12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『子供はわかってあげない』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

田島列島による人気コミック「子供はわかってあげない」を上白石萌歌主演で実写映画化。父親を探しに行く旅をする女子高生の姿を、様々な出会いや恋の形とともに描く爽やかな青春のストーリー。

映画『子供はわかってあげない』の作品情報

子供はわかってあげない

タイトル
子供はわかってあげない
原題
なし
製作年
2020年
日本公開日
2020年8月20日(金)
上映時間
138分
ジャンル
青春
監督
沖田修一
脚本
ふじきみつ彦
製作
筒井竜平
吉田憲一
佐藤美由紀
久保田傑
製作総指揮
芳野峻大
キャスト
上白石萌歌
細田佳央太
千葉雄大
古舘寛治
斉藤由貴
豊川悦司
高橋源一郎
湯川ひな
製作国
日本
配給
日活

映画『子供はわかってあげない』の作品概要

水泳部に所属している女子高生が、ひょんなことから幼い頃に行方のわからなくなってしまった父親を探しに行くことになる。旅のなかでの経験や恋など、様々な出会いを通じて、ひと夏で成長していく少女の姿を描き出す青春物語。誰もが元気をもらい、自分の青春を思い出して前を向くことのできるストーリーとなっている。マンガ賞などで話題となった、田島列島による同名の人気コミックを実写映画化した。

映画『子供はわかってあげない』の予告動画

映画『子供はわかってあげない』の登場人物(キャスト)

朔田美波(上白石萌歌)
水泳部に所属する高校二年生。実の父親かららしき札が届いたことで、家族に内緒で会いに行こうと決める。
門司昭平(細田佳央太)
書道部所属。美波と運命的な出会いを果たす少年。
門司明大(千葉雄大)
性転換して女性になった、昭平の兄。形ばかりの探偵だが、美波を助けてくれる。

映画『子供はわかってあげない』のあらすじ(ネタバレなし)

水泳部に所属するのんびり屋の高校二年生、朔田美波は、屋上で書道部所属の門司昭平と出会う。昭平は部活をサボって、人気アニメの絵を描いているところだった。彼と話して意気投合し、美波と彼の関係がこれから発展していくのか…と思ったのも束の間に、彼女のもとに謎の札が届く。どうやら、消息不明の実の父親から届いたものらしい。

一緒に住んでいる今の家族には内緒で、美波は自分の父親に会いに行くことに決めた。性転換して女になり、探偵をしている門司の兄・明大の助けを借りながら、門司と二人で旅に出る美波。旅での色々な出会い、そして門司との恋のなかで成長してゆく彼女の、甘酸っぱいひと夏の青春ストーリーである。

映画『子供はわかってあげない』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『子供はわかってあげない』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。
映画『子供はわかってあげない』のネタバレあらすじ結末と感想
映画『子供はわかってあげない』のネタバレあらすじと感想。ストーリーを結末まで起承転結で分かりやすく簡単に解説しています。映画ライターや読者による映画感想も数多く掲載。

映画『子供はわかってあげない』の感想・評価

飛ぶ鳥を落とす勢いの上白石家の妹

近年、それぞれに活躍の場を広げる上白石姉妹の妹、萌歌が主演に抜擢された。彼女は屈託のない笑顔と、姉よりもスラッと背の高い身長がその最大の魅力であり、そして声優や歌手など幅広い分野で活躍する多才さも持つ。

元々は姉の応募する「東宝シンデレラオーディション」に自分も応募可能なことを知り、姉妹で応募した結果二人とも評価を受けたことが芸能界入りのきっかけだった。モデルからそのキャリアをスタートさせた後、現在も飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進を続けている。女優としては、「羊と鋼の森」にて姉の萌音と共演を果たし、同作にて日本アカデミー賞の新人俳優賞を獲得している。まだまだこれからの年齢とは言え、その演技力に期待できそうだ。

同名の原作作品

田島列島による原作「子供はわかってあげない」は、彼女の初連載作品である。コミックスは上下巻が発売されており、現在は完結済。大人と子供の間に揺れる、高校生たちのひと夏の青春物語を切り取って描いている。

ストーリーは、高校二年生のサクタさんがもじくんと出会った後父親に会いにいくという展開で、映画にもほぼ同じ状態で反映されているようだ。独特の味のある作風だが、「マンガ大賞2015」や、「このマンガがすごい!」「このマンガを読め!」など当時の話題賞に多数ランクインしており、多くの層にヒットした作品であることが伺える。映像化に際し、どういった表現になっているかを原作と比べるために、先に予習しておくのもいいかもしれない。

主演女優と原作を活かす布陣

さらに、人気原作と勢いのある女優の抜擢を殺さず、最良の形にまとめあげる本作の監督は、実力派の沖田修一である。彼もまた新人監督賞を着実に獲得してきたキャリアの持ち主だ。近年の長編映画作品では、「横道世之介」「モヒカン故郷に帰る」などどれも非常に評価が高い。既に実写映画化で実績を残しているため、本作の監督にあたるにも安心感がある。

得意とするのは人々の心や記憶にそっと寄り添い、温かい気持ちにさせてくれるような人情・青春を描き出すこと。ユーモアを交ぜつつも、最後にはきっと心がじんわりして劇場から笑顔で出てくることができる。既に多くのファンも彼を支持しており、その期待に応える安定した作劇をきっと本作でも発揮してくれることだろう。

映画『子供はわかってあげない』の公開前に見ておきたい映画

映画『子供はわかってあげない』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『子供はわかってあげない』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

横道世之介

吉田修一が書いた同名の小説を、本作と同じく沖田修一監督が実写映画化。タイトルの通り、お人好しで人当たりのいい青年・横道世之介が主人公となる。長崎から上京してきた後に彼が出会う人々と、彼との間に起こる様々なエピソードを描いてゆく、心温まるヒューマンドラマだ。

横道世之介を演じるのは高良健吾。世之介の人柄を非常に上手く表現しており、当たり役だと言える。物語中で彼が特に交流を深めるのは、吉高由里子演じる社長令嬢・与謝野祥子。大学に通いながら、彼は彼女との親交を中心として思い出を作っていく。全てのシーンから漂う青春の香りがたまらない、クスッと笑えて泣いて好きになれる、懐かしさにあふれた名作である。

詳細 横道世之介

羊と鋼の森

山崎賢人演じる主人公・外村がピアノ調律師に出会うことで人生が変わり、調律師を目指してゆくヒューマンドラマ。監督は橋本光二郎。音の世界に魅せられた彼が様々な人間と出会って道を進んでゆく様を描く成長物語で、久石譲や辻井伸行など、実際に音楽の部分に非常に力を入れて作られた作品でもある。

本作主演の上白石萌歌と、二歳離れた実の姉、上白石萌音が初共演を果たした作品であり、二人はピアニストの姉妹「和音」と「由仁」として、作中でも姉妹役を演じている。主人公の外村と出会うことで、彼の人生に大きな影響を及ぼすことになる重要な役だ。本作の直前に出演している作品の一つなので、彼女の新たな境地を見るにはうってつけかもしれない。

詳細 羊と鋼の森

未来のミライ

本作主演の上白石萌歌が声優として出演したアニメ作品。彼女が演じているのはミライちゃんのお兄ちゃん、くんちゃん。まだ赤ちゃんのミライちゃんばかり世話を焼く両親に戸惑い、感情を爆発させる4歳のお兄ちゃんである。未来からやってきた年上の妹・ミライちゃんと出会い、面白くないながらも少しずつお兄ちゃんとして成長してゆく。

今まで長男として両親の愛情を一人で受けていたくんちゃんが、ミライちゃんにその愛情を奪われたように感じ、ぐずる気持ちを声だけで表現することに成功している。演技においてはくんちゃんとの性別の違いよりも、自分が長女ではなく次女であるということが、役作りにおいては挑戦になったのではないだろうか。

詳細 未来のミライ

映画『子供はわかってあげない』の評判・口コミ・レビュー

映画『子供はわかってあげない』のまとめ

誰もが通る青春のなかで、日常から外れた冒険をした経験はあるかもしれないし、ないかもしれない。思い出すことがある人もいれば、そうではない人もいるかもしれない。様々な経験を持つ観客を、一様に幸せにすることは難しいが、それでも「共感」という形でほっこりさせる手腕を持つ映画であることは確かである。本作での甘酸っぱい空気感を感じて自らの青春に思いを馳せ、その感想を是非とも誰かと共有してほしいと思う。

みんなの感想・レビュー