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映画『バグダッド・スキャンダル』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

2000年代初頭、日本からはるか遠く離れた中東の地、イラクで戦争は行われている。その戦争直前に起きた、国連史上最悪のスキャンダル事件。「石油・食糧交換プログラム」が始動し、多くの市民が救われるはずだった計画の裏で、巨額の金が行方をくらます。国連の裏側を暴く衝撃のポリティカル・サスペンスムービー。

映画『バグダッド・スキャンダル』の作品情報

バグダッド・スキャンダル

タイトル
バグダッド・スキャンダル
原題
Backstabbing for Beginners
製作年
2018年
日本公開日
2018年11月3日(土)
上映時間
106分
ジャンル
サスペンス
監督
ペール・フライ
脚本
ダニエル・パイン
ペール・フライ
製作
ラース・クヌードセン
ダニエル・ベーカーマン
製作総指揮
ヤコブ・ヨルゲンセン
ジェームズ・ギブ
パトリック・ロイ
マーク・スローン
テオ・ジェームズ
ベン・キングズレー
ダニエル・パイン
ロバート・オグデン・バーナム
イーサン・ラザー
ピート・エイブラハムズ
キャスト
テオ・ジェームズ
ベン・キングズレー
ベルシム・ビルギン
ジャクリーン・ビセット
ロッシフ・サザーランド
レイチェル・ウィルソン
製作国
デンマーク
カナダ
アメリカ合衆国
配給
アンプラグド

映画『バグダッド・スキャンダル』の作品概要

国連がイラクの石油を独自に管理し、その販売利益で市民のための食料を買い、提供する「オイル・フォー・フード(石油・食糧交換プログラム)」。しかし、夢のような人道救済計画の内部には、最悪のスキャンダルが眠っていた。元国連職員マイケル・スーサン著「Backstabbing for Beginners」原作、『アンダーワールド』などで活躍する若手スターテオ・ジェームズが主人公マイケルを演じ、アカデミー賞常連の名俳優ベン・キングズレーらが脇を固める。

映画『バグダッド・スキャンダル』の予告動画

映画『バグダッド・スキャンダル』の登場人物(キャスト)

マイケル・サリヴァン(テオ・ジェームズ)
24歳、アメリカ人。国連事務次長の特別補佐官として任命され、「オイル・フォー・フードプロジェクト」を担当する。
クリスティーナ・デュプレ(ジャクリーン・ビセット)
国連の女性所長。厳しい言葉が多く、強気な女性。スキャンダルに対して多くの情報を持つ。
コスタ・パサリス(ベン・キングズレー)
国連の事務次長。マイケルを特別補佐官として採用した、上司にあたる人物。
ナシーム・フセイニ(ベルシム・ビルギン)
フセイン政権下で追われている、クルド人の女性。マイケルがスキャンダルについて調べていくうちに知り合い、恋に落ちる。

映画『バグダッド・スキャンダル』のあらすじ(ネタバレなし)

1996年、フセイン政権下に置かれ、経済制裁の影響を受け貧困にあえぐイラク市民のために立ち上げた“オイル・フォー・フードプロジェクト”。国連がイラクの石油を管理・販売し、利益を少量に変換する人道支援計画。

24歳になるアメリカ人青年マイケルは、外交官であった父親の志を受け、自身もその後を継ぐ決意をする。そして、ついに国連の事務次長特別補佐官としての職を得る。マイケルが担当するのは、国連が行っている“オイル・フォー・フードプロジェクト”。

志高く、仕事をこなすマイケルはある日、CIAに話しかけられ“オイル・フォー・フードプロジェクト”の隠された秘密について知るところとなる。人道的で名誉ある仕事だと思っていたが、その秘密を調べていくうちに多くの闇を覗くことになる。

マイケルが知ってしまったプロジェクトの闇、国連の思惑、イラクの大統領フセインの存在が交錯し、マイケルは更なる事実を目の当たりにする。

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映画『バグダッド・スキャンダル』のネタバレあらすじ結末と感想
映画『バグダッド・スキャンダル』のネタバレあらすじと感想。ストーリーを結末まで起承転結で分かりやすく簡単に解説しています。映画ライターや読者による映画感想も数多く掲載。

映画『バグダッド・スキャンダル』の感想・評価

巨額の金の行方を追え!

200億ドルともいわれている、巨額の金の行方。石油販売で儲けた金で、私腹を肥やしている関係者たち。彼らの掲げる「人道的」とは一体何なのか、とても滑稽で失笑である。現在も国連は真実を語ろうとせず、調査協力を拒否しているため、真相は文字通り闇の中。

世界平和を目指し、世界が一丸となることを理想としているのに、貧しくて薬も買えず苦しむ子供たちを尻目に、高い装飾品を買い、高い食材を食べ、巨万の富を得ている人たち。それが自分の力で稼いだお金だったなら、どれだけ素晴らしいことだろうか。

若干24歳と言う年齢で、父親の遺した無念と正義漢だけで悪を暴く姿は、見ていてとても爽快である。現実では、上層部の口車に乗せられ、抱き込まれて終わりである立場にも拘らず、危険を冒し、自らの正義に従うマイケル。その方は、勇敢で素晴らしくカッコ良い。

ルックスも、心意気も素晴らしいマイケルに、私腹を肥やす悪の断罪を願うばかりである。

アカデミー賞常連俳優・ベン・キングズレーの貫禄

『バグダッド・スキャンダル』の劇場予告動画を見たらお分かりいただけるだろうが、今作におけるベン・キングズレーの存在感は、並々ならぬ迫力を醸し出している。アカデミー賞常連俳優なだけあり、国連事務次長を完ぺきにこなしている。

そして、自身がスキャンダルに関与しているにもかかわらず、貧困に苦しんでいる子供たちやその親を目の前に、涙する姿は、知らなければ騙されてしまう程の名演技。ベン・キングズレー演じるパサリスとマイケルが真実を知り対峙するシーンは、まさに見ごたえ抜群である。

真実を知りながら、相反する考え方と立場の2人が面と向かって対峙するとき、この物語で監督や脚本が一番伝えたい思いがぶつかるのではないだろうか。ベン・キングズレーのポーカーフェイスを前に、平常を保っていられるマイケルは、若いが素晴らしい人物だと感服せざるを得ない。

どんな状況下でも芽生える、恋

国連が抱える秘密を知ってしまったマイケルは、CIAに協力できないと言いながらも、事実を追求し始める。そこで出会う、フセイン政権下に追われている謎の女性、ナシーム。美しく魅力的な女性が登場したことで、この映画は更に面白くまた逆にありきたりにも成り得る。

主人公のマイケルがなまじイケメンなだけに、彼が国連のスキャンダルを暴くだけのストーリーなら確かにどこか物足りなさを感じるだろう。そこに登場する謎の多い美女の存在は、映画を盛り上げてくれる大切な要素。

だが、単純なラブストーリーになってしまっては、先にも言った通りありきたりな映画になってしまう。あくまでも、国連の史上最悪のスキャンダルがメインでありながら、そのストーリーを邪魔しないマイケルとナシームの関係を期待したい。

映画『バグダッド・スキャンダル』の公開前に見ておきたい映画

映画『バグダッド・スキャンダル』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『バグダッド・スキャンダル』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

ストックホルムでワルツを

スウェーデン出身の監督、ペール・フライが手掛けた2013年公開のジャズシンガー、モニカ・ゼタールンドのドラマ映画。世界的なジャズシンガーであるモニカの半生を描き、950万人の国民のうちの50万人を動員したとされる、記録的なヒット映画。

フライ監督はこの映画で、スウェーデンの映画興行成績1位を獲得し、更にスウェーデンでのアカデミー賞にあたるゴールデン・ビートル賞で11部門ノミネートのうち、4部門を受賞する快挙を成し遂げる。

日本でも翌年2014年に公開され、多くのファンを魅了した映画となる。シングルマザーとして、幼い子供を育てながらも自身の夢を諦めない強い女性モニカ。彼女の姿は、多くの女性に夢と希望を与えてくれた。

諦めなければ、夢は叶う。そんなおとぎ話で出てくる夢物語ではなく、自分の手で諦めず努力を重ねた結果、スウェーデン語によるジャズが登場し、その歌声に世界中の人々が称賛を送る。

詳細 ストックホルムでワルツを

ダイバージェント

マイケルを演じるテオ・ジェームズが、シリーズ3部作の全てに出演している『ダイバージェント』シリーズ。この映画は、ヴェロニカ・ロス原作のヤングアダルト小説『ダイバージェント 異端者』を原作に製作された映画である。

テオ・ジェームズは、主人公の恋人役を演じ、その存在感を見せつけ若手俳優としての地位を確立させた。2014年・2015年2016年と立て続けに製作・上映されたダイバージェントは、文明社会が滅んだあとのシカゴを舞台に、均衡を保っている5つの派閥とその狭間で抑圧されながら暮らす「異端者」たちの物語。

主人公の女性を支え、一緒に戦ってくれる存在であるテオ・ジェームズ演じるフォーの存在は大きく、物語の重要な役どころである。ファイナルである3部の前編まで公開されている現在、2017年に3部の後編が上映される予定だったが、その予定は推している状況。

テオ・ジェームズの冴え渡る演技で、完結を迎える物語の公開がこれから楽しみである。

詳細 ダイバージェント

ガンジー

数ある歴史映画の代表作ともいえる、1982年公開のイギリス・インドの合同製作映画、『ガンジー』。インド人の血を引くイギリス人俳優ベン・キングズレーが、主人公マハトマ・ガンジーを演じる。

この映画でベン・キングズレーは、ガンジーの見た目だけでなく所作や言葉遣いに至るまで模倣し、アカデミー主演男優賞や多くの映画賞を受賞する。

物語は、1893年のアフリカ。当時、青年弁護士であったガンジーは、有色人種であるがゆえに差別の対象とされ乗っていた列車から放り出される。白人による有色人種の差別に怒りを覚え、不当差別に対して抗議を行い、やがてその運動は人種や宗教を超えて広まっていく。

年齢を超え、職業を超え、国を超え、人種を超えて、差別のない豊かで平和な日常のために自らを律し、人々にその姿を見せつけたガンジー。彼の壮絶な生き様は、多くの人に感動を与え、気付きを与える。ストーリーや画面を超えて、ベン・キングズレーの役に対しての熱い思いが、見ている人の心に深く突き刺さる映画である。

詳細 ガンジー

映画『バグダッド・スキャンダル』の評判・口コミ・レビュー

映画『バグダッド・スキャンダル』のまとめ

数百億のスキャンダルは、一度にその金額の横領や汚職が行われるわけではなく、最初は「ちょっとくらい」という軽い気持ちで始まるものである。ましてや、“オイル・フォー・フードプロジェクト”に投じられた予算は、およそ7兆1,000億円にも及ぶ巨額なもの。もはや1,000円や10,000円の数字が合わないことなど、気にもされない金額である。だが、悪いことは絶対にバレるようにできており、いつかその謎の全貌が解明されることを願うばかりである。

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