3つの短編アニメによって構成されたオムニバス作品。『カニーニとカニーノ』小さなカニの兄弟が、父を探すために大冒険に出かける。『サムライエッグ』タマゴアレルギーと戦う親子の姿が描かれている。『透明人間』都会の隅には、孤独な透明人間の男がいた。
映画『ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間』の作品情報
- タイトル
- ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間
- 原題
- なし
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2018年8月24日(金)
- 上映時間
- 不明
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
アニメ - 監督
- 米林宏昌
百瀬義行
山下明彦 - 脚本
- 不明
- 製作
- 西村義明
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 木村文乃
鈴木梨央
尾野真千子
篠原湊大
坂口健太郎
オダギリジョー
田中泯 - 製作国
- 日本
- 配給
- 東宝
映画『ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間』の作品概要
本作品は『メアリと魔女の花』(17)の制作を行った株式会社スタジオポノックが手掛けている。3つの短編アニメによって構成されたオムニバス作品である。監督も音楽プロデューサーも作品によって異なっており、それぞれ違った雰囲気が楽しめるようになっている。声優を担当しているのは、今の日本の映画やドラマ界で欠かせない存在となった人気俳優&女優のオダギリジョー・坂口健太郎・尾野真千子などである。木村文乃や鈴木梨央は、本作品で初めてアニメ映画デビューを果たした。
映画『ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間』の予告動画
映画『ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間』の登場人物(キャスト)
- カニーニ(木村文乃)
- 『カニーニとカニーノ』の登場人物。弟を守る優しいお兄ちゃん。
- カニーノ(鈴木梨央)
- 『カニーニとカニーノ』の登場人物。カニーニの弟。まだ幼く、泣き虫なところもある。
- ママ(尾野真千子)
- 『サムライエッグ』の登場人物。シュンのママ。シュンの食べ物にはとても気を使っている。
- シュン(篠原湊大)
- 『サムライエッグ』の登場人物。野球が大好き。元気で活発な少年。タマゴアレルギー。
- 透明人間(オダギリジョー)
- 『透明人間』の登場人物。東京の片隅で暮らす。誰にも姿が見えず、孤独を抱えている。
映画『ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間』のあらすじ(ネタバレなし)
これは3つの奇跡の物語である。『カニーニとカニーノ』小さなカニの兄弟カニーニとカニーノは、川に消えてしまった父を探すため旅に出かけた。これが2人とって初めての大冒険だった。旅の途中で自分よりもはるかに大きくて不気味な魚に出くわすこともあったが、兄は弟を守りながら必死に前に進んだ。果たして、2人は無事に父と再会することができるのだろうか。
『サムライエッグ』元気で活発な少年シュンの唯一の敵は「タマゴ」だった。タマゴアレルギーを持っており、食べる物に気をつけなければならなかったのだ。この作品は、親子の命の物語である。
『透明人間』都会の隅で暮らすその男は、誰にも姿が見えない透明人間だった。誰も自分の存在に気づいてくれず、会話もなく、たった1人で生きていた。ある日、透明人間の存在に気づいた1人の男が現れる。
映画『ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間』の感想・評価
3つの物語と3人の監督
本作品は3つの短編アニメで構成された、オムニバス形式のアニメとなっている。3作品とも監督が異なる。幼いカニの兄弟の冒険を描いた『カニーニとカニーノ』は、『メアリと魔女の花』(17)の監督としても有名な米林宏昌。タマゴアレルギーと戦う少年の姿を描いた『サムライエッグ』は、スタジオジブリで長年映像制作に携わっていた百瀬義行。孤独な透明人間の男の姿を描いた『透明人間』は、アニメーターとして活躍している山下明彦。この3人が、それぞれの作品で監督を担当している。
短編映画だが、登場人物達がそれぞれ抱える思いや悩み、勇気を出して前に1歩進もうとする姿など、どの作品も丁寧に作り込まれており感動できる物語になっている。
豪華な声優陣
本作品で声優を担当しているのは、ドラマや映画で目覚ましく活躍している豪華な女優・俳優ばかりである。『カニーニとカニーノ』に登場するカニーニとカニーノ役は、女優の木村文乃と鈴木梨央が担当している。2人はアニメ映画の出演は初めてながら、連続テレビドラマ『99.9 -刑事専門弁護士-』のヒロイン役や映画『こどもしょくどう』(18)の主演など、女優として確かな実績を積み重ねてきた人達である。
他の2作品でも、連続テレビドラマ『最高の離婚』で「第39回放送文化基金賞・演技賞」を受賞したことがある尾野真千子や、特撮の『仮面ライダークウガ』の主人公を熱演したオダギリジョーなどが声優として出演している。そのことにも注目しながら、物語を楽しんで欲しい。
作品内の音楽
映像や声だけではなく、作品内で流れる曲にも力を入れている。3作品とも監督が違うように、音楽を担当している人物もそれぞれ異なる。『カニーニとカニーノ』では村松崇継、『サムライエッグ』では島田昌典、『透明人間』では中田ヤスタカが担当している。それぞれの音楽の違いにも注目して欲しい。
村松崇継は国立音楽大学作曲学科の出身で、映画やテレビだけではなくミュージカル内の音楽も手掛けている作曲家である。その一方で、ソロアルバムを発売するなど、ピアニストとしても活躍している。島田昌典は映画音楽を手掛けるのは本作が初めてだが、aikoや河村隆一など有名な歌手の楽曲を数多くプロデュースしており、音楽プロデューサーとして有名な人物である。中田ヤスタカはきゃりーぱみゅぱみゅの音楽をプロデュースしていることでも有名だが、『LIAR GAME シリーズ』のサウンドトラックを担当するなど、映画やドラマ内でも音楽プロデューサーとして活躍している。
映画『ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間』の公開前に見ておきたい映画
メアリと魔女の花
米林宏昌がスタジオジブリを退社後に初めて手掛けたアニメ映画。『ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間』の制作も行っている、株式会社スタジオポノックの長編作品第1号となった作品でもある。メアリー・スチュアート原作の『The Little Broomstick』を元に制作されている。
とある森にしかなく、7年に1度しか咲かない花があった。その花の名は「夜間飛行」。少女メアリは知らなかったが、その花はかつて魔女の国から盗み出された禁断の「魔女の花」だった。メアリは偶然「夜間飛行」を発見し、1夜限りの不思議な力を手に入れることになる。メアリはその力を使い、魔法世界のエンドア大学に入学した。彼女はそこでどんな体験をするのだろうか。無事に家へと帰れるのだろうか。
詳細 メアリと魔女の花
SHINOBI
オダギリジョーがヒロインの仲間由紀恵と恋に落ちる主人公を熱演している。椎名桔平や沢尻エリカなど、豪華な俳優・女優達が脇を固めている。山田風太郎原作の小説『甲賀忍法帖』を元に作られている。『甲賀忍法帖』は色んな人物の手で漫画化されており、高い人気を誇る作品である。映画の結末や展開は小説とは異なり、大きなアレンジが加えられている。
古くから人の及ばぬ力を持ち、戦うことしか生きる術を持たぬ者達がいた。人は彼らを「忍」と呼んだ。1614年、敵対する「忍」の男女が、相手の素性を知らないまま出会い恋に落ちた。その一方で、徳川家康が対立する2つの忍の里に、全面対決を言い渡していた。彼らの恋の行く末は、どうなってしまうのだろうか。
詳細 SHINOBI
ナミヤ雑貨店の奇蹟
鈴木梨央が登場人物の1人の子供時代役で出演している。また、尾野真千子も出演しており、「第30回日刊スポーツ映画大賞・助演女優賞」を受賞している。主人公を演じたのは、ジャニーズ事務所で活躍中のアイドルグループ、「Hey! Say! JUMP」に所属している山田涼介である。世界累計800万部を突破した東野圭吾原作の小説、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を元に作られている。
2012年一軒の廃屋に迷い込んだ若者達がいた。そこは1980年に人々の悩み相談を受けていた、ナミヤ雑貨店が存在していた場所だった。悪いことをして逃げていた若者達は、そこで1夜を明かすことにした。すると、深夜にもかかわらず、シャッターの郵便受けから1通の手紙が投げ込まれた。それは、32年前から届いた手紙だった。これは、たった1夜の奇蹟の物語である。
詳細 ナミヤ雑貨店の奇蹟
映画『ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間』の評判・口コミ・レビュー
「ちいさな英雄 -カニとタマゴと透明人間-」米林監督の所の短編3本。カニ-水面のCGがきれい。リアリティーラインが? タマゴ-斬新なテーマの良く出来た作品。 透明人間-作画オタには最高な作品。 本来メインとなるべき米林監督の作品が弱い事が今後に不安。
— koyagi (@koyagida) 2018年8月26日
『ちいさな英雄』を観た!透明人間は圧巻だった。アイデアもそうだし予告でも流れるバイクチェイスは『悪女』並のカッコよさ。中田ヤスタカの音楽とピッタリ。カニもタマゴも良かったけれどインクレディブル・ファミリー上映前に流れる短編『Bao』を観てしまうと物足りなさが否めない。#ちいさな英雄 pic.twitter.com/lBltm0LLsh
— DirtyYoungMan@少年と呼ばれたい (@tukemononasu) 2018年8月26日
『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』重篤なアレルギー症状の大変さを真摯に描いて且つエンタメ性を持たせてるサムライエッグはとてもいい作品だった。アレ持ち子供の親が観たら、エピペン持って人通りの多い所まで必死に駆ける子供の姿はマジで血の気引くと思う。ほんとリアルに描かれてた。 pic.twitter.com/8QQobRkWEN
— アミメキリン (@freesia_k530) 2018年8月26日
昨日息子とスタジオポノックのちいさな英雄という映画見てきた。映画で印象に残ったのは話よりエンディングの木村カエラさんの歌でした。とても楽しくなる歌でした。息子も全く同意見でした。😀『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』#ちいさな英雄 #木村カエラ https://t.co/gBFDS5cQT3
— マサフク (@masa505t) 2018年8月25日
イオンシネマでちいさな英雄を観てきた、短編3本と短めだが面白かった。カニはえっ?って感じでタマゴは高畑っぽいかな、透明人間は浮く設定が斬新。カニとタマゴはジブリの亡霊を背負ってる感じだが、透明人間はジブリっぽくなくアクがある感じ。ポノックは今後山下監督を押して欲しいかな。
— 鰰 (@kaminariuo) 2018年8月25日
映画『ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間』のまとめ
3作品ともテイストが異なる物語で、自分が一番気に入る作品を見つけるのも面白いのではないだろうか。『カニーニとカニーノ』はカニのハサミを持ちながら父の姿を探す幼い兄弟がとても可愛らしく、見ていて温かい気持ちになる。『サムライエッグ』はタマゴに苛立ちを抱える少年を、時に優しく時に厳しく見守る母の姿が眩しく映る。『透明人間』はカッコいいアクションシーンが見られる。どの作品も興味を引かれる内容で、1つで3度おいしい映画だと思う。
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