土佐勤王党の盟主であり投獄の身であった武市半平太は、なぜか平成の日本で目を覚ます。着物にちょんまげ姿の半平太はとても浮いており、警官からも職務質問を受ける。困っている半平太を助けたのは、学習塾を経営する佐伯だった。
映画『サムライせんせい』の作品情報
- タイトル
- サムライせんせい
- 原題
- なし
- 製作年
- 2017年
- 日本公開日
- 2018年11月16日(金)
- 上映時間
- 93分
- ジャンル
- SF
コメディ
ヒューマンドラマ - 監督
- 渡辺一志
- 脚本
- 渡辺一志
- 製作
- 不明
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 市原隼人
忍成修吾
押田岳
武イリヤ
螢雪次朗
永澤俊矢
松川尚瑠輝
西村雄正 - 製作国
- 日本
- 配給
- スタジオウェイブ
映画『サムライせんせい』の作品概要
本作品は黒江S介原作の漫画を元に作られており、幕末150周年を記念して制作された映画である。2015年にはジャニーズのアイドルグループ・関ジャニ∞に所属する錦戸亮が主演を務め、テレビ朝日系列で連続ドラマとして放送されていた。本作品では錦戸の役を市原隼人が務めており、ドラマ版とは少し異なるストーリーになっている。NHK大河ドラマ『龍馬伝』のエンディングを務めた「いちむじん」がテーマ曲を、高知県出身の「北山淳貴」が主題歌を担当している。
映画『サムライせんせい』の予告動画
映画『サムライせんせい』の登場人物(キャスト)
- 武市半平太(市原隼人)
- 幕末の世界に生きていた武士。土佐勤王党の盟主であり、投獄の身であった。現代の日本にタイムスリップする。真面目で融通が利かないところもあるが、優しい性格。
- 楢崎梅太郎 / 坂本竜馬(忍成修吾)
- 武市半平太の遠縁で同志でもあった。現代の日本にタイムスリップしており、楢崎梅太郎という名でジャーナリストとして活動している。
- 佐伯(橋爪功)
- 学習塾を経営している。困っていた武市半平太を助け、家に住まわせる。
映画『サムライせんせい』のあらすじ(ネタバレなし)
武市半平太は幕末の世界で武士として生きていた。彼は土佐勤王党の盟主であり、投獄の身であった。だがある日、目を覚ますと、全く知らない場所に来ていた。そこは、平成の日本だった。半平太は見慣れない街並みや乗り物に戸惑った。そして、薄汚い恰好をしていた半平太は、警官から職務質問を受けてしまう。
半平太が困っていると、学習塾を経営している佐伯に助けられる。佐伯は半平太を家に泊まらせ、「先生」として子供達に勉強を教えるのを手伝わせた。半平太は着物を着ることとちょんまげを止めなかったため、周囲から不審な目で見られる。だが、真面目で優しい性格が周囲に知れ渡り、次第に受け入れられるようになっていった。
ある日、半平太の元にジャーナリストを名乗る楢崎梅太郎が訪ねてくる。彼は幕末時代の半平太の知り合いである坂本竜馬だった。
映画『サムライせんせい』の感想・評価
幕末150周年記念に制作された作品
本作品は黒江S介原作の漫画『サムライせんせい』を元に作られており、幕末150周年記念して制作された映画である。漫画は2018年3月時点で、リブレ出版から5巻まで発売されている。2018年10月現在、pixivコミックの『クロフネZERO』にて連載が続いている。
2015年にはジャニーズのアイドルグループ・関ジャニ∞に所属する錦戸亮が主演を務め、テレビ朝日系列で連続ドラマとして放送されていた。漫画版とドラマ版では、物語の冒頭が異なるなどストーリーや登場人物に違いがある。本作品ではその錦戸の役を、市原隼人が務めている。映画版もドラマ版とは異なるオリジナルストーリーが展開される予定なので、ドラマを見たことがある人も新たな気持ちで楽しめるようになっている。
土佐勤王党の武市半平太
本名・武市瑞山、通称名・半平太は土佐勤王党の盟主で優れた剣術家であった。土佐勤王党は土佐藩の中で、尊王攘夷を掲げて集まった者達で結成された。(尊王攘夷とは尊王を尊び、外国を排除しようとする思想のことである)。半平太は同志と共に尊皇攘夷運動を行っていたが、八月十八日の政変(会津藩と開国派の薩摩藩によって、長州藩のクーデターが阻止された)によって尊攘派が衰退することになる。
勤王党は弾圧され、半平太達土佐勤王党の幹部は逮捕されることになる。半平太は取り調べを受けても、同志や自分達が行った暗殺事件のことは明かさなかった。しかし、半平太の愛弟子である岡田以蔵が取り調べに耐えられずにしゃべってしまい、土佐勤王党の同志が数多く逮捕されることになった。
SF×コメディ×現代社会の問題の融合作
主人公の武市半平太は幕末の時代から現代の世にタイムスリップしてくる武士である。幕末の時代では、半平太はキリッとしていてカッコよく、切腹しようとするシーンでは神々しささえ感じられる。しかし、現代の世にやってくると、半平太は大いに戸惑うことになる。見たこともない車に轢かれそうになって怒り、子供達に見守られながらゲームをする姿は可愛らしささえ感じる。
この作品はただおもしろいだけではなく、格差問題など現代社会の問題にもスポットが当てられている。半平太のように昔の時代からタイムスリップしてきた者が主人公だからこそ、現代の問題がより明白に感じられるのだと思う。ストーリーの楽しさを感じながらも、自分ならどう感じるのか、これからの日本はどうなっていくのか、ふと考えるきっかけになる作品だと思う。
映画『サムライせんせい』の公開前に見ておきたい映画
偶然にも最悪な少年
市原隼人主演映画。市原は主人公のカネシロヒデノリを演じ、「日本アカデミー賞・新人俳優賞」を受賞している。グ・スーヨン原作の小説『偶然にも最悪な少年』を元に作られている。グ・スーヨンは本作品の監督も担当している。ヒロイン役で、歌手の中島美嘉が出演している。中島にとってこの作品が初映画出演作となった。
在日韓国人のカネシロヒデノリは、苛められる日々を送っていた。ある日、姉のナナコが自殺した。ヒデノリは特にやることもなかったため、ナナコの死体と共に「シアワセ」を探しに出かけることにした。そんな彼に強迫性障害を持つ女子高生・佐々木由美と、渋谷のチーマーであるタローがついて行くことになった。彼らは服を盗んだりカツアゲを企んだり、様々な問題を起こしながら韓国を目指した。
詳細 偶然にも最悪な少年
新選組オブ・ザ・デッド
渡辺一志監督の代表作。ジャンルは時代劇×ホラー×コメディ。渡辺は本作品で監督・脚本・原案を担当しており、坂本龍馬役で出演もしている。主演を務めたのは、お笑い芸人・バナナマンの日村勇紀である。ヒロインは女優の山本千尋。山本は女優になる前、武術太極拳選手として活躍していた。主題歌はサンボマスターの『生きて生きて』。
幕末。屑山下衆太郎は新撰組の名を語り、好き勝手に行動する「クズ男」であった。そんな屑山が、偶然出会ったゾンビに噛まれてしまう。新撰組は突如京の町に現れたゾンビを捕縛し、屑山を救った。しかし、屑山は既に「死人状態」で、徐々にゾンビ化していった。一方で、新撰組に捕まったゾンビを取り戻そうと画策する者がいた。
詳細 新選組オブ・ザ・デッド
バック・トゥ・ザ・フューチャー
SF×コメディ作品。SF映画の中でも特に人気が高い作品で、ファンからの熱い要望で続編が制作された。1989年に続編の『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』、1990年に『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』が公開されている。主人公を演じたのはマイケル・J・フォックス。マイケルはこの作品で世界中に名前が知られるようになった。
1985年、エメット・ブラウン博士(通称ドク)は科学者で、友人のマーティ・マクフライに手伝ってもらいながら乗用車を改造してタイムマシンを開発していた。だが、タイムマシンの燃料を調達するためにリビアの過激派を騙してしまい、報復として襲われてしまう。マーティは彼らから逃げるためにタイムマシンに乗り込むが、誤ってスイッチを押してしまい1955年にタイムスリップしてしまう。
映画『サムライせんせい』の評判・口コミ・レビュー
映画版サムライせんせい観てきた。とっっっっても良かった!原作を拾いつつも映画版としてすごく綺麗に決着がついてて帰りの電車数駅分ずっと涙と鼻水止まらなくて不審者極まりなかった。。。良いシーンたくさんあったけど、とにかく終わり方が本当に好き。明日また観に行きます😭
— な (@nat222mg) 2018年11月16日
夜は「映画サムライせんせい」舞台挨拶行ってきました😀ちょっと泣いた😢高知愛溢れる良い映画でした。市原隼人の男気が凄かった(°_°)翔太との絡みは嬉しくてニヤニヤしてしまうね(笑)手紙を書こう😏😏😏 pic.twitter.com/wNO5CQYzPg
— RISA (@risa__1341) 2018年11月16日
劇場版サムライせんせい、
良かった!!
原作の雰囲気を壊さない様に気をつけて作ってるのがよく分かる良作だった!
オリジナル要素はそれなりにあるけれど、全く鼻に付かず漫画原作の実写映画ではアタリの部類じゃ無いかな?
うん、観に来て良かった!#サムライせんせい— 鳳飛鳥 @小説家になろう 連載中 (@asukaohotori) 2018年11月16日
映画「サムライせんせい」、ちょっと前に予告を見て気になってたんですが、見始めるまで原作が存在することも知らなかったわけでございます。多少ツッコミどころはあれど、偉人タイムスリップものあるあるを抑えていて原作を読みたくなってしまいました、まる。
— Z-DOM(非実在淫獣) (@Z_DOM) 2018年11月16日
映画『サムライせんせい』のまとめ
幕末の時代の描写はピンと張りつめた雰囲気があり、怖さも感じられる。だからこそ、現代の日本にタイムスリップしてきた武市半平太が、車や自動ドアを見て大声を出して怒り戸惑っている様子は微笑ましく感じられる。激動の時代と言ってもいい幕末にいた半平太が、現代の日本を見てどう感じるのか興味が引かれる内容になっている。そんな主人公をさり気なく助ける周囲の優しさも、素敵だなと感じられる作品である。
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