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映画『リング0 バースデイ』あらすじネタバレ結末と感想

映画『リング0 バースデイ』の概要:大ヒットホラー映画『リング』の続編『らせん』に続く作品であり、鈴木光司原作の小説になぞらえた作品としては、完結編にあたる。原作は、小説集『バースデイ』に収録されている「レモンハート」である。主演は仲間由紀恵。

映画『リング0 バースデイ』 作品情報

リング0 バースデイ

  • 製作年:2000年
  • 上映時間:99分
  • ジャンル:ホラー
  • 監督:鶴田法男
  • キャスト:仲間由紀恵、田辺誠一、田中好子、麻生久美子 etc

映画『リング0 バースデイ』 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★☆☆☆
  • 映像技術:★★☆☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

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映画『リング0 バースデイ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『リング0 バースデイ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『リング0 バースデイ』 あらすじ【起・承】

舞台は『リング』の事件が起きる30年前の設定である。18歳になった山村貞子は、東京で女優を目指して劇団「飛翔」に所属していた。

ある日、「飛翔」の看板女優であった葉月愛子が謎の死を遂げる。その代役になった貞子だったが、劇団員たちは貞子が入団してきてから奇妙なことが続いているのも相まって、葉月の死に貞子が関わっているのではと疑いの目を向け始める。そんな中、音響の遠山博だけは貞子をかばってくれた。貞子の不思議な力を知っても、遠山は自分を愛してくれることが分かり、貞子もまた遠山に惹かれていった。

同じ時期、かつて山村志津子の公開実験において、記者であった婚約者を亡くすという過去を持つ宮地彰子は、婚約者が死んだのは志津子の娘、貞子のせいなのではないかと思い、ずっと調査を続けていた。宮地は、貞子の通っていた小学校の教師の話から、貞子はもう一人いるのではないかという考えにいたる。そして、山村貞子が東京にいることを突き止め、追ってくるのだった。なんとか貞子に復讐したいと考えている宮地は、貞子が「飛翔」の演劇で主演を務めることを知る。

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映画『リング0 バースデイ』 結末・ラスト(ネタバレ)

宮地は、「飛翔」の公演の最中に、貞子がかつて山村志津子の公開実験の時に人間を呪殺していたという事実を観客や劇団員たちに暴露する。葉月の死にずっと疑いを持っていた劇団員たちは、その事実を知って恐怖にかられ、楽屋で貞子を殺してしまった。しかし、宮地がもう一人の貞子の存在を劇団員たちに告げると、彼らは全てを終わらせるためにもう一人の貞子を殺しに向かう。それは貞子の保護者である伊熊平八郎のもとだった。伊熊は、かつて貞子が二人に分離したこと、片方は普通に育ち、片方はまだ少女の姿のままで監禁しているというのだ。しかし部屋には誰もおらず、伊熊は(普通に育った方の)貞子を連れてきたのかと驚愕する。

そのころ、貞子は遠山の車の中で息を吹き返す。一緒に逃げようという遠山に対して、私から離れてと告げる貞子。森の中で、貞子を追う白い服の少女がいた。いつしか貞子はひとつになり、もう一人の貞子に身体を乗っ取られた貞子は、傍にいた遠山のことを殺してしまった。

劇団員たちを、手を触れることなく殺していく貞子。宮地もまた同じだった。全員を殺した後我に返って泣きじゃくる貞子のもとに現れたのは、伊熊である。伊熊は、もう終わりにしようと貞子を井戸に落とした。遠山との幸せな日々を思い出しながら、泣き叫ぶ貞子。彼女の頭上で、ゆっくりと井戸の蓋が閉じられた。

映画『リング0 バースデイ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『リング0 バースデイ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

『リング』続編としては最も『リング』らしい作品

シリーズは大人気作品であるため、様々な作品に展開されている。続編は『らせん』もあるし『リング2』もある。鈴木光司の小説をきちんとなぞった続編は『らせん』だが、こちらは小説の『ループ』と合わさってやっと話が成り立つため、単品で見ると恐らく意味不明になってしまう。また、小説の『リング』と映画版は違うので、その差異にあまり配慮無く作られている『らせん』は映画版のよさを台無しにする点が多かった。それに比較すると、本作は映画版『リング』とほぼ打ち合うことなく成立しており、また小説の退廃的な雰囲気もきちんと表現できているように思う。もちろん独立しているのでこれを見なくても『リング』自体は楽しめるが、同じように本作だけでもストーリーとしては成り立っている。

貞子に顔がある

『リング』の恐怖は、貞子というキャラクターが得体の知れない怪物のようであり、同時に人間のようでもあるという点に集約されている。しかし、このバースディでは仲間由紀恵が演じているように山村貞子という一人の人間が確かに生きているのがわかる。それはある意味恐怖を軽減する効果もあるし(ハリウッド版のリングのサマラは、あっさり顔がわかるのであまり怖くない)、反面、山村貞子の不遇な人生を見ることで日本人独特の「かわいそう」の気持ち、また「怨念」の出どころがわかって、よりいっそうシリーズに深みが増すともいえる。ラストの、生きているのに、井戸の蓋が閉まっていく中、貞子の絶叫が響くシーンは何度見ても怖い。この怖さが貞子を生み、このあと起こる悲劇を知っているからこそさらに怖い。

映画『リング0 バースデイ』 まとめ

シリーズファンとしては、『らせん』や『リング2』があまり納得のいく出来ではなかったのに比べ、まだ許せる、といったところか。ただ、ずさんな点や端折られた点も多々ある(なんせ長編のシリーズ小説を映画にまとめるのは至難の業だ)ので、第一作目『リング』ほどは、シンプルに没頭することはできないかもしれない。それでも最後の一人ずつ殺していくシーンは圧巻の恐怖だし、井戸の底で貞子が泣き叫んでいるのに蓋が閉まっていくシーンは、どんな虐殺シーンより「怖い」と思うのではないだろうか。

関連作品

次作 貞子3D
前作 らせん
前作 リング2

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