極度の潔癖症である高坂賢吾は、社会生活もままならず孤独を抱えていた。ある日、見知らぬ男が現れ、半ば脅されるように佐薙ひじりという名の女子高生の面倒を見るように依頼される。ひじりもまた視線恐怖症で苦しんでいた。
映画『恋する寄生虫』の作品情報
- タイトル
- 恋する寄生虫
- 原題
- なし
- 製作年
- 2021年
- 日本公開日
- 2021年11月12日(金)
- 上映時間
- 不明
- ジャンル
- ラブストーリー
- 監督
- 柿本ケンサク
- 脚本
- 山室有紀子
- 製作
- 堀内大示
木村省悟
佐々木武彦
五十嵐淳之
鈴木貴幸
岩上貴則
橋口一成
東島真一郎 - 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 林遣都
小松菜奈
井浦新
石橋凌 - 製作国
- 日本
- 配給
- KADOKAWA
映画『恋する寄生虫』の作品概要
三秋縋原作の小説を元に制作された作品。極度の潔癖症の青年と視線恐怖症の女子高生のラブストーリー。林遣都と小松菜奈がダブル主演を務め、井浦新、石橋凌が脇を固めた。CMやMVを中心に映像作家として活躍する柿本ケンサクが監督を務めた。そして、映画『眉山』(07)や映画『ちーちゃんは悠久の向こう』(08)などの山室有紀子が脚本を手掛けた。主題歌を担当したのは歌手のAwich。映画にインスパイアされて書き下ろした楽曲が主題歌に起用されている。
映画『恋する寄生虫』の予告動画
映画『恋する寄生虫』の登場人物(キャスト)
- 高坂賢吾(林遣都)
- 極度の潔癖症。人と関わるのが苦手。見知らぬ男に頼まれ、佐薙ひじりの面倒を見ることになる。
- 佐薙ひじり(小松菜奈)
- 高校生。視線恐怖症。不登校。傍若無人な態度を取るが、本当は繊細な人物。ある秘密を抱えている。
映画『恋する寄生虫』のあらすじ(ネタバレなし)
高坂賢吾は極度の潔癖症で、人と関わることが苦手だった。孤独を抱えていた彼の前に、見知らぬ男(和泉)が現れる。和泉は佐薙ひじりという名の女子高生の面倒を見て欲しいと頼んできた。半ば脅されるように依頼され、賢吾は断ることができなかった。
ひじりは傍若無人な少女で、賢吾は生活を乱されて落ち着かない日々を過ごした。しかし、同じ時間を共有している間に、ひじりもまた視線恐怖症で苦しみ不登校になっていることを知るのだった。
似たような苦しみを抱えている賢吾とひじりは、徐々に惹かれ合っていく。12月24日に出かけることを約束するが、「私、いつか君を殺しちゃう」という言葉を残して、ひじりが姿を消してしまう。実は、ひじりはある秘密を抱えていた。
映画『恋する寄生虫』の感想・評価
「第40回吉川英治文学新人賞」候補に選出された三秋縋
2016年9月24日にライト文芸レーベル「メディアワークス文庫」から刊行された、三秋縋原作の小説を元に制作された作品。『恋する寄生虫』は極度の潔癖症の青年と視線恐怖症の女子高生のラブストーリーが描かれているのだが、最後にあっと驚く展開が待っており大きな反響を呼んだ。コミカライズ化もされており、ホタテユウキが漫画版を手掛けている。
原作者の三秋縋はウェブ上で活躍していた人物で、小説『スターティング・オーヴァー』で本格的に作家デビューを果たす。小説『三日間の幸福』、小説『君が電話をかけていた場所』などの作品を手掛けた他、2018年7月に刊行された小説『君の話』で「第40回吉川英治文学新人賞」候補に選出される。作家としてこれからの活躍がますます期待される人物である。
強い存在感を放つ林遣都と小松菜奈がダブル主演
主演を務めたのは林遣都と小松菜奈。林遣都の代表作は、映画『ちーちゃんは悠久の向こう』(08)、テレビドラマ『おっさんずラブ』(18)、NHK連続テレビ小説『スカーレット』(19~20)などがある。特に、『おっさんずラブ』で演じた牧凌太役は高く評価されており、「第22回日刊スポーツ・ドラマグランプリ 助演男優賞」に輝いている。
小松菜奈は映画やテレビドラマなどで活躍しているのはもちろんのこと、有名アーティストのMVにも多数出演している。シンガーソングライター・椎名林檎の楽曲『自由へ道連れ』、歌手・JUJUの楽曲『メトロ』、ロックバンド「RADWIMPS」の楽曲『君と羊と青』や楽曲『そっけない』など。
そして、実力派俳優の井浦新が謎の男・和泉役、ベテラン俳優の石橋凌が小松菜奈演じる佐薙ひじりの祖父役で出演している。
映像作家の柿本ケンサク&話題作を多数手掛ける脚本家の山室有紀子
CMやMVを中心に映像作家として活躍する柿本ケンサクがメガホンを取った。日本コカ・コーラや大塚製薬などの大手企業のCMを手掛けている他、ロックバンド「Mr. Children」、ダンサー&歌手・三浦大知、ロックバンド「ONE OK ROCK」など、有名アーティストのMVを手掛けている。最近では大河ドラマ『青天を衝け』(21)のオープニング映像を手掛けて大きな話題を集めた。
本作の脚本を手掛けたのは山室有紀子。テレビ東京系列で放送されたテレビドラマ『Deep Love 〜ホスト〜』(05)で脚本家デビューを果たし、数々の話題作に携わってきた。代表作はさだまさしの小説を元に制作された映画『眉山』(07)、林遣都が仲里依紗と主演を務めている映画『ちーちゃんは悠久の向こう』(08)、時代劇映画『武士の献立』(13)などがある。
映画『恋する寄生虫』の公開前に見ておきたい映画
ちーちゃんは悠久の向こう
山室有紀子が兼重淳監督と共に脚本を手掛けた作品。林遣都が仲里依紗とダブル主演を務めている。「第4回新風舎文庫大賞 大賞」を受賞した日日日のデビュー小説を元に制作されている。シンガーソングライター・奥華子の楽曲『空に光るクローバー』が主題歌に起用された。ジャンル:ラブストーリー×青春×ファンタジー。
高校生の久野悠斗(通称、モンちゃん)と、クラスメイトの歌島千草(通称、ちーちゃん)は幼馴染である。オカルトが大好きなちーちゃんは、モンちゃんを誘って学校の七不思議について調査することにした。モンちゃんの両親は離婚の危機で、家に居場所がなかった。モンちゃんのことが大好きなちーちゃんは、彼のことを優しく励ますのだった。実は、明るいいちーちゃんには、ある秘密があった。
詳細 ちーちゃんは悠久の向こう
恋は雨上がりのように
小松菜奈が大泉洋と主演を務めた作品。眉月じゅん原作の人気青年漫画を元に制作された。テレビアニメ化もされており、2018年1月~3月にフジテレビ系列で放送された。映画『帝一の國』(17)を手掛けた永井聡が監督を務めた。脚本はスタジオジブリ制作のアニメーション映画『かぐや姫の物語』(13)の共同脚本を担当した坂口理子。
17歳の橘あきらは怪我をしてしまい、陸上部の練習に行けなくなる。あきらはファミリーレストランのバイトを始めることにした。そのレストランの店長は、45歳の冴えない男・近藤正己。他のバイト先からバカにされるような人だったが、あきらは密かに店長に恋をしていた。正己はあきらの真っ直ぐな思いに振り回されるが、彼女の存在に作家になりたいという諦めた夢を刺激される。
詳細 恋は雨上がりのように
恋愛小説家
ジャンル:ラブストーリー。潔癖症で自尊心が高い男とレストランの店員の恋愛を描いた作品。ジャック・ニコルソンが主演を務め、ヒロインをヘレン・ハントが務めている。「第55回ゴールデングローブ賞 最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル)」を始め、様々な賞に輝いている。アメリカのテレビアニメ『ザ・シンプソンズ』の製作総指揮を務めるジェームズ・L・ブルックスが監督を務めた。
恋愛小説家のメルヴィンは強迫神経症で潔癖症だった。そして、他者に対しての思いやりはなく、自尊心が強い男だった。自分の中でルールが決まっており、その通りに行動しないと癇癪を起してしまっていた。癖の強いメルヴィンは、隣人とよく揉めていた。しかし、ある出来事をきっかけに、隣人が飼っている犬を預かることになる。ほんの少しずつ、メルヴィンの生活が変わろうとしていた。
詳細 恋愛小説家
映画『恋する寄生虫』の評判・口コミ・レビュー
『恋する寄生虫』鑑賞。
潔癖症の青年と視線恐怖症の女子高生が恋に落ちる物語。音楽や撮影に独特のセンスがあり、浸食する菌や視線の表現も良い。ただ、メタファーとしての寄生虫がしっくりこず、終盤の展開もかなり強引。役者の過剰演技が目立つ中、小松菜奈の只者じゃないオーラだけが光っていた。 pic.twitter.com/Oz6nWPg1jY— Rocky@六月の狂詩曲 (@rhapsodyinjune6) November 14, 2021
「恋する寄生虫」
極度の潔癖症を患う男と、視線恐怖症の女子高生。ある男の依頼で出会い、惹かれ合う2人に“虫”の魔の手が迫る…
恋物語にありがちな“運命の出会い”を斜めの角度から捉え、寄生虫の習性となぞらえる独自性が面白い。にしても、小松菜奈はいつまで女子高生役が似合ってしまうのか… pic.twitter.com/8OoAdqxC2l
— 囁きのWhisper (@sasayaki_film) November 14, 2021
“恋する寄生虫”原作を知らない者からすれば、不穏なオープニングに驚かされ、そこから始まる、痛みを抱えた二人の恋。不器用ながら、真っ直ぐな思いに、懐かしさを感じる。もう少し、丹念に、二人の葛藤を描いて貰いたいって思いはあるが、小松菜奈キュン死に案件で、これはこれで、好きな作品。 pic.twitter.com/S8cQnUVVFh
— 常山の住職 (@CinemaCLAIRfan) November 12, 2021
恋する寄生虫の初見の私的感想。
ダークファンタジーな世界観が、
いい意味でフランス映画的。どのシーンを切り取っても絵になるし、
強烈に脳裏に焼き付く。恋愛は綺麗事じゃない。
でもドロドロせずに美しく描いていて、
何度も見たくなる中毒性のある映画でした✨#恋する寄生虫— yaya (@ilovekh1206) November 12, 2021
映画『恋する寄生虫』のまとめ
三秋縋原作の小説を元に制作された作品。極度の潔癖症の青年と視線恐怖症の女子高生のラブストーリーが描かれているのだが、物語はそれだけで終わらない。題名にもある通り、「虫」が物語に大きく関わっていく。衝撃的な展開が待っており、二人の恋愛がどのように動いていくのか注目して欲しい。ダブル主演を務めたのは、原作のキャラクターにピッタリと合った林遣都と小松菜奈。映画からインスパイアされて生み出された主題歌『Parasite in Love』は予告動画にも少し使用されているので、ぜひ聞いてみて欲しい。
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