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映画『花様年華』あらすじ・ネタバレ結末と感想

映画『花様年華』の概要:トニー・レオンとマギー・チャンが魅せる大人の純愛物語。隣人となった2人は互いの伴侶が不倫している事に気づく。ウォン・カーウァイ監督の2000年香港映画。撮影はクリストファー・ドイル。独特の映像美に注目。

映画『花様年華』 作品情報

花様年華

  • 製作年:2000年
  • 上映時間:98分
  • ジャンル:ラブストーリー、ミステリー、ファンタジー
  • 監督:ウォン・カーウァイ
  • キャスト:トニー・レオン、マギー・チャン、スー・ピンラン、レベッカ・パン etc

映画『花様年華』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

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映画『花様年華』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『花様年華』のあらすじを紹介します。

1962年、香港。新聞記者のチャウ(トニー・レオン)は、妻と共にアパートに越してきた。

同じ日、チャン夫人(マギー・チェン)も夫と共にチャウの隣りに住み始めます。

チャン夫人は日本で炊飯器を買ってきてもらう。日本製品がここでは人気だった。いつも夫の帰りは遅く、チャウの妻は夜勤に出ていて家にほとんどいない。

そんな2人が浮気をしているのでは、チャン夫人は疑う。夕方、チャウ夫人が屋台でスープを買った帰り道、チャンと偶然、すれ違う。
チャンは屋台で中華を食べた。

チャン夫人は、夫とチャウの妻が浮気している事実を掴んだ。シャワー室で泣いてしまう。
慰め合うように、チャン夫人はチャウと喫茶店で会い、互いの伴侶が好きなものを頼んだ。2人とも、ステーキだった。

ある日、チャン夫人はチャウの部屋を訪ねた。すぐに帰るつもりが、麻雀が続いていて帰れなくなってしまう。
ようやく朝、出てゆく。そこには、チャン夫人のスリッパが残された。

チャウは小説を書き始めた。その原稿料で家を借りたという。チャン夫人は、家に来ないかと誘われるが、一線を越えたくないと拒否するのだった。

やがて、2人は別れを決意。チャウが未練を残したくないので、シンガポールへ行くと言う。別れの練習をしながら、悲しくて泣いてしまう。

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映画『花様年華』 結末・ラスト(ネタバレ)

1963年。チャン夫人と別れた、チャウはシンガポールにいた。部屋にはあまり帰らない。
そのせいか、チャン夫人のスリッパが消えていることになかなか気づかなかった。彼女が僕の留守中にやってきたのだろうか?

1966年、香港。チャン夫人は、夫と別れて暮らし、スエンに久しぶりに会いに来た。スエンはチャン夫人の子供らしい。
これから船に乗り、アメリカに渡るという。

同じ頃、チャウはカンボジアのアンコールワットに滞在していた。遺跡を巡り、穴の開いた柱を見つけると、顔を近づけた。
何かささやいたように見えたが、誰にも分からない。その様子を修行中の少年僧が見つめていた。
そして、チャウは遺跡から姿を消した。

映画『花様年華』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『花様年華』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

大人のファンタジーとして楽しむ、濃密な98分

ウォン・カーウァイ監督の作品を観ていると、時のゆりかごに揺ら れているような気持ちになります。

過去の作品と似たモチーフや名前が出てきたりするので、時空を超えた力があるのではないかと思う。
しかし、物語の筋や人物をいくら追いかけても分からないのです。

この映画では、2つの不倫を描きながら、トニー・レオンとマギー・チャンが演じる2人をけだるく甘くかき回します。
結ばれたかどうかは重要ではない。ただ、恋する自分が好きというようなナルシストな匂いがします。

トニー・レオン演じる、チャウが小説を書き始めたところで、これはもう夢、理想の物語を綴っている のではないかと思います。
これは、ウォン・カーウァイ監督が仕掛けた壮大なファンタジーなのか?そう考えるのも、1つの見方です。

深く考えず、ゆったりして観ましょう・・するとだんだん、眠くなってきます。
フランス映画のように謎めいていながら、男女の機敏が鮮やかな色彩となって輝く。雰囲気と音楽だけで酔える映画なんです!

トニー・レオンのまなざし、マギー・チャンのくちびる

恋に落ちると、好きな人から目が離せなくなります。どこを見つめるのだろう?瞳、それともくちびる?

「花様年華」のマギー・チャンはこれまでのどの作品よりも美しい。チャイナドレスを着ると、その美しい体のラインに釘づけになります。

鮮やかな衣装を観るだけでもドキドキ。ウォン・カーウァイ監督が上手いと思うのは、2人を背中からカメラでゆったり、追うところ。
2人の孤独や満たされない、もやもやした想いがあふれてきます。また横顔をじっと映すカットも多い。ぜひ、マギー・チャンの表情に注目して下さい。

なんといっても、キュンとなるのがトニー・レオンのまなざしだと思う。
はっきり言って、演技が上手い方ではないけれど、年を重ねるにつれて、存在感が増してきたように思います。

ウォン・カーウァイ監督のミューズだから、きっと彼なしでは作品が成立しない!その色気が画面から沁みだしてくるのです!


エモい。とにかくエモすぎます。はっきりした答えが描かれるわけでは無いので、二人の関係は見ている私たちが推測するしかないのですが、作品全体に漂う甘くて気だるい雰囲気の虜になってしまった私は、全ての解釈を二人が結ばれるような形で考えてしまいました。
もしかしたら、お互いを愛しているというよりも、不倫をしたパートナーを咎めることもなく、自分も同じ道を進むでもなく、自分の力で立っている「そんな私」が好きなのかなと感じました。
甘く妖艶で濃密な雰囲気に酔いしれながら、ゆっくりと見てほしい作品です。(女性 30代)


この映画で描かれている時代の香港には、それ自体に独特の香りがあるのではないかと思う。東洋の街でありながら、どこか英国の影響が混ざる。しかし人々はバイタリティに溢れエネルギッシュ。
ウォン・カーウァイはそんな時代のノスタルジーを外国人にもわかりやすく魅力的に提示してくれる。映像やストーリーはどこかぼんやりしているかもしれないが、この作品にはそれが合っている。幻想的な雰囲気に酔いながら登場人物達の行く末を眺める時間が至福。(男性 40代)

映画『花様年華』 まとめ

ウォン・カーウァイ監督の世界は、一筋縄では語れない。まさにこの映画のように迷宮です!
観れば観るほど、分からなくなるし、登場人物と一緒に翻弄されてしまう。現実と似たもう一つの国というイメージで観ています。

初期のウォン・カーウァイ作品である、「欲望の翼」や「恋する惑星」も同じように、恋という病に振り回される若者達の姿を映していました。

ウォン・カーウァイ監督の常連である、トニー・レオンとマギー・チャンなら素晴らしい化学反応がこれからも期待できます。
この映画を 観て、気に入ったなら、「欲望の翼」や「恋する惑星」もぜひご覧下さい。

最後にトニー・レオン演じる、チャウはなぜ、カンボジアのアンコールワットに行ったのでしょうか?
私は、彼女の事が忘れられないので、もう1度逢わせて下さいと祈るためだったと考えています。

みんなの感想・レビュー

  1. 怪獣ブースカ より:

    この気だるいアンニュイな感じが全編を流れなんとも甘美な世界を作り出してる。私はトニーレオンの熱烈なファンだから彼の眼差しがポマードつけたオールバックが色っぽい。
    音楽もタルク素敵だ。