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映画『ハナレイ・ベイ』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

ノルウェイの森』『IQ84』『海辺のカフカ』など、日本を代表する人気作家・村上春樹が2005年に発表した『東京奇譚集』に収録されている『ハナレイ・ベイ』を、人気女優・吉田羊主演で映画化。10年前、ハワイのハナレイ湾で事故死した息子の死を悼み、命日にハワイを訪れるシングルマザーの痛みと希望の物語。

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映画『ハナレイ・ベイ』の作品情報

ハナレイ・ベイ

タイトル
ハナレイ・ベイ
原題
なし
製作年
2018年
日本公開日
2018年10月19日(金)
上映時間
97分
ジャンル
ヒューマンドラマ
監督
松永大司
脚本
松永大司
製作
小川真司
製作総指揮
なし
キャスト
吉田羊
佐野玲於
村上虹郎
佐藤魁
栗原類
製作国
日本
配給
HIGH BROW CINEMA

映画『ハナレイ・ベイ』の作品概要

2005年3月から6月、『東京奇譚集』と題した連作の短編小説集に掲載された作品。主人公のシングルマザー・サチを、人気女優・吉田羊が抜擢され、たった1人の家族だった息子を失った母を演じる。監督は、『ウォーターボーイズ』などに出演した経験も持つ松永大司。『ハッピーフライト』や『蛇にピアス』などの名作でメイキング監督を務め、その後も助監督、ドキュメンタリー監督などの経験を経て2015年『トイレのピエタ』が初監督作品となる。今作は監督の他、脚本・編集も手掛けている。

映画『ハナレイ・ベイ』の予告動画

映画『ハナレイ・ベイ』の登場人物(キャスト)

サチ(吉田羊)
シングルマザーで、10年前にたった1人の家族だった息子をハワイで亡くす。その後、10年間息子の命日に必ずハワイのハナレイ湾を訪れる。
タカシ(佐藤玲於)
サチの一人息子。ハワイでサーフィンを楽しんでいたところ、サメに襲われて命を落とす。
高橋(村上虹郎)
ハワイを訪れていた若者の2人組の1人。ヒッチハイクをしていたところサチと出会う。
三宅(佐藤魁)
高橋の連れで、ハワイまで一緒に来ていた。サチが10年前に亡くなったサーファーの母だと知り、片足のない日本人サーファーを見たと話す。

映画『ハナレイ・ベイ』のあらすじ(ネタバレなし)

10年前、日本大使館からの電話が鳴る。そう名乗られたとき、嫌な予感がした。ちょうどその頃、たった1人の家族である息子が日本を離れていたからだ。連絡を受けたサチは、電話を切るとその足で飛行機に飛び乗った。向かう先は、息子がいたハワイのカウアイ島。そこのハナレイ湾でサーフィンをしていた息子は、サメに襲われ足を食いちぎられて亡くなったそうだ。

物言わぬ姿になった息子を目の前にした母のサチは、不思議な感覚を覚える。亡き夫の遺した大切な一人息子、タカシ。サチは本当に息子のことを大切に思い、愛していた。しかし、人間的に好きになれる息子ではなかった。タカシの葬儀を済ませ、遺骨を日本に持ち帰る前に立ち寄った、タカシが最後にいた海。あれから10年、サチは息子の命日になると必ずハナレイ湾を訪れ近くに椅子を置き、じっと海を眺め佇んでいる。

サチが空港へ向かう途中、2人の日本人サーファーがヒッチハイクをしていたので、車に乗せる。その2人から「赤いサーフボードを持った片足の日本人サーファーを見た」と聞く。その姿は息子の亡霊?母のサチが探しても見つからないのはどうして?若いサーファーの前には現れるのに?

息子を亡くした母の巡礼。それは、母が息子の死を受け入れるまで続く。たった1人の家族、母と息子を繋ぐ絆の物語。

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映画『ハナレイ・ベイ』のネタバレあらすじ結末と感想
映画『ハナレイ・ベイ』のネタバレあらすじと感想。ストーリーを結末まで起承転結で分かりやすく簡単に解説しています。映画ライターや読者による映画感想も数多く掲載。

映画『ハナレイ・ベイ』の感想・評価

「起きてしまったこと」をどう受け止めるか

最愛の息子の死。それは、子を持つ親なら誰しもが苦しみ、自責と後悔の念に押し潰されてしまいそうになるほど辛いものである。息子に対して「人間的には好きでなかった」と言うサチだが、それでも愛していたのは事実。だからこそ10年もの間、サチは何度も同じ場所を訪れ、椅子を置き、ジッと海を眺めていたのだろう。それも、一度に訪れる期間は3週間と言う長い時間を掛けて。

原作を読んだ多くのファンから、この本は「起きてしまったこと」をサチ自身がどのように受け止めるかが焦点である、と感想を述べられている。「息子の死」、これは現実として起きてしまったことであり、それに対してサチは、「10年間変わらず息子の命日」にハワイを訪れている。

きっと、息子の死が殺人であったなら誰かを憎みながら生きる人生もあったでしょう。しかし、大自然の弱肉強食の連鎖に巻き込まれた事故だっただけに、誰を恨むこともできず心の整理はつかないまま。サチが「息子の死」を今後もずっと受け入れられずに過ごしていくのか、それともハワイでたまたま出会った2人の青年によって心境の変化が訪れるのか。吉田羊の演じる子を亡くした母親の姿は、まさに見ものでしょう。

神秘的なまでに美しいハワイの海で散る息子

アメリカ合衆国ハワイ州、カウアイ島のハナレイ湾は、アメリカの中でも群を抜いて美しい海として知られている。朝も昼も、そして夕方の海も1日を通して全てが美しく、多くのサーファーが訪れるこの地で、19歳の青年は短い生涯を終える。

火葬を済ませ遺骨を日本に持ち帰る前に、母親サチの脳裏にふと息子のいた海を見てみようとの思いが過ぎる。彼女はそうして目の前に広大に広がる美しい海に、言葉を無くす。もしも、サメと遭遇し恐怖と絶望と激痛が息子の体を襲ったのだとしても、大好きな海で死ぬことができたのなら本望だったのだろうか。

海から少しだけ離れた場所に椅子を置き、海を眺めながら時を過ごす10年間。そんな、答えの出ない問いをずっとしていたかのような母親の哀愁漂う姿が胸を打つ。撮影も実際にハワイで行われたとのことで、美しい映像と吉田羊の演じる「サチ」の心境がどこまでシンクロしているのか、はたまた燦燦と降り注ぐ太陽とその光に反射する海に反してサチの心は晴れないのか。公開されている光輝くポスターとは裏腹に、重すぎる程苦しいテーマに、映画完成への期待値が上がる。

愛してはいても「人間的に」好きでない息子

日本では昔から父親は外で働き、母親は家で家事と育児を担当するといった風習が、平成も終わる現代になってなお、まだ根深く残っている。そして、女性は我が子に一心の愛情を注ぐ生き物で、その身に子を宿した瞬間から母性が溢れ出ていると思っている男性が未だに一定数いるというのだから、女性からしたら驚きだ。

確かに自分の分身のような子供は、可愛く見え愛おしいだろう。しかし、愛しているからと言って、子供のすべてを受け入れられる訳ではない。子供だとしても、相手は1人の自分とは違う人間。そして母もまた、親ではあっても1人の人間なのだ。

「私は息子のことが好きではなかった」のテロップに、多くの人が驚きの声を上げているようだが、不思議なことはないだろう。子供だって成長していくにつれて親の人間性が分かるとともに、親に対して感謝はしても受け入れられない部分が出てくるもの。それが今回は逆であっただけだ。それでも、相手が亡くなってしまったというのなら話は別。「人間的に好きではなかった」としても、母親サチが流した涙は本物だっただろう。

サチのセリフが、普通の母親の心境を代弁しているように見え、飾らずそうかと言って無理に言っているわけでもない自然な姿に見える。この言葉があるからこそ、自分の前に姿を現してくれない息子に、サチが号泣する姿は痛くて苦しくて、サチの心境を思わずにはいられないのではないだろうか。

映画『ハナレイ・ベイ』の公開前に見ておきたい映画

映画『ハナレイ・ベイ』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『ハナレイ・ベイ』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

嫌な女

元宝塚のスター、黒木瞳初監督作品にして、吉田羊の映画初主演作品。敏腕弁護士・石田を吉田羊が演じ、W主演の木村佳乃が小谷という女詐欺師を演じる。原作は、桂望実の『ずっとずっと向日葵』というタイトルで連載されており、2016年にテレビドラマ化された後、映画化される。

親しい友人もいない孤独だけれども真面目で、仕事一筋の弁護士・石田は、司法試験にストレート合格するほどの頭脳の持ち主。29歳で結婚し、仕事も順調で人生も順調かと思ったが、実は仕事も結婚生活も言う程上手くいっていない。そんなとき、幼い頃から顔馴染みの又従妹である小谷が訪ねてくる。石田は小谷のこと子供時代から嫌っていたが、婚約破棄をして慰謝料を請求され困っているという小谷を無碍にできず、詐欺師の小谷に奔走することになる。

仕事一筋で、遊びもせず真面目に過ごしてきた石田と対照的な小谷。吉田羊と木村佳乃はどちらも清楚かつ大人しそうな印象の女優であるだけに、彼女たちの女としての生き様、そして本音でぶつかり合う様は見応えがある。

詳細 嫌な女

トイレのピエタ

世界にその名を知らしめる日本を代表する漫画家・手塚治虫の、病床日記を原案に製作された松永大司のオリジナル作品かつ、長編映画初監督作品。人気ロックバンド「RADWINPS」のボーカル野田洋次郎を主演に迎え、余命3ヶ月の青年が偶然知り合った少女との交流を通して再び生きる喜びを取り戻す物語。

夢を追い夢に破れ、病気ため生きる目的を失い、人との繋がりを経て生きる喜びや輝きを取り戻していく青年の姿が、これまで数多くのドキュメンタリー映画を手掛けてきた松永大司らしく描かれている。

これまで生きていることに何の疑問も抱かず、やりたいことをやり、夢を追いながら挫折を味わい、それでも特に生きることに対して何の疑問を持っていなかった青年に、突然告げられる余命3ヶ月の宣告。受け入れがたい現実を、主人公の園田宏が乗り越えていく姿は目を見張るものがある。

人間の心情をリアルに描く、松永大司の長編映画初監督作品は、ぜひ『ハナレイ・ベイ』の前に見ておきたい映画の1つである。

詳細 トイレのピエタ

ノルウェイの森

人気小説家・村上春樹の同名作品を実写映画化し、2010年に公開された映画。この作品が上映されたことにより、村上春樹の名が名実ともに世間に知れ渡るところとなった。監督はベトナム出身のアカデミー賞受賞監督・トラン・アン・ユン。

ドイツに向かう飛行機の中で、37歳のワタナベトオルは、18年前の青春時代を振り返る。親友キズキの友人の直子に恋をしていたワタナベは、ある日突然親友キズキを自殺によって喪ってしまう。あまりに突然のことで、喪失感から逃れるようにワタナベは東京の大学に進学し、そこで直子と再会する。

高校・大学、そして社会人と1年が目まぐるしく変わっていく青春時代で出会ったかけがえのない人たち。喪われる命と、育んでいきたい大切な関係。登場する一人一人を大切に描き、複雑な人間模様を丁寧に再現した一作。村上春樹の世界観が美しく仕上がり、見ごたえのあるドラマとなっている。

詳細 ノルウェイの森

映画『ハナレイ・ベイ』の評判・口コミ・レビュー

映画『ハナレイ・ベイ』のまとめ

1979年に新人文学賞を受賞して以来、日本だけでなく海外でも人気を博している村上春樹。昭和の時代に出版した作品が、何十年と時を経て映像化をしても、多くの人に愛されると作品となっているのは、名作である証だろう。映画の予告から、既に感動のドラマとなりそうな予感の『ハナレイ・ベイ』。『ノルウェイの森』公開後、8年の歳月を経て映像化される名作に、期待は高まる一方だ。

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