オーラは大学卒業後、実家へと帰った。就職先も見つかっておらず、恋人とも別れたばかりだった。オーラはバイト先を探したり恋人を探したりするが、いつも空回ってばかりいた。
映画『タイニー・ファニチャー』の作品情報
- タイトル
- タイニー・ファニチャー
- 原題
- Tiny Furniture
- 製作年
- 2010年
- 日本公開日
- 2018年8月11日(土)
- 上映時間
- 99分
- ジャンル
- コメディ
ヒューマンドラマ - 監督
- レナ・ダナム
- 脚本
- レナ・ダナム
- 製作
- カイル・マーティン
アリシア・バン・クーバリング - 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- レナ・ダナム
ローリー・シモンズ
グレース・ダナム
ジェマイマ・カーク
アレックス・カルポフスキ
デビッド・コール
メリット・ウェバー - 製作国
- アメリカ
- 配給
- グッチーズ・フリースクール
映画『タイニー・ファニチャー』の作品概要
本作品は海外ドラマ『GIRLS/ガールズ』の原点とも言える作品である。本作品で監督・脚本・主役を務めたレナ・ダナムは、『GIRLS/ガールズ』の製作・監督・脚本・主演を担当していた。『GIRLS/ガールズ』は若年層版『セックス・アンド・ザ・シティ』とも言われ、若者に人気がある。本作品にはレナの実際の家族達が出演しており、住んでいる家も撮影に使っている。この物語はレナの自伝的な要素も含まれており、人生や恋について悩むごく普通の女性の日常が描かれている。
映画『タイニー・ファニチャー』の予告動画
映画『タイニー・ファニチャー』の登場人物(キャスト)
- オーラ(レナ・ダナム)
- 24歳。大学を卒業するが、就職先が見つかっていない。彼氏とも別れ、実家へと帰る。母は芸術家で、妹は高校生。
映画『タイニー・ファニチャー』のあらすじ(ネタバレなし)
オーラは大学卒業後、実家へと帰った。家にいたのは、芸術家の母と高校生の妹だった。母は仕事で忙しく、妹とも喧嘩ばかりで家に居場所はなかった。さらに、オーラは恋人と別れたばかりで、傷心中だった。しかも、就職先が決まっておらず、やりたいことも特に決まっていなかった。
オーラは友人が開催したパーティーに行き、ジェドという名の男性を紹介される。ジェドはネットに動画をアップしている、今どきの若者だった。オーラは行く場所がないジェドを自宅に泊めるが、そのことで母と口論になってしまう。
オーラは友人のツテで、バーでアルバイトをすることになった。そこで、副料理長のキースと仲良くなるが、デートをすっぽかされ散々な結果に終わる。オーラは癖のある友人や家族達と、もがいて悩んでぶつかった。そして、自分なりに幸せになろうと奮闘した。
映画『タイニー・ファニチャー』の感想・評価
レナ・ダナム
本作品は監督・脚本・主役のレナ・ダナムの自伝的作品になっている。一眼レフカメラを用いて撮影が行われており、キャストはレナの家族達が採用されている。主人公であるオーラの母親も、実際の母であるローリー・シモンズが演じており、実の妹のグレース・ダナムも出演している。レナは本作品を撮る前は、ネット動画サイトに短編映画を投稿して活動していた。
本作品でレナは「2011年インディペンデント・スピリット賞・新人脚本賞」を受賞している。まだ25歳の若さで賞を受賞するほどの作品を作り上げたのは、驚かされるばかりである。レナは他にミュージックビデオの撮影や女優としても精力的に活動しており、才能溢れる人物なのは間違いがない。
海外ドラマ『GIRLS/ガールズ』の原点作品
レナは本作品で世間からの注目を集め、海外ドラマ『GIRLS/ガールズ』の製作・監督・脚本・主演を担当することになった。若年層版『セックス・アンド・ザ・シティ』とも言われており、若い女性から特に高い支持を受けていた。本作品はこの『GIRLS/ガールズ』の原点とも言われている作品である。
『GIRLS/ガールズ』のあらすじ。大学を卒業したハンナは、無給でインターン活動を行っていた。両親からの仕送りに頼って生活をしていたのだが、それがいきなり打ち切られてしまう。仕方なく会社から給与をもらおうとするが、逆にクビを言い渡されてしまう。そんなハンナを中心にした、4人の女性達の日常生活について描かれている。この作品の中でも、レナの実体験が生かされている。
人生の進路に悩む主人公
主人公のオーラは無事に大学を卒業するが、職なし・夢なし・居場所なしと、最悪な三拍子がその身に降りかかる。家族と一緒に暮らすことになるが、母も妹もそれぞれ自分のやりたいことをやっており、オーラは居心地の悪さしか感じられなかった。母がオーラに、この家にいて幸せなのかと問う場面がある。オーラは幸せだと答えるが、その表情は曇っておりとても幸せだとは思えなかった
大学を卒業してすぐの頃は、皆オーラのように悩んでいるのではないだろうか。やりたいことを見つけ、それを仕事にしているのはほんの一握りの人しかいないと思う。オーラに関わってくる登場人物達は個性的な人達ばかりで驚く部分もあるが、この作品の根底にあるのは自分の人生を必死に生きようとしている女性の姿だと思う。特に女性の観客は、オーラに感情移入しやすいのではないだろうか。
映画『タイニー・ファニチャー』の公開前に見ておきたい映画
プラダを着た悪魔
『タイニー・ファニチャー』のように、女性が仕事や恋に奮闘する姿が描かれている。アン・ハサウェイは上司に振り回されるアシスタント役を演じており、この作品が彼女の代表作とも言える作品になった。ローレン・ワイズバーガー原作の小説が元になっており、映画版と小説版で相違点(登場人物やクライマックス)も存在する。
アンドレア・サックスは大学を卒業後、ジャーナリストを目指しニューヨークの街へとやって来た。そこで、女性にとって憧れである、雑誌『ランウェイ』の編集部に就職することが決まる。アンドレアは編集長のミランダ・プリーストリーのアシスタントを担当することになった。喜んだのも束の間、ミランダは横暴な上司で、アンドレアは振り回されてしまう。
詳細 プラダを着た悪魔
セックス・アンド・ザ・シティ
海外ドラマ『GIRLS/ガールズ』の大人版とも言える作品。ニューヨークを舞台に、4人の女性の日常生活について描かれている。海外ドラマとして、シーズン1~シーズン6まで存在している。『セックス・アンド・ザ・シティ』(08)が公開された後、続編として『セックス・アンド・ザ・シティ2』(10)が公開されている。
テレビの最終話から4年後。キャリー・ブラッドショーは恋人のビッグと良好な関係を継続させており、同棲するための部屋を探していた。幸せを感じていたが、あるオークション会場に行ったときに嫌な話を聞いてしまう。ある女性が男性と10年間も付き合っていたのだが、捨てられてしまったというものだった。キャリーが不安に苛まれていると、ビッグからプロポーズされる。
0.5ミリ
女性が監督を務めている、ヒューマンドラマ作品。安藤桃子が自分の介護体験を元に書き下ろした小説が原作。これは、それを元に作られた映画作品である。桃子は映画の際、監督と脚本を担当している。主人公の山岸サワを演じたのは、桃子の妹のサクラである。
山岸サワは介護ヘルパーとして働いていた。ある日のこと、雇い主の女性から、祖母を恋しがる祖父のために、一晩だけ一緒に寝てあげて欲しいと頼まれる。それは会社の規約違反なのだが、サワは了承して添い寝をしてしまう。だが、予期せぬ事件に巻き込まれてしまい、家も金も無くなり、会社に添い寝のことがバレてクビになってしまう。サワは生活のため、困っている老人を無理矢理助ける「おしかけヘルパー」をしてお金を稼ぐことにした。
詳細 0.5ミリ
映画『タイニー・ファニチャー』の評判・口コミ・レビュー
『タイニー・ファニチャー』良かった。レナ・ダナムが実際の家族と友人の協力を元に作った半自伝的作品。モラトリアムな物語のラストに滲む未来の温かみ。彼女の素晴らしさは役も本人も、自分の境遇と力を、私なんかと貶めず信じたことじゃないかと思う。だって、そう信じるのは本当に難しいことだから pic.twitter.com/lsBucJlXsL
— Zzzin} (@zzztot) October 22, 2017
『タイニー・ファニチャー』観た。小さな世界の繊細な物語。映画を突き詰めていくと作る側も観る側もついつい答えを求めがちだけど、そんなものなくてもいい、と肯定するような真の「優しさ」があったような。トークショー採録も含め、映画が一度終わっても劇場の外へ続いていくような広がりを感じた。
— 彩灯甫 (@Akari_Okita) August 11, 2018
レナ・ダナム監督作『タイニー・ファニチャー』を観た。もう、本当に最高だった。モラトリアムの普遍的な感情を描くだけでなく、レナ自身の価値観や信念も随所に織り交ぜられていて、女性として自分らしく生きることの大切さをまっすぐ説いてくれてる作品だった。『ありがちな女じゃない』読み返します
— ボボ浦田 (@bobourata_261) October 22, 2017
「タイニー・ファニチャー」、モラトリアムのように見えても、生きているだけでお腹は空くし、寝るところは必要だし、人生は面倒なことことだらけ。だから応援しなくてもいいから、私も大変だってことだけは分かって欲しい。監督・主演のレナ・ダナムの心の声が、その寝姿からひしひしと伝わってきた。 pic.twitter.com/UEGmjdv6tD
— Shinichi Ando (@andys_room) August 11, 2018
映画『タイニー・ファニチャー』のまとめ
主人公のオーラは大学を卒業を機に自宅へと帰るが、そこには既に自分の居場所はなく、やっと見つけたバイト先でも人間関係が上手くいかない。他の映画のように魔法が使えたり超人的な能力が使えたりするわけでもなく、ごくありふれた女性の人生について悩む姿が描かれている。だからこそ、自分の悩みを顧みたり、感情移入することができるのだと思う。それに、実際にオーラを演じたレナ・ダナムの家族達が登場しているため、物語にリアリティが増していると思う。
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