「ボヘミアン・ラプソディ」や「伝説のチャンピオン」など、数々の名曲を世に送り出し、圧倒的なライブパフォーマンスで世界中のファンを魅了した伝説のロックスター“フレディ・マーキュリー”と彼の愛したバンド“クイーン”の物語。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』の作品情報
- タイトル
- ボヘミアン・ラプソディ
- 原題
- Bohemian Rhapsody
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2018年11月9日(金)
- 上映時間
- 不明
- ジャンル
- 伝記
音楽 - 監督
- ブライアン・シンガー
- 脚本
- アンソニー・マクカーテン
- 製作
- グレアム・キング
ジム・ビーチ
ロバート・デ・ニーロ
ピーター・オーベルト
ブライアン・メイ
ロジャー・テイラー - 製作総指揮
- アーノン・ミルチャン
デニス・オサリバン
ジェーン・ローゼンタール - キャスト
- ラミ・マレック
ジョセフ・マッゼロ
ベン・ハーディ
グウィリム・リー
ルーシー・ボーイントン
マイク・マイヤーズ
アレン・リーチ - 製作国
- アメリカ
イギリス - 配給
- 20世紀フォックス映画
映画『ボヘミアン・ラプソディ』の作品概要
マイケル・ジャクソンやレディ・ガガにも愛されたロック界のレジェンド“フレディ・マーキュリー”の半生とロックバンド“クイーン”の軌跡を描いた音楽伝記映画。音楽総指揮をクイーンのギタリスト、ブライアン・メイとドラマーのロジャー・テイラーが務め、クイーンの名曲の数々を迫力あるサウンドで蘇らせる。フレディを演じるのは、エミー賞受賞俳優のラミ・マレック。マレックは驚きの役作りで、フレディの圧倒的なパフォーマンスを完璧に再現している。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』の予告動画
映画『ボヘミアン・ラプソディ』の登場人物(キャスト)
- フレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)
- ロックバンド“クイーン”のボーカリスト。圧倒的な歌唱力と独創的なライブパフォーマンスで、世界中のロックファンを魅了した。曲作りの面でも、天才的な才能を発揮する。
- ブライアン・メイ(グウィリム・リー)
- クイーンのギタリスト。
- ロジャー・テイラー(ベン・ハーディ)
- クイーンのドラマー。
- ジョン・ディーコン(ジョゼフ・マッゼロ)
- クイーンのベーシスト。
- メアリー・オースティン(ルーシー・ボーイントン)
- フレディのガールフレンド。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』のあらすじ(ネタバレなし)
1970年、イギリスのロンドン。アートカレッジを卒業後、古着を販売しながら音楽活動をしていた24歳のフレディは、ギタリストのブライアン・メイとドラマーのロジャー・テイラーが所属するバンド“スマイル”のライブを見て、2人の演奏に感心する。2人に声をかけたフレディは、スマイルのボーカルが脱退することを知り、自ら志願してバンドに加わる。その後、フレディの希望でバンド名は“クイーン”に改められ、ベーシストのジョン・ディーコンも加わり、4人での本格的な音楽活動が始まる。
結成当初、クイーンの作り出す音楽があまりに独創的だったため、デビューアルバムはメディアから酷評されてしまう。しかし、1974年3月に発売された2ndアルバムはヒットして、クイーンの人気は徐々に高まる。1975年、クイーンの代表曲となる「ボヘミアン・ラプソディ」の録音が始まる。演奏時間(約6分)が長すぎるという声もあったが、「ボヘミアン・ラプソディ」は爆発的にヒットして、クイーンは圧倒的な人気を誇る世界規模のロックバンドに成長する。その後、クイーンは解散の危機を乗り越え、ついに伝説のチャリティーコンサート「ライブ・エイド」の日を迎えるのだった。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』の感想・評価
唯一無二の存在“フレディ・マーキュリー”
ロックバンド“クイーン”のボーカリストとして知られるフレディ・マーキュリーは、1991年11月24日に、45歳の若さで亡くなった。フレディがエイズによる気管支肺炎で死亡したというニュースは、世界中に衝撃を与え、クイーンも活動休止に追い込まれる。しかし、フレディの死によって、むしろクイーンへの関心が高まり、過去のアルバムが再び売れ始める。おそらく、フレディの訃報を伝えるニュースでライブ映像や楽曲が流れ、改めて彼らのすごさに気づいた人たちが、アルバムを買いに走ったのだろう。
クイーンの魅力はいろいろあると思うが、その中でも最も重要なのは、やはりフレディ・マーキュリーというボーカリストの存在だ。圧倒的な歌唱力と音楽的才能もさることながら、フレディのライブパフォーマンスはとにかくすごい。特殊な演出や照明があるわけでもないのに、ステージ上のフレディはなぜかキラキラと光り輝いている。「かっこいい」というよりは、「神々しい」と表現したい。ライブ映像を見ると、巨大スタジアムに集まった何万人もの観客が、フレディに釘付けになっているのがわかる。ステージに立ったフレディは、彼にしか出せない特殊なオーラを発している。このオーラは努力で出せるものではなく、天性のものとしか言いようがない。だから、フレディ・マーキュリーは永遠に唯一無二の存在なのだ。
フレディ役に大抜擢されたラミ・マレック
そんな不世出の天才ボーカリスト、フレディ・マーキュリーを演じるのは、エジプト系アメリカ人俳優のラミ・マレック。マレックは、人気テレビシリーズ『MR.ROBOT ミスター・ロボット』で主人公を演じてエミー賞を受賞している。不思議な博物館を舞台にしたファンタジー映画『ナイトミュージアム』シリーズなどにも出演しているが、このフレディ役に大抜擢されたことは、マレック自身にとっても大きな驚きだったようだ。
予告編を見てもらえばわかるが、「マレック以外のフレディ・マーキュリーはあり得ない」と思ったプロデューサーの直感は見事に的中している。マレックの演じるフレディは、時々フレディ本人ではないかと疑いたくなるほど、フレディ・マーキュリーそのもの。嘘だと思う人は、ネットで公開されている映像で本物のフレディを確認してから、本作の予告編を見て欲しい。マレックは、フレディ独特の動作や表情、そして何よりもあの圧倒的なライブパフォーマンスを、ほぼ完璧に再現している。フレディを完璧に演じたことで、ラミ・マレックの名前は、世界中のロックファンと映画ファンの記憶に刻まれることだろう。
音楽総指揮はブライアン・メイとロジャー・テイラー
本作が伝説のバンド“クイーン”と“フレディ・マーキュリー”の物語である以上、劇中で使われる音楽は、当然ながらクイーンの名曲の数々ということになる。本作のタイトルにもなっている「ボヘミアン・ラプソディ」は、本国イギリスで最も売れた曲と言われており、数えきれないほどのアーティストがこの曲をカバーしている。「ドンドンチャ!ドンドンチャ!」という印象的なリズムで始まる「ウィ・ウィル・ロック・ユー」は、日本のCMでも多用されているので、クイーンを知らない人でも間違いなく1度は耳にしたことがあるはず。他にも「キラー・クイーン」「伝説のチャンピオン」「バイシクル・レース」などなど、“タイトルだけではピンとこないが、曲を聴けばわかる”という名曲がたくさんあるのが、クイーンのすごいところ。予告編で流れる音楽を聴いただけで、かなりテンションが上がる。
さらに、本作で音楽総指揮を務めるのが、ブライアン・メイとロジャー・テイラーなのだから、ファンにはたまらない。劇中で使われる楽曲のボーカルは、大部分がフレディ本人の声だが、一部はカナダ出身のロック歌手マーク・マーテルの再録が使われている。そう言われても、どこがフレディでどこがマーテルなのかはさっぱりわからない。ブライアンとロジャーがオッケーを出しているのだから、マーテルの歌声も完璧なのだ。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』の公開前に見ておきたい映画
シド・アンド・ナンシー
1978年、ニューヨークのチェルシーホテルで、セックス・ピストルズのベーシストだったシド・ヴィシャス(ゲイリー・オールドマン)が恋人のナンシー・スパルゲン(クロエ・ウェップ)殺害容疑で逮捕される。重度の薬物中毒者だったナンシーと付き合うようになって、シドもヘロインを常用するようになっていた。シドは警察の事情聴取を受けながら、ナンシーとの破滅的な愛の日々を回想していく。
1970年代後半に活躍した伝説のパンクバンド“セックス・ピストルズ”のベーシストだったシド・ヴィシャスと恋人ナンシーのラブストーリーであり、伝記音楽映画。シドはセックス・ピストルズのベーシストとしてスターになっていく一方で、ナンシーとヘロイン三昧の日々を送り、バンドを解散へ追い込んでいく。どんどん壊れていくシドとナンシーを見るのはきついが、当時の退廃的な若者たちのロックカルチャーが忠実に描かれていて、そこは興味深い。そして、何と言っても本作の見どころは、シドを演じるゲイリー・オールドマンの存在。実際にラリっているのではないかと疑いたくなるような迫真の演技で、破滅的なカリスマを完璧に演じている。パンクスタイルのゲイリー・オールドマンは、うっとりするほどかっこいい。
詳細 シド・アンド・ナンシー
バード(1988)
“バード”の愛称を持つジャズサックス奏者のチャーリー・パーカー(フォレスト・ウィテカー)は、天才的な即興演奏で知られる人気サックス奏者だったが、精神的に不安定で、アルコールと麻薬漬けの日々から抜け出せずにいた。チャン(ダイアン・ヴェノーラ)と結婚して3児の父親になったことで、チャーリーは麻薬との決別を決意するが、最愛の娘を亡くし、再び麻薬に手を出してしまう。
34歳の若さで亡くなった天才ジャズサックス奏者チャーリー・パーカーの半生を描いた音楽伝記映画。監督は、熱狂的なジャズ愛好家として知られるクリント・イーストウッド。イーストウッド監督はマニアックなジャズ知識を最大限に活かし、劇中での演奏シーンには徹底的なこだわりを見せている。その甲斐あって、本作は“本物のジャズ”を堪能できる音楽映画として非常に高い評価を得た。チャーリー・パーカーを演じたフォレスト・ウィテカーの演技も素晴らしく、彼はこの役でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞している。
詳細 バード(1988)
Ray レイ
1948年、盲目のレイ・チャールズ(ジェイミー・フォックス)はシアトルへ出て、17歳でピアノ奏者として酒場で演奏し始める。その後、アトランティック・レコードと契約を結び、ゴスペルをアレンジした「ホワット・アイ・セイ」を大ヒットさせ、人気ミュージシャンになっていく。プライベートではデラ・ビー(ケリー・ワシントン)と結婚して、最愛の息子も生まれるが、レイは麻薬と浮気をやめられずにいた。
盲目のミュージシャンとして知られるレイ・チャールズの半生を描いた音楽伝記映画。ミュージシャンとして順調に成功していく一方で、レイは過去のトラウマに苦しみ、ヘロインに手を染めていく。レイが6歳の時、目の前で弟のジョージが痛ましい死に方をしており、レイは事あるごとにその時の光景を思い出してしまう(レイが緑内障で視力を失ったのは、その事故から9ヶ月後)。現在のレイが過去を思い出すという構成で、少年期のレイの暮らしや母親のことも描かれているので、伝記映画としてわかりやすい。そんな物語そのものも面白いのだが、本作で最も印象に残るのは、やはりレイを演じたジェイミー・フォックスの名演技。ジェイミーは本格的にピアノを学んだミュージシャンでもあるので、演奏シーンもすべてジェイミー本人がこなしている。さらに、盲目の感覚を体に叩き込み、徹底的な役作りでレイになりきっている。オスカー受賞も当然だ。
詳細 Ray レイ
映画『ボヘミアン・ラプソディ』の評判・口コミ・レビュー
『ボヘミアン・ラプソディ』観た。
大傑作。
フレディの生涯を描いた伝記映画故にQueenの曲をあまり知らない自分が楽しめるか心配だったが、鑑賞後には曲、そして伝説と呼ばれる彼の偉大さを痛感した。
ラスト21分に及ぶ彼らの演奏と観客の一体感に涙。
知識を蓄えてからもう一度観たい作品。 pic.twitter.com/vE5b3HHINZ— BiBi (@facerScreeeem) 2018年11月10日
『ボヘミアン・ラプソディ』
IMAXにて鑑賞。エンドタイトルの最後まで誰も立たず、上映後拍手が起きたのには驚いた。
歌う曲の歌詞字幕がフレディの苦難の人生と呼応するように表示され心を揺さぶられる。単なるMVにしないようにする姿勢が伺えた。ライブは座席で金縛りにあったかのように正に圧巻! pic.twitter.com/OMKQjOY2ML— センタ (@UdonsukiMimiu) 2018年11月10日
ボヘミアン・ラプソディ鑑賞。冒頭のsomebody to loveが掛かった時点で泣きそうになった…フレディは世界で1番のボーカリストでありパフォーマーだと再認識。あんなカリスマもう二度と現れないと思う。ラミ・マレックの演技も素晴らしかった。ファンで無くても観てほしい傑作#ボヘミアン胸アツ pic.twitter.com/KcAr8SXNkV
— FUMI ▲ (@coldqueen16) 2018年11月10日
#ボヘミアンラプソディ
熱すぎるッ!!!!ラスト泣きすぎて疲労感…!!!!私のようにQueen世代とは程遠い門外漢でも最ッ高に燃える青春映画の傑ッ作ッッッ!!!!
15年セッション16年シングストリート17年ララランドと年一で良い音楽映画に興奮してきて、でも今年はないのかなぁ…と思えば今作!!活力沸く傑作!! pic.twitter.com/JMJaH0CTmV— 菊池 旅行 (@kikuchiryokou) 2018年11月10日
『ボヘミアン・ラプソディ』
伝説の男。紆余曲折の行く末、それは“家族”。善き考え、善き言葉、善き行い。知られざるドラマに涙し、魂が震える圧巻のライブ・エイドで完全昇華!肩を組み、互いを讃え合う観客の笑顔と自身を投影する一体感、胸の高まり、目頭と胸が熱過ぎる!ベスト10入り確定の傑作! pic.twitter.com/xo7uvsEIBd— じょび (@moviejovi0116) 2018年11月10日
映画『ボヘミアン・ラプソディ』のまとめ
若くして亡くなったミュージシャンの伝記映画は、実話だから仕方がないとはいえ、どうしても悲しい結末を迎えがちだ。フレディも45歳という若さで亡くなっているので、描き方によってはそうなってしまう。しかし、本作はフレディのアーティストとしての功績を大切に考え、彼とクイーンの残した音楽の素晴らしさに焦点を当てている。それがフレディ・マーキュリーという偉大なエンターテイナーの描き方として、最善であることは間違いない。私たちは、フレディがどんな死に方をしたのかではなく、どんな生き方をしたのかを知るべきだ。そして、彼の愛した音楽に酔いしれたい。
みんなの感想・レビュー
「この映画を見ない奴は馬鹿だ」と敢えて暴言を吐きたい。観客一人ひとり、全ての出演者がスピンオフ可なのだ。誰にもある親との確執、愛着障害。他者との違い、孤独。皆がどこか欠けている。その欠けたものを求める飢え。父親にハグされるシーンが救いだ。全ての人が「刹那の時間の間を踊るパフォーマー」だと教えてくれる秀作だと伝えたい。