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映画『AMY エイミー』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『AMY エイミー』の概要:19歳で衝撃のデビューを飾ったジャズシンガー、エイミー・ワインハウスの短くも激動の半生を辿ったドキュメンタリー映画。27歳でこの世を去るまで彼女は何を見て、何を感じていたのか。彼女の曲と共に紐解いていく。

映画『AMY エイミー』の作品情報

AMY エイミー

製作年:2015年
上映時間:128分
ジャンル:ドキュメンタリー、音楽
監督:アシフ・カパディア
キャスト:エイミー・ワインハウス、マーク・ロンソン、サラーム・レミ、トニー・ベネット etc

映画『AMY エイミー』の登場人物(キャスト)

エイミー・ワインハウス
ロンドン北部、サウスゲイトに暮らすジャズが好きな少女。少女と呼ぶにはあまりに成熟した歌唱力の持ち主で、アイランドレコード社にデモ音源を送るとすぐに契約成立となった。大麻や煙草、アルコール、売れてからはヘロインにも手を出してしまい依存症に苦しんだ。2011年に27歳の若さで亡くなった。
マーク・ロンソン
イギリスのDJで音楽プロデューサー。エイミーとはBack to Blackの収録で共に仕事をした。実際に仕事で一緒になったエイミーに対して、当時世間で実しやかに騒がれていたような「優柔不断な問題児」ではなかったとコメントしている。近年ではブルーノ・マーズと収録したUptown Funkで一躍注目を浴びた。
サラーム・レミ
アメリカの音楽プロデューサー兼キーボード奏者。エイミーのデビューアルバムに収録されたStronger than meをはじめ、数多くの楽曲をプロデュースした。アリシア・キーズやNe-Yoのプロデュースも行っている。
トニー・ベネット
ジャズヴォーカル界の重鎮。2019年現在で90歳を超えているが、積極的に若いジャズシンガー達とデュエットを行っている。2014年にはレディー・ガガとジャズのカバーアルバムをリリースしている。
ヤシーン・ベイ / モス・デフ
ラッパー兼俳優。『ミニミニ大作戦』や『僕らのミライへ逆回転』に出演する傍ら音楽活動も行っており、エイミーと親交があった。2016年に引退を表明した。

映画『AMY エイミー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『AMY エイミー』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『AMY エイミー』のあらすじ【起】

ロンドン北部にあるサウスゲイトにて、16歳のエイミー・ワインハウスはジャズシンガーとして活動していた。仲の良い友人達に囲まれて生活する中で作曲も行っていた彼女は、2001年にタイラー・ジェームズの紹介でデビュー当時のマネージャー、ニックと出会う。ニックはエイミーの成熟した歌声に惚れ、早速デモ音源の録音を始めた。ニックはエイミーが書き溜めた曲のデモ音源を自身が勤めるアイランドレコード社に持ち込み、会社は無名のエイミーに対して25万ポンドで契約が結ぶことになった。当時の新人発掘担当者は「大きな賭けだったが成功した」と語っている。

2002年、エイミーは13歳の頃からの夢であったプロの歌手になった。彼女は事務所から提供された曲は歌おうとせず、あくまで自分の実体験を元に作詞、作曲したオリジナルの曲を演奏した。デビュー当時に交際していた7歳年上のクリス・テイラーを想って書いたStronger than meを収録したファーストアルバム「フランク」は、発表から間もなくロンドンで大ヒットとなった。

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映画『AMY エイミー』のあらすじ【承】

アルバム「フランク」で鮮烈なデビューを飾ったエイミーは、アルバムのキャンペーンツアーに奔走していた。19歳とは思えない成熟した歌唱力はロンドンだけでなくイギリス各地で評判を呼び、ツアーの合間にラジオやテレビ番組にも引っ張りだことなった。13~14歳の頃から抗うつ剤を服用していたエイミーだったが、作曲を行っている最中は気分が落ち着くと語っている。ところが、メディアに出始めるようになったこの頃から大麻の使用回数が増えていった。

2004年7月にはロンドンにて最優秀コンテンポラリー・ソング賞を受賞。プロデューサーのサラーム・レミも彼女を絶賛した。どんどん高まっていくエイミーの人気とは裏腹に、彼女は自分が有名になることへ戸惑いを隠せずにいた。レコード会社の成功は自分の成功ではなく、持て囃されることなく純粋に曲を作って生活していきたいと望んでいたのだ。

ギグやメディア出演のため多忙を極めたエイミーは、作曲へ時間を割くことが難しくなっていった。そのため2005年に活動休止を宣言する。しかし、活動休止中にロンドンのバンド、ザ・リバティーンズのブレイク・フィールダーと出会い恋に落ちてしまう。彼と出会ったことでエイミーは、大麻だけでなくヘロインにも手を出すようになった。

映画『AMY エイミー』のあらすじ【転】

活動休止を決めた2005年の1月、ブレイクと出会い麻薬の使用頻度が増えたエイミーは同年8月に彼と破局した。そのショックは計り知れないもので、なりふり構わずブレイクの友人とベッドを共にし、部屋を片付けることもせず、食事も摂っていないようだった。見かねたマネージャーのニックは麻薬の症状を改善するため施設への入所を説得した。エイミーは入所に同意したが、エイミーの父親ミチェルはこの提案を却下。当然新曲作りも進まずレーベルともぎくしゃくした結果、エイミーはマイアミにあるサラーム・レミの自宅へと逃げ作曲に着手した。

エイミーはマイアミで、酒を一滴も飲まずに作曲へ専念した。しかし、曲は仕上がっても体にはまだ心配が残っていた。ニックは何とかエイミーを救いたかったが、彼女は一方的にニックとのマネージャー契約を解消。新たにプロモーターのレイ・コズバートをマネージャーに就けたのだった。

「フランク」の発表から3年が経ち、2006年に発表したシングルカットのRehabはイギリス国内に留まらずアメリカでもヒットチャートを記録した。収録アルバム「バック・トゥ・ブラック」にはマーク・ロンソンも参加し話題となったが、一気に世界のセレブの仲間入りを果たしたエイミーは、相変わらず周囲の関係者へ有名になるのが怖いと漏らしていた。

そして2007年4月、エイミーは破局や復縁を繰り返したブレイクと婚約を発表。翌5月、2人はマイアミにて結婚した。ところがエイミーは、ブレイクとの生活で再び麻薬漬けの日常に戻ってしまった。ある日ドラッグとアルコールの過剰摂取で病院に運ばれたエイミーは、今度発作が起きたら死んでしまうと医師から宣告される。エイミーは深刻な依存症に加え、毎日パパラッチに追われメディアでは好き放題批評されるという有名人としての毎日に疲弊してしまっていた。

映画『AMY エイミー』の結末・ラスト(ネタバレ)

事態を重く見たエイミーの友人や関係者は、エイミーにリハビリ施設への入所を提案した。エイミーはブレイクと一緒にリハビリを受けることを決めたが、ブレイクはマリファナ所持のため逮捕された。ブレイクと無理やり引き離されたことで、エイミーは精神的に大きなダメージを受けた。しかし、幸か不幸かブレイクと距離を置いたことで断薬、断酒に踏み切ることができたエイミーは、同年グラミー賞を受賞する。

エイミーは、本格的なリハビリのため2008年に再び活動を休止。2009年には家族や友人らと共に離島で健康的な生活を送っていたが、同年に刑務所にいるブレイクから一方的に離婚を言い渡されてしまう。エイミーは以前のように薬に溺れることはなかったが、薬の代わりに大量の酒を煽るようになっていった。

2011年には大御所トニー・ベネットと共演。その頃には新しい恋人レジ・トラヴィスと交際しており、酒も4週間程断っていた。医師からは、次に大量の酒を飲んだら心臓が耐えられず死んでしまうと警告されていた。エイミーは、そんな中行われたカムバックライブへの重圧に耐えられず、ライブ本番前に再び酒へ手を出してしまう。ステージに上がるも全く歌おうとしないエイミーに観客達は大ブーイングを起こし、結局カムバックライブは一切のパフォーマンスをせず失敗に終わった。

それから約3週間後、2011年7月23日の午後4時頃、エイミーは自宅のベッドの上で遺体となって発見された。死因は摂食障害とアルコールによる心臓発作と言われている。

映画『AMY エイミー』の感想・評価・レビュー

代表曲のStronger than meやTake the Boxをはじめ、RehabやBack to Blackは聞き覚えのある人が多いだろう。わたし自身、学生だった当時頻繁にラジオから流れていた彼女の曲を覚えている。しかし、歌っているのが20代の若者だったとは気づかなかった。あまりに大人びた曲調に渋い歌声はサラ・ヴォーンやアニタ・ベイカーなど熟練ジャズシンガーを彷彿とさせた。そんな記憶がある。

このドキュメンタリーではエイミーの父親ミチェルが悪者のように描かれているが、果たして真相はどうなのだろう。エイミーに麻薬を教えたブレイク・フィールダーについて特に言及していないのでそこに違和感があったが、あくまでエイミーの記録だとすれば無視していい項目なのだろうか。27歳という若さでこの世を去った才能の塊が、この世に授けた光の軌跡を紐解くドキュメンタリーに仕上がっていた。(MIHOシネマ編集部)


本作は、27歳でこの世を去ったジャズシンガーのエイミー・ワインハウスの激動の人生とその素顔を追ったドキュメンタリー作品。
彼女はただ純粋に好きな人と一緒になって歌詞を書いて歌いたかっただけなのに、周りの人々が彼女を悪い方向へと取り巻いていってしまったように取れる描写に切なくなった。
過剰な作り込みや加工がなく、才能溢れる歌手としての彼女と一人の人間としての彼女という二面性を感じられる良いドキュメンタリーだった。(女性 20代)


歌が好きで、ただ歌いたかっただけなのに「才能」があったせいで、普通に歌い、当たり前の生活をし、大事な人に囲まれて生きることが出来なかったエイミー・ワインハウスのドキュメンタリー作品です。
27歳でこの世を去った彼女。ニュースを知った時はなんでこんなに人気も才能もある人が…と思いましたが、この作品を見るとある意味「周りに殺された」のかもしれないと感じてしまいました。
ものすごく繊細で、優しくて、才能のあるエイミー。しかしそのせいで付き合う人を選べなかったのかなと思うとものすごく悲しくなりました。(女性 30代)

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