいるはずのない不気味な顔が浮かんでいたり、ありえない場所から手が伸びてくるのにはドキッとするが、それに追い打ちをかけるような驚かせ方や、畳みかけるようなストーリー展開もない。
焦点を当てる乗客が多すぎて、加えてCA2人にもスポットを当てているため、全体的にぼんやりとしたまま終わってしまっている。
みんなの感想・レビュー
最後の手…いらない。アレがなかったらホラーはさて置きいい映画でした。