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映画『ポップスター』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

ナタリー・ポートマンが製作・主演を務める、とあるポップスターの人生を描く一作。多くの賞賛を受ける一方で炎上も経験し、波乱のなかで生き続ける女性を美しく、鮮烈に描き出す。

映画『ポップスター』の作品情報

ポップスター

タイトル
ポップスター
原題
Vox Lux
製作年
2018年
日本公開日
2020年6月5日(金)
上映時間
110分
ジャンル
音楽
監督
ブラディ・コーベット
脚本
ブラディ・コーベット
製作
クリスティーン・ベイコン
ダビド・イノホサ
ブライアン・ヤング
ゲイリー・マイケル・ウォルターズ
ロバート・サレルノ
ミシェル・リトバク
スベトラーナ・メトキナ
デビッド・リトバク
製作総指揮
ナタリー・ポートマン
ジュード・ロウ
シーア
ジョシュア・スローン
マーク・ギレスピー
ロン・カーティス
キャスト
ナタリー・ポートマン
ジュード・ロウ
ステイシー・マーティン
ジェニファー・イーリー
ラフィー・キャシディ
製作国
アメリカ
配給
ギャガ

映画『ポップスター』の作品概要

シークレット・オブ・モンスター』(15)のブラディ・コーベットが監督する、ステージの上で生き続ける女性・セレステを描いた音楽系映画。トップスターの華やかな世界とその裏の苦悩をセンセーショナルに表現する。鬼気迫る演技にも定評のあるナタリー・ポートマンが主演をし、且つ製作にも関わっている。人気アーティスト・Siaの手がけた楽曲や、華やかな衣装によるビジュアルからも、製作陣の本気が伝わってくる。

映画『ポップスター』の予告動画

映画『ポップスター』の登場人物(キャスト)

セレステ・モンゴメリー(ナタリー・ポートマン)
銃乱射事件で生き残った子供。追悼曲を作ったところそれが大ヒットし、スターの道へ進むことになった。
エレノア・モンゴメリー(ステイシー・マーティン)
セレステと一緒に追悼曲を作った、セレステの姉。
プロデューサー(ジュード・ロウ)
セレステの才能を見出したプロデューサー。その手腕は超一流。

映画『ポップスター』のあらすじ(ネタバレなし)

セレステが子供の頃に遭遇したのは、クラスメイトによる銃の乱射事件だった。自らも死にかけて生還したというその経験から、姉のエレノアと一緒に追悼曲を作る。追悼曲は世間に受け入れられ、大ヒットとなった。敏腕プロデューサーの目にも留まり、スターダムへ駆け上がることに。

そんな彼女の数奇な人生に待ち受けていたのは、スキャンダルだった。活動休止になっていたセレステは、再びステージへと戻るためにカムバックツアーを予定していた。全てを賭けたツアーに挑もうとしていた時に、過去の事件の模倣と言える事件が発生する。トラウマで混乱するセレステ。しかし、このツアーは必ず成功させなくてはならない。色々な想いを抱えたままで、彼女はステージへと足を踏み出した。

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映画『ポップスター』のネタバレあらすじ結末と感想
映画『ポップスター』のネタバレあらすじと感想。ストーリーを結末まで起承転結で分かりやすく簡単に解説しています。映画ライターや読者による映画感想も数多く掲載。

映画『ポップスター』の感想・評価

Siaが手がけた楽曲

この映画でナタリー・ポートマン演じるセレステが歌う楽曲は、人気アーティストのSiaが作曲した。Siaはオーストラリア出身のシンガーソングライターで、イギリスで爆発的な人気を得た。彼女は長年、顔を隠して素顔を晒さずにいたことで有名で、その理由としてはスターとしての自分と、私生活の自分を切り離したいのではないかとも噂されていた。

スターとして生きていく自分の顔があることで、人生がよくもなり、悪くもなり得るということを、身を持って知っているSia。その彼女がこの映画のために新たに書き下ろした楽曲が使われているということは、彼女にも思うところがあったのかもしれない。そして、それが映画の魅力・説得力の一つとなっているに違いない。

演技に立体感をもたらすナタリーの才能

その生い立ちから生まれる説得力だけではなく、ナタリー・ポートマンには様々な才能がある。演技力はもちろんのこと、特筆すべきはダンス、アクションなどである。

ブラック・スワン』(10)で披露したバレエのシーンはほとんど全てをナタリーが演じている。また、アクションシーンでもスタントを使わない場合が多い。もし女優になっていなければ、アスリートとしてもやっていけたと言われる程の身体能力を持つ、まさに才色兼備な女優である。

この映画では、身体能力だけでなく歌唱力をも披露することとなった。実に6カ国語を話せることや、役作りのための体重操作など、画面に映らない部分でも相当な努力をしてきている彼女が、この映画で新たに見せてくれる才能に期待をしたい。

子役からスターとしての道を歩んできたナタリー

ナタリー・ポートマンは、2000人のオーディションを勝ち抜き『レオン』(94)にて脚光を浴びた。当時まだ少女だったナタリーだが、その後は学業を優先し、常に成績優秀な状態を維持して来た。人気が出れば出るほどその反面、普通の生活が送れなくなる芸能界において、自分自身の人生をも諦めなかったナタリーがこの映画に抜擢されていることが面白い。

この映画の主演に始めに起用されたのは『ドラゴン・タトゥーの女』(11)などで有名な女優、ルーニー・マーラだったが、彼女は降板することとなったためにナタリーが役を与えられた。ルーニーは子役出身ではないが、『ドラゴン・タトゥーの女』で演じたリスベットのような、個性溢れる役をも自在に演じることができる女優である。実現はしなかったものの、こちらのバージョンもまた、面白かったのではないだろうか?

映画『ポップスター』の公開前に見ておきたい映画

映画『ポップスター』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『ポップスター』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

ブラック・スワン

本作と同じく、ナタリー・ポートマンがステージ上の女性の人生を描いた作品。鬼気迫る迫真の演技で話題となり、アカデミー主演女優賞をはじめ、数々の賞を受賞した。ほぼ全てのシーンをナタリー本人が演じたという狂気の説得力が感じられ、受賞の事実を裏付けしている。純粋にバレエの演技の素晴らしさも、この映画の魅力の一つである。

舞台上での敵は外にあるのではなく、最終的には自分の精神の中にある。その美しさと恐ろしさを映画という形で打ち出すと、人々はそこに共感し、憧れるのだろう。本気であるが故に陥る場所をサスペンス調に描くことで、それがより浮き彫りになっていた。ナタリーの代表作と言っても過言ではないだろう。

詳細 ブラック・スワン

シークレット・オブ・モンスター

ブラディ・コーベットが監督として2016年に発表したこの映画は、『ポップスター』と同じく一人の人物に着目し、どうやってその人物が完成していったのかを描く物語となっている。一般的にはノンフィクション映画で使われるこういった描き方でフィクション映画を製作する手法が取られているのは、コーベットの独特な感性によるものだと言えるだろう。

映画の各所に「いずれ独裁者になってゆく男の片鱗」が散りばめられ、かわいらしい少年の抱える闇が表現されていく。また、美しい屋敷に住む美少年の姿を通して、耽美な世界観を味わうことができる。世界観の美しさを感じる楽しみは、新作にも期待できるのではないだろうか。

詳細 シークレット・オブ・モンスター

アリー スター誕生

批評家によって、本作と対極に位置する作品と名を挙げられた映画。テーマとして取り上げられているものは本作とも似通っているものの、『アリー』の明快な描き方とは対照的に、抽象的な描写をされているのが本作の特徴だ。これは短所でありながらも個性であり、あるいは長所と捉えられなくもない。

主人公のアリーを演じるのは人気絶頂のアーティスト、レディー・ガガ。『ボヘミアン・ラプソディ』などの話題になった音楽映画に全く引けを取らない配役がなされており、圧巻である。才能をそのまま映画に落とし込んだような歌声を堪能することができるため、こういった作品に果敢に立ち向かうコーベット監督の意欲、ナタリー・ポートマンの才能に注目しておきたい。

詳細 アリー スター誕生

映画『ポップスター』の評判・口コミ・レビュー

映画『ポップスター』のまとめ

本気度の高いキャスティング、シナリオを用意し、独特の世界観で味付けするブラディ・コーベット監督の描き出す、リアルながらファンタジックな物語である。あまり類を見ない仕上がりになっているだろうことが、今から待ち遠しい。近年、大作映画への出演が少ないナタリーがこれからのキャリアの一ページとするには、なかなか面白い選択だったのではないだろうか。きっとスターの生きる世界にどっぷりと浸かれることだろう。

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