高校の同級生だった吉尾、鉄一、明石、ソース、大成、ネジは、友人の結婚式で再会を果たす。そして、皆で余興を披露した。彼らは二次会が始まるまでの三時間の間に、過去に思いを馳せた。
映画『くれなずめ』の作品情報
- タイトル
- くれなずめ
- 原題
- なし
- 製作年
- 2021年
- 日本公開日
- 2021年5月12日(水)
- 上映時間
- 96分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
- 監督
- 松居大悟
- 脚本
- 松居大悟
- 製作
- 森田篤
佐々木卓也
太田和宏
村上正樹
宮前泰志
和田大輔 - 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 成田凌
若葉竜也
浜野謙太
藤原季節
目次立樹
高良健吾
飯豊まりえ
内田理央 - 製作国
- 日本
- 配給
- 東京テアトル
映画『くれなずめ』の作品概要
映画『アズミ・ハルコは行方不明』(16)を手掛けたことで有名な、松居大悟監督の実体験を元に制作された舞台の劇場版作品。成田凌が主演を務めており、若葉竜也、浜野謙太、藤原季節、目次立樹、高良健吾など個性豊かなキャストが共演している。ロックバンド「ウルフルズ」が書き下ろした楽曲『ゾウはネズミ色』が主題歌に起用されている。友人の結婚式で再会した高校の同級生達が、友人の死や過去について思いを馳せる姿が描かれている。
映画『くれなずめ』の予告動画
映画『くれなずめ』の登場人物(キャスト)
- 吉尾和希(成田凌)
- 高校時代、清掃委員だった。優しくて皆から愛される人物。ネガティブな一面もある。
- 藤田欽一(高良健吾)
- 世渡り上手。劇団を主宰している。友人の結婚式の余興で、演出を担当した。
- 明石哲也(若葉竜也)
- 仕切り屋。自意識過剰な人物。乱暴な一面もある。現在は藤田欽一の下で役者として活躍している。
- 曽川拓(浜野謙太)
- 通称、ソース。お調子者。いじられキャラで、皆からからかわれることが多い。現在は結婚しており、子供もいる。
- 田島大成(藤原季節)
- 冷静沈着な人物。現在は会社員。友人の結婚式の余興で、連絡係と雑用を担当した。
- 水島勇作(目次立樹)
- 通称、ネジ。引っ込み思案な性格。吉尾と気が合っており、仲が良い。現在はネジ工場で働いている。友人の結婚式の余興で、振り付けを担当した。
映画『くれなずめ』のあらすじ(ネタバレなし)
優しくて皆から愛される吉尾、劇団を主宰している鉄一、仕切り屋の明石、お調子者のソース、年下だがしっかり者の大成、引っ込み思案のネジ。彼らは友人の結婚式で再会を果たす。
吉尾達は高校の同級生だった。彼らは場を盛り上げるため、余興で思い出の赤フンダンスを披露した。その結果、参列者達をドン引きさせ、場を白けさせてしまう。これから二次会が予定されているのだが、どんな顔をして行けば良いのか分からなかった。吉尾は落ち込む皆のことを慰め、励ました。
吉尾達は二次会までの三時間の間に、高校生の頃に思いを馳せた。思い出すのは、真剣に掃除をせずに女の子から怒られたことや、バカ騒ぎをしたことなど、くだらない思いでばかりだった。そんな彼らは友人が死んだことを認めず、目を背け続けていた。
映画『くれなずめ』の感想・評価
松居大悟監督の実体験が映画化
松居大悟が監督&脚本を担当した。松居は俳優の松田翔太が主演を務めた映画『アフロ田中』(12)で商業映画監督デビューを果たす。「第7回TAMA映画賞・最優秀新進監督賞」を受賞した映画『私たちのハァハァ』(15)と映画『ワンダフルワールドエンド』(15)や、女優の蒼井優が主演を務めたラブサスペンス映画『アズミ・ハルコは行方不明』(16)などの話題作を手掛けてきた。
本作は松居自身の実体験を元に制作された舞台の劇場版作品となっている。題名の『くれなずめ』は「暮れなずむ」を変形させた造語である。「暮れなずむ」の意味は、「日が暮れそうで、なかなか暮れないでいる」こと。この言葉の意味を胸に留めながら、高校の同級生だった六人の男達の物語を見て欲しい。
個性豊かなキャストが集結!
主演を務めたのは、俳優の成田凌。ファッション雑誌『MEN’S NON-NO』のモデルオーディションに合格し、芸能界デビューを果たす。本作では優しくて皆から愛される吉尾和希を演じた。
吉尾の友人で劇団を主宰している藤田欽一役を務めたのは、俳優の高良健吾。映画『横道世之介』(13)で「第56回ブルーリボン賞・主演男優賞」を受賞しており、高い演技力に定評がある人物である。
吉尾の友人で仕切り屋の明石哲也役を務めたのは、俳優の若葉竜也。若手バイプレーヤーとして注目を集めている人物である。テレビドラマ『ごくせん 第3シリーズ』や映画『台風家族』(19)などの話題作に出演している。
ソースの愛称で親しまれている曽川拓役は、ミュージシャン、俳優、タレントとマルチな活躍を見せる浜野謙太。しっかり者の田島大成役は俳優の藤原季節。引っ込み思案の通称ネジは、舞台を中心に活躍している俳優の目次立樹。
2022年にデビュー30周年を迎える「ウルフルズ」が主題歌を担当
ロックバンド「ウルフルズ」が主題歌を担当した。主題歌に起用された『ゾウはネズミ色』は、映画のために書き下ろされた楽曲である。「ウルフルズ」は1992年5月13日に1stシングル『やぶれかぶれ』をリリースし、デビューを果たした。そして、1995年12月6日に発売された9thシングル『ガッツだぜ!!』で、「第47回NHK紅白歌合戦」に初出場を果たす。その後も『バンザイ~好きでよかった~』や『明日があるさ』など、大ヒット作を出し続けている。2022年にはデビュー30周年を迎える、日本のロックバンド界のレジェンドである。
主人公達が楽曲『それが答えだ!』に合わせて、結婚式で余興を披露する。その踊りはダンサー、振付師、タレントとして活躍しているパパイヤ鈴木が振り付けを担当している。ぜひ楽しみにしていて欲しい。
映画『くれなずめ』の公開前に見ておきたい映画
アズミ・ハルコは行方不明
松居大悟が監督を務めた作品。山内マリコ原作の小説を元に制作された。蒼井優が出演を務めており、高畑充希、太賀、葉山奨之、加瀬亮など豪華なキャストが脇を固めている。シンガーソングライターの石崎ひゅーいが、映画初出演を果たした。「第29回東京国際映画祭・コンペティション部門」に出品された作品。
28歳の安曇春子は、どこにでもいそうな平凡なOLだった。そんな彼女が、平成27年5月11日に失踪した。掲示板には、安曇春子を捜索するためのチラシが貼られた。富樫ユキオは同級生の三橋学と再会した。二人は安曇春子のチラシを見て、街の至る所に彼女の顔の落書きをすることを思いつく。その後、SNSでこの落書きが拡散され、注目を集めるようになった。
詳細 アズミ・ハルコは行方不明
窮鼠はチーズの夢を見る
成田凌が主人公の大伴恭一に思いを寄せるゲイの今ヶ瀬渉役で出演している。アイドルグループ「関ジャニ∞」のメンバーである大倉忠義が主演を務めた。水城せとな原作の漫画『窮鼠はチーズの夢を見る』と『俎上の鯉は二度跳ねる』を元に制作された作品。映画『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)を手掛けたことでも有名な、行定勲が監督を務めた。
今ヶ瀬渉は探偵で、浮気調査をしていた。調査対象者は、大学のテニスサークルの先輩だった大伴恭一。大伴は妻がいるにも関わらず、浮気相手と逢瀬を重ねていた。今ヶ瀬は依頼主に報告する前に、大伴に会いに行った。そして、依頼主に報告しない代わりに、キスして欲しいと頼んだ。実は、今ヶ瀬はずっと大伴に思いを寄せていたのだ。
詳細 窮鼠はチーズの夢を見る
台風家族
若葉竜也が女優・MEGUMIが演じた鈴木麗奈の彼氏である佐藤登志雄役で出演している。俳優の草彅剛が主演を務めており、鈴木家の長男である鈴木小鉄を演じている。銀行強盗事件を起こして行方を眩ませた両親の仮想葬儀を行うことになった、鈴木家の姿が描かれている。映画『箱入り息子の恋』(13)で「第54回日本映画監督協会新人賞」を受賞した、市井昌秀が監督&脚本を担当している。
両親が銀行強盗を起こして失踪してから、10年の月日が流れた。息子や娘達は遺産を手に入れるため、失踪宣告をして仮想葬儀を行うことにした。遺産となるのは、家と土地だけだった。その遺産を巡り、争いが起きてしまう。特に、長男の鈴木小鉄は、遺産を独り占めにしようと躍起になっていた。果たして、この騒動の行方は!?
詳細 台風家族
映画『くれなずめ』の評判・口コミ・レビュー
『くれなずめ』観ました!
なんか見てて懐かしい気持ちになる映画でした。こうやって中学、高校ぐらいの友達と馬鹿な事したりくだらないことで笑ったりするのあったなと 笑
昔よく一緒に映画を観てた友人達が今は遠方にいるのでまたくだらないことで笑ったり映画話したいな〜なんて思いました😌 pic.twitter.com/j5UPAzpxLC
— shogo (@shogo390717985) May 30, 2021
『くれなずめ』鑑賞。
思い出や記憶、青春って概念が一体誰の為の、どう在るべきモノなのか。感傷的ノスタルジーの先にある、未来へ向けた「あの頃」への俯瞰。成田凌をはじめとする役者達の好演も相まって、馬鹿馬鹿しくてイタイタしいのに、同時に愛おしさが込み上げてくる映画でした。#くれなずめ pic.twitter.com/UxXD9d9SRI— 淳之介 (@pop_junnosuke) May 27, 2021
くれなずめ
観られてよかった。くだらない内輪ノリとか、それを無邪気に楽しめなくなった雰囲気とか、青春の煌めきからカッコ悪く未練がましい終わりまで、個人的にとても刺さりました。
終盤の展開はちょいくどかったかもだけど。とにかく、藤原季節さんに泣かされました pic.twitter.com/QRMpaiiQJH— ひま (@ht_hmwr32) May 29, 2021
本日の映画1本目『くれなずめ』亡くなった友達にしてやれなかった出来事なら、記憶の中でやり直してもいい。それってめっちゃ優しいなと思いました。引きずる事から逃げずに、後悔に苦しむことなくヘラヘラ笑って一緒に生き続けるために。良かったです。#くれなずめ pic.twitter.com/qvHff2gUvn
— 瑛華みるこ@映画をみつめる妖精 (@EIGMRC) May 29, 2021
『くれなずめ』鑑賞。
キャスティングパワーは今年の中でもかなり上位に入るレベル!
衝撃の入りとくだらなくも愛おしい青春と友の尊さという題材へのアプローチもベリーグッド!
けど個人的にすっっっごく惜しすぎる…!
ベストな終わりどころがあったのにどうして…🥺。#映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/zYbdyOTdFE— 洋タルト (@XXVmdvAbBdghi0T) May 28, 2021
映画『くれなずめ』のまとめ
松居大悟監督の実体験を元に制作された舞台の劇場版作品。主演を務めた成田凌の他、お笑いトリオ「四千頭身」の都築拓紀、女優の前田敦子、俳優の城田優などバラエティ豊かなキャストが出演している。友人の結婚式で再会した高校の同級生が、過去を振り返る姿が描かれた作品。目を背け続けていた「友の死」が彼らにどのような影響を与えるのか、またどのような感情を呼び覚ますのか物語の結末まで見守って欲しい。笑って泣けて、胸がいっぱいになる物語。
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