CM監督のトビーはスペインの田舎町でコマーシャルの制作を行っていたが、上手くいっていなかった。そんな時、学生時代に監督を務めた作品のDVDを偶然にも手にする。トビーは作品の舞台として利用した村に足を運ぶことにした。
映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』の作品情報
- タイトル
- テリー・ギリアムのドン・キホーテ
- 原題
- The Man Who Killed Don Quixote
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2020年1月24日(金)
- 上映時間
- 133分
- ジャンル
- コメディ
アドベンチャー - 監督
- テリー・ギリアム
- 脚本
- テリー・ギリアム
トニー・グリゾーニ - 製作
- マリエラ・ベスイェフシ
ヘラルド・エレーロ
エイミー・ギリアム
グレゴワール・メラン
セバスチャン・デロワ - 製作総指揮
- ジェレミー・トーマス
ピーター・ワトソン
ハビエル・ロペス・ブランコ - キャスト
- アダム・ドライバー
ジョナサン・プライス
ステラン・スカルスガルド
オルガ・キュリレンコ
ジョアナ・リベイロ
オスカル・ハエナダ
ジェイソン・ワトキンス
セルジ・ロペス - 製作国
- スペイン・ベルギー・フランス・イギリス・ポルトガル合作
- 配給
- ショウゲート
映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』の作品概要
構想30年、企画の頓挫9回。様々な困難を乗り越えて完成された冒険コメディ映画。映画『Dr.パルナサスの鏡』(09)を手がけたことで有名な鬼才テリー・ギリアムが監督を務めている。イギリス出身の実力派俳優であるジョナサン・プライスが自分のことをドン・キホーテだと思い込んでいる老人・ハビエルを演じ、『スター・ウォーズ』シリーズのカイロ・レン役で世界中に名を広めたアダム・ドライバーが若手のCM監督・トビーを演じている。
映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』の予告動画
映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』の登場人物(キャスト)
- トビー(アダム・ドライバー)
- CM監督。学生時代に『ドン・キホーテを殺した男』という作品の監督を務め、賞を受賞している。
- ハビエル(ジョナサン・プライス)
- 『ドン・キホーテを殺した男』の作品で、ドン・キホーテを演じた。本当は靴職人だが、自分のことをドン・キホーテだと思い込んでいる。
映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』のあらすじ(ネタバレなし)
CM監督のトビーはスペインの田舎町でコマーシャルの制作を行っていたが、上手くいっていなかった。上司であるボスはインスピレーションを与えるため、『ドン・キホーテを殺した男』という古いDVDを販売している男を連れてきた。そのDVDは偶然にも、トビーが学生時代に監督を務めた作品だった。
トビーはボスの妻であるジャッキと一緒にDVDを観賞した。その時、2人は良い雰囲気になるが、ボスが部屋に帰って来てしまう。トビーは慌てて部屋から逃げ出した。トビーは『ドン・キホーテを殺した男』の舞台として利用した村に足を運んでみることにした。
トビーは村で、ドン・キホーテを演じた靴屋の老人・ハビエルと再会する。ハビエルは映画の影響を受けて、自らを本物のドン・キホーテだと信じ込んでいた。ハビエルはトビーを見て従者のサンチョだと思い込み、旅へと連れ出した。
映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』の感想・評価
構想30年、ついに完成した作品
テリー・ギリアム監督はミゲル・デ・セルバンテス原作の小説『ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』から着想を得て、1989年に映画の制作に乗り出した。しかし、2000年に洪水によってセットや機材がダメになり、撮影が中止されることになる。さらに、トビー役を演じていたジョニー・デップのスケジュールの都合がつかなくなり、降板する事態に陥る。その他にも、資金難、役者達が次々に病に倒れるなど、企画が何度も頓挫している。
テリー・ギリアム監督は映画の完成を諦めておらず、構想30年、最初の撮影から17年の月日が流れた2017年6月に本作の撮影を完了させた。映画の完成後も順調とは言えず、権利問題が発生して世界での上映が危ぶまれることがあった。様々な危機を乗り越え、2020年1月24日に満を持して日本で公開されることになったのである。
賛否両論が巻き起こる物語
本作は「第71回カンヌ国際映画祭」のクロージング・フィルムとして上映され、アメリカやフランスなどで公開されている。欧州では絶賛の嵐で評価の高い作品だが、北米では酷評されている。
監督を務めたテリー・ギリアムは『Dr.パルナサスの鏡』(09)を手がけたことで有名な人物で、独創的な世界観と物語に定評がある。傑作か駄作か意見が分かれる作品ではあるが、他の映画にはないテリー・ギリアム監督作品ならではの幻想的な世界を楽しむことができる。
若きCM監督のトビーが、ひょんなことから自らをドン・キホーテだと信じている男・ハビエルと旅をすることになる。旅の行く末がどうなるのか、ハビエルはドン・キホーテだと思い込んだままなのか、ぜひ劇場で確認して欲しい。
人気俳優&女優が集結!
イギリス出身の俳優であるジョナサン・プライスが、ドン・キホーテと思い込んでいる靴職人・ハビエルを演じた。ジョナサン・プライスは舞台『ミス・サイゴン』で物語の重要人物・エンジニアを演じ、「1991年トニー賞・ミュージカル主演男優賞」を受賞している実力派俳優である。
『スター・ウォーズ』シリーズのカイロ・レン役で一躍有名になったアダム・ドライバーが、若手CM監督のトビーを演じた。そして、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズや『ドラゴン・タトゥーの女』(12)など数々の人気作に出演しているステラン・スカルスガルドがトビーの上司であるボスを演じ、モデルとして活躍していたオルガ・キュリレンコがボスの妻のジャッキを演じている。
映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』の公開前に見ておきたい映画
Dr.パルナサスの鏡
テリー・ギリアムの代表作。監督の他に、チャールズ・マッケオンと脚本を手がけている。主人公のトニーを演じたヒース・レジャーが撮影の期間中に急逝したため、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルがトニー役を引き継いだ。豪華なキャストが集結していることから、日本でも大きな話題を集めた作品である。
パルナサス博士は悪魔との賭けに勝利し、永遠の命を手に入れた。娘のヴァレンティナと一緒に旅の一座を率い、不思議な鏡を使った出し物をしていた。鏡の中にはどんな欲望も満たす究極のパラレルワールドが広がっていた。平穏な生活を送るパルナサス博士は、何かに怯えている様子だった。実は、娘が16歳になったとき、悪魔に差し出すという契約を交わしていた。
詳細 Dr.パルナサスの鏡
スター・ウォーズ フォースの覚醒
アダム・ドライバーの代表作で、ダース・ベイダーに代わる悪役のカイロ・レンを演じた。『スター・ウォーズ』シリーズ旧三部作のその後を描いた物語で、銀河帝国の残党であるファースト・オーダーとレジスタンスの戦いが描かれている。2017年に続編が公開され、2019年12月20日に3部作の3作目に当たる『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』の公開が決まっている。
帝国軍の残党「ファースト・オーダー」は、最後のジェダイであるルーク・スカイウォーカーの行方を捜し抹殺しようとしていた。ルークの妹のレイア・オーガナは将軍として「レジスタンス」を率い、「ファースト・オーダー」と対立していた。レイアもまたルークの行方を知らず、彼のことを探していた。
パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち
ジョナサン・プライスはポート・ロイヤルの総督であり、ヒロインのエリザベス・スワンの父でもあるウェザビー・スワンを演じた。世界中で大ヒットした『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの第1作目に当たり、全世界で約6.5億ドルを超える興行収入を得ている。主人公のジャック・スパロウを演じたジョニー・デップは、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。
総督の娘であるエリザベス・スワンは、ウィリアムという青年と思い合っていた。しかし、身分違いにより、2人は自分の思いを口にすることはなかった。ある日、エリザベスが海賊達に攫われてしまう。ウィリアムはエリザベスを救うため、海賊のジャック・スパロウと一緒に海賊船を追った。
映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』の評判・口コミ・レビュー
「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」鑑賞。待った甲斐はあった。奇天烈な物語はすなわちこの狂った企画自体の紆余屈折であり、ギリアムの自画像なのだ。自らを騎士と妄想して巨大な敵に立ち向かい、跳ね返されては立ち上がる。愚かにして果敢、その姿が何と感動的か。ギリアムファンは刮目して見よ! pic.twitter.com/VYtZ5cqAuL
— 阿乱隅氏 (@yoiinago417) 2020年1月26日
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』
遂に完成した30年越しの悲願の映画でありテリー・ギリアムが自身のこれまでを見つめ返したような視点も交え正に集大成とも言える大傑作!完成が“今”になったのも必然だったんじゃないかと思える。理解不能?いやいや他の作品に比べりゃすっげー分かりやすいよ! pic.twitter.com/FC0tB2egMT— タイマ (@taima_reborn) 2020年1月24日
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』映画館にて11本目。
30年もの時を経てベールを脱いだ鬼才ギリアム監督の意欲作。アダム・ドライバー×ジョナサン・プライスの劇薬の化学反応は相性抜群。腹から笑う場面もあったが現実と妄想の境目に脳内麻痺を感じ中盤から思考停止に陥るはめに。 #EDDIE映画2020 pic.twitter.com/G1uWMrMoUB— EDDIE@Kings16-29👑 (@eddie2yuji) 2020年1月24日
「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」みた。めっぽうおもしろい!!落ちる・こける・落ちる・ビンタ連発・落ちる・こける・落ちる・落ちるアダム“サンチョ”ドライバーが最高!彼の情けない様をみるのはどうしてこんなに楽しいんだろ。「未来世紀ブラジル」以外で初めてギリアム作品好きになったな。 pic.twitter.com/Hg0VfRZuVW
— つむじ風(操行ゼロ) (@stmt) 2020年1月25日
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』本日公開。90年代からこの映画の経緯を気にしてきたからね…やっと観れる!そして結果は素晴らしかったと思う。僕は凄く楽しんだ。アダム・ドライバーの芝居は素晴らしく”トビー”の成長と変化は魅力的だ。ジョナサンプライス他素晴らしい役者揃い…お勧めだ! pic.twitter.com/LT3WtijIe7
— Norman England ノーマン・イングランド (@normancengland) 2020年1月24日
映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』のまとめ
構想30年、企画の頓挫9回という困難を乗り越えて完成された作品のため、「呪われた企画」として映画の公開前から大きな話題を集めていた。テリー・ギリアム監督自身も完成しないのではないかと思っていたほどだったが、スタッフやキャストと一緒に力を合わせ2017年にクランクアップの日を迎えることになった。壮大な旅や物語の舞台となったスペインとポルトガルの美しい風景など、たくさんの魅力が詰まった作品に仕上がっている。
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