1980年に行われたウィンブルドンの決勝戦。それは今でも語り継がれている、伝説の戦いだった。「氷の男」と呼ばれているプロテニスプレーヤーでのビヨン・ボルグは、5連覇という前人未到の記録に挑もうとしていた。
映画『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』の作品情報
- タイトル
- ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男
- 原題
- Borg/McEnroe
- 製作年
- 2017年
- 日本公開日
- 2018年8月31日(金)
- 上映時間
- 108分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
スポーツ - 監督
- ヤヌス・メッツ
- 脚本
- 不明
- 製作
- 不明
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- スベリル・グドナソン
シャイア・ラブーフ
ステラン・スカルスガルド
ツバ・ノボトニー
レオ・ボルグ - 製作国
- スウェーデン・デンマーク・フィンランド合作
- 配給
- ギャガ
映画『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』の作品概要
テニス界の中で今なお伝説と言われている戦い、1980年ウィンブルドンの決勝戦。本作品は実際に行われた戦いを元に作られている。試合中でも冷静沈着なため「氷の男」と呼ばれたビヨン・ボルグを、スベリル・グドナソンが演じている。対して、「悪童」と名高いジョン・マッケンローを、『トランスフォーマー』(07)の主演を務めたことで有名なシャイア・ラブーフが演じている。白熱したコート上での戦いの他、プレーヤー達の苦悩や重圧への葛藤などの心情も描かれている。
映画『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』の予告動画
映画『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』の登場人物(キャスト)
- ビヨン・ボルグ(スベリル・グドナソン)
- プロテニスプレーヤー。試合中でも冷静沈着なため、「氷の男」と呼ばれていた。5連覇という前人未到の記録に挑もうとしている。その一方で、恐怖や重圧を抱えている。
- ジョン・マッケンロー(シャイア・ラブーフ)
- プロテニスプレーヤー。審判にも怒鳴り散らす性格のため、「悪童」と呼ばれている。
映画『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』のあらすじ(ネタバレなし)
今なお語り継がれている伝説の戦いがあった。それは、1980年に行われたウィンブルドンの決勝戦だった。
プロのテニスプレーヤーとして活躍しているビヨン・ボルグは、5連覇という前人未到の記録に挑もうとしていた。だが、天才と呼ばれている彼にも、その記録を達成することは並大抵のことではなかった。期待・不安・恐怖がボルグの身に降りかかり、記者や世間の好奇の目が突き刺さった。
ボルグの前に恐れを知らない新星が現れた。彼の名はジョン・マッケンロー、プレーヤーとして素晴らしい才能を持っている男だった。マッケンローは審判にも怒鳴り散らす性格のため、「悪童」と呼ばれていた。ボルグとマッケンローは己の人生を賭け、コートの上で対峙した。
映画『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』の感想・評価
ビヨン・ボルグとジョン・マッケンロー
『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』は実話を元に作られた作品で、ビヨン・ボルグとジョン・マッケンローの戦いは実際にあったものである。
ビヨン・ボルグはスウェーデン出身のテニスプレーヤーで、試合中でも冷静沈着なため「氷の男」という異名を持つ。また、赤土のコートでも芝生のコートでも力を発揮できたことから、「史上最強のプレーヤー」とも呼ばれている。トップスピンを生かしたグラウンド・ストロークが得意。
ジョン・マッケンローはドイツ出身アメリカ国籍のテニスプレーヤーで、暴言を吐くことから「悪童」と呼ばれてバッシングされていた。映画の中では「氷の男」と真逆の性格をしていることから、「炎の男」と名付けられている。どうしても乱暴な態度に注目されがちだが、シングルス・ダブルスとも世界ランキング1位になったことがあり、テニスプレーヤーとしてはとても才能溢れた人だった。
スベリル・グドナソンとシャイア・ラブーフ
ビヨン・ボルグを演じたのは、スウェーデン出身の俳優スベリル・グドナソンである。スベリルは日本で2019年に公開予定の、『ドラゴン・タトゥーの女』(11)の続編に当たる『蜘蛛の巣を払う女』に出演している。
ジョン・マッケンローを演じたのは、アメリカ出身の俳優シャイア・ラブーフである。シャイアはキアヌ・リーブス主演の『コンスタンティン』(05)や『トランスフォーマー』(07)など、日本でも公開されている映画に多数出演しているため、スベリルよりも知っている人が多いかもしれない。
スベリルもシャイアも、普段の写真はボルグやマッケンローとは似ても似つかない。しかし、作品内の2人は、本人かと思うほど忠実に見た目を再現している。試合のシーンも迫力があり、改めて俳優としての凄さを感じる映画となっている。
プロ達の苦悩
4連覇を行い天才と呼ばれているボルグでさえ、重圧に押し潰されそうになり苦悩する。作品の中で、5連覇を逃してしまえば世間から忘れ去られてしまうと表現する場面がある。さらに、苦しみに耐えられず、崩れ落ちるように倒れる場面がある。それほど、勝利を掴み続けるということは苦しいものなのだ。よく己との戦いと表現するが、まさしくボルグはマッケンローと戦うとともに、恐怖を抱く己とも戦っているのだと思う。
対するマッケンローは、恐怖を抱いていないように見える。しかし、少しだけ見方を変えれば、審判に暴言を吐くのも厭わないほど勝利を掴むために必死に戦っているように感じる。プロのテニスプレーヤー達のコート裏の戦いや心情を見られるのが、この作品のおもしろいところだと思う。
映画『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』の公開前に見ておきたい映画
トランスフォーマー
シャイア・ラブーフが人間側の主人公であるサム・ウィトウィッキーを演じている。マイケル・ベイが監督を、スティーヴン・スピルバーグが制作総指揮を務めた作品。日本での興行収入は40億円を超え、今なお多くの人から愛される作品となった。「変型するロボット」がテーマとなっており、現実世界でもおもちゃとしてロボットが販売されている。
カタールのアメリカ空軍前線基地が何者かに攻撃された。兵士達は対処しようとするが、ヘリコプターが「トランスフォーム(変形)」して攻撃を仕掛けてきた。時を同じくして、サムという名の青年の周りでも、奇妙な出来事が起こっていた。サムは中古の黄色いスポーツカーを購入した。すると、その車が突然目の前で「トランスフォーム」を行ったのだ。
詳細 トランスフォーマー
アルマジロ
ヤヌス・メッツが監督を務めたドキュメンタリー×戦争映画。実際に戦地に行き、銃弾が飛び交う現場の緊迫した様子や、怪我をした兵士達の様子をカメラに収めている。本作品は「2010年カンヌ国際映画祭・批評家週間賞・グランプリ」など数々の賞を受賞しており、世間に大きな衝撃を与えた作品である。
アフガニスタン戦争の最前線「アルマジロ基地」。国際平和活動のため、デンマークから兵士が派遣されることになった。家族達は不安に苛まれながらも、旅立つ彼らを空港で見送った。これは「作られた戦争」ではなく、「現実に起こった戦争」である。激しい銃声が鳴り響き、呆然とした顔で治療を受ける兵士がいた。必死に逃げながら、攻撃を行う兵士がいた。あなたはこの映画を見て、何を感じるだろうか。
詳細 アルマジロ
ピンポン
スポーツ映画。松本大洋原作の漫画『ピンポン』を元に作られた作品で、卓球が題材になっている。映画化の他にアニメ化もされており、多くの人から支持される作品となった。窪塚洋介が主演を務めており、彼の代表作とも言える映画である。連続テレビドラマ『池袋ウエストゲートパーク』で一躍有名になった、宮藤官九郎が脚本を務めている。
片瀬高校一年のペコは「卓球でこの星の一等賞になる」という夢を持っていた。幼馴染のスマイルは、そんなペコと共に卓球部に所属していた。だが、ペコは自由気ままな性格をしており、部活に行かずに近所の卓球場でスマイル相手に遊んでいた。スマイルは真面目に卓球をする気はなかったのだが、顧問の小泉に才能を見出される。
詳細 ピンポン
映画『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』の評判・口コミ・レビュー
『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』鑑賞。ウィンブルドン5連覇がかかったボルグとそれに挑む悪童マッケンローの決勝戦を軸に彼らの半生を描く。どちらかと言うとボルグ中心だった。静と動の様に違って見えるけれど二人とも似た者同士だ。それにしてもボルグの重圧辛過ぎて可哀想なくらい…
— mimicha (@ordinarydays_tw) 2018年9月1日
「ボルグ/マッケンロー氷の男と炎の男」観賞。テニスは本当に孤独なスポーツですね。それを知っているのは、コートで闘ったふたりだけ。○○でのシーンも良かったなぁ。フォームはもちろんベンチでの汗のふき方までそっくり。スベリルの目の演技が素晴らしかった「蜘蛛の巣を払う女」も楽しみです。 pic.twitter.com/eTieVcqq8J
— りくやま@入浴担当 (@rikuyamajack) 2018年9月1日
『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』観てきました。接戦とはこれのことか!と言わんばかりの接戦シーンが圧巻の迫力で素晴らしかったです!ボルグはマッケンローに、純粋にテニスへ打ち込めていた頃の自分を見出したように見えました。さあ、俺を倒せ!みたいな目付きが印象的でした。
— NodaY (@dudenoda) 2018年9月1日
『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』良かった。ウインブルドン五冠を目指すボルグの前に立ちはだかるマッケンローとの決勝戦の死闘。エースをねらえ!のお蝶夫人や、ガラスの仮面の亜弓さん主体のエピソードが好きなら見るべし。試合の再現よりも内面に重点を置き、絶対王者の孤独と重圧を描く。 pic.twitter.com/n3J6JzVbcm
— 丙ウマ・サーマン (@hinoeumathurman) 2018年9月1日
「ボルグ/マッケンロー氷の男と炎の男」@TOHOシネマズ日比谷。緊張感と白熱に満ちた伝説の名勝負の再現。ストイシズムに貫かれた演出が功を奏した展開。ジンワリと熱いものが勝手に込み上げて来るラスト。「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」には及ばないけど、これもマストだね。いやぁ、シビれたわ。 pic.twitter.com/KSCtQylHgw
— ウエダダダ (@bura_talby) 2018年9月1日
『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』鑑賞。試合中に悪態をつくマッケンロー役を私生活でも悪態つきまくりのシャイアが演じているのに苦笑。聴衆は王者よりも挑戦者を応援しがちかと思うが、王者ボルグの連覇をかけた圧倒的プレッシャーとの苦闘が胸を打つ。ステランパパ出演。字幕アンゼたかし。 pic.twitter.com/Ca9fpWjwul
— Hatsue Tsuda 👭💬 (@ha2_a) 2018年9月1日
映画『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』のまとめ
「氷の男」と呼ばれるビヨン・ボルグの苦悩する日々は衝撃を受けると思う。プロとして活躍している人が、これほど苦しむのかと悲しい気持ちになった。それでも、ボルグがそんな恐怖や苦悩に立ち向かい、コートに向かって行く様はカッコいいと思う。人々がスポーツに魅せられる気持ちが分かったような気がする。スベリル・グドナソンとシャイア・ラブーフの素晴らしい演技に注目しながら、ボルグとマッケンローの人生を賭けた戦いを目に焼きつけて欲しい。
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