1970年台に実在した連続殺人鬼で、『シリアルキラー』という言葉の語源ともなったと言われる伝説の人物、テッド・バンディ。そんな彼の一連の事件を忠実に再現した衝撃の一作。
映画『テッド・バンディ』の作品情報
- タイトル
- テッド・バンディ
- 原題
- Extremely Wicked,Shockingly Evil and Vile
- 製作年
- 2019年
- 日本公開日
- 2019年12月20日(金)
- 上映時間
- 109分
- ジャンル
- サスペンス
- 監督
- ジョー・バーリンジャー
- 脚本
- マイケル・ワーウィー
- 製作
- マイケル・コスティガン
ニコラス・シャルティエ
ジョー・バーリンジャー
アラ・ケシシアン
マイケル・シムキン - 製作総指揮
- ザック・エフロン
マイケル・ワーウィー
ジョナサン・デクター
ジェイソン・バレット - キャスト
- ザック・エフロン
リリー・コリンズ
カヤ・スコデラーリオ
ジェフリー・ドノバン
アンジェラ・サラフィアン
ディラン・ベイカー
ブライアン・ジェラティ
ハーレイ・ジョエル・オスメント - 製作国
- アメリカ
- 配給
- ファントム・フィルム
映画『テッド・バンディ』の作品概要
テッド・バンディという名に聞き覚えはあるだろうか。事件発生から50年が経過した今、聞き馴染みがないという人も増えてきたかもしれない。しかし、彼は間違いなく人類史に名を残す、最低最悪の犯罪者の一人なのだ。分かっているだけで30人、推定ではそれよりも遥かに多くを殺したとされるテッドは、今も尚使われている『シリアルキラー』という言葉の語源となった人物。犯罪者でありながら、そのルックスやIQ160の高い知能で多くのファンを獲得した、悪のカリスマの実態に迫る。
映画『テッド・バンディ』の予告動画
映画『テッド・バンディ』の登場人物(キャスト)
- テッド・バンディ(ザック・エフロン)
- 整った顔立ちをした男性。その魅力を活かし、多くの女性を誘拐し殺した連続殺人鬼。『シリアルキラー』の語源となった人物。
- エリザベス・ケンドール(リリー・コリンズ)
- シングルマザーとして娘を育てていたが、テッドと再婚する。テッドの無罪を、いつまでも信じ続けた。
映画『テッド・バンディ』のあらすじ(ネタバレなし)
1969年のワシントン州、大都会シアトルでのこと。シングルマザーとして日々をなんとか暮らしていたリズは、バーでとある男性と出会う。その男の名前は、テッド・バンディ。打ち解けた二人は、リズの娘であるモリーを含めた三人で幸せな日々を送ることとなる。しかし、テディには裏の顔があった。ある日、テディは信号無視をしたために警官に止められる。そして、その時にテディが誘拐犯であることが判明し逮捕されてしまったのだ。必死に無罪を訴えるテディを信じることにしたリズ。しかし、テディの抱える闇はなりを潜めることはなかった。脱獄したテディだが、連続殺人事件の容疑者として再び裁判にかけられることとなる。テディが起こした事件と、彼を信じ続けたリズの真実の物語。
映画『テッド・バンディ』の感想・評価
シリアルキラーの語源
『シリアルキラー』という言葉を聞いたことはないだろうか。長期間、何人もの人を殺した連続殺人鬼を指す言葉であり、凄惨な事件が生じた際など、犯人に向けてニュースなどで使用されていることがある。そして、その言葉の語源となったのが、本作の主人公、テッド・バンディなのである。これまで数多くの殺人鬼が存在したが、後世にまで言葉が残ると言うことは彼がその中でも特に異常な人物だったことを表している。その整った顔立ちを利用し、数多くの女性を手にかけてきた伝説の殺人鬼。事件は、いつ自分の身の回りで起きても不思議ではない。実際にこのようなおぞましい事件が起き、犠牲になっていた女性達がいたということを噛み締めながら、目を逸らさずに見届けよう。
ザック・エフロンの新境地
ザック・エフロンという俳優の名前を聞いて、一体どういったイメージを抱くだろうか。『ハイスクール・ミュージカル』から知っている人ならば歌が上手い、女性に人気が出そうなイケメン。近年の彼を知っている人ならばアクションもこなす筋肉俳優といった印象ではないだろうか。間違っても、連続殺人鬼を演じるようなタイプではなかったのだ。つまり、この役は彼にとっては間違いなく初めて挑戦する、新境地なのである。頭も良くルックスに恵まれ、しかし、何十人も殺した連続殺人鬼という難しい役柄。果たして、この役をキッカケにザック・エフロンは俳優としての幅を広げることができるのか。ザック本人のやる気も十分な、様々な意味で注目の一作。
なぜリズはテディに心酔したのか
テッド・バンディは、明らかになっているだけで30人もの命を奪った殺人鬼。そのターゲットは主に女性であり、間違いなく女性の敵と呼ぶに相応しい人物である。しかし、そんな彼には、彼の犯罪が明らかになった後も刑務所に一日複数枚のファンレターが届いていたという。また、本作の主人公の一人であり、テッドの長年の恋人であったリズも、彼の無罪を妄信的に信じ、彼を愛し続けたという。一体、テッドのどこに女性達にそこまでさせる魅力があったのか。その甘いマスクか、弁護士となり自分の弁護を自分で担当してしまうほどの頭脳か。本作を見れば、その疑問を少しでも解消できるのかもしれない。むしろ、自分も彼女達のようにテッドに心酔しないように注意しよう。
映画『テッド・バンディ』の公開前に見ておきたい映画
グレイテスト・ショーマン
ザック・エフロンと言えば、『ハイスクール・ミュージカル』で一躍有名になった俳優。ミュージカル物だけあって、出演者の歌唱力は言うまでもなく高い。そんなキャストの中で、主演を張っていたのがこのザック・エフロンなのである。そんな彼が、『ハイスクール・ミュージカル』から10年以上の時を経て再びミュージカル映画に出演することが発表された。それが本作。19世紀に実際に存在したP.T.バーナムの一生を描いた物語であり、非常に高い評価を受けた作品。ザック・エフロンが演じるのは、P.T.バーナムの相棒となる劇作家、フィリップ・カーライル。彼のソロは勿論のこと、フィリップと恋人関係になるアンを演じるゼンデイヤとのレベルの高いデュエット、ダンスも必見。
詳細 グレイテスト・ショーマン
サイコ
数多くの名作をこの世に残した今は亡き名監督、アルフレッド・ヒッチコック。そんなヒッチコック監督作品の中でも本作、『サイコ』はトップレベルの知名度を誇る。その後、関連作として『サイコ2』や『ヒッチコック』などが制作された。本作はロバート・ブロックが執筆した小説が題材となっており、テーマはエド・ゲインの犯罪。即ち、最新作と同様、実在した連続殺人鬼をテーマにしているのだ。エド・ゲインとは、20世紀を代表する殺人鬼の一人として数えられるほどに有名な人物。映画の内容とは、大概がドラマチック且つ衝撃的なもの。そのため、サスペンスやホラージャンルにおいては、連続殺人などはテーマになりやすい傾向がある。しかし、本作の犯罪内容はあまりにも残虐なため、見る際には覚悟を決めて望もう。
詳細 サイコ
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
全ての犯罪者に学がない訳でも、全ての犯罪者が人々から嫌われているわけでもない。最新作の主人公はIQ160のまさしく天才であるし、獄中にいても尚、一日に複数枚のファンレターが届くという”人気者”でもあった。犯罪者の中でも、独特の思想や犯罪手法、その他様々な魅力から、カリスマ的人気を誇る人物もいるのである。本作の主人公、フランク・W・アバグネイルもそういったタイプの人物だ。パイロット、弁護士、医師など様々な職を偽り詐欺事件を起こした実在の犯罪者。しかし、実際に弁護士資格を取得するほどに頭が良く、常に女性が取り巻きでいたほどの人気を誇った。そして、彼は現在セキュリティ・コンサルタントとして大成功を収めているという、なんとも壮絶な人生を送っている。そんな彼の一生を追った、映画としてもクオリティの高い作品。
映画『テッド・バンディ』の評判・口コミ・レビュー
『テッド・バンディ』映画館にて208本目。
恐怖のシリアルキラー、テッド・バンディが裁かれる模様を追う実録ドラマ。彼の猟奇性を映し出したサスペンスを期待すると肩透かしを食らうが、心理面から抉る彼の本当の怖さが知れる怪作。少年ではなくなったオスメントにも要注目。 #EDDIE映画2019 pic.twitter.com/MHVe5DJnFF— EDDIE@Kings11-14#foreverpurple (@eddie2yuji) 2019年12月21日
#テッドバンディ
原題が「極めて邪悪、衝撃的に凶悪で卑劣」という、裁判長が被告人に死刑を言い渡す際に述べた一節だが、この重みをずっしりと感じさせられた。冤罪なんじゃないがと思うほどの、シリアルキラーとは思えない、#ザックエフロン の怪演に感嘆。マルコヴィッチが仕切る裁判シーンも圧巻70 pic.twitter.com/mtnm5m2NnK— babooi(映画/ドラマ) (@babooimovie) 2019年12月20日
『テッド・バンディ』鑑賞
【人間性の無駄遣い】
30人以上殺した頭脳明晰で容姿端麗なシリアルキラーの実話
《狂気と魅力は表裏一体》
惨殺者に虜になってしまった女性の
面会シーンは心苦しかったザック・エフロンの色気と実在感ある怪演には
本当は無実?と半信半疑になった#テッド・バンディ pic.twitter.com/wjeX8TyKtk— ken (@ken70121871) 2019年12月20日
『テッド・バンディ』を劇場で観る。客は60人、女性多め。
殺人鬼とその婚約者の裁判闘争を描く…
大抵の殺人鬼は孤独で惨めで頭が悪く、実際には魅力に乏しい人物像というのが大半だがバンディは正反対。裁判では持ち前の知性と度胸でスターのように振る舞い決して罪を認めない姿は清々しい。面白い。 pic.twitter.com/NFamwMzcYB— ブッシュマン (@zonbi5bloodbath) 2019年12月20日
2019年227本目「テッドバンディ」鑑賞
女性の満たされない欲望の隙間に入り込むのがうまい美形殺人鬼…吠える犬、荒々しいセックスと邪悪が見える部分がいくつも出てくるがやはり最後のあれは…あの文字は鳥肌たったわ…この映画の全ての邪悪がつまっためちゃくちゃ怖いシーン…大傑作…— 空翔ぶギロチン (@moviekoala) 2019年12月20日
映画『テッド・バンディ』のまとめ
本作の原題は、『Extremely Wicked,Shockingly Evil and Vile』。日本語で、『極めて邪悪、衝撃的に凶悪で卑劣』を意味する言葉である。実はこの言葉は、テッドに死刑を宣告した裁判において、裁判長が彼に投げかけた実際の言葉なのである。数多くの事件を取り扱ってきた裁判のプロにまで、これほどまでのことを言わせるほど、この事件が如何に残虐であったことが読み取れる。テッドの起こしたレベルではないにしろ、連続殺人事件は現代社会においても時折起こっている。決して他人事だとは考えずに、本作を観て自衛の必要性を改めて実感しよう。
みんなの感想・レビュー