2015年に発売された、作家・住野よるによる青春小説。2017年には発行部数200万部を突破し、現在累計発行部数260万部を超える大ヒット作品。2017年に実写版映画が上映されると「キミスイ」という言葉が流行る。本屋大賞・2015年年間ベストセラー・読書メーター読みたい本ランキング・2016年年間ベストセラーなど、多くのランキングに入賞した話題作品がついにアニメ映画化。
映画『君の膵臓をたべたい(アニメ)』の作品情報
- タイトル
- 君の膵臓をたべたい
- 原題
- なし
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2018年9月1日(水)
- 上映時間
- 不明
- ジャンル
- 青春
アニメ
ラブストーリー - 監督
- 牛嶋新一郎
- 脚本
- 牛嶋新一郎
- 製作
- 三田圭志
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 高杉真宙
Lynn
藤井ゆきよ
内田雄馬
福島潤
田中敦子
三木眞一郎 - 製作国
- 日本
- 配給
- アニプレックス
映画『君の膵臓をたべたい(アニメ)』の作品概要
「二人の距離には、まだ名前はない―」、人に興味のない地味な高校生「僕」だけが知っている、クラスで人気者の少女の「秘密」。2015年に、その衝撃的なタイトルから大ヒットとなり、漫画化・オーディオブック化・実写映画化と次々とメディアを賑わせていく。今回は、話題の漫画のアニメ化を多く手掛ける牛嶋新一郎が監督なり、『To LOVEる』などで人気のアニメーター岡勇一がキャラクターデザインと作画総監督を務める。
映画『君の膵臓をたべたい(アニメ)』の予告動画
映画『君の膵臓をたべたい(アニメ)』の登場人物(キャスト)
- 僕(高杉真宙)
- クラス一地味な高校生。誰にも興味を持たず、誰からも興味を持たれず、1人で本を読むのが日課。ある日偶然「共病文庫」なる本を拾ってしまう。
- 山内桜良(Lynn)
- クラス一人気な女子高生。実はすい臓の病気を患っており、高校生にして余命は後幾何しか残されていない。闘病日記ではなく「共病文庫」を記録する。
- 恭子(藤井ゆきよ)
- 桜良の親友。気が強く、桜良と「僕」が交流していることをあまり快く思っていない。桜良は恭子に病気のことをひた隠す。
- ガム君(福島潤)
- 桜良の死後、「僕」が仲良くなるクラスメイト。「僕」にとって初めての友人。なぜかガムをくれる。
映画『君の膵臓をたべたい(アニメ)』のあらすじ(ネタバレなし)
「僕」は、どこにでもいる平凡すぎる程地味な高校生。クラスの誰とも話さず、誰とも関わらず、1人読書を楽しむ毎日を過ごす。そんなある日、「僕」は「共病文庫」と書かれた本を拾う。そこには、誰かの病気の内容と治療生活、その人の思いが綴られていた。その誰かとは、クラスでも人気の天真爛漫な女生徒・山内桜良。
家族以外誰にも話していなかった桜良の病気を「僕」が知ったことで、2人の距離は段々と近くなっていく。桜良は膵臓を患い、高校生にして余命は後幾何かしか残されてなかった。桜良は、初めて家族以外に病気のことを打ち明け、「僕」は桜良の「死ぬ前にやりたいこと」に協力することにする。
人に興味を持てなかった「僕」が、純真で天真爛漫で明るく常に笑顔でいる桜良と触れ合うことで、段々と欠けていた心を補っていく。性格の真反対な2人は、お互いを尊敬し、憧れを持ち、お互いを必要とし始める。
まだ「恋」とも呼び合えない、純真すぎる程の2人の遠くて近い距離。桜良が亡くなる最後の瞬間まで、「僕」は桜良に関わりを持ち続けようとする。
映画『君の膵臓をたべたい(アニメ)』の感想・評価
声優初挑戦・高杉真宙の表現力に注目
2012年の『カルテット!』で映画主演を務めてからというもの、高杉真宙は怒涛の快進撃で視聴している者を魅了している。2017年には、主演を含め6本の映画に出演し、その中で第9回TAMA映画賞最優秀新進俳優賞や第72回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞を受賞するなど、数々の実績も残している。2018年は既に5本の映画に出演、連続ドラマの出演もこなすなど、大忙しの毎日を送っている。
『君の膵臓をたべたい』の主人公「僕」は、どちらかと言うと感情の起伏がなく、物静かで抑揚のない少年。感情表現が下手で、ヒロイン・桜良に惹かれるところはあるものの、上手に気持ちを伝えることのできない「僕」を精力的に活動している高杉真宙が、どのように演じてくれるのか、楽しみである。
明かされることのない「僕」の名。
『君の膵臓をたべたい』のオフィシャルサイトでも、「僕」の名前は明かされていない。原作を読んだファンは既にご承知だろうが、「僕」の名は物語の中でもキーポイントである。また、この後に記載しているぜひ観ておくことをお勧めする映画でも挙げているが、実写版の『君の膵臓をたべたい』でも、「僕」の名前は大いに重要視されているため、気になる人は調べてみてはいかがだろうか。
主人公に名前を付けない作品と言えば、古くは夏目漱石の『こころ』、有名なもので言えば村上春樹の『騎士団長殺し』の主人公も「私」視点で物語が進む。このように、敢えて主人公に名前を付けないことで、「僕」の視点=読者の視点に置き換える手法も小説ならではと言える。しかし、映画はどちらかと言うと第三者目線で鑑賞するもの。「僕」の立ち位置が鑑賞者に取ってどのような位置づけになるのか、気になるところである。
なぜ「君の膵臓をたべたい」のか?
残酷的で衝撃的なタイトルで、話題を掻っ攫って行った『君の膵臓をたべたい』だが、なぜ膵臓をたべたいと願うのか。「膵臓」という言葉から推測する通り、ヒロインの桜良が患っている器官は「膵臓」である。そして、誰が誰に対して「たべたい」と思っているのか。
このやり取りは、恐らく桜良と「僕」の中で交わされるやり取りなのであろうが、カニバリズム的なあまりに残酷な宣言とも取れるセリフに、物語の展開が期待できる。どこにでもいるような平凡な男子高校生が、余命僅かのクラスメイトの女子高生にできることを模索する友達以上恋人未満の関係の中で育まれる、お互いの「膵臓」に対しての思いが、劇中でどこに落ち着いてくるのか、結末まで2人の動向に目が離せない。
映画『君の膵臓をたべたい(アニメ)』の公開前に見ておきたい映画
君の膵臓をたべたい
今回と同名タイトルの映画で、こちらは実写映画化したもの。原作の12年後の「僕」を取り巻く世界を描いた作品で、原作ファンからは大絶賛の評価を得ている。原作の高校生時代は過去として扱われ、キャストもそれぞれ過去と現在で分けられている。
とりわけ、原作ファンの間で評価を得ていたのが12年後の「僕」を演じた小栗旬。原作では「僕」の名前は最後の最後まで明かされることはなかったが、映画では早々に「志賀春樹」と名が呼ばれている。春樹は高校を卒業した12年後、高校の国語教師となっていた。しかし、春樹の心は高校生時代のまま変わらず、人と接することを苦手とし、内気なまま。
桜良が亡くなる間際、桜良の親友・恭子のことをよろしくねと言われたものの、恭子とは未だうまく接することができず、恭子の結婚式の出欠も考えあぐねている。思い出されるのは桜良と過ごした日々。だが、高校生時代に残してきた問いかけを、過去を辿るうちに春樹は知ることになる。
小栗旬の自然体過ぎる春樹の演技は観客から絶賛を浴び、原作にはないストーリーも最後の最後まで魅了されてしまう。原作ファンが知りたがっていた、桜良が亡くなってからのその後のストーリーは、心温まる映画となっているため、ぜひ鑑賞をお勧めする。
詳細 君の膵臓をたべたい
リトルプリンス 星の王子さまと私
1943年に発表されて以来、世界中で今もなお愛されている児童書と言えば『星の王子様』ではなかろうか。内容を知らない人でも、その名を一度くらいは聞いたことがあるはず。『君の膵臓をたべたい』では、この『星の王子様』が作品のキーポイントとして扱われている。作者の住野よる自身も、『星の王子様』から影響されたと話しているほど。
『リトルプリンス 星の王子さまと私』は、『星の王子様』を現代風にアニメ映画化した作品である。監督は、『カンフー・パンダ』などを手掛けたマーク・オズボーンが担当し、原作のストーリーに則った上で、新たなストーリーを盛り込んでいる。主人公の少女の夢とも現実ともつかないような、不思議な体験を3Dアニメで表現し、子供だけでなく大人まで楽しめるロジックが所々に伺える。
『星の王子様』のお話を知らなくても、アニメ映画なので話がすんなりと入ってくる。原作者のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは、『星の王子様』のテーマに大人になっても子供の心を忘れないことと記している。『君の膵臓をたべたい』の作者・住野よるがなぜ『星の王子様』に拘ったのか。この映画を観れば、作者の物語に対する思いが分かるかもしれない。
カルテット!
2012年1月に公開された音楽映画『カルテット』。「音楽」を題材に、バラバラになってしまった家族を取り戻すべく、主人公の少年・永江開が奔走するハートフルな映画。この主人公を演じるのが、期待の新人として300人のオーディションから選ばれた高杉真宙。
音大出身の両親を持ち、才能に溢れる主人公の開少年だが、父親のリストラ・姉の自分の才能への嫉妬など、家族は問題を抱えている。唯一家族を繋げる「音楽」で、開は家族カルテットの結成を試みる。
映画制作時に東日本大震災が起き、その影響で撮影地の千葉県浦安市が液状化してしまうなどのトラブルに見舞われながらも、市の復興のために立ち上がった市民の支えによって映画は完成までこぎつける。高杉自身も、オーディションに合格するまではクラシックを聴いたこともバイオリンに触れたこともなかったそうで、撮影時は特訓の日々を重ねていた。そんな努力家の高杉の演技は、新人ながらに魅力を感じてしまう。甘めな表情と、繊細な指さばきをぜひ堪能していただきたい。
詳細 カルテット!
映画『君の膵臓をたべたい(アニメ)』の評判・口コミ・レビュー
君の膵臓をたべたい見終わり。結末をある程度知って見ましたが、なかなか良かった。闘病シーンや手記で語られるヒロインの気持ちなど、君嘘とか半月が好きな人は、くると思います #君の膵臓をたべたい
— しら 9/2_PPPライブ (@shira_ry) 2018年9月2日
君の膵臓をたべたいすごくいい作品だった
予想外だったしとても泣いた
劇中歌のsumikaもすごく良かった
地元の映画館が上映したらまた見に行きたいな pic.twitter.com/JXLifV0Y94— ヨーグルト@ZeppTour余韻 (@ClariS1104) 2018年9月2日
『君の膵臓をたべたい』
原作も読んで、実写映画も観たけど、泣けた。
sumikaの主題歌がめっちゃ作品を彩ってた。
ただ、始まりと終わりは…うーん。
原作を知ってる前提かな?
主題歌終わっても映画続くからまだ観てない人は気をつけて!特典の短編読むの楽しみ!#まちゃお802
— 無名の剣士@通知おかしい (@funky_823) 2018年9月2日
イオンで友達と映画見に行ってきたよ。[君の膵臓をたべたい]は、とても感動的だったなぁ。
今まで見てきたアニメの中で一番新鮮で感動できる作品だったと思う。
小説も読んでたけど、予想をはるかに超えてたから見に行ってよかった!
みんなも一日を大切にね❗️ pic.twitter.com/iPLAKfKb8T— Y.N. (@YN55132285) 2018年9月2日
というわけで、早速『君の膵臓をたべたい』を見てきた。実写版よりは原作に寄り添っていた。尺の関係で二人の会話の押収ははしょらざるをえないけど、うまくまとめられてた。そして、原作にも実写版にもない箇所があるけど、これはこれでよかった。
— ごーすけ (@gosuke12united) 2018年9月2日
映画『君の膵臓をたべたい(アニメ)』のまとめ
衝撃的なタイトルからは想像もつかない程の、心温まるハートフルラブストーリーが今作の最大の魅力と言っても過言ではない。更に、作中に何度も登場する『星の王子様』も、内容を知っているファンからしたら、思わず共感せずにはいられない程キャラクターの心境に浸ってしまう。アニメーション映画ということもあり、映像はとても豪華で何と言っても物語の肝になる「桜」のシーンは鮮やかで見事な仕上がりになっている。ただの人が死んでしまう物語とは違う、君の膵臓をたべたくなってしまう程に焦がれる2人の様子を、ハンカチを片手に劇場で見守りたい。
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