これまで数多くの青春漫画を発表してきた志村貴子が連載していた『どうにかなる日々』がアニメーション映画化。様々な恋愛の形を丁寧なタッチで描いた、とても美しい作品に仕上がっている。
映画『どうにかなる日々』の作品情報
- タイトル
- どうにかなる日々
- 原題
- なし
- 製作年
- 2020年
- 日本公開日
- 2020年10月23日(金)
- 上映時間
- 不明
- ジャンル
- アニメ
ラブストーリー
青春 - 監督
- 佐藤卓哉
- 脚本
- 佐藤卓哉
井出安軌
冨田頼子 - 製作
- 不明
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 花澤香菜
小松未可子
櫻井孝宏
山下誠一郎
木戸衣吹
石原夏織
ファイルーズあい
早見沙織 - 製作国
- 日本
- 配給
- ポニーキャニオン
映画『どうにかなる日々』の作品概要
『誰が相手でも、どんな形でも、全ての恋と生き方には同等の価値がある』、『痛いほどの好きは、きっといつか恋しくなる』。これらは全て、本作の公式HPが打ち出しているキャッチコピー。これらのキャッチコピーを見るだけで、本作がどれだけ恋に対して真摯に向き合い、大切に思っているかが分かる。様々な愛の形があるこの世の中で、正しい愛と言うものは存在しない。志村貴子、佐藤卓哉、クリープハイプなど、製作陣に超一流の人物ばかりを集めた期待作。恋することの素晴らしさを、改めて本作を通じて感じよう。
映画『どうにかなる日々』の予告動画
映画『どうにかなる日々』の登場人物(キャスト)
- えっちゃん(花澤香菜)
- 百合と高校時代に交際していた女性。百合が男性と結婚することになり、昇進中だったところ彼女の結婚式であやさんと出会う。
- 澤先生(櫻井孝宏)
- 男子校の教師をしている男性。ある日、教え子である男子生徒、矢ヶ崎くんに告白されてしまう。
- 小夜子(ファイルーズあい)
- しんちゃんの従兄弟。親に勘当された少女。かつてAVに出演した経験がある。
- しんちゃん(木戸衣吹)
- 小夜子の従兄弟。これまで幼馴染として育ってきたみかちゃんと、微妙な関係になりつつある。
映画『どうにかなる日々』のあらすじ(ネタバレなし)
本作は4つのエピソードで構成されている。【えっちゃんとあやさん】は、百合という女性が主人公。これまで同性にモテモテだった彼女は、何人かの女性と交際していた。高校時代にはえっちゃん、短大時代にはあやさんという彼女がいた。そして、なんとえっちゃんとあやさんが惹かれあって…?【澤先生と矢ヶ崎くん】では、男子校の教師をしている主人公が、教え子から突然の告白をされるところから始まる。【しんちゃんと小夜子】では、これまで幼馴染として育ってきた二人が、思春期を迎えることでこれまでと同じ関係性ではいられなくなる。そして、このしんちゃんと小夜子と関わっている【みかちゃんとしんちゃん】が贈る青春の日々を切り取ったオムニバス作品。
映画『どうにかなる日々』の感想・評価
青春作品の第一人者
本作は、元々漫画家志村貴子が2002年から2004年にかけて連載していた漫画。これまで、『放浪息子』、『青い花』といった名作を残してきた彼女。そして、この志村貴子が得意としているのは青春ものと恋愛もの。元々、青年誌や同人誌など、様々なフィールドで活躍していた彼女。勿論、雑誌によって購読層は全く異なる。そのため、様々な世代に向けた恋愛作品を執筆してきた彼女は、まさしく青春作品のプロフェッショナルと言っても過言ではない。今青春真っ盛りを生きている人には共感できる作品に、青春時代は過ぎ去り少し落ち着いた日々を過ごしている人には懐かしさを感じられる作品に仕上がっている。映し出される眩しい青春の日々に、思わずこちらも若々しい気持ちになれる一本。
軽く見られるオムニバス形式
本作は、短編作品がいくつか組み合わさって構成されているオムニバス形式が採用されている。勿論、1時間半以上かけて物語を深めることができる長編作品に比べると、少々物語が軽くなってしまうことも事実。しかし、オムニバス作品にはオムニバス作品の魅力が多くある。まず、忙しい時にも数話ずつ、といったように手軽に見られる点。長編作品では時には中弛みをしてしまうことがある一方、短編だとコンパクトに起承転結がまとまっていて、その心配がないことも嬉しい。そして、様々な種類の物語が楽しめるという最大のメリットもある。特に、今回の場合あらゆる作風を得意とする志村貴子が手掛けているという点もポイント。あらゆるジャンルで活躍してきた彼女の異なる魅力を楽しめる、まさに志村貴子の真骨頂が見られる豪華な一作となっている。
映画『どうにかなる日々』の公開前に見ておきたい映画
詩季織々
最新作のような、映画館で上映されたオムニバスアニメーション作品というジャンルは、世界においても需要が高い。本作も、2018年に公開されたオムニバスアニメーション作品であり、日本だけでなく中国の映画監督も作品を出展している。新海誠が『君の名は。』や『秒速5センチメートル』を製作した映像会社、コミックス・ウェーブ・フィルムに感銘を受けたリ・ハオリン監督が、猛アピールを行った末にようやく製作に漕ぎ着けた作品。中国の3つの都市を舞台に描かれる本作では、衣食住や愛、青春など、人々にとって欠かせないものがテーマとして描かれている。映像やストーリーの完成度が高く、ファンから高い評価を受けている名作である。
詳細 詩季織々
KING OF PRISM by PrettyRhythm
2016年頃、一躍社会現象と呼べるほどのブームを引き起こした作品、『KING OF PRISM』。元々は『プリティーリズム・レインボーライブ』の派生作品であったにも関わらず、本家を超えるほどの大ヒットとなった。本作の見所は、なんと言っても少年達の眩いほどの青春。プリズムスターを目指して奮闘する少年達。最新作同様、全力の青春が観ている者の心を熱くする。同時に行われた応援上映が大成功となり、会場ではペンライトを振る観客と掛け声で大盛況となった。本作が、現在も行われている上映作品という形態を定着させたと言っても過言ではない。2017年には続編も公開されており、今も尚、ファンから根強い人気を誇る一作である。
詳細 KING OF PRISM by PrettyRhythm
劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ
最新作の監督を務める佐藤卓哉は、過去に様々なアニメーション映画を手掛けてきた実力派。そんな彼が2013年に手掛けたのが本作。『STEINS;GATE』は、元々テレビゲームソフトとして発売されたタイトル。それが2011年にアニメ化され、あまりにも重いストーリー、声優達の魂がこもった名演技が話題となり、その世代のアニメを牽引する存在となった。本作は、そんな『STEINS;GATE』の初の劇場版。アニメ版では仲間達の危機を何度となく救ってきた主人公、岡部倫太郎が反対に窮地に追いやられてしまう。そんな彼を救うべく奮闘するラボメン達や、厳しい選択を迫られる紅莉栖の葛藤などが描かれている。興行収入としても大成功を収めた一本。
映画『どうにかなる日々』の評判・口コミ・レビュー
映画 どうにかなる日々 鑑賞終了
共感した様な、していない様な。
不思議な後味の素敵な作品でした (*´∀`*)毎年恒例の佐藤卓哉監督の恋愛劇場アニメーション映画
前作の加瀬さんやフラグタイムの様にガチ百合ではなく、色々な世代の性別を絡めた[ 好き ]を集めた短編集的作品。
もっと観たい!
— あさるとん@通常 (@asaruton) October 23, 2020
全然感想流れてこないけどどうにかなる日々はすんごい静かで温かい恋愛映画でしたよ。偶然同じ境遇の2人。かなり引きずってる先生。中々進めない2人。各々が静かに成長していく過程が丁寧に描かれて見てるこっちもドキドキ空気を声優陣の演技でさらにピュアになった至福の60分間を堪能できるから観て。 pic.twitter.com/A9ArUCPZun
— 通りすがりの伊賀栗 (@FFFFigaguri) October 23, 2020
映画『どうにかなる日々』を観た。志村貴子作品の長年のファンで、かなり期待度を高めて行ったんだけど、がっつり満足した。漫画の持ち味の「間」が、映画の心地よい「間」にうまく変換されていて、いい溜め息が出る映画でした。 #どうにかなる日々
— no-dash (@nodash) October 23, 2020
劇場アニメどうにかなる日々観た。淡々とした作りが原作尊重でとても良かったんじゃないかと。クリープハイプの音楽もマッチしてる。どうせな全編観たかったが、一番好きなしんちゃんと小夜子があったからまあ満足。特典もパンフレット特別版も両方確保できたしね#どうにかなる日々
— コリエル (@Coryell_12) October 23, 2020
『どうにかなる日々』観た。原作未読で臨んだのだが色恋の描写が結構生々しくて驚き。全4話のオムニバス形式でそれぞれに人それぞれの性癖に刺さる話になってるのだが自分的には3話と4話が特に刺さったかな。歳上の従姉と幼馴染に翻弄されるしんちゃんが羨ましいやら愛おしいやらで堪りません。良作。 pic.twitter.com/QaQg2uT1Ej
— 蛮 治朗 (@ao14clover) October 24, 2020
映画『どうにかなる日々』のまとめ
LGBTなど、昔と比べて様々な愛の形が世間で取り上げられるようになり、そして、少しずつ許容されるようになってきた。本作でも、女性同士、男性同士、生徒と先生、幼馴染など、様々な愛の形が描かれている。しかし、例え形は違えど、その間にある愛はどれも本物。誰もが、人を大切に思ったことがあるだろう。恋に、相手に真摯に向き合う姿に共感を覚える人も多いのでは。人を愛することの素晴らしさを、本作を通して思い出そう。見ると、自分も恋をしたくなる一本。
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