暴力団・菱口組最高幹部の側近だった矢能政男は、ヤクザを辞めて私立探偵として働いていた。矢能の相棒を務めているのは、小学2年生の黒木栞である。栞は訳アリで矢能が預かっている女の子だった。
映画『アウト&アウト』の作品情報
- タイトル
- アウト&アウト
- 原題
- なし
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2018年11月16日(金)
- 上映時間
- 106分
- ジャンル
- ミステリー
- 監督
- きうちかずひろ
- 脚本
- ハセベバクシンオー
きうちかずひろ - 製作
- 菅谷英智
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 遠藤憲一
岩井拳士朗
白鳥玉季
小宮有紗
中西学
酒井伸泰
安藤一人
渡部龍平 - 製作国
- 日本
- 配給
- ショウゲート
映画『アウト&アウト』の作品概要
原作者のきうちかずひろが、監督・脚本を担当している。主演を務めたのは、悪役からコミカルな演技まで幅広い役をこなす遠藤憲一。遠藤が演じた主人公の矢能政男は、元ヤクザの私立探偵で、ある殺人事件に巻き込まれる男である。そして、矢能は小学生の女の子を預かっており、その女の子を白鳥玉季が演じている。白鳥は映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』(18)や映画『永い言い訳』(16)などに出演している、現在活躍中の子役である。
映画『アウト&アウト』の予告動画
映画『アウト&アウト』の登場人物(キャスト)
- 矢能政男(遠藤憲一)
- 暴力団・菱口組最高幹部の元側近。現在は私立探偵。
- 池上数馬(岩井拳士朗)
- 殺し屋。矢能にある依頼を持ちかけた男を殺害する。
- 黒木栞(白鳥玉季)
- 小学2年生。訳アリで、矢能と一緒に暮らしている。矢能の相棒。
- 堂島哲士(成瀬正孝)
- 空手道場を経営している。議員が裏で起こしたトラブルを解決する役割を担う。鶴丸清彦の父の代から懇意にしている。
- 鶴丸清彦(要潤)
- 与党議員。矢能が依頼人が殺された事件を調査している際、名前が浮上してくる。
映画『アウト&アウト』のあらすじ(ネタバレなし)
矢能政男は暴力団・菱口組最高幹部の側近だった。現在はヤクザから足を洗い、小学2年生の黒木栞を相棒に私立探偵の仕事に就いていた。栞は矢能の子供ではなく、少し訳アリで預かることになった子供だった。
ある日、矢能は男からある仕事を依頼される。それは、取引現場に立ち会って欲しいというものだった。矢能は仕事を引き受け現場へと足を運ぶが、部屋にあったのは依頼主の死体だった。矢能が戸惑っていると、マスクを着けた人物に襲われる。その人物は拳銃を矢能に握らせ、指紋を付けた。
矢能は事件を調査することにした。それにより、依頼人が数年前にカンボジアで既に亡くなっていたことが判明する。さらに調査を進めると、与党議員の鶴丸清彦の名前が浮上してきた。知り合いの情報屋は、危険なことに首を突っ込もうとしている矢能を心配する。もし、矢能に何かあれば栞が1人になってしまうからだった。それでも、矢能は調査を止めようとはしなかった。
映画『アウト&アウト』の感想・評価
幅広い演技をこなす遠藤憲一主演映画
元ヤクザで私立探偵という特殊な設定の主人公を演じるのは、悪役からコミカルな役まで幅広い演技をこなす遠藤憲一である。北野武の初映画監督作品『その男、凶暴につき』(1989)では麻薬の売人を演じ、木村祐一監督の『ニセ札』(09)では悪役とは真逆の裁判官を演じている。
本作品では殺人事件が起き、主人公の矢能政男が巻き込まれることになる。矢能は元ヤクザの男らしく凶悪な雰囲気を漂わせており、事件を調査するときに脅すことも厭わない恐ろしい男である。しかし、一緒に暮らす小学生の女の子のことをとても大切にしている、愛情深い一面も持ち合わせている。恐ろしい雰囲気と優しい一面、それが遠藤憲一の雰囲気にピッタリと合っており、「矢能政男」という男を魅力的に見せている。
多彩な顔を持つ原作者・木内一裕
本作品は2009年に講談社から発売された木内一裕原作の小説、『アウト&アウト』を元に作られている。原作者の木内は、本作品の監督・脚本にも携わっている。木内は小説家として活動している以外に、映画監督・脚本家・漫画家としての顔も併せ持っている。木内が監督として携わった作品は、竹中直人×小泉今日子が出演した映画『共犯者』(1999)や、渡瀬恒彦が主演を務めた『鉄と鉛 STEEL & LEAD』(1997)などがある。また、1983年から2003年まで連載されていた漫画『BE-BOP-HIGHSCHOOL』は映画化やドラマ化もされており、木内の作品内でも特に人気が高い。
木内の小説家デビュー作『藁の楯』は、三池崇史が監督を務め映画化されている。大沢たかおと松嶋菜々子が警視庁警備部SPを演じ、藤原竜也が懸賞金を懸けられた殺人犯を演じたことで話題を集めた。
脚本家・ハセベバクシンオー
原作者の木内一裕と共に脚本を務めたのは、ハセベバクシンオーである。ハセベバクシンオーは人気連続テレビドラマ『相棒シリーズ』の脚本にも携わったことがあり、スピンオフ作品として映画が公開された『相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿』(09)の原作小説『鑑識・米沢の事件簿〜幻の女房〜』を執筆している。また、小説『ビッグボーナス』で、「第2回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞&読者賞」を受賞している。『ビッグボーナス』はギャンブルとミステリーが組み合わさった大人向けの話になっている。
最近では、阿部寛が主演を務めた映画『疾風ロンド』で、吉田照幸と共に脚本を担当している。また、テレビ朝日系列の連続テレビドラマ『警視庁捜査一課9係』の脚本も携わったことがある。
映画『アウト&アウト』の公開前に見ておきたい映画
うさぎ追いし〜山極勝三郎物語〜
遠藤憲一主演作品。日本で人工癌研究のパイオニアとして有名な、山極勝三郎の生涯を描いた作品。山極は大正時代に人工的な癌の発生実験を成功させており、「ノーベル生理学・医学賞」にノミネートされている。現在の癌研究にもこの山極の研究が生かされており、後世に多大な影響を与えた人物と言える。近藤明男が監督を、篠原高志が脚本を担当している。
100年前、世界が驚く実験を成功させた男がいた。山本勝三郎は町医者・山極吉哉の娘かね子と結婚し、婿養子に入った。勝三郎は吉哉の跡を継ごうと思っていたのだが、大学を卒業した後勝三郎が目指したのは病理学の道だった。勝三郎は「癌を作ることができれば、癌は治せる」という言葉を胸に、兎を使い癌の研究を行った。
詳細 うさぎ追いし〜山極勝三郎物語〜
鉄と鉛 STEEL & LEAD
きうちかずひろ監督の代表作で、監督・脚本を務めた作品。渡瀬恒彦が主演を務め、成瀬正孝が共演している。渡瀬は土曜ワイド劇場で放送されていた人気ドラマ『タクシードライバーの推理日誌シリーズ』で主演を務めていた俳優である。成瀬は『アウト&アウト』にも出演しており、議員の裏のトラブルを解決する男を演じている。
探偵はある女性から人探しの依頼を受ける。無事に男を探し当て、探偵は依頼人の女性に報告した。だが、その女性が探し当てた男を殺害するという事件を起こしてしまう。殺された男は、浜健組組長の1人息子・浩一だった。しかも、浩一の妻が夫の死にショックを受け、流産しかけてしまう。結局その子供は助からなかった。組長は息子と孫の死を深く悲しみ、探偵を殺害することを決める。
詳細 鉄と鉛 STEEL & LEAD
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ミステリー映画。「第68回カンヌ国際映画祭・コンペティション部門」に出品された作品。ドゥニ・ヴィルヌーヴが監督を務めた。ヴィルヌーヴは1982年に公開されたハリソン・フォード主演映画『ブレードランナー』の続編に当たる、『ブレードランナー 2049』の監督を務めた人物である。『ヴィクトリア女王 世紀の愛』(09)で「バンクーバー映画批評家協会賞・主演女優賞」を受賞した、エミリー・ブラントが主演を務めた。
メキシコ国境の町「フアレス」。そこは、麻薬と汚職でまみれた無法地帯だった。FBI捜査官のケイトは、フアレスでの麻薬捜査特別チームに加わることになった。この町で麻薬捜査をすることは、町全部を敵に回すことを意味していた。誰も信じることができない状況で、ケイトは命を懸けた捜査を行わなければいけなくなる。
詳細 ボーダーライン
映画『アウト&アウト』の評判・口コミ・レビュー
【映画】アウト&アウト
まじか、アウト!笑
遠藤憲一が演じるだけに確かにクールだが期待通りにはいかないもんだな。、
わかりやすい展開に込み上げるものもなかった。
ただ、政治界の悪に対するものは良くて、遠藤憲一と白鳥玉季ちゃんの関係はホッコリしたな〜 pic.twitter.com/uIXCtAFP3Z— NYcinema (@YcinemaN) 2018年11月16日
『アウト&アウト』観賞終了しました。
昨日酷評されていた程、酷くは感じませんでした。
凄く良いって程でもありませんでしたが…
昨日、今日と映画に出てくる子役の子が可愛らしい、頭なでなでしたくなる…(変態ではありません— ヤマタノ カツミ (@GBsinsinkan) 2018年11月17日
アウト&アウト
音タコに肩を並べるダメダメ映画
全てにおいて安っぽいドラマだとしても酷すぎる金の無駄
事あるごとに台詞で説明する下手さ、唐突すぎるアクション諸々監督の腕の無さを遺憾無く発揮するポンコツぶり
良い所を探そうと思ったら1日かけても難しいだろう
この脚本は中学生が書いたのか、 pic.twitter.com/ObDj0Nrcgb— nok (@05chan0505) 2018年11月16日
「アウト&アウト」鑑賞
良くも悪くも,粗っぽさが目立つ和製ハードボイルド映画。
冒頭は良い感じで始まったのに,説明台詞っぽくて気になる箇所があったり,一部の演者さんの演技レベルが残念だったりしましたが,終盤訪れるテイストの変化に「なるほど”こっち方向”のエンターテイメントか」…と妙に納得— ユーフォニア・ノビリッシマ (@scv19731989) 2018年11月17日
「アウト&アウト」悪人と幼女しか出てこない映画なんですけど(ガチ)、マジで良かった……冒頭からカッコイイの暴力では?って感じだしもう途中からあ〜〜〜好き〜〜〜〜!!!!ってなってた ありがとうという気持ち…観て…
— 廻 (@mekuru007) 2018年11月17日
映画『アウト&アウト』のまとめ
最近では連続テレビドラマ『民王』や映画『妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』などコミカルな役が多い遠藤憲一が、本作品ではおっかない元ヤクザの男を演じている。粗野でぶっきら棒な男の役が遠藤憲一に合っており、見ていて安心感がある。そんな主人公の相棒が小学生の女の子というのが、他にはない設定でおもしろい作品である。この女の子がいることで、主人公の男がただ冷たいだけの男ではないと感じられるところが良かった。
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